忍者ブログ
〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6

1.語り手は、一人称主人公や三人称主人公を超えた「汎世界キャラクター」である。

ストーリー内の出来事を振り返り、新たな発見につなげ、新たなストーリーへと牽引する「役回り」。この役回りは、ストーリー内部で活躍する各種のキャラクターには不可能な事でもある。

2.冒頭パート(書き出しパート)では、語り手は自らの状況が衝撃的である事を説明しなければならない。

ジェットコースター的なスタートは、傍観者/観客をいきなりストーリー世界に引きずり込む。重要な決断が下った瞬間、事件発生、告白、クライシス、etc。

重大な場面に立ち会った瞬間、傍観者は、他人事ならぬ興味をいだいてくれる。

3.語り手は、登場キャラクターの内面にある「個人的な動機」から話を始めるべきである。

「さあ、これから話をしよう」というスタートでは、傍観者/観客の好奇心や集中力を強く引き出すことは出来ない。

「重大事案が発生した。『ここだけの話』ということで、心ならずも秘密を明かしておくが、実は、こういう訳が…」というように、偶然に立ち会った傍観者/観客を巻き込むような始まり方(ストーリーの秘密情報を共有し始めるという状況)を構築してみよう。

4.序章パートは、「ストーリーの謎と真実」を適切に開陳するものでなければならない。

それは往々にして入れ子的な構造を持っている。ストーリーはエピソード(シーン)の織物である。

序盤から壮大な戦いの場面や謎を提示しても、すぐに了解してもらえるわけではない。伏線同士の連携を最大限に活用しつつ、片手に収まる程度、「チラ見」程度のエピソード量にまとめてみよう。

5.語り手は、ストーリー世界において、全知全能の神の如き存在であってはならない。

神視点による語りは、総じて弱い。何故なら、その語りは「ドラマ(劇的)」ではなく、単なる「出来事の連続」と、「その解説」に過ぎないからだ。感動が平坦になりがちだ。

6.そのストーリーは、ストーリー世界そのものの変容をもたらす、特別なものだ。

ストーリー構造を、単なる時系列に沿った退屈な枠組みにしてはならない。単なる出来事の列挙は、ストーリーでは無い。

登場キャラクターと、ストーリー(或いは運命)との、のっぴきならぬ対話・対立という、スリリングでダイナミックな構造を立ち上げ、ドラマ性をもって語らなければならない。

※確立した技術論・方法論のようなものは見つからなかった。「このように各要素や各シンボルを並べれば、もっとドラマチックになりそうだ」という、直感的な目論見のもとに組み立てていくやり方で良いと思われる。

繰り返すが、キャラクター同士の対話・対立構造を、神視点で語ってはならない。

それは各キャラクターの内面テーマに落とし込まれた形となるのが相応しい。各キャラクター自身の成長・変容ストーリーとして、ドラマチックに語られなければならない。

7.ストーリー「腹八分」という終わり方を意識すること。

謎のうち80%は明らかにされた、だが残りの20%は、より一層、深い謎へと沈んでいった。そういうエンディングは、そのストーリーに、偉大な余白を与える。

傍観者/観客は、謎のまま残された20%の部分に対して、好奇心と考察をいだくことを通じて、そのストーリーに単なる「意味の発見」以上のものを見い出す。

8.優れたストーリーは、新たな未知の可能性の発見へとつながる側面を持っている。

ストーリーに登場するキャラクターたちが、語り手の中にあるひとつひとつの側面(視点)であるという点を、最大限、活用しよう。ストーリー内部において、今まで気づかなかった事、知らなかった事、曖昧なままやり過ごしてしまった要素。

語り手は、各々のキャラクター視点を通じてストーリーの謎と真実を探り出し、新たな創造的な気付きを成し遂げてゆくのである。

そしてこの各々の「発見/気付き」という行為は、各要素が連携しつつ、ストーリーのクライマックス局面へと集中するベクトル構造を与えられている必要がある。この連携構造は、ストーリー途中で迷子にならないように、あらかじめプロットで綿密に計画しておいた方が良いパターンが多い。「やらせ」などの不自然感には、注意。

9.語り手の意図や思考を最も反映するメイン・キャラクターを厳選する事。

それがストーリーの基点、すなわち主人公となる。

1人の主人公だけでは不充分ということであれば、サブ主人公を用意するのもアリ。しかし、メイン・キャラクターの数は、ごくごく少数に限定しておかなければならない。

当たり前ではあるが、傍観者/観客は、数多くの視点でストーリーを眺めてくれるわけではない。かといって、神視点となると、ドラマ性やスリリングな秘密や感動が失われるため、退屈になる。


