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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

新型コロナに関する論文・補足資料

■人はなぜワクチン反対派になるのか ―コロナ禍におけるワクチンツイートの分析―
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2024-02-05-001(東京大学プレスリリース2024.02.05)
https://link.springer.com/article/10.1007/s42001-023-00241-8(英文バージョン)

■コロナ対策での日本批判の歴史(はてな匿名ダイアリー)https://anond.hatelabo.jp/20220613212654

■【識者の眼】「非感染性・慢性疾患の疫学者が語る『反ワクチン言説の科学性』のみかた」鈴木貞夫
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=21357(Web医事新報,日本医事新報社2023.02.09)

■https://furuse-yukihiro.info/2023covidcolumn01/(2023.01.11時点コロナ最新の知見)
新型コロナは、人類文明社会の存続そのものを脅かす不気味な感染症に変容している

■https://www.nature.com/articles/s41579-022-00846-2(2023.01.13時点LongCOVID最新の知見)

■なんでコロナこんなに増えてるの?の疑問にほむほむ先生が答える(2022.12.31)
https://togetter.com/li/2027818

■Persistent COVID-19 Symptoms at 6 Months After Onset and the Role of Vaccination Before or After SARS-CoV-2 Infection
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2800554
Long covidにワクチン効果あり。罹患後に打つと後遺症リスク4割減。対照群は7割弱が44歳以下と比較的若年層

■新型コロナのワクチン、打った方が良い?~mRNAワクチンの効果と安全性、よくある誤解
https://www.fizz-di.jp/archives/1078840555.html(薬剤師ブログ)

■新型コロナウイルスの感染を増強する抗体を発見,COVID-19の重症化に関与する可能性
https://www.amed.go.jp/news/release_20210525-02.html(日本医療研究開発機構2021.05.25)

■Cortical Grey matter volume depletion links to neurological sequelae in post COVID-19 “long haulers”
https://bmcneurol.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12883-023-03049-1
神経症状longCOVID患者は脳皮質の灰白質が減少。COVID-19感染後8週間以上24名対象、後遺症ブレインフォグ91.6%、倦怠感87.5%、頭痛41.6%など。皮質灰白質の縮小がlongCOVIDの神経症状に影響している可能性

■Infection by SARS-CoV-2 with alternate frequencies of mRNA vaccine boosting
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/jmv.28461(MVジャーナル,2023.01.05)
※「ブースター接種間隔が開くと感染しやすい」及び「非ブーストは最も感染しやすい」という結果が報告された

mRNAワクチン完成までの長く曲がりくねった道(natureダイジェスト2021.09.16)

■https://www.nature.com/articles/s41598-022-27348-8
コロナウイルスのN抗原の中に多発性硬化症の原因となる抗体の抗原になりうる配列と類似のものが存在。MHC結合で評価。多発性硬化症など免疫で起こるものは一部が似るだけでも有効な自己抗体が産出されるので厄介=MHC結合で効率よくT-Cellに抗原提示される。ウイルス感染で脳神経系の合併症、後遺症が圧倒的に多いのは説明つく(ウイルス感染した場合にN抗原暴露)。軽症に抑えられるなら或る程度は抑制可能か?ただしオミクロンで多い頭痛などの症状と長期的な脳の障害に相関あるかどうか(普通はBBBガードがあるので脳には炎症波及しにくい)

■https://www.cell.com/iscience/fulltext/S2589-0042(22)01038-0
※ワクチンを接種したのにコロナに感染して重症化する原因はIgG4抗体…との説は、医学・免疫学の専門家の間では、否定されている(論文にて報告済み)
「ワクチン接種回数が多い(2回または3回)ほどスパイク関連IgG4陽性に結びつき、ワクチン接種回数が少ない(1回または0回)ほどスパイク関連IgG3、およびNC IgG、IgG1、IgG3、IgAに密接にクラスター化する様子がうかがわれた。重症度についてもほぼ同様のパターンが観察された。無症状または軽症の場合はスパイク関連IgG4の領域に多く集まり、重症の場合(入院、酸素補給、ICU)はスパイク関連IgG3、NCサブタイプおよび上記で言及したアイソタイプの領域に集まっていた。まとめると、この表現は、感染、より重篤な疾患、ワクチン接種の欠如、およびスパイク関連タンパク質に対するIgG3応答の間の関連を証明するものであった。逆に、スパイク関連タンパク質に対するIgG4応答は、主にワクチン接種によって特徴付けられ、ワクチン接種の繰り返しが多く、平均して病気の経過はより軽快した」

■オミクロン株はデルタ株などと比べ、唾液中の細胞に付着せず単独で空気中に漂う割合が高い
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2800145

■日本における新型コロナウイルス感染症の流行波ごとの性別・年齢的特徴の疫学的検討(国立感染症研究所2022.12.23)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2605-related-articles/related-articles-514/11696-514r01.html

対象期間に報告された9,299,477例…全体では, 性別は男性50.5%, 女性49.2%, 年齢別では20代が17.6%で最も多く, 次いで30代, 40代となっていた。流行波別にみると, 全体の81.5%が第6波に含まれていた。人口10万人当たりの症例数でみると, 第1波の12人から経過とともに増加していき, 第6波では5,822人となった。最も変動が大きかったのは10歳未満で, 人口10万人当たり3人から13,033人へと大幅に上昇した。

■コロナ後遺症、パンデミック以上に警戒必要-呼吸器以外にもリスク(ブルームバーグ2022.12.19)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-19/RMYKMHDWRGGH01

WHOが「ロング・コビッド」と略称で呼ぶコロナの後遺症は、呼吸器疾患が長引く症状よりはるかに深刻だ。気道内部を攻撃するインフルエンザとは異なり、コロナは多重システムのクラスター爆弾に似ている。
「肺だけにとどまらない。ウイルスと免疫システムの間で闘いが繰り広げられており、その闘いはほとんど全ての臓器で発生する可能性がある。完全なゲームチェンジャーだ」コロナで重症化した患者では、免疫細胞集団の変化や特定の白血球の持続的活性化といった免疫障害が最大1年後まで観察されている。
「コロナ以外の感染が増幅し、免疫機能不全となった患者をむしばむ可能性が高くなると予想される……その後、これらの感染症は本来よりも容易に広くまん延していく」
潜行性が極めて強いケースでは、心血管疾患や糖尿病、腎臓障害、脳損傷などの症状が現れる前に、新型コロナウイルスは知らぬ間に組織に炎症を起こし損傷を与えたり、凝固異常を引き起こしたりする。複数の研究によれば、あらゆる重症レベルの病気を患っていた元コロナ患者は、6-12カ月後に亡くなるか合併症で入院するリスクが高くなる。
コロナの影響が遅れて表れることで、平均余命の回復が妨げられる恐れもある。
患者はコロナ感染後の1年で通常の老化ペース4年間と同等の腎機能の低下を経験した。腎臓に病歴がなく、入院していない元コロナ患者でさえ、コロナに感染していない人に比べ、末期腎疾患に至るリスクが倍近いという。同じような影響が他の臓器に広がっている可能性もある。

■中国のコロナ死者100万人近くも、新たな変異株の恐れ-香港研究者ら(ブルームバーグ2022.12.15)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-15/RMX116T0G1KW01

中国政府による新型コロナ政策の急転換に伴い、新型コロナによる死者は国内で約100万人に上る恐れがあると、香港の研究者らが指摘した。香港大学で医学院院長を務めた梁卓偉氏らが執筆した報告書によれば、大規模なブースター接種や他の対策が講じられなければ、全国的な経済再開で100万人当たりの死者数は約684人に上る可能性があるという。中国の人口(約14億1000万人)に当てはめると、これは約96万4400人に相当する。今回の報告書によると、全国的な感染爆発が生じれば新たな変異株につながる恐れもある。

■コロナ後遺症の4割が苦しむ「脳の霧」、脳内伝達の破壊が一因か
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/22/120600564/(ナショナルジオグラフィック2022.12.07)

■SARS-CoV-2 infection and persistence in the human body and brain at autopsy
(SARS-CoV-2の感染と剖検時の人体および脳における持続性)
https://www.nature.com/articles/s41586-022-05542-y

(概要)コロナウイルス症2019(COVID-19)は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の急性感染時に多臓器不全を引き起こす。急性感染から症状発現後7カ月以上までの脳を含む人体全体におけるSARS-CoV-2の分布、複製、細胞型特異性をマッピングし定量化したところ、SARS-CoV-2は、重症のCOVID-19で死亡した患者を中心に広く分布しており、感染初期には脳を含む複数の呼吸器・非呼吸器組織でウイルス複製が存在した。一部の患者ではSARS-CoV-2が全身感染を引き起こし、数ヶ月間体内に留まる可能性があることを示している。

■緑の人・加藤AZUKI氏による、反ワクチン、反マスクの人は、「自分だけは例外(中二病の一症状)」と思ってるんだろうけど、「怖いモノ知らず」「運の良さに気付かない」「周囲の配慮に気付かない」とかな気がするという趣旨の連続ツイート》https://min.togetter.com/e5G7OyH

■新型コロナワクチン接種済の人々の死亡率は、未接種の人々よりも低い
COVID-19 Vaccination and Non–COVID-19 Mortality Risk — Seven Integrated Health Care Organizations, United States, December 14, 2020–July 31, 2021(CDC論文、2021.10.22)
URL>https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm7043e2.htm

疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)の研究結果=「全年齢層において新型コロナワクチン(mRNAワクチン)接種を原因とする死亡者の増加は見られない」。

大規模研究によって得られたデータであり、国際スタンダード論文とされている。日本政府によるワクチン推進政策は、この論文を根拠にしている。

ワクチン接種の影響に関しては、追跡・反論いずれにせよ、この論文を踏まえて論じる必要がある。「ワクチンは有害である」と主張する場合は、この研究結果をくつがえすだけの大人数の統計結果を正確にまとめて、論文データにして正式に公開しなければならない。現在、その類の反論をまとめた医学論文は存在しない。

■新型コロナワクチンの有効性に関する論文
「Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine」
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa2034577
※数万人規模の二重盲検RCT(第3相治験)結果についての調査報告

