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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

制作プロットのメモ「雨竜島・2」

第三部マレヒト@第六章「雨竜島・2」プロット

日付は全てストーリー上の架空の旧暦のもの

■09/22■

カモさん一行、および、カラス忍者メンバーのハイタカ、リョウ、タスキ揃って、雨竜島の西海岸へ駆けつけた。時間帯は昼下がりの頃。満潮の刻が終わり潮流反転が始まりかけ。

西海岸は護岸工事メンバーが最も多く集められている場所。地盤沈下が最も激しくなっている。雨竜島の護岸工事エリアは、地盤沈下の程度に応じて、甲区・乙区・丙区と区分け。

工事監督は胡乱な人買い・カボチャドクロの刺青のある親分。カモさん、親分と押し問答。越国出身の若いのが居る筈。親分、できるだけ人員を失いたくないので、人員管理担当の子分と一緒になって、攻撃的になったり、すっとぼけたりする。

護岸工事の人員は、奴隷的な扱い。休憩用の環境もよろしくない。廃屋さながらの掘っ立て小屋。まともに煮炊きできる設備があるかもアヤシイ。いまは秋の半ば、九州エリアはまだ暖かいが冬になったら間違いなく凍える。

カモさん抗議。親分、いきり立つ。ケンカ腰。火花が散り始めたタイミングで、雨竜島の群発地震のひとつが発生し、皆々で驚く。

親分が「穴猫」と呼ぶ妖怪テイストの大きな黒猫が割り込む。鏡の近くを跳ねる。親分ギョッとし、子分と共に足場を別の位置に。

直後、鏡の周りで地盤が裂けて割れる。地殻変動の一種。沈降の穴ができて海水が侵入。皆で仰天、あわてて避難。鏡は逃げ遅れたが、忍者リョウが素早く救出。

工事メンバー、素早く沈降の規模を測定。随分と深い。尺で数えるレベルに到達している。

それぞれに大変になったので、押し問答を切り上げ。カモさん、退去前に「越の国の若者に何かあったら許さん」と、親分を脅しておく。親分、ガチでビビる。

夜、雨竜島の竜宮城。聖麻貴族と大銭屋たちが参加する宴会。

聖麻王は雨竜島の芝賀長官と面識がある。昔の聖麻の亡命時に、雨竜島へ一時的に滞在したことがある。大銭屋、下心あって、聖麻王族にこびへつらう。

宴会場の裏では、金斑グループが控えている。欠き眉の豹、宴会の様子を観察し、冷笑。聖麻が持っていると思い込んでいる「神様の思し召し(契約の箱に関連)」は本当は我々金斑のモノ、と呟く。

カラス忍者ハイタカ、リョウ、タスキ、宴会場を偵察。聖麻王子ユカルが出て来たので、人相をじっくり観察。リョウと双子のようによく似ている。一応、同じ年頃の血のつながった従兄弟同士なので。

リョウが聖麻王子ユカルを殺して乗っ取れば、ユカルの振りをして、中興の祖として、大陸における聖麻王国の復活を手掛ける事も可能。どうするか?リョウの決心は、鬼ノ城の問答の時から変わらず、鏡の友人の立場を貫く。

再び、雨竜島の群発地震。宴会場が揺れるが、目立った被害はナシ。宴会場では、天下が入れ替わる予兆として、聖麻王族こびへつらいが続く。

大銭屋、会場を退出。裏側で欠き眉と密談。欠き眉、ユカル王子の人相に気付き、忍者リョウとのつながりに思いいたる。

■09/23■

早朝。瀬都兄と話すチャンスを窺うべく作戦開始。カモさん、怪しげな薬を合成。カモさん一行、様子を見てドン引き。

玉村家の話が出る。長女・波津、長男・秀太、次女・瀬都、三女・三葉。九鬼メンバーの元・山伏の迫さん「欠き眉は罪深いことをしましたな」と感想。

やがて朝食の刻。雨竜島の群発地震あり。大潮の日が近づくにつれて震度が上昇している。

薬が完成し、雨竜島の西海岸へ赴く。昼時に近い。西海岸では相変わらず、大勢の護岸工事メンバーが労働中。満潮の刻は工事どころでは無いので休憩となるので、そこで秀太を確保する予定。