【ストーリーはエピソードの織物である】【シーンはエピソードが噴き出す"場"である】

個別のエピソードが構成するネットワークの内部に出来る空隙。

配列の間合い、距離、絵的な(空間的な)配置の間に出現してくる別の意味の時空…そういった「空白のあわいに宿ってくる(到来する)何か」が「ものがたる」という事も、無いわけではない。

ただし、時系列に沿ってエピソードが整理構築されていない場合、非常に理解されにくい作品となることが多い(人間の脳みそは、基本的に一次元的なストーリー認識をする)。

PR

分析ノート:『宿命の人 運命の人―瑠璃花敷波―』の場合

▼時代=ハイファンタジー魔法文明の世界において「リアル現代」の感覚に近い

▼場所=ハイファンタジー世界「大陸公路」獣王国、ウルフ王国の夏の離宮「茜離宮」

▼主人公の前提

・最悪のタイミング(ウルフ王族の暗殺未遂事件が発生していた)で、不可解な方法で現れた。しかも、いかがわしい着衣のせいで即座に脱走した凶悪犯として扱われ、地下牢に連行される⇒何とかして地下牢から出なければならない
・身の潔白を立てることが最初の目標となる。その後は自分の新たな人生をスタートすると共に、何故こうなったのか、過去や前世の謎を問う
※実は、はるか遠く離れたレオ帝都から転移魔法で転移して来たトップレベルの魔法使い、《水の盾》サフィール
※レオ帝都では、サフィールは陰謀に巻き込まれ、悪の手に落ちる所だった
※特別な魔法を発動していたため、予期せぬ連鎖反応が生じて、はるかウルフ王国の茜離宮へと転移したと言うのが真相(=これを突き止めるのが物語の目的)

▼ストーリー軸を構成する疑問(この難問は解決するのか、ラスボスを倒せるのか、等)

1.記憶喪失、身元不明、犯罪者の服装という状況で、身の潔白を立てられるか
2.魔法が普通な世界で、魔法を使えるようになるのか
3.ウルフ王国を揺るがす陰謀や連続殺人事件を解決できるか
4.最終的には、「水のルーリエ」として新しい人生を手に入れる事ができるか

▼キャラクター変化軸(キャラクターがどのように変化・成長してゆくか)

1.ルーリーは記憶喪失、身元不明から人生をスタートする
2.魔法が使えない状況のため、わずかに有効になった魔法感覚や、身体能力を限界まで使う⇒意外に魔法感覚の感度が高く、身体能力も飛びぬけて高いと知る。これが「前世」に関する新たな謎になる
3.ウルフ王国の様々な人々と知り合い、ウルフ社会のあれこれを再学習すると共に、独り立ちの道を考え始める。また、気になる男性への恋心を意識し始める
4.今まで曖昧模糊としていた前世「サフィール」と直面する状況となる。新たな人生を始めるのに障害となる、前世の宿業
5.因縁のラスボスと対決。恋人の危機。手に入れかけている新たな人生が失われるかも知れないと言う恐怖と不安を乗り超えて、これを倒す

▼テーマ

・何かを得る為には何かを失う
・記憶を奪い、また与えるのは海/命を救い、そして滅ぼすのは愛
・星の宿命によって生を定められる。その宿命を書き換え、運命をも変えるのは大変だが、心の底から望み、行動すれば、変えることができる

▼メインキャラ設定

・身元不明の少女(最初は、名前も年齢も種族も不明)
・紫色を帯びたチャコールグレー系の黒髪、黒目、小柄(実はウルフ族)
・16歳(未成年だが、「宿命の盟約」魔法が使える年齢には達している)

▼メインキャラ目的

(外的)新たな生き方を模索する(ウルフ族として)
(内的)前世からの宿業の存在と向き合い、対決し、克服する

▼メインキャラ完遂

(外的)ウルフ王国に降りかかった滅亡の危機を跳ねのける(強大な魔法攻撃から、茜離宮を防衛する)
(内的)自身を封印している魔法道具を解除(前世「サフィール」として縛り付けようとする存在であり、ルーリーとしての新たな人生を始めるのに障害となるもの)

▼メインキャラを阻む障害や葛藤

・レオ族の外交官からのハーレム勧誘
・ウルフ王族の暗殺事件ミステリー(自身の潔白の証明と関連)
・魔法が使えないまま数々のトラブルに
・前世サフィールとしてハメられた魔法道具(拘束具)
・強大な破壊の魔法を使う黒幕「雷神」と、その仲間たち