■日本集中医療医学会>新型コロナウイルス関連小児重症・中等症例の発生状況の中間集計結果
URL>https://www.jsicm.org/news/news220530.html(集計データへのリンク有)
2022.12.01報告、ICU送りになった小児のうちワクチン未接種80%超、ワクチン接種済20%未満

■Severity of SARS-CoV-2 Omicron BA.2 infection in unvaccinated hospitalized children: comparison to influenza and parainfluenza infections
(ワクチン未接種の入院小児におけるSARS-CoV-2 Omicron BA.2感染症の重症度:インフルエンザおよびパラインフルエンザ感染症との比較)
URL>https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35730665/
過去にCOVID-19やワクチン接種の経験がない入院小児において、オミクロンBA.2はハイリスク。インフルエンザ類よりも重症化の割合が大きくなる傾向がある※つまり、普通の風邪と捉えてはならない


■資料:新型コロナワクチンの内容物

▼承認申請資料に使用されている第3相試験の結果を報告した論文
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa2034577

▼補足情報として添付されている治験実施計画書(PDF注意、376頁、英文)
https://www.nejm.org/doi/suppl/10.1056/NEJMoa2034577/suppl_file/nejmoa2034577_protocol.pdf
黒塗りされる前の原文

▼承認決定後にPMDA(医薬品医療機器総合機構)が出した審査報告書
https://www.pmda.go.jp/drugs/2021/P20210212001/672212000_30300AMX00231_A100_6.pdf
ヒトにおける安全性と有効性を検証する臨床試験結果とこれをめぐる審査の際のやりとりの部分(20頁~55頁)に黒塗りはナシ。黒塗りされているのは製造工程に関する部分であって、内容物に関する部分ではない。

※独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)サイトより「審査報告書・申請資料概要」
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/p-drugs/0020.html

承認審査情報の利用について/マスキングしている箇所は以下の情報です。
1.特定の個人を識別することができる情報
2.公表することにより個人の権利利益を害するおそれがある個人に関する情報
3.公表することにより法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある法人に関する情報

▼補足資料
国立国際医療研究センター病院>予防接種基礎講座>
https://www.hosp.ncgm.go.jp/isc/080/index.html
「予防接種基礎講座」の資料公開:「ワクチンの種類とその構成物質」
https://www.hosp.ncgm.go.jp/isc/080/FY2020/04.RandD.pdf

●コロナワクチンの中に、マイクロチップや放射性物質は入っているか?検証動画
https://www.youtube.com/watch?v=XfkXQtPKgV0(2022.03.15掲載)

●「コロナワクチンの中身は調べてはダメ(秘密契約の存在)」否定記事(2021.03.29付)
「Stanford Scientists Post Entire mRNA Sequence for Moderna Vaccine on Github」
(スタンフォード大学の科学者がモデルナワクチンの全mRNA配列をGithubに掲載)
https://gizmodo.com/stanford-scientists-post-entire-mrna-sequence-for-moder-1846576268
(日本語版:https://www.gizmodo.jp/2021/03/moderna-github.html)

ファイザーワクチンのmRNAコード(note記事、2020.12.31、スパイク言及あり)
[翻訳] BioNTech/Pfizer の新型コロナワクチンを〈リバースエンジニアリング〉する
https://note.com/yubais/n/n349ab986da42


■記事メモ:新型コロナワクチン接種後の死亡 接種との因果関係は? 日本における副反応報告の課題
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20221030-00321661
■記事メモ:新型コロナワクチンは世界でどのくらい死亡を防いだ? 接種率が低いと死亡者数は増える
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20221122-00324829

■新型コロナウイルス、次の変異株は病原性が高い可能性も-南ア研究(ブルームバーグ2022.11.27)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-27/RM0CMHT0AFB501

免疫不全の患者から採取した新型コロナウイルスのサンプルを使った南アフリカの研究によると、ウイルスは変異に伴って病原性を高めることが分かった。新たな変異株が出現した場合、現在流行しているオミクロン株よりも症状が悪化する可能性があることが示唆された。
アフリカ健康研究所(AHRI)のアレックス・シーガル教授が率いた研究によれば、エイズウイルス(HIV)に感染した患者から採取したサンプルを6カ月観察したところ、ウイルスは当初、オミクロン株の「BA.1」と同レベルの細胞融合と死滅を起こしていたが、変異に伴いこのレベルが上昇し、中国の武漢で発見された最初のウイルスと類似するまでになった。ダーバンの同研究所は昨年、オミクロン株に対するワクチンの有効性をテストしている。
新型コロナの病原体が変異を続ける可能性があり、新たに出現する変異株の病原性と死亡の確率が比較的症状の軽いオミクロン株より高くなる恐れがあることが示唆された。この研究はまだ査読を受けておらず、1人の患者から採取したサンプルを使用した実験結果のみに基づく。
「長期感染における新型コロナウイルスの変異は必ずしも弱毒化という結果につながらない可能性が示唆された」と研究者らは24日に発表されたリポートで説明。「将来の変異株の病原性が現在流行しているオミクロン株より強くなる可能性があることを示唆していると考えられる」としている。

■新型コロナ、感染のたびに死亡や疾患リスク上昇か(Forbes、2022.11.18)
https://forbesjapan.com/articles/detail/52018

新型コロナウイルスに感染するたびに、糖尿病や腎臓病、臓器不全、精神疾患といった健康障害の発症リスクが高まる可能性のあることが、米国で実施された研究で明らかになった。新型コロナウイルスに複数回感染しても影響は軽微とする俗説を覆す研究成果だ。
10日に米科学誌ネイチャー・メディシンで発表されたこの研究では、米国の退役軍人向け医療保険制度を通じて治療を受けた約580万人の健康記録を分析した。その結果、新型コロナウイルスに複数回感染した人は、最後の感染から最長6カ月後までの間、肺や心臓、脳、消化器系に影響を及ぼす問題など、多くの健康障害のリスクが高くなっていたことが判明した。
複数回感染した人は、1回だけ感染した人に比べて、死亡する可能性は2倍、入院する可能性は3倍高くなっていた。また、心臓疾患の発症リスクは3倍、肺疾患の発症リスクは3.5倍、脳疾患の発症リスクは1.5倍強上がっていた。
死亡や入院、発症のリスクは、ワクチンを未接種の人でも接種済みの人でも高くなっていた。研究の対象者が感染した変異株には、デルタ株やオミクロン株、オミクロン株の派生型で現在主流となっているBA.5などが含まれる。
論文のシニアオーサーである米セントルイス・ワシントン大学の疫学者ズィヤド・アルアリーは、このところ、新型コロナにかかった人やワクチンを接種した人、とりわけワクチンを接種して感染もした人は「無敵のオーラ」でもあるかのように思われていると苦言を呈する。
そのうえで「わたしたちの研究では、2回目、3回目、4回目と感染を重ねるごとに、健康リスクが高まることがはっきり示された」と強調し、人々に対して引き続き再感染への警戒を怠らないよう呼びかけている。
アルアリーによると、心臓や脳、肺などの疾患に限らず、ほかの健康障害の発症リスクも新型コロナウイルスに感染するたびに高まるようだという。
アルアリーは、何より望ましいのは再感染を避けることだと述べ、そのためにはマスクを着ける、体調を崩したときは外出しない、対象となるブースター接種はすべて受ける、といった対策が役に立つと助言している。

【医学論文】メモ(英文)

●Viral Antigen and Inflammatory Biomarkers in Cerebrospinal Fluid in Patients With COVID-19 Infection and Neurologic Symptoms Compared With Control Participants Without Infection or Neurologic Symptoms
URL》https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2792536

(概要)

新型コロナ感染者の脳脊髄液の89%でRNAでもスパイクタンパク質でもなくウイルスの一部のヌクレオカプシド抗原が検出された。

mRNAワクチンで体内で産生されるのはスパイクタンパク質で、今回新型コロナ感染者の脳脊髄液で検出されたヌクレオカプシドではない。

コロナ感染すると、ヌクレオカプシドが血液脳関門を突破し、脳脊髄液に移行して免疫反応や炎症が起き、症状として生じる。その後も諸症状を残す可能性があることが示唆された。

(ブレインフォグ等の原因?治癒した後も高確率で残留物が検出される。それが他のウイルスと出会って別の症状を引き起こす可能性もあり得る)

感染前の接種および感染後の接種で罹患後症状はより少ない傾向が示されている。未接種の発症では、こうした二次的病態を起こしうるリスクがより濃厚になる可能性がある。

●Coronavirus ‘ghosts’ found lingering in the gut
URL》https://www.nature.com/articles/d41586-022-01280-3

(概要)

Long COVIDの原因は長期残存する体内ウイルスリザーバーが原因か。ウイルスリザーバーの研究が、SARS-CoV-2感染症の病態の本質を明らかにする可能性あり。COVID-19は単なる急性呼吸器感染症ではなく、慢性全身感染症が本質的病態か。

・感染後も数か月以上に渡り、腸管内にウイルス由来抗原(蛋白、RNA)が検出できる
・軽症COVID-19でも、46例中32例で感染7か月後でも腸管組織内にウイルス蛋白が確認できた
・メモリーB細胞が産生する抗体は感染後数か月後も変化し続けており、抗原に長期持続曝露されている事を示唆している(B cell maturation)
・腸管だけでなく、軽症例を含め、心臓、眼球、脳、虫垂、乳房などの各種臓器にもウイルスRNAが証明されている
・ある研究者はマクロファージ内に潜伏感染する形で、全身の臓器にウイルスが存在している可能性を推測
・ウイルスリザーバーの検討はNIHの大規模研究や、患者団体との協力とにより今後進んでいくと期待される

「持続的に存在し続けるウイルス断片がLong COVIDの原因」仮説→ウイルス断片「coronavirus “ghosts”」。

ウイルス断片とLong COVIDとの関連に決着がついたわけではないので注意。簡単な問題ではなく、更なる研究が必要。

※Long COVIDは急性感染後12週を超えて症状が持続する病態と定義されている。これには200以上の症状が関連しており、重症度も軽症から日常生活に影響が出るレベルまでの多岐に渡っている。

■自己免疫疾患患者はコロナワクチン抗体価減、阪大の解析が示唆したこと
https://newswitch.jp/p/35129(ニュースイッチ2022.12.24)