カモさん、休憩用の掘っ立て小屋に忍び込み、昼食に薬を盛る。怪しげな煙「心配するな、毒では無い」と保証するが、あまりにも妖しい雰囲気なのでカモさん一行はドン引き。

護岸工事の方では、不自然にカラスが多く鳴いている(実は、余計な珍事が起きないよう、カラスたちが見張っている)。突発事件は起きないまま、護岸工事メンバー、無事に食事と休憩に入る。

瀬都の兄、特に名指しの薬が効いて、眠れなくなる。そこへネコマタ・ハイネが誘惑作戦を仕掛ける。ネコマタ・ハイネに連れられて、瀬都兄、フラフラと外出。

カモさん一行との秘密の会談場所。瀬都兄、瀬都を知っていると説明する不思議なメンバーたちに驚く。カモさんからいろいろ説明され、非現実的な気持ちになる。夢見心地のまま、瀬都兄、最近の身辺について事情説明。

大きなアヤシイ黒猫が要点と判明、カモさん、ひそかについて来ていた黒猫に声かけ。黒猫、正体を現す。人買い猫仮面の猫太夫。ネコマタ・ハイネと同族。尻尾の数は7本。

瀬都兄、驚きの余り失神。会談終了。その後、黒猫ナナオを密談。天才呪術師・猫仙人の最期の事情や、謎かけなど。欠き眉のポジションについても再考。

夕方、宿へ戻る。鏡、いろいろ考え込み、落ち込む。道連れのアザミ衆・イオがやって来る。

イオが追っている謎について、鏡、さらなる検討。欠き眉のポジションが或る程度つかめて来たので、その要素も入れて予測。雨竜島で起こる事は神話的な事らしいと当たりを付ける。

夜。雨竜島の竜宮城。

聖麻王族に特別に割り当てられている部屋。聖麻王と大銭屋が会談。やがてユカル王子が不在。聖麻王、探す。大銭屋が「城下町の視察」と回答。

実は、ユカル王子は遊び人な性質で、視察ではあるが花街のほうで遊んでいる状態。

この情報をもたらしたのは、裏に控えている金斑のグループ。リーダー欠き眉、訳知り顔で大銭屋と冷笑。大銭屋と別れた後、欠き眉、今後について検討し始める。

深夜、雨竜島の群発地震あり。

花街のほうで遊女とよろしくやっていたユカル王子、ビックリして起きる。エビス狛犬キジムナー石像&祠についての話題になる。赤く塗ると恐ろしい事が、という伝説を知る。聖麻が滅んだころ、と遊女たち噂する。列島の都が燃えたのもその頃。

さらに夜が更ける。

ユカル王子、深夜に歩き回る。城門前のエビス狛犬キジムナー石像&祠を見物。何やら考え始める。

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制作プロットのメモ「雨竜島・1」

第三部マレヒト@第五章「雨竜島・1」プロット

日付は全てストーリー上の架空の旧暦のもの

■09/15■

カモさん一行、引き続き湯治を兼ねて道後温泉で1日、休養。
(この部分は前の章「宮島厳島」に含める形でも良いかも)

■09/16■

朝、ビックリするような大きな地震。幸い被害なし。出発の準備。

道後温泉を出発。松山港へ。(古代は熟田津の港だったらしい?)

■09/17■

松山港から佐田岬へ。潮待ち。

四国・最西端:佐田岬(さだみさき)愛媛県、三崎港
九州の対岸(最寄り):関崎(せきざき)大分県、佐賀関港

豊予海峡、直線距離13.5km
古称:速吸之門(はやすいのと)、速吸瀬戸(はやすいのせと)
大潮最大流速=北流5.9ノット、南流5ノット
航路案内(記紀)>国ツ神・椎根津彦(しいねつひこ)