▼構成

・第1転回点=ルーリーが噴水の傍に不可解な出現をする
・ミッドポイント=ルーリーの前世がサフィールと知れる。拘束具が外れる
・第2転回点=偽クレドと対決(地下牢でハイレベル盾魔法を発動)
・クライマックスと解決=雷神と対決、その後、そもそものサフィール行方不明事件についての真相が解明される

▼サブキャラ設定

【仲間】ウルフ少女メルちゃん、ウルフ少年ジント
【恋人】クレド隊士
【協力者】ディーター先生、フィリス先生
【協力者】バーディー(ユリシーズ)師匠、アシュリー師匠
【協力者→敵対者】ウルフ第二王子リオーダン、雷神

▼サブキャラ目的

【仲間】メルちゃん、ジント⇒ジントは指名手配されている状況を何とかしつつ、母親を殺害した犯人を突き止めて復讐したい
【恋人】クレド隊士⇒ヴァイロス殿下の護衛、陰謀の謎を解く、ルーリーと盟約する
【協力者】ディーター先生、フィリス先生⇒ルーリーの謎を解きつつ、事件解決
【協力者】バーディー師匠、アシュリー師匠⇒サフィールの行方を追う、可能ならサフィールをレオ帝都に戻し、以前のような老レオ皇帝の護衛体制の状況に戻したい
【協力者→敵対者】ウルフ第二王子リオーダン、雷神⇒最強の守護魔法使いサフィールを妻として確実に拘束&支配しつつ、最強の防衛体制を実現し、我が天下を築きたい

▼サブキャラ完遂

【仲間】メルちゃん、ジント⇒ジントの母親を殺害した犯人を倒す
【恋人】クレド隊士⇒ウルフ王国を揺るがす陰謀を解決、ルーリーと盟約
【協力者】ディーター先生、フィリス先生⇒ルーリーの正体を知る、ウルフ王国の陰謀を解決
【協力者】バーディー師匠、アシュリー師匠⇒サフィールを発見する、レオ帝都を以前の防衛体制の状況に戻す(※事態が変わったため目的が変化する)
【協力者→敵対者】ウルフ第二王子リオーダン、雷神⇒サフィールを手に入れる、大陸公路・獣王国の全土の絶対的支配者としての地位を確立する

▼サブキャラを阻む障害や葛藤

【仲間】メルちゃん、ジント⇒まだ子供なので強い魔法を使えない、ジントは指名手配の状態のため、大っぴらに行動できない
【恋人】クレド隊士⇒諸般多忙なため、あまりルーリーの傍に居られない。得体の知れぬ「偽クレド」が活動しているので誤解されやすい
【協力者】ディーター先生、フィリス先生⇒サフィールの情報を余り知らない。魔法の拘束具に対して、有効な解決手段がなかなか見つからない
【協力者】バーディー師匠、アシュリー師匠⇒サフィールが何処へ行ったか知らない。レオ帝都の情報管理の都合上、あまり多くを明かせないまま、事件を解決するしかない
【協力者→敵対者】ウルフ第二王子リオーダン、雷神⇒正体を隠しておかねばならない。真の意図を知られずに、隠密裏に行動しなければならない。互いに信用できない

*****

グレード評価…優◎、良〇、並◇、懸念△

【時代性/話題性】△

【作品タイトル】◇~△

【舞台の設定】◇

【キャラクター特性】◇

【ストーリーライン】◇

【ビジュアル】◇

【情景の再現性(描写)】◇

【テーマ】◇

【追記2019.11.26】

ツイッターより

https://twitter.com/atsuji_yamamoto/status/1199186186842996736

山本貴嗣@atsuji_yamamoto
具象と抽象、の対比だけど、漫画原作は具象がいい。たとえば「主人公がいらいらする」では抽象的に過ぎる。いらいらの出方は人によって異なる。「つめを噛む」「びんぼうゆすりをする」「頭をかく」のように具体的でないと漫画家には伝わらない。絵が浮かばないのはイメージの貧困。

https://twitter.com/atsuji_yamamoto/status/1199186867872096256

山本貴嗣@atsuji_yamamoto
連載が長期にわたって、もうこのキャラがどういうときにどういう反応をするか共通認識ができてしまってからなら省略も可能だけど、キャラが立つ前に省略するとキャラが立たない。

https://twitter.com/0ua4pSXvXgmH5Gl/status/1199213753595596800

ワットマン/KIRAKU@0ua4pSXvXgmH5Gl
返信先:@atsuji_yamamoto
そういえば、養老孟司氏の本で「脳への入力系は音や光など様々な種類があるが、出力は運動系の一種類しかない」という意味の事を書かれてました。感情は行動に現れるのですね