大阪大学の山口勇太大学院生と行木紳一郎大学院生、加藤保宏助教、熊ノ郷淳教授らは、関節リウマチ(RA)や全身性エリテマトーデス(SLE)など自己免疫疾患患者において新型コロナウイルスに対するメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン接種後の免疫動態を解析し、特定の免疫抑制治療でウイルスへの中和抗体価が減弱しやすいことを発見した。患者の特徴に応じたワクチンの投与方針の検討材料になることが期待される。
自己免疫疾患患者が使用する免疫治療は、ワクチンによる免疫反応を減弱させる懸念がかねてあった。そこで研究チームは阪大病院に通院中の患者の血液サンプルを収集し、ワクチン接種前後の新型コロナウイルスに対する中和抗体価の変化などを調べた結果、ステロイドやアバタセプトを使用しているRA患者は中和抗体価のピークが低く、TNF(腫瘍崩壊因子)―α阻害薬を使用するRA患者は長期で見ると中和抗体価が下がりやすい傾向にあることが分かった。こうした治療を行っている患者は、他者に比べてワクチン接種を前倒しすることが望ましいことも示唆された。
成果は米科学誌ランセット・リージョナル・ヘルス・ウェスタンパシフィック電子版に掲載された。

*****

補足:ワクチン接種の効果に関する医学論文

URL》https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2798990

(概要:COVID-19ワクチン接種率が低い地域ではCOVID-19死や超過死亡が多かった)

URL》https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.08.08.22278547v1

(概要:アメリカ、2021年12月~2022年5月、刑務所入所者11.2万人対象。一晩以上同室=濃厚接触とした場合、濃厚接触者への二次感染リスクは未接種者と比べ、1回以上ワクチン接種者では24%低下、接種回数が増えるごとに12%低下。既感染歴があると二次感染リスクは22%低下。既感染歴とワクチン接種歴の両方があると二次感染リスクは41%低下。ブースターワクチン接種と最近のワクチン接種が感染力をさらに低下させた。結論、ワクチン由来免疫と自然獲得免疫がそれぞれ独立してSARS-CoV-2オミクロン感染リスクを低下させた)

URL》https://www.covid-datascience.com/post/israeli-data-how-can-efficacy-vs-severe-disease-be-strong-when-60-of-hospitalized-are-vaccinated

(概要:「ワクチン接種者のほうが非接種者より重症者数が多い」という指摘があるが、これはシンプソンのパラドックスと言われるもの。論文にて検討のうえ導き出された結論:母数を合わせ、年齢ごとに調整して計算すると、高齢者・70歳以上のブーストなしでの対重症度効果は低いが、ブースターで高い効果を回復。若年層では、ブーストによる効果は非常に高いが、ブーストなしでもワクチン接種の効果は85%以上と非常に高い。となる)

*****

イベルメクチンについて(ツイッター「新型コロナウイルス_ワクチン情報」2022.12.16)

https://twitter.com/VaccineWatch/status/1603541029881524224
イベルメクチンのCOVID-19に対する効果を調べた臨床試験RCTの結果、高用量(1日あたり600mcg/kgで6日間毎日)でも死亡、入院、回復までの時間で有効性は認められず。
(論文URL)https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.12.15.22283488v1

PR

トルコ麻薬ルートmemo/ペロシ氏台湾訪問/新電力問題

【東西を結ぶ麻薬の道「バルカンルート」 トルコが本格的な対策に乗り出した】
https://globe.asahi.com/article/13578689(朝日新聞GLOBE2020.07.28)

NATO加盟国なのにロシアからミサイル防衛システムを買い、東地中海では天然資源を独自開発。シリアでは複数回の軍事作戦を展開し――欧米からは「単独行動主義」としばしば批判されるトルコ。そんなトルコが長年、他国との連携と協力を重ねてきた分野がある。麻薬犯罪捜査だ。ヨーロッパとアジア、中東とアフリカをつなぐ地理的位置にあり、陸路、海路、空路で様々な人や物が行き交うトルコは、麻薬の重要な中継地点でもある。国際捜査は、新型コロナウイルスで各国の国境が閉ざされた中でも粛々と続けられており、6月末には「共和国史上最大」の作戦が公表された。
■麻薬の道「バルカンルート」
アフガニスタン、パキスタン、イランにまたがる地域は、「黄金の三日月地帯」と呼ばれ、東南アジアの「黄金の三角地帯」と並び称される世界最大の麻薬の生産地だ。この三日月地帯で栽培された大麻や、ケシからつくられるヘロインはトルコを経由して一大消費地ヨーロッパに、主に陸路で運ばれる。トルコ国境からギリシャ、ブルガリアに抜け、バルカン半島を通る「バルカンルート」だ。一方、同じルートを西から東へ、ヨーロッパからは合成麻薬がトルコを通ってアジア、中東に渡っていく。
ここ数年、トルコの年間麻薬犯罪捜査件数は約15万件、国内で押収される麻薬は数十トン。麻薬犯罪の拘束者は年間20万人に上る。普段は地味に、時に大々的に、麻薬関連ニュースはほぼ毎日、新聞紙面の一角を占めている。
■「過去最大級」の捜査 ボス2人逮捕
「トルコ共和国史上、最大の作戦が行われた」。警察を管轄する内務省のソイル大臣は6月30日、誇らしげに語り、大量に積まれた外貨や金塊、骨董品の刀などを報道陣に公開した。円換算で10億円以上。ほかに300近い不動産の権利書や20の高級外車、紙幣計算機なども押収された。
「沼地作戦」と名付けられたこの大規模捜査はトルコの11県で一斉に行われ、マフィアのボス2人を含む約80人が拘束された。協力国はオランダ、ブラジル、エクアドルなど8ヵ国。拘束されたのは1990年代から麻薬の密輸を牛耳っていた犯罪集団で、中にはイスタンブールにある警察の元署長も含まれていた。
逮捕されたボスの一人は、国際刑事警察機構(インターポール)の国際指名手配を受けている男だった。麻薬取引によりブラジルで逮捕され刑務所から逃走。オランダで再び麻薬とマネーロンダリングで逮捕後、約6000万円を支払い保釈されたが、その後トルコに逃げてきた。ビジネスマンを装い、シリア国境近くの街でシリア難民支援団体の会合に参加し、多額の寄付をするなど「善良な市民」を装っていた。
もう一人もトルコやスペインで逮捕・服役歴をもつ。手引きしたイスタンブールの元警察署長が自身の公用車とドライバーをあてがっていた。コロナの感染拡大で都市封鎖措置がとられていた中でも「バルカンルート」でトルコに運ばれた麻薬の売上金をギリシャ・ブルガリア国境の街に受け取りに行くなど、自由に移動していた。
だが、こうした動きはすべて警察が把握。数か月間泳がせ、犯罪網を割り出していた。9ヵ国が連携したこの捜査は、水面下で1年以上続けられていたという。
■PKKの「サプライチェーン」
トルコの麻薬犯罪捜査は、トルコがシリア北部やイラク北部で行っている「対テロ対策」の一環でもある。過去約40年間トルコ軍と戦っているテロ組織「クルド労働者党(PKK)」を支えているのは、麻薬取引で獲得した潤沢な資金だとされているためだ。
インターポールによると、PKKはヨーロッパの違法麻薬取引市場の実に8割を支配している。資金源の9割は麻薬とマネーロンダリングといい、PKKの収入は年々拡大、トルコ警察は年約15億ドルと見積もっている。
PKKが生まれたトルコ南東部は、メソポタミア文明を育んだチグリス川、ユーフラテス川が流れ農業に適した肥沃な大地で覆われている。1978年にPKKが設立された南東部のディヤルバクルとその周辺は、大麻の栽培に最も適した地域とされ、その山がちな地形が捜査当局の発見を難しくしてきた。広大な敷地に背の高いトウモロコシを植え、その内側に見えないように大麻を育てている事例もあるという。
1960年代以降、人手不足を埋めるべく、トルコからヨーロッパに渡った移民の中にはPKKを支持する人もいた。そうした支持者をも利用しながら、PKKはヨーロッパ各地で拠点を拡大、強固なネットワークを築き上げてきた。大陸をまたぐ麻薬の密輸にはマフィア間の協力が欠かせないのだが、PKKは単独で、生産から密輸、売買ができるといういわば強固な「サプライチェーン」を整えた。ディヤルバクル出身のバイバシン一家など、ヨーロッパでも恐れられた麻薬マフィアも少なくない。
ここ数年の捜査強化の背景には、2016年7月のクーデター未遂事件がある。政府転覆を狙った軍の一部による犯行だが、背後にはアメリカ在住のイスラム指導者がいるとされ、「FETO」と呼ばれた信奉者らは、特にトルコの治安機関や司法機関に根を張り、警察の麻薬捜査に関わっていた幹部も多く含まれていた。政府はそうしたグループがPKKともつながり、意図するままに麻薬取引をしていたとみており、その後の麻薬捜査の加速化につながった。
2017年にはベルギーやオーストリアとの共同捜査で、PKKの麻薬ネットワークの要所が寸断されるなど、PKKのサプライチェーンも徐々に弱まっている模様だ。
■若者にじわりと広がる麻薬
トルコは単なる中継地というだけではない。密売人と麻薬が往来する中で、一部はトルコ国内で消費されている現実がある。ヨーロッパから流れてくる合成麻薬は値段が安く、近年、特に若者の間で広がっている。大都市のスラム街では学校近くに密売人がたむろし、登下校中の子供たちを狙うケースもある。
麻薬使用者の低年齢化を危惧したソイル内務大臣はおととし、「学校近くで麻薬密売人を見つけた警察官は、そいつの足をへし折る義務がある」と公言、物議を醸した。野党や弁護士団体は「司法を無視した犯罪の扇動だ」と抗議し同大臣を提訴、大臣は「取り締まる側にとって、それぐらいの意気込みが必要という意味だ」と釈明に追われた。
一大消費地であるEUと比べると、トルコの麻薬使用率は際立って少ない。だが、欧州薬物・薬物依存監視センターの2019年報告書では、トルコでの麻薬使用者の低年齢化(15~34歳)が指摘されており、20歳未満の麻薬による死者はEU平均の約3倍となっている。半数以上は合成麻薬といい、過去、9歳の子供が麻薬乱用で病院に運ばれたケースもあった。内務省は2014年、組織犯罪だけでなく、個人の密売にも焦点を当て、専門家集団による小規模な「麻薬チーム」を作り、若者が集まる場所やスラム街の学校周辺に重点的に配置した。
さらに今年から、麻薬犯罪情報提供に対する報奨金の額を一気に拡大した。組織の中心人物や重要関係者の逮捕につながった場合、最高額で約800万円だ。背後に犯罪組織がある場合が多いヘロインとコカインに関する情報で押収に至った場合、一キログラムあたり最高約100万円、大麻は約25万円。個人の密売情報も報奨金対象とし、発見情報には報奨金一律約4万円が支払われる。
こうした対策は徐々に成果を見せ、2018年以降、麻薬の押収量は増加する一方、死者は減少傾向にある。
■静かな夏の熱い戦い
世界貿易機関(WTO)の予想では、2020年は世界貿易が13%~32%縮小するとされている。コロナの影響で生活が苦しくなり、手っ取り早くお金を得られるとして密輸に手を染めたり、麻薬犯罪組織に取り込まれたりする人が増える可能性が危惧されている。
トルコはコロナ禍で通貨安が進行し、一時は2018年の通貨危機の水準を下回るほどリラ安となった。リラを買い支える原資となる外貨準備もコロナ禍の数か月で急減、経常赤字も常態化しており、外貨を稼ぐ観光業は大打撃を受けている。今月初めにEUが発表した、第三国からの渡航者受け入れリストにはトルコの名前はなく、観光収入での景気回復が期待されるが、苦しい状況が続く。
国連が5月に発表した報告書は、麻薬の密輸・売買を取り締まる各国政府がコロナ対策に手を取られ、犯罪組織が活動しやすい環境になっていると指摘する。
2008年のリーマンショックによる世界的な経済危機では、各国政府が支出削減を強いられ、麻薬犯罪捜査の予算も大幅に縮小した結果、密輸が増えたという。専門家の中には、コロナによる経済不況で、税関職員の給料も減り、汚職がはびこる可能性を指摘する人もいる。
連日35度を超える暑さのトルコのリゾート地は、例年の外国人観光客による賑わいが嘘のように閑散としている。だが、コロナ禍の静かな夏を迎えても、麻薬との戦いはこの夏も熱を帯びている。