■09/18■

未明、佐田岬を出港。潮流に乗って一気に雨竜島へ。

速吸の瀬戸を通過。

翌日、午前半ば、雨竜島へ到着。港に停泊、上陸。雨竜島の湾岸あちこちで地盤沈下が激しく、無事な船着き場が少ないため混雑。

城門の近所の城下町広場、エビス=キジムナー=狛犬っぽい石像&祠がある。鏡、興味を持ってしげしげと眺める。通行人が気付き、面白がって、エビス=キジムナー=狛犬っぽい石像に関する簡単な俗信を説明。「イタズラして、エビス=キジムナー=狛犬を赤く塗ると、恐ろしい事が起こるらしい」

地盤沈下について住人に尋ねると、ここ数ヶ月で急に進行したと分かる。直近で特に大きく沈降したのは、旧暦8月台風のころ。雨竜島では8月1~2日ごろ。

なお、道成寺の怪異が起きたのは8月2~3日ごろなので、同じ台風が関与したと分かる。タイミングは合っている。雨竜島では台風の通貨と共にビックリするような強い地震があり、それで地盤沈下した。それ以来、沈降速度は増大しているようだ。

雨竜島の丘の上(最も標高が高い位置)には竜宮城とも称される雨竜島の役所がある。竜宮城というくらいに煌びやかなのは、長年、長官として権勢をふるっている芝賀長官の好み。なお、前回の雨竜島海戦で、カモさん暗殺を試みていたという経緯がある。

夜間、雨竜島の城下町、九鬼ご用達の宿に宿泊。夜間、揺れや規模は弱いが、シッカリとした地震あり。

夕食後、カモさん、こっそりと忍者ハイタカの報告を受ける。瀬都の兄は、連絡のあった場所から行方不明になっているが、雨竜島に来ていると言うのは確実。何故なら、雨竜島の沈降に対応するための埋め立て工事で人員増強がいっそう必要になっていて、瀬都の兄も駆り出されたため。人身売買を経由していて、ほとんど奴隷扱い。

■09/19■

カモさん手先の忍者メンバー、瀬都の兄を捜索。目下、見つからず。

雨竜島の満潮の刻=11:00頃。中規模の地震あり。鏡、ギョッとしながらも推理し始める。海岸の方では、大勢の作業員が集まって護岸工事をつづけている。

城門の近所にある城下町の広場(よく市場になる、人通りが割とある)の一角を通る。エビス=キジムナー=狛犬の石像&祠。鏡、近づき、違和感を覚える。だが、忍者リョウに問われても、その違和感の正体が分からず。

しばらくして、市場で用事を済ませた鏡父が来る。忍者リョウ、素早く身を隠す。鏡父、鏡に、違和感の件を聞き、エビス=キジムナー=狛犬の石像&祠を観察。経験の長さでもって、当たりを付ける。

鏡父、鏡に、鉛直線を引くよう助言。鉛直線を引くと、石像&祠が明らかに傾斜している。普通は、このように設置しない。つまり、最近になって、雨竜島の地盤そのものが傾いている。激しい地盤沈下の影響は、雨竜島の中央部=城下町・城門前エリアにまで及んでいるという事。

忍者リョウ、カモさんに、鏡父子が気付いた事を報告。

■09/20■

鏡、雨竜島の散策で再びエビス=キジムナー=狛犬の石像&祠を訪ねる。雨竜島は地震が多く1日に複数回、揺れる状態。鏡、規則性に気付く。忍者リョウと「変な地震だ」と、新しく出て来た疑念について話し合い、情報整理。

エビス=キジムナー=狛犬の石像&祠を調査。前日より少し傾きが進んだ。特に西側の沈降速度が大きい。妖怪メンバー、コケ玉、ネコマタがやって来て忍者リョウに気付かれ、一時拘束。妖怪メンバーは瀬都兄の存在を気にしているところ。護岸工事に駆り出されているらしいと言う情報を聞いて、こっそり鏡と亮の散策の後を付いていっていた。

正午の刻、雨竜島サイドの満潮に合わせて新しい船団が入港&停泊。

大銭屋と欠き眉が船団メンバーと共に上陸。欠き眉は身をやつしている。

人の出入りを監視していたカラス忍者メンバー、ハイタカ、リョウ、タスキ、欠き眉に気付く。欠き眉は重傷を負って本調子では無いが、なおも鋭い察知能力。忍者の視線に気づく。

