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今回はホームページの「星巴の時空」シリーズに関して、資料を読んで軽くノートしました。
※「華夏の時空」は、手に入る限りの古代史資料を読みまして、後はどのように語(=騙)ろうかなと考えている段階。

簡単な歴史ブックを読み込んでみて、ヨーロッパ中世の飛躍を支えた要素が何だったのか、うっすらと分かってきたような気持ち。

ヨーロッパ中世の飛躍の謎は、ヨーロッパ中世前期に確立した要素にあると予想。

ヨーロッパ中世の大きな飛躍が見られる例として分かりやすいのは、建築です。中世中期の頃、それまでには見られなかった大きな教会建築、例えばシャルトル、モン・サン・ミッシェル、ノートルダムとかが建立されるようになります。

中世中期のドイツでは、既にクレーンを使った巨大建築技術が進んでいました。ドイツ・ポーランド地域の諸都市でクレーン建築などの諸工学が異常に進んだ背景には、カール大帝、もといシャルルマーニュが大いに関わっていた筈である…と、思考中。
(専門的かつ詳細な資料で調べてみると、とっても興味深い事業があるのです。後世への影響度は大きかった筈なのですが、注目度は低いみたいで、謎です…)

さらにロマネスク・ゴシックを経て、中世後期には、こうした建築技術が更に進歩し、ベルサイユ宮殿やクレムリン宮殿などの大掛かりな造成も、現実的なものとなった…と言えるようです。
集大成がノイシュヴァンシュタイン城でしょうか?*^^*

これらの進展の始原となった中世前期と言えば、ゲルマン諸王国の時代。

ですが、そもそも何も無い(当時のヨーロッパは大森林と岩山の世界が多い)ところに、インド=ヨーロッパ語族の後発組、ゲルマン諸族が入ってきた筈が無いし、即座にゲルマン諸王国が華やかに繁栄できた筈が無いのです。ゲルマン諸族が入り込んだのは、その当時、既に十分に都市開発がなされ、後の繁栄の基礎がしっかりと確立していた土地であった筈です。

タイトルにもある「ガロ=ローマ時代」、ここにヨーロッパ中世前期におけるゲルマン諸王国の繁栄と封建制度の成立を生み出したものの存在を、読み取りたいと思います。

考古学的には、「ガロ=ローマ時代」と言われているこの時代は、カエサルのガリア征服後から、西暦500年位までの期間に当たります。ケルト=ローマ融合文明の全盛期でもあり、この時代に、ケルト(ガリア属州)とローマの文化的融合が進みました。

種子がまかれたのは2世紀、ローマ・アントニヌス朝がもたらしたパックス・ガリアの頃で、その絶頂期は2世紀から3世紀。それまでは「アルプスの彼方(トランサルピナ)」と曖昧に呼ばれていた辺境でした。

当時のローマ地図では、南側(地中海沿岸)から順に「ナルボネンシス」、「アクイタニア」、「ルグドゥネンシス」、「ベルギカ