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https://twitter.com/dig_nonfiction/status/1557194327402500097

早坂隆@dig_nonfiction(2022.08.10)
終戦直後、ソ連軍の不法侵攻に対し、占守島で実際に戦われた元少年戦車兵の小田英孝さん(94歳)。「占守島ではよくあれだけ戦ったと思いますよ。あそこで日本軍の強さを知ったから、ソ連はそれ以上、手を出せなくなったわけでしょう。戦った意義はあったと思っています」。

●第29回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会(経済産業省・資源エネルギー庁、2022.08.09)
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/029.html

注目:
・資料3,カーボンニュートラルやエネルギー安全保障の実現に向けた革新炉開発の技術ロードマップ(骨子案)
・資料5,エネルギー・原子力に関する国内外の動向

●一般送配電事業者9社から最終保障供給約款の変更届出を受理しました(経済産業省・資源エネルギー庁、2022.08.11)
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220810001/20220810001.html

本日、北海道電力ネットワーク株式会社、東北電力ネットワーク株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社、中部電力パワーグリッド株式会社、北陸電力送配電株式会社、関西電力送配電株式会社、中国電力ネットワーク株式会社、四国電力送配電株式会社及び九州電力送配電株式会社から電気事業法(昭和39年法律第170号)第20条第1項の規定に基づく最終保障供給約款の変更届出等を受理しました。

(コメント:卸電力市場の取引価格と連動させ、燃料費の高騰時にはこれを反映して料金を引き上げる仕組み。適用は2022年9月から、現状においては大幅な値上げとなるそうです。かねてから新電力の新規受付停止・電力難民の関係で問題となっていた部分でしたが、ひとまず解決というところのようであります)


■ペロシ米国下院議長の台湾訪問/2022.08.02~08.03

外務省>林外務大臣会見記録(2022.08.02)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken24_000131.html

【林外務大臣】ペローシ下院議長の外遊につきまして、日本政府としてコメントする立場にないと考えております。その上で一般論として申し上げますと、我が国としては、米中両国の関係の安定、これは、国際社会にとっても極めて重要であるというふうに考えております。

コメント:非常に細心の注意を要する局面だったと思われますが…上手な立ち居振る舞いをやってのけた、という評価であります。

生前、安倍元首相に訪台の予定が持ち上がっていたという話。安倍元首相であれば、訪台したとしても、各方面の人脈を通じて「大山鳴動して鼠一匹」の範囲に収められたと思うのであります。現在は、安倍元首相が居ない状態で進行している出来事であります。「条件がまったく変わってしまった」という前提があり。

岸田内閣の意思表明として「林外務大臣>日本政府としてコメントする立場にない」、万が一の暴発事件を通じて付け込まれるようなスキを見せなかった、という意味で、国防上、素晴らしいコメントとなったと思います。

図式としては、「死せる安倍、生ける米・中・台を走らす」。安倍元首相は死亡された後も、ガッツリ仕事されているような感じで。この影響度の大きさ、やはり常人ばなれしていると思案…

(お金の流れや、経済動向などを含めて複眼的に思案してみると、「これは、えぐい…」と思われるところ多々であります。なかなか気が抜けないなという流れ。安倍元首相の亡き今、岸田首相には、いっそう頑張って頂きたいと思います)


【新型コロナ2類・5類の指定について、時事ニュース・メモ】

●「強力措置残すべきだ」 コロナ分類引き下げに後藤厚労相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022072900572&g=soc(2022.07.29時事通信)

後藤茂之厚生労働相は29日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスの感染症法上の分類見直しについて「感染力の強いBA.5の状況を考えれば、強力な措置の可能性を残しておくべきだ」と述べ、慎重な姿勢を示した。
後藤厚労相は「新型コロナの致死率は季節性インフルエンザより高く、特に高齢者はその差が顕著だ」と指摘。医療提供体制に影響が及ぶ場合は「強力な感染拡大防止策を取れるようにしておくことが必要だ」と強調した。

●新型コロナ「2類相当」見直しへ 第7波収束後、全数把握議論―政府
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022073000311&g=pol(2022.07.30時事通信)

政府は新型コロナウイルスの流行がオミクロン株中心となり、重症化率が低下していることを踏まえ、現在「2類相当」としている新型コロナの感染症法上の位置付けを「第7波」収束後に見直す方向で調整に入った。厳格な対応を緩和することを想定。全感染者の情報を集約する全数把握取りやめの是非などについて検討を進める。政府筋は30日、「2類相当の見直しは不可欠。第7波が落ち着いたら議論を進める」と語った。(後略)

コメント:政府の判断は妥当と思われます。要は、「新たな変異株への厳重な警戒は必要であり、引き続き2類相当の強力な対応を続ける」、「全数把握などの2類相当の医療業務は、医療機関の過大な業務状況を生んでおり、負担軽減となるよう、5類相当へ引き下げ」。軽症者も含む全数把握は、ストップしても良いタイミングだという判断。軽症者については季節性インフルエンザ同等(感染対策をしつつ社会活動の幅を拡大)として、重症者に集中して、医療リソースを振り分けましょう、という流れ。


寡聞にして知らなかったのでありますが、「ワクチン接種者はコロナ感染率が高くなる」という話題があり。ネットでも色々言われている様子であります。

日本のワクチン接種率は80%~90%という事で、ワクチン接種済みの人数が多いからでは?と思案。

変異株はワクチンによる防壁を突破して感染するという報告があるので、感染率「1対1」として考える。すると、パッと見た目では、感染人数はワクチン接種者の方が多い。これを感染率と認識して、騒いでいる状態かと。

要は、小学生の算数の問題ではないか?と思案。

ちなみに、コロナ重症化率はワクチン接種者のほうが有意に低い、という報告がされているところ。

今のところ、沖縄県のワクチン接種率が、全国平均に比べてとても低い状態。ワクチン接種をしていない人数が多い場合の推移を見るという意味では、偶然ながら貴重な事例となっているのかなと思います。

コロナ後遺症のほうは比率はあまり変わらないようですが。ワクチン接種回数(ブースター接種)が増えると、将来的には、長期ダメージ影響度は抑えられる…と、可能性としては言われている模様(※まだ時間経過が浅く、当座の経過観察や予測のみに留まる。ハッキリした報告ではないので注意)


■経済産業省>通商白書2022(2022.07.29公開)
https://twitter.com/meti_NIPPON/status/1552894610980057089

>不確実性を増す世界情勢、日本経済の向かうべき道は?
今知っておきたい、ロシアによるウクライナ侵略の世界経済への影響や、不確実性の高まる世界で加速する4つのトレンドと今後の通商政策の方向性についてまとめました。#通商白書2022

https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2022/whitepaper_2022.html
セクション:第1章 第2節 世界的な供給制約の高まり
よくまとまっていて、非常に参考になりました。
(1頁)サプライチェーンにおける供給制約の関係図=何で色々値上がりしたのか?というのが図解で理解できました。グローバル影響度の大きさに震える…

■内閣府・原子力委員会>令和3年版(2021年版)原子力白書(2022.07.28公開)
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/hakusho/index.htm

・2021年6月に具体化された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において、高速炉、小型モジュール炉(SMR)、高温ガス炉、核融合に関する目標・工程表を提示。
・2021年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」において、原子力発電について、安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源と位置付け、2030年度における電源構成の見通しでは20~22%程度を見込むと明示。


■半導体連携、台湾有事を念頭 調達多様化目指す 経済版「2プラス2」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022073000235&g=int(2022.07.29時事通信)