大銭屋を出迎えた芝賀長官、ホクホク顔で貢物などをチェック。

カラス忍者メンバーと書き眉のひそかな探り合い。呪術の活用は控え、観察チェックのみ。欠き眉の周りを、妖異な蝶が飛び交っている。胡蝶御前の呪術。

欠き眉と大銭屋が芝賀長官と共に竜宮城へ赴くのを見届け。

夕食。夜、落ち着いた頃。鏡、雨竜島の群発地震について気付いた疑念などを紙に書いてまとめる。カモさんと妖怪メンバーがやって来て(妖怪メンバーは何となく、いつもフワフワとその辺に居る)、鏡のメモを閲覧。

雨竜島の群発地震について考察と検討。大潮の日のリスクについて更に疑念。かの妖霊星の呪術の延長期限でもあるので重大な日と認識。ただ得体が知れないので、あらゆるリスクを想定して待ち受けるのみ。

■09/21■

芝賀長官、雨竜島の城下町へお触れ書を出す。立札。後日、聖麻海軍が大陸へ向けて出撃するので経由地として受け入れ準備するようにと言う内容。民衆たち、冗談で「大陸を征服デモするのか」と噂し合う。案外、図星。

九鬼や瀬戸内の主要な海軍からの派遣メンバー、更に考察と検討。聖麻の聖戦としての可能性。南半島の朱元王国を制圧すると言う目的があるとしたら?元々、大陸の大帝国・乾は、聖麻王国の残党狩りを何年も続けていて、列島に亡命した聖麻貴族の首も差しだせと外交的に要求して来ていた。列島の朝廷も決心したかと推論。

瀬戸内の海軍メンバーとしては、再びの雨竜島海戦は面倒くさいという意見。欠き眉の海賊を抑え込むのに多大な犠牲を出したため。聖麻の聖戦は応援するが、瀬戸内を荒らす海賊活動は抜きでやってもらいたいところ。

聖麻の先触れの船が続々到着し始めている。雨竜島の西海岸の方では、瀬都兄が、他の護岸工事メンバーと共に奴隷労働しているところ。海岸線に多くの聖麻の船を見て、護岸工事メンバーたちの間で、愚痴が出る。

瀬都兄、ふと出自の話を振られて、越国の出身であること、人買い猫太夫に連れられて最初は筑豊のほうで働いていたが、急に雨竜島の護岸工事に連行されたと明かす。借金があり、もう少しで年季明け満額になるところだったが、何故か紛失したため、帰国できないまま労働を続ける羽目になっている。

護岸工事の現場をうろつく不思議な大きな黒猫。「ジジ猫」と呼ばれている。工事現場の落盤などを予見して警告して来るので、不吉だと気味悪がられながらも「恩人(恩猫)」として重宝されている。

瀬都兄の会話を聞き付けて、カラス忍者の扱うカラスたちが舞い始める。妖怪黒猫も訳知り顔で交信。あたりは、すでに夕方。

■09/22■

正午少し過ぎ、満潮。潮流と共に聖麻海軍の本隊が雨竜島へ到着。昔の記憶がある年かさの兵士が「海岸線が昔より荒れている」と気付く。

一方、雨竜島の高台のほうで、カモさん一行が聖麻海軍の動きを観察。船の喫水線が不自然に深い。九鬼メンバー、密輸に使われる船と気付く。おそらく金属類=大量の武器。

カモさん、淡路島で出逢った妖異=金剛鉄の発生とつなげて、考察。あの星の錬金術は、本来は、聖麻の数々の武器を金剛鉄に変えるというのが目的だったのかも知れない。新型武器であれば、大陸へ攻め上って制圧できる勝算はある。

情報によれば、聖麻の海軍の総大将はユカル王子とされている。鏡父、ユカル王子に対して複雑な気持ち。忍者リョウに聖麻王家の血筋が流れているのを知っているので、推察がつながる。予言された中興の祖はユカル王子の事では無く、忍者リョウの事だったに違いない。