《ひとつの物語を編むとき》

書きたい事を絞り込む。例えば旅行記などでは、「見聞した事&感動した事を伝えたい」というポイントに絞られている。山場を、このポイントに持って来れるかどうかが、割と重要。

ヤマ場(クライマックス)を用意し「ストーリーを盛り上げる構成」を意識した作品づくり。ヤマ場があるという事は、「どういう主人公が何をしようとするストーリーなのか」が、自分でちゃんと把握できている…という事。

どういう主人公?⇒キャラクターの設定
何をしようとするのか?⇒行動の組み立て(動機など)

★善いとされる物語の五つの条件
[1]主人公のキャラクターが魅力的
[2]主人公の感情の変化が自然
[3]エピソードの一つひとつがきちんと絡み、つながっている
[4]展開の意外性と見せ場がある
[5]結末に納得できる

★演出ポイント

【冒頭】=登場人物を生死に関わる困難に遭遇させ、読者の興味や集中力を引き込む。

【起承転結】=困難のレベルを上げる。困難の事柄を伏線にする。伏線を転回させてクルッと山場につなげる。クライマックスに向かって特大の困難を仕込んで行き、それを「あっ」と驚くような解決でカタルシスへと持って行く。ハッピーエンドだと、なお良し。

【主人公】=基本的にヒーローだけど、「理由もなく無双である」という設定だと驚きが無いので、いろいろな弱点や個性をデザインしておく。ただ、あまりキャラ説明に行数を割いている余裕はないので、ストーリーの中で少しずつ「チラ見せ」していく方式が良い。

【世界観】=バックグラウンド背景はきっちり精密、正確に書く。ここが適当だと誰も読まない。背景効果の演出にも気を配ると、なお良し(上級テクニック)。

【障害】=「強敵」、「実現不可能に見える事象」、「タイムリミット」に大別される事が多い。これらの合わせ技もアリ。

【神話系の基本の流れ(行きて帰りし物語)】
1.天命を受ける
2.旅の始まり
3.境界を越える(イニシエーション儀礼)
4.仲間との出会い
5.悪魔が立ちふさがる
6.変容を遂げる
7.試練の達成
8.故郷への帰還

★その他★

映画や漫画でのテクニックだけど、「視線誘導」効果は割と小説でも使える。主人公の目線の動きに注意。

時間経過の計算のあるストーリー組み立て⇒臨場感が増す。アクションシーンなどでは、描写量の配分に注意。


【追記2019.10.20】

ツイッターより

◆ぬまきち@ツイキャス配信中!@obenkyounuma(スレッド形式)
https://twitter.com/obenkyounuma/status/1183084161835266048

シナリオはいくら手を抜いても売り上げ落ちないので、売り上げ落ちたり中の士気が落ちたら、まず最初に抜き始めるところだからねえ。
良くすればするだけ熱心な人には届くけど、100万人とか1000万人に届けたとき、圧倒的多数は「話題になっているのだから相応のものであろう」みたいな”価値”を読むだけで、内容は頭に残っていなかったりする。これはソシャゲに限らず、コンシューマもそうで、海外のゲームシナリオ研究の記事を読んだ。
だから、「ゲームのシナリオを良くする」っていうのは、制作者、プロデューサー、ディレクターの矜持であり、メーカーの体力と品格なので、シナリオをちゃんと”読める”だけの力を持ったプレイヤーはそこを評価して声に出してゆかねばならぬのです。今後も良いゲームに巡り会うために。

◆西位 輝実 NlSHII Terumi@NishiiTerumi(スレッド形式)
https://twitter.com/NishiiTerumi/status/1183277078612860928

アニメも同様だとおもいます。シナリオは自分が作品にどのくらい参加するかどうか大きな基準のひとつ。シナリオが面白くない作品は作画負担も大きいのが特徴。出来るだけ関わりたくない。。。RT
シナリオ良ければ作画が多少腰砕でても面白くみれるけど、シナリオ悪いと何故か全責任が作画に向かう。視聴者の反応見てると如実。シナリオの良し悪しが判断できるような人は稀だから仕方ないのかもしれないけど。
何でもそうだけど、目に見えないところが最重要なんだよなぁ。面白いシナリオだと30分が10分に感じるし、面白くないと1時間くらいに思える。
なぜダメなシナリオが作画負担が大きくなるかって、動かす(話す)以外なんの手も打ってないからだよ。。。

(以上、引用メモ)

カレンダー
01 2020/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
プロフィール
HN:
ミモロン
性別:
非公開
自己紹介:
ツイッター=徒然草
漫画ハック=コミック物語の公開中
フリーエリア
ブログ内検索
バーコード
NINJA TOOLS
忍者ブログ [PR]