日米両政府はワシントンで29日に開いた外務・経済閣僚による「日米経済政策協議委員会」(経済版2プラス2)で、経済安全保障の観点から重要性が高まっている半導体のサプライチェーン(供給網)構築をめぐり緊密に連携することで一致した。
台湾有事を念頭に、半導体の生産施設が集中する台湾への過度な依存を見直し、自国生産を含めた調達の多様化を図る。半導体の開発加速や増産をもくろむ中国に対抗する構えだ。
(中略)
米国は台湾有事をにらみ、半導体など先端技術に関する新たな対中輸出規制の枠組みを模索する。いざ有事となれば、ウクライナに侵攻したロシアに対して構築した多国間の輸出規制の枠組みを「対中国でも再現したい」(米商務次官)考えだ。経済版2プラス2では人権侵害に悪用されかねない技術の輸出規制も議題に含まれており、関連技術を持つ日本は今後、難しい対応を迫られる可能性もある。

(コメント:もろ、経済安全保障の案件。岸田政権の謎のステルス能力でもって、着々と事が進むだろうと想像。「あれ、いつの間にか…?!」という将来が、今から見えるような)

■台湾を訪れる各国政府関係者とペロシによって窮地に立たされるバイデン
https://kotobukibune.at.webry.info/202207/article_28.html(日比野庵本館ブログ、2022.07.29)

コメント:「台湾有事」関連を取り扱っている記事。ここ数日(2022年7月の後半ごろ)の日・米・台の動きについて、まとめられた内容。

安倍前総理1人の外交パワー=国会議員の一大派閥と同じくらいの外交パワーがあったのかも、と思案

1人分のパイプを失っただけで、これだけ人脈の状況が不安定になるとは、自民党の国会議員たち、どれだけ安倍氏に頼っていたのだろうと想像。安倍氏1人に外交パイプ維持(様々な交渉や調整)の負担を背負わせて、自分たちは楽していた、という状況があった…とかだと、これからの激変する海外情勢の中で、シッカリ国会議員としての仕事を任せられるのかどうか、すごく不安。1人1人が、良い方向に化けることを祈ります


■安倍晋三元首相が中国を翻弄した秘策「狂人理論」/「中国が最も恐れた政治家」が使ったアメとムチ
https://toyokeizai.net/articles/-/606101(2022.07.24東洋経済)

コメント:非常に秀逸な政治評論と感じました。安倍晋三氏という希代の政治家の思考や行動をうかがい知れる記事。

欧米の政治家たちの中国に対する無理解と、中国に扇動されての、ジャパンバッシングの流れ(南京問題、戦争責任、慰安婦問題など)⇒安倍首相は、中国による「邪悪な日本」宣伝キャンペーンに対し、キッチリ反論するという手段をとった

記事より:安倍首相による、欧州政治家の中国理解の不十分さに対するコメント
「欧米諸国の首脳には、習氏に対して理解不足による過大評価をする傾向があります/ドイツのメルケル首相がその筆頭で、『習主席は反腐敗キャンペーンを展開していてクリーンな政治家だ』と、ある国際会議の場で持ち上げて、中国擁護論を展開していました」

実際に見聞きしたからこそのコメントであって、じっくり検討するに値する内容であり、実際にじっくり検討して、対中外交の基本方針を決めて行ったのだろうと思われました。

安倍氏による習近平氏の人物評、および対中外交の基本姿勢の組み立て

「中国共産党が得意な『心理戦』と『世論戦』を始めとする権謀術数に長けている人物だと感じました。あのまま反論しなければ、政治経験が乏しいトランプ氏らはあっさりと習氏に篭絡されていたでしょう。私がいたるところで中国のネガティブキャンペーンを張っていたから、習氏は私のことを強く警戒していたようですが」
「中国は力の信奉者だと思っています。と同時にメンツを非常に重んじる。硬軟織り交ぜた外交が必要です。私は自ら『嫌われ役』を買って出て安全保障分野では中国に圧力をかけつつ、党内の対中強硬派も説得してきた。一方で、二階さんやほかの閣僚には中国側の顔を立ててもらい、経済分野を中心に協力を持ちかけてもらったことが結果としてうまくいったのだと思います」

自民党の親中派議員を組み合わせて、まさに「アメとムチ」戦略で、中国と対峙していったという経緯。国益を重視したプロフェッショナルな是々非々の姿勢を貫いたからこそ、中国も、ロシアも、安倍政権を好敵手と判断し、外交チェスゲームに応じていったのだろうと考えられました。

中国政府当局者による安倍外交の評価

「戦後初めて、対米追随ではなく、独自の戦略を持った外交を打ち出した日本の指導者だと評価しています。小泉純一郎氏ばりのイデオロギー色を発しながら、田中角栄氏のように実利的なアプローチも仕掛けてくる。なかなか手の内が読めずに苦労しました。ある意味で、われわれが最も恐れた日本の政治家でした」

台湾有事に関し、想定されるシナリオのひとつ:
(1)中国公船による台湾海峡の船舶取り締まり。中国海軍による東シナ海一帯での海上封鎖
(2)日本の南西諸島の一部を含めた空域での「飛行禁止区域」の設定
(3)日本や米領グアムの近海への弾道ミサイルの威嚇射撃(※安倍氏は、このシナリオに関し「台湾有事は日本有事である」とコメントしたとのこと)

安倍氏は首相退任後、台湾有事に関し警戒的な発言が増加:その理由

「私に具体的な訪台の計画がない段階から、中国外務省が北京の日本大使に抗議したり、東京の中国大使館幹部が外務省に申し入れたりして右往左往していたそうです。放っておけばいいんです。私が『狂人理論(マッドマン・セオリー)』をやれば、中国も日本を挑発しづらくなるし、外交交渉も優位に立てるから」

…「狂人理論」というのは知りませんでしたが。

中国船や中国戦闘機による日本領海・領空侵犯の多さにもかかわらず、遂に極東有事を起こさせなかった…という歴史的な事実が有り。極東の安定化&安全保障の方面では、強力に、かつ有効に機能したのであろうということが、よく理解できます…

記事の最後の部分

今後の、極東有事の可能性も含めて、東アジア情勢の変化について考える時の重要な要素になると思われました。

(安倍氏は)自他ともに認める対中強硬派だったからこそ、存在自体が中国に対して牽制となった。と同時に経済交渉を進める際に、自民党内や世論の「右派」を説得することができた。
(中略)
岸田政権が安易な対中融和に傾くこともあるかもしれない。そうなれば、足元を見た習近平政権が日本に対して強硬に出てくる可能性がある。抑えが利かなくなった自民党などの右派が対中強硬に一気に傾くことも考えられる。
議員会館の安倍氏の部屋では、何度か岸田文雄首相とニアミスした。外交を中心に安倍氏に助言を求めていたそうだ。2021年9月の自民党総裁選で最終的に岸田氏を支持した理由を問うと、安倍氏はこう答えた。
「外相として4年8カ月の長期にわたって、安倍外交を支えてくれたことを感謝しているからです。自分の手柄にする政治家が多い中で、岸田さんは常に謙虚に懸命に支えてくれました」
「安倍外交の後継者」として、対中外交を含めたかじ取りをしていくのか。岸田氏の真価が問われている。

■技能実習制度、本格見直しへ 政府、有識者会議で議論(共同通信2022.07.29)
https://nordot.app/925581021847126016

古川禎久法相は29日の閣議後記者会見で、外国人技能実習制度の本格的な見直しに乗り出す考えを表明した。実習先で暴行を受けるなど人権侵害が後を絶たないといった問題点を挙げ「制度の趣旨と運用実態が乖離せず、整合する」ことが必要だと強調した。政府は年内にも有識者会議を設け、具体的な制度改正に向けた議論を進める方針。
古川氏は今年2月から勉強会を開き、専門家や外国人支援団体の代表ら10人超から意見聴取。「人づくりによる国際貢献という制度の目的と、人手不足を補う労働力として扱う実態が乖離している」と指摘されたという。会見で「長年の課題を歴史的決着に導きたい」とした。

■技能実習生、過半数が来日前に借金 平均54万円、入管庁が初調査
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022072600646&g=soc(2022.07.26時事通信)

出入国在留管理庁は26日、外国人技能実習生が来日するために支払う費用負担に関する初の実態調査の結果を公表した。それによると、来日前に出身国で借金をした実習生の割合は54.7%に上り、平均額は54万7788円だった。
技能実習制度をめぐっては、実習生が出身国の送り出し機関などに「手数料」や「保証金」を支払うため多額の借金を負い、それが日本国内での失踪や不法就労につながっていると指摘されている。
調査は入管庁と「外国人技能実習機構」が昨年12月10日から今年4月末にかけて実習制度の運用状況を検査した際に併せて実施。2184人から有効な回答を得た。
来日前に借金をしているかどうか尋ねた質問には2107人が答え、このうち54.7%に当たる1152人が「はい」、残り955人が「いいえ」だった。借金の平均額を国籍別に見ると、ベトナムが67万4480円で最多。カンボジアの56万6889円、中国の52万8847円が続いた。
来日前に送り出し機関か仲介業者、またはその両方に対して支払った金額については1369人が答えた。平均は54万2311円。国籍別の上位三つはベトナム68万8143円、中国59万1777円、カンボジア57万3607円だった。入管庁はベトナムに関し、「不当に高額な手数料を徴収する送り出し機関などがある」と分析している。
日本にいる外国人技能実習生は昨年末時点で27万6123人。古川禎久法相は制度の見直しを検討する内部の勉強会を設置しており、有識者との意見交換を踏まえた論点整理を月内にも公表する。入管庁はその後の議論を進めるに当たり、調査結果を活用する考えだ。

■5類見直し秋にも議論。政府「見直しに向けた議論に着手したい」/ネット「即実施でも即検討でもなく、秋から議論。しかも「したい」って何?」「岸田:秋から検討するかも」
http://totalnewsjp.com/2022/07/24/covid19-530/

現在、コロナは感染症法上、危険度が上から2番目に高い「2類」相当の扱いだ。受診できるのが指定医療機関などに限られ、保健所や指定医療機関には大きな負担がかかる。これが「5類」相当に引き下げられると、季節性インフルエンザのように一般の医療機関でも対応が可能になる。

2022年7月の個人的な注目時事ニュース集

■安倍氏たたえる決議採択 米上院で全会一致(産経新聞2022.07.21)
https://www.sankei.com/article/20220721-SN7IHOLCRFPIVOIQS7WFNJMSA4/