更に考察しようとしたところで、瀬都の兄について確証を得たカラスたちが、カモさん一行の元へやって来る。情報を伝える。

カモさん、新情報・瀬都の兄の居場所を察知。急に行動を起こす。他の一行メンバー、仰天しながらも後を付いて行く。

カモさん一行、および、カラス忍者メンバーのハイタカ、リョウ、タスキ揃って、雨竜島の西海岸へ駆けつける。

「判断力」考・試論

判断力は「問われるもの」であり、自分の判断が正しかったかどうかは、周囲の影響や反応が返って来てから…で無いと分からない。つまり「歴史の検証」というフィードバックが必要な上に、タイムラグがある。

それなりのフィードバックを得るには、それなりの思考を投げかける必要がある。抽象的思考の能力が問題になると思われる。

★思考を発信する側=新たな判断が出来る程度に、抽象的思考が発達しているかどうか。

★思考を受信する側=発信されたサインを理解できる程度に、抽象的思考が出来るかどうか。

「見たまましか受け取れない」とか、事実であるかどうかに関係無く没頭できる「物語」だけを求めているようでは、洗脳されているのと変わらない。他人の考えに「へえ」と言うだけの状態では、戦略的な判断は無意味になる(=「空気読めない」というのは、この状態のことかと…)。

更に、調査データが読めないのは、非常に良くない。「事例」というのは生データを解析して初めて浮かび上がってくるものであって、具体的で分かりやすい事例を提示してもらいたがっている状態では、ケース・バイ・ケースに流されてしまう状態になり、生データを使って次の戦略(新たな物語)を立ち上げる事すら不可能。

戦略は最初からオープン系のシナリオを辿る(最初から参加メンバーを限っていれば、クローズ系のシナリオはありうる)。誰がステージに上がってくるのか、誰がどんなポジションにあるのかは未知数の状態のまま、シナリオが進む。人の運命は拘束できるものでは無いし、未来もまた拘束されていない。

逆に言えば、マスコミは、「報道しない権利」を使って(=情報の制限)、より操りやすいクローズ系のシナリオを「運命」に強制しているといえる。

ただ、こうしたマスコミの手法にも、メリットはある。次の反応が予想しやすい分、社会の安定化には便利な手法。余計なパニックを抑えるときは有効。ただし、情報制限もある限度を超えると、逆に情報を隠蔽していることで社会の発展を遅らせる原因になる。

本当に難しいのは、未知の事象と向かい合うときの姿勢。判断力よりも前に認識力が問われる。基本的には、未知のものに対する素直な感受性や好奇心があるかどうかが重要。

自分自身のポジションやヴィジョンを明確にしていることが重要(「自分は何をやりたいのか」というのを明確に)。日本国家の戦略を組み立てるのなら、最初に「日本をどのような国にしたいのか」をある程度決めていないと、デザインが曖昧になり、どんな判断も絵に描いた餅に終わる。

※あくまでも、「ある程度」である。将来の変化は予想できない。根底から変容しなければならない時は、必ずある。不変部分と可変部分を見極めること(不易流行)。

※原発問題が大問題なのは、日本国家のデザインに関わる要素だから。官僚にも、国家の安定的運営に責任を持つ立場ならではの理由があると思われる。

※理想的には「こんな事もあろうかと☆by『宇宙戦艦ヤマト』」というのがベストかも知れないが、そこまでの幸運は、期待しないほうが無難。所詮、人類の殆どは「普通の人間」である。

大体において、人間は完成された生き物では無いし、論理的な生き物でも無い。正義の思想を持っているからといって、その人が正しい行動をするとは限らない。

与件により道を踏み外したり、迷ったりするのが普通。よしんば熟考して判断した末に正しい行動が出来たとしても、その結果が将来に良い影響をもたらすものかどうかは、歴史の検証を経ないと評価できない。「今」という時点でパブリック的に判断できるのは、効率的・倫理的観点から見た局面のみ。

判断力を決める要素は、デザイン能力(時空構想力&編集力)、美的センス、感受性、異質なものへの想像力。判断力は結局、総合的な能力。「理想的には中庸が最も良い」という理由は、以上による。