米上院は20日、銃撃されて死去した安倍晋三元首相をたたえる決議案を全会一致で採択した。安倍氏を「一流の政治家で民主主義の価値の擁護者」と評価し、「日本の政治、経済、社会、そして世界の繁栄と安全保障に消し去ることのできない足跡を残した」とした。
決議は前駐日大使のハガティ上院議員ら70人近い議員が13日に共同提出。安倍氏が「自由で開かれたインド太平洋」の考え方を広めたことに触れた上で、現在の日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」の基礎となる構想を推進したと強調した。米大統領とともに日米同盟を強化し、北朝鮮の非核化や日本人拉致問題の解決にも精力的に取り組んだと指摘した。
「米国は偉大な友人を失った」としながらも「そのリーダーシップにより、日米が世界中で自由、繁栄、安全を促進し、専制主義や独裁政治に対抗するため今後数十年にわたって協力する基盤が築かれた」と締めくくった。(共同)

(コメント:この決議の意義は重大。安倍元首相の功績と考えられる点…1、アメリカにとって対等かつ敬意を表する相棒ないし好敵手としての日本の地位の確立、2、民主主義を守り抜くという迷いのない姿勢への評価、3、アメリカ上院下院ともに一致して安倍元首相という傑出した人材への国家最高レベルの評価をなさしめた)

【以下、過去記事ですが、安倍元首相のベストショット写真リンクを兼ねて】
アングル:安倍政権、歴代最長も果たせぬミッション 憲法改正の夢(ロイター2019.11.18)
https://jp.reuters.com/article/japan-abe-legacy-idJPKBN1XS0H0


●ECB、0.5%利上げでマイナス金利脱却 市場安定化措置決定(2022.07.21ロイター)
https://jp.reuters.com/article/ecb-rates-idJPKBN2OW15H

欧州中央銀行(ECB)は21日、2011年以来となる政策金利の引き上げを決定するとともに、市場安定化に向けた新たな債券買い入れ措置を承認した。
政策金利は0.5%ポイント引き上げた。記録的な物価高を受け、引き上げ幅は前回の理事会で示唆した0.25ポイントの倍にした。この結果、リファイナンス金利が0.50%、中銀預金金利がゼロ%、限界貸出金利は0.75%に引き上げられた。
11年ぶりとなる利上げについてECBは声明で「今後の政策理事会で一段の金利の正常化が適切になる」と表明。「今日の決定でマイナス金利を脱し、理事会は金利決定について会合ごとのアプローチに移行できる」とした。
また多額の債務を抱える南欧の金利が上昇することによる「域内格差」を是正する新たな債券買い入れ措置、伝達保護措置(TPI=Transmission Protection Instrument)」を発表した。
TPIの運用について「買い入れ規模は、政策伝達上のリスクの深刻度による。買い入れに事前の制約はない」とした。

(コメント:ガス供給が少なくなっているという話があり。スタグフレーションの気配も漂い始めたところで、将来の見込みは厳しそうです。でも、当座の急激なインフレを抑えるべしという見方が大勢であった模様。利上げという事は、クレジットカード決済やローン返済の時の利率も上昇するという…借金を抱えている人には辛いかなと思われ…)

●情報機関・検察トップ解任 職員がロシアに協力疑い―ウクライナ(時事通信2022.07.18)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022071800157

ウクライナのゼレンスキー大統領は17日のビデオ演説で、バカノフ保安局(SBU)長官とベネディクトワ検事総長の解任を発表した。SBUや検察の多数の職員が、ウクライナ侵攻を続けるロシアに協力している疑いのあることを解任の理由に挙げた。
ロシアによる侵攻開始以降、治安機関トップの交代は初めてで、2人同時は異例。長期戦をにらみ、戦時体制の立て直しを図った形だ。
ゼレンスキー氏は演説で、国家反逆やロシアへの協力の疑いで検察職員らの捜査を進めているケースが651件に上ると明かした上で、「60人以上の職員が占領地にとどまり、わが国に背く活動をしている」と指摘。「国家安全保障の基盤に対するこうした一連の犯罪」は「関連機関のリーダーシップに極めて深刻な疑義を突き付ける」と述べ、解任の決断に至ったと説明した。

「ロシアへの内通者発見」 ゼレンスキー大統領、保安局トップを解任(ロイター2022.07.19)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b7fd507dc741a244dd37badf529bfba9b307af7e

ウクライナのゼレンスキー大統領は7月18日夜、保安局(SBU)のバカノフ長官とベネディクトワ検事総長を解任した。ロシア軍に制圧された地域でSBUと検察の職員らがロシアに協力するなど、国家反逆行為があったとしてトップに引責させた。
ゼレンスキー大統領「ウクライナ保安局に関する重要なニュースがもう1つある。職員の人事監査を行っており、28人を解雇する可能性がある。さまざまなレベルや角度から解雇を検討しているが、理由はどれも似ている。職務遂行能力が十分でないことだ。わが国の軍隊はロシア軍の後方支援に多大な損害を与えることができた。ロシア軍が占領地の拠点を維持することはますます難しくなっている。内通者を突き止め、無力化しながら一歩一歩前進する。展望は明確だ。この国のすべての都市と村にウクライナ国旗が掲げられるだろう。それは時間の問題だ」

(コメント:ロシアの内部混乱もいろいろ聞こえてくるところですが、ウクライナ側の内部混乱も激化している模様。敵性の文化活動の排除や野党の締め出しなど、ウクライナ内部闘争が広がっているのかなと思案。国家の結束にヒビ入っても不思議では無く。ウクライナ崩壊のリスクもありそう)

●ウクライナ議会、ロシアの音楽と出版物の禁止法案可決(ロイター2022.06.20)

ウクライナ最高会議(議会)は19日、ロシアの音楽を放送したり公共の場で流したりするのを禁じる法案を可決した。1991年のソ連崩壊後にロシア市民権を獲得した者の演奏が対象。ロシアやベラルーシ、ウクライナのロシア占領地域からの商業出版物の輸入を禁じる法案も可決した。
一方で、テレビやラジオでのウクライナ語放送やウクライナの音楽の枠を増加させる。ソ連崩壊後のロシア市民権獲得者が同国パスポートを放棄してウクライナのパスポートを取得すれば、執筆物の出版を認める。法案はゼレンスキー大統領の署名を経て成立する見通し。

●ウクライナ、親ロ政党の活動禁止 資産差し押さえ(AFPBB、2022.06.21)
https://www.afpbb.com/articles/-/3410628

ウクライナの裁判所は20日、国内最大の親ロシア派政党「野党プラットフォーム―生活党(Opposition Platform-For Life)」の活動禁止と国内資産の差し押さえを命じた。デニス・マリュスカ法相がSNSへの投稿で発表した。
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は3月、ロシアの侵攻を受けた措置として、治安当局により親ロ派と特定された政党の活動を禁止する命令に署名していた。
マリュスカ氏によると、差し押さえられた資産は国庫に移される。このほか、ウクライナの国家安全保障を損なっているとみなされた親ロ派10政党が活動を禁止された。
「野党プラットフォーム―生活党」は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のウクライナ最大の支持者と目される大富豪ビクトル・メドベチュク氏が2018年に設立。19年の議会選挙ではゼレンスキー氏の与党に次ぐ第2党となり、今年3月に活動を禁止されるまで約30議席を保持していた。メドベチュク氏は国家反逆の疑いで拘束されている。

●親ロシア派が拘束の英国人男性死亡 病死と主張 英国政府「問題を緊急に提起」(TBS NEWS DIG Powered by JNN、2022.07.16)
https://news.yahoo.co.jp/articles/0d8cf21aae774b1fe621680e22c0729dce0bbfcf

ウクライナ東部の親ロシア派は15日、拘束していたイギリス人男性が死亡したと発表しました。これを受けてイギリス外務省はロシア外務省などに対し「問題を緊急に提起している」としています。
インタファクス通信によりますと、親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」は拘束していたイギリス国籍のポール・ユーリーさんが10日に死亡したことを明らかにしました。
親ロシア派側はユーリーさんについてウクライナ側の外国人傭兵だったとしていて、死亡の理由について「持病の悪化とストレスが原因」だと主張しています。
イギリスBBCによればユーリーさんが「死亡した」との発表を受けてイギリス外務省は「ウクライナ当局およびロシアの外務省に対してこの問題を緊急に提起している」と述べました。
またイギリスに駐在しているロシア大使を呼び出しました。
ユーリーさんは今年4月、ウクライナ南部ザポリージャ州で住民を避難させる活動を行っていた際に、親ロシア派の検問所で別のイギリス人男性とともに拘束されたと見られています。
その後、ユーリーさんが手錠をされた状態でイギリス政府やイギリスメディアを批判する様子がロシアのテレビで流れましたが、ユーリーさんの2人の娘はイギリスメディアに対して「父がそんなことを言うとは思えない」と述べていました。
ユーリーさんは糖尿病を患っていて、インスリンを持ち歩いていたということですが、人道支援団体は、親ロシア派側が、国際赤十字などの支援機関がユーリーさんに会うのを拒否したと主張しています。

(コメント:ロシア・ウクライナ停戦へのプロセスが更にこじれるという、よろしくない影響が出て来そうな。英国ジョンソン首相が首相の座を降りる決意をした、とのニュースの直後というタイミングも、なんだか凄すぎ、と申しますか…すでにグダグダ・ゴチャゴチャで、うらみ骨髄、見通し真っ暗、という段階なのかも知れませんが…)

●停泊中の海保巡視船から機関砲8発を陸へ誤射 けが人なし(2022.07.19,TBS-NEWS-DIG)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/99342

海上保安庁の巡視船が沖縄・伊良部島の基地に停泊中、誤って機関砲の実弾8発を発射し、松野官房長官は、徹底した調査と原因究明を行う考えを示しました。
松野官房長官
「宮古島海上保安部に所属する巡視船が基地において停泊中に、搭載する20ミリ機関砲の点検作業を行っていたところ、誤って実弾8発が発射されたとの報告を受けています」
宮古島海上保安部によると、きょう午前11時10分ごろ、沖縄・伊良部島の長山港に停泊していた巡視船「しもじ」で、搭載されている20ミリ機関砲の点検中に、誤って実弾8発が陸地に向け発射されたということです。
松野官房長官はきょう(19日)午後の会見で、「これまでのところ、人的被害や民間施設への物的被害は確認されていないと聞いている」と述べています。
そのうえで松野長官は、「このような事故が発生したことは大変遺憾」とし、海上保安庁で徹底した事実関係の調査と原因の究明を行うべきとの考えを示しました。

(コメント:尖閣諸島あるいは台湾・沖縄あたりの、将来の極東有事の可能性を連想させるところ。情報戦なのだろうなと思案してみる)

●米下院議長が来月訪台 日本にも 英紙報道(時事通信2022.07.19)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5cec47956d16a469f7efd0df4de3ed8d09c4b020

英紙フィナンシャル・タイムズは19日、関係者6人の話として、ペロシ米下院議長が8月に台湾を訪問する計画だと報じた。同紙によると、日本、インドネシア、マレーシア、シンガポールも訪れる。
ペロシ氏の訪台は当初4月に予定されていたが、同氏が直前に新型コロナウイルス検査で陽性となり、延期されていた。中国は当時、訪台は米中関係に深刻な影響を及ぼすと警告していた。同紙によると、米政権内では、ペロシ氏の訪台の是非をめぐり意見が割れていた。一部の当局者は、ロシアのウクライナ侵攻から間もない4月の方が訪問を正当化しやすかったとみていたという。(ロイター時事)。

(コメント:そして、このタイミングで、台湾を米国要人が訪問する…妙に不穏な内容を予期させるところ)


●安倍元首相銃撃犯の怨恨の根、岸信介の統一教会接近とは──祖父の冷戦戦略の副作用に殺されたのか(現代ビジネス)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/97419

政治家は宗教側の「熱意」にあまりに鈍感
(前略)統一教会にかつての勢いはない。安倍政権が続いていた時代、勝共連合の機関誌である『世界思想』の表紙を安倍元首相がたびたび飾ったのも、あるいは統一教会がメッセージを求めたのも、なんとか勢力の挽回をはかろうとしてのことであろう。
安倍元首相は、祖父からの関係があるがゆえに、その要望に従ったのだろうが、それが容疑者を刺激することになった。
首相や元首相を利用しようとする宗教の側は必死であり、その効果に絶大な期待を寄せる。まさに創価学会の戸田がそうだった。
ところが、首相や元首相の側には、それが分からない。あるいは、その認識のズレが、思わぬ形で今回の出来事を生んだのかもしれないのである。

(コメント:真相に近いポイントを突いているかも知れない…)

●肥料、電気代の負担軽減へ 岸田首相「物価高騰、最大限警戒」 対策会合・政府(時事通信2022.07.15)
https://news.yahoo.co.jp/articles/3d31e58ab0e7f3e98ab866f81fe9143b24a9ed4d

政府は15日、「物価・賃金・生活総合対策本部」(本部長・岸田文雄首相)の第2回会合を首相官邸で開いた。
ロシアのウクライナ侵攻などに伴う物価高騰に対応するため、農産品の生産コスト上昇を抑える肥料の購入支援金創設や、電気料金の負担軽減を図る節電プログラムの実施などを決定。こうした対策の経費を賄うため、政府は月内に予備費の執行を決める方針だ。
岸田首相は会合で「世界的な物価高騰は依然として予断を許さない状況だ」と強調。その上で関係閣僚に対し「最大限の警戒感を持って、引き続き対応してほしい」と指示した。
農産品の支援金は、世界的に化学肥料の原材料価格が高騰していることから、肥料価格上昇分の7割を補填する仕組み。6月以降に購入した分までさかのぼって支給する。電気料金については、節電に協力した家庭にポイントを付与する電力会社の取り組みに参加を促すため、政府の支援で今夏にも参加登録者へのポイント付与を始める。

●柏崎刈羽、対テロ施設の計画了承 対策不備には言及なし―規制委(時事通信2022.07.13)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022071300529

原子力規制委員会は13日、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)のテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重)について、「新規制基準に適合している」とした審査書案を了承した。原子力委員会と経済産業相の意見を聞いた後、正式決定する。
柏崎刈羽原発をめぐっては、7号機の原子炉本体施設の審査は合格したが、侵入検知装置の故障が放置されるなどテロ対策の不備が相次いで判明。規制委が事実上の運転禁止命令を出し、再稼働に向けた準備が進められなくなっている。特重は同じテロ対策に関連する施設のため、審査の進め方に注目が集まっていたが、13日の規制委では不備についての言及は特になかった。

(コメント:原発再稼働へ一歩前進。岸田政権が、以前から原子力規制委員会に、審査をできるだけ急ぐよう声を掛けていたという話があり。委員会のほうでも、可及的速やかに作業を進めていた模様)

●LNG買い占める欧州 貧困国は電力不足に/欧州のガス需要が価格高騰を招き、アジアなどへの供給を奪う(ウォール・ストリート・ジャーナル2022.07.08、有料のため途中まで)
https://jp.wsj.com/articles/europe-scoops-up-lng-choking-off-power-supplies-in-poorer-nations-11657257346

ウクライナの戦争は、遠く離れた発展途上国の電力を奪う結果になっている。発電に使用される液化天然ガス(LNG)の世界的な供給が、ロシア産ガスの代替として欧州諸国に取り込まれているためだ。
パキスタンが実施した約10億ドル(約1360億円)のLNGの入札に対し、7日に応札が1件もなかった。同国当局が明らかにした。同国では発電所に供給するのに十分な天然ガスを輸入できず、企業や家庭は毎日、政府による強制的な電力停止に悩まされている。
船で世界中に運搬可能なLNGの価格は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で需要が抑制された2年前の底値から1900%も高騰している。現在の価格は、原油に換算すると1バレル=230ドルに相当し、現在の原油価格の2倍以上だ。LNGは通常、原油より安い価格で取引されている。

●ノルドストリーム、検査でガス供給停止 再開不透明(日本経済新聞、2022.07.11)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR114JT0R10C22A7000000/

ロシアとドイツをつなぐ天然ガスの主要パイプライン「ノルドストリーム」は11日朝、定期検査で供給が止まった。毎年恒例の検査で21日ごろまで続く予定だが、経済制裁やウクライナへの武器供与を理由に、ロシア側が検査終了後も供給停止を続ける恐れがある。
定期検査は、ノルドストリームを運営するロシア国営ガスプロムが遮断弁や圧縮機など設備や安全システムをチェックする。必要に応じて設備を補修するが、長くても約2週間で終えるのが通常だ。
ロシアのプーチン大統領は8日「制裁はエネルギー市場の破滅的な価格上昇につながり、欧州全体の家計に打撃を与える可能性がある」と述べた。ウクライナに自走式榴弾砲や防空システムの供与を決めたドイツをけん制した。
ガスプロムは6月中旬以降、ドイツ向けのガス供給量を、契約量の約4割に削減している。ガスプロム側はカナダで修繕していた設備が戻っていないことを理由に挙げていた。カナダ政府は対ロシア経済制裁を理由に設備の輸送に難色を示していたが、9日には許可すると明らかにした。
ドイツ政府は「検査終了後もノルドストリームの完全封鎖が続く恐れがあり、その可能性に向き合う必要がある」(ハベック経済・気候相)とロシアの報復措置への警戒を強めている。
ショルツ首相は11日、国内企業トップらと将来的な供給不足への対応について意見を交わした。ハベック氏は11日にチェコ、12日にオーストリアを訪れ、供給確保に向け連携する。
夏場のガス需要は小さく、供給減がすぐに電力不足につながる可能性は低い。ただ需要が拡大する冬場を前に、ガスの備蓄量を積み増しておきたい政府の思惑には狂いが生じることになる。
産業界への打撃も表面化している。ノルドストリーム経由でガスを調達する独エネルギー大手ユニパーは8日、ドイツ政府に資本注入など救済措置を要請した。不足分は割高なスポット市場から購入しており、損失は年末までに100億ユーロ(約1兆3800億円)に達する可能性がある。
ロシアからドイツに向けてはノルドストリームのほか2本のパイプラインがある。このうちポーランド経由は5月中旬に停止し、ウクライナ経由も7分の1に供給量が落ちている。

●アングル:気候変動対策加速へ、「照準」変えた若者の抗議活動(ロイター2022.07.10)
https://jp.reuters.com/article/youth-protest-climate-change-idJPKBN2OF08Y

<大物政治家と対峙>
英ブリストル大学の講師、オスカー・バーグランド氏は、若い活動家が「気候変動に関する『悪者』を具体的な標的に定めるようになった」と言う。温室効果ガスを排出する特定の企業と、それを可能にしている政治、金融、メディアを狙い撃ちし始めたのだ。
英国では、そうした活動のひとつである「グリーン・ニューディール・ライジング」が見出しをにぎわせている。昨年8月に始まったこの活動は、スナク英財務相ら主要政治家と対峙し、その様子をフィルムに収めてきた。
最近では国会議事堂で石油・天然ガス産業のイベントが開かれた際、大音量で抗議の演説を行って妨害した。望むのは、早急な気候変動対策について超党派の支持を取り付けることだ。公開イベントで議員らを質問攻めにして驚かせたこともある。草の根活動は、政治家にアクセスして「言質」を得る有効な方法だと活動主催者は語った。
<ウクライナ侵攻との結びつき>
世間の関心が高い話題と、気候変動対策を求める活動を結びつけようとする動きもある。

●「節ガス」制度を検討 経産省、LNG不足に備え/企業に使用制限令も(日本経済新聞、2022.07.09)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA01CH90R00C22A7000000/
>経済産業省は液化天然ガス(LNG)の調達難に備え、都市ガスの消費を抑える「節ガス」を家庭や企業に求める仕組みをつくる。需給が逼迫する際には前もって大口企業に使用制限令を出せるようにする。ロシア産LNGの安定供給に懸念が生じていることに対応する。電力分野の節電要請を参考に制度設計する。今冬の需要ピーク前に制度化できるよう、総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の有識者会議で詳細を詰める。

●ロシアの黒海封鎖が一因 スリランカ危機 米国務長官(時事通信2022.07.10)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022071000425

ブリンケン米国務長官は10日、訪問先のバンコクで記者会見し、ロシア軍による黒海封鎖でウクライナ産穀物の輸出が停滞していることに関し、スリランカが経済危機に陥った要因の一つとなった可能性があるとの見方を示した。
長官は「黒海封鎖により、2000万トン以上の穀物が世界に供給できないまま、ウクライナの貯蔵庫にとどめられている」と述べた上で、「世界中で深刻化している食料不足はロシア軍のウクライナ侵攻で著しく悪化している」と批判した。
また「ロシアによる侵攻の影響は各地に広がっている」と語り、タイでも肥料が不足し、価格が跳ね上がっていると指摘。肥料が使えなくなれば収穫が減り、農産品の価格が高騰するだろうと懸念を表明した。

(補足:海路封鎖の担当=トルコ、機雷ばらまき担当=ウクライナ、経済制裁による決済ストップ担当=アメリカ※当分の間、輸送路はまともに機能しない見込み)

●経済危機のスリランカ 大統領が辞任へ 政府への抗議広がる(NHK、2022.07.10)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220710/k10013710241000.html
>インド洋の島国・スリランカのラジャパクサ大統領は、今月13日に辞任する意向を議会に伝えました。経済危機が続くスリランカでは9日、最大都市のコロンボなどで政府に対する大規模な抗議活動が広がりデモ隊の一部が大統領の公邸を占拠するなど、政府の責任を追及する声が高まっていました。

外務省:スリランカにおける人道状況の悪化を受けた緊急無償資金協力(2022.05.20)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press1_000880.html
(日本政府は緊急的に人道的支援をしているが、おそらくスリランカ政府には、その支援を有効活用できる程度の正常な政務能力が残っていなかったと思われる。スリランカ政府の上層部のほうで、ほとんど中抜きして、「ポッケ・ナイナイ」状態?)

スリランカ、経済自由度指数112位に後退 改革進展も腐敗・汚職課題(SankeiBiz、2017.03.08)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/170308/mcb1703080500010-n1.htm

スリランカ国民の9割が大統領一族の辞任を求めていると現地の調査機関が発表(Yahoo個人、2022.05.02)
https://news.yahoo.co.jp/byline/nishantha/20220502-00294192

スリランカ、インフレ率は50%を超え、政府支持率はわずか3%に(Yahoo個人、2022.07.01)
https://news.yahoo.co.jp/byline/nishantha/20220701-00303633


●ウクライナ、ドナウ川の港から黒海へ抜けるルートで穀物輸出開始…要衝奪還で可能に(読売新聞、2022.07.13)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220713-OYT1T50131/

ウクライナ政府は12日、隣国ルーマニアとの国境となっているドナウ川沿いの港から黒海へ抜け、穀物を輸出するルートが稼働し始めたと明らかにした。先月末に黒海の要衝ズミイヌイ(蛇)島をロシア軍から奪還したことで、航行が可能になったという。
ウクライナ当局によると、この4日間で、ウクライナ産の穀物を輸送する貨物船16隻が、このルートを通ったという。当局は、このルートの活用により、穀物の輸出を月間50万トン増やせるとの見通しも示したが、従来の輸出拠点港だった南部オデーサやミコライウの取扱量をカバーできるほどではない。
13日にはロシアとウクライナ、トルコ、国連が、ウクライナ産穀物の輸出が停滞している問題について協議する。ウクライナが新ルートを稼働させたことで、ロシア側が態度を硬化させる可能性もある。
ウクライナ大統領府によると、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は12日、穀物の主要な輸出先である中東・アフリカ地域の担当特使を任命した。ロシアが自国産穀物の輸出拡大を図ろうとしている動きに対抗し、ウクライナとの関係をつなぎとめる狙いとみられる。

(コメント:ルーマニアとフランスの協力。シーパワー大国でもある英国。英国ジョンソン首相が、黒海の島の奪回作戦の直前にウクライナ電撃訪問していた件を想起。英国首相の座を降りることになったのは、この軍事・経済の目標が達成されたという事実も大きい模様。また情勢が大きく動き始めたら、ジョンソン氏の再登板の可能性もありそう)

●IMF専務理事が債務危機警告-コロナや戦争、利上げで「危機重なる」(ブルームバーグ2022.07.13)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-12/REWWRHT1UM0W01

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は、世界的な債務危機が醸成されつつあると警告を発した。中央銀行によるインフレ抑制を目指した利上げが、脆弱(ぜいじゃく)な国の債務返済コストを押し上げていると論じた。
ゲオルギエワ氏は12日、ワシントンでのイベントで「われわれが現在目にしているのは、危機の上に危機が重なるという状況だ。ウクライナでの戦争に加え、パンデミック後の金融環境の引き締まりで第3の衝撃が襲う可能性もある」と述べた。
物価の急上昇を受けて世界各地の中央銀行が金融政策の引き締めを余儀なくされている。米国も積極的な利上げ姿勢に転換し、それがドルを急騰させた。一方、途上国ではディストレスト債が2500億ドル相当に積み上がり、過去に例を見ないような連鎖的なデフォルト(債務不履行)が発生する恐れが出ている。
ドルを獲得できず、ドルでの債務返済を迫られる国は、返済に「2倍の困難」が生じると、ゲオルギエワ氏は指摘。途上国と新興国の約30%は債務がディストレスとなっているか、それに近い状態にあると付け加えた。

●「ウクライナ」(17)  松里公孝・東京大学法学部教授
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/36363/report

ロシア史、ウクライナ史が専門の東大の松里教授は「この戦争を理解するためには1991年のソビエト連邦解体にさかのぼらなくてはならない」と強調した。2008年以降の旧ソ連圏の戦争は、いずれも旧連邦構成共和国(グルジア、アゼルバイジャン、ウクライナ)と旧自治単位(南オセチア、アブハジア、カラバフ、クリミア)の間で起きており、拙速なソビエト解体は15の連邦構成共和国の政治家やインテリだけに利益をもたらし、自治単位に不満を残したという。また、分離志向が強いバルト3国やグルジア、アゼルバイジャンは「ソ連に組み込まれたこと自体が違法。ソ連に占領される前の原状回復を目指す」という考えが根強く、ロシアとの認識の隔たりは大きいとみる。
松里教授は、次にこの戦争を分類し、解決策を考察した。分離紛争の解決策には、分離国家を再び飲み込む「連邦化」、パトロン国家による「保護国化」など5つの方法があるという。今回の侵攻は「パトロン国家(ロシア)による親国家(ウクライナ)の破壊」に分類されると分析した。松里教授は、「プーチンは開戦直前まで『保護国化』を考えていたとみられるが、苦戦を経て「親国家の破壊」という究極的解決に踏み込んだ」と指摘した。この解決策の短所として、「国家間の衝突により膨大な人命が失われることと、パトロン国家と分離政体(ドネツク・ルガンスク人民共和国)が勝っても国際的には承認されず、紛争が永続化すること」を挙げた。
最後に、松里教授はこの戦争の発端となった2014年のドンバス分離紛争の背景を解説した。炭鉱労働者が多いドンバスは、1990年代には共産党の牙城だったが、ドネツク州知事から大統領に躍進したヤヌコヴィチ氏が「地域党」を結成した結果、リージョナリズムが煽られ、急進派が伸張したと説明した。その後、ユーロマイダン革命とヤヌコヴィチ氏のロシアへの亡命によって、急進派は旧支配層を追放し、分離政体を打ち立てたという。いま戦闘の中心にいるのは、ロシア軍ではなく人民共和国軍であり、その自立性・主体性を理解することは非常に重要だと指摘した。

(コメント:ドネツク・ルガンスク現地の混乱に伴い、「誰が権力を持っているのか」が錯綜し始めている⇒地域軍閥化・マフィア国家化に近い感じ?)

ロシアのウクライナ侵攻 第1章:ウクライナ危機の起源(松里公孝、東京大学大学院法学政治学研究科教授、NIRA総合研究開発機構、2022.05.13)
https://www.nira.or.jp/paper/research-report/2022/032205.html


●個人保証、創業5年不要に 「技術力」も担保対象―スタートアップ融資後押し・政府(時事通信2022.07.10)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022070900327

政府が、創業間もない「スタートアップ企業」支援のため、金融機関から融資を受ける際に創業5年未満は経営者の個人保証を免除する方針であることが9日、分かった。日本政策金融公庫など政府系金融機関に新たな制度を設ける。併せて、企業の独自技術など無形資産も融資時の担保にできるよう法制化を進める。新興企業が創業期に資金調達しやすい環境を整え、経済活性化を後押しする。
政府は6月に閣議決定した「新しい資本主義」実行計画で、スタートアップ企業を5年間で10倍に増やす目標を掲げた。ただ、こうした企業は工場など担保となる有形資産を持たず、創業当初は赤字が続くことも多い。経営者が連帯保証人となる個人保証や担保なしに融資を受けるのは難しいのが実情だ。
支援策では、日本政策金融公庫が個人保証を不要とする期間について、現行の「創業2年未満」から2倍程度に延ばす方向。信用保証協会も創業5年未満の企業に対し個人保証を求める規則を見直し、保証を不要とする制度を新設する。商工中金は現在も半分以上のスタートアップ向け融資で個人保証を取っていないが、原則不要にする。
民間金融機関にも対応を促す。金融庁は、法人と経営者個人の資産が明確に区分され、財務情報が適切に開示されていれば、個人保証を取らないよう改めて文書で要請する方針だ。
一方、金融機関にとっては個人保証や担保なしに融資すれば、貸倒時のリスクが高まる。金融庁は、技術力や顧客基盤、特許など将来の成長につながる無形資産も担保と位置付けられるよう法整備を検討。民法の特別法として制定する見通しで、早ければ来年の通常国会提出を目指す。

(コメント:スタートアップ起業家にとっては力強い後押しになる内容。従来、新規ビジネスは資金繰りがうまくいかず短期間で消滅する事例が多かったが、もう少し後押しすれば生存率アップしそうなのも結構あるという話。「これだけは負けない」というような売りや技術を持つ個性的なスタートアップ企業が増えると、経済全体でもプラスになるかも知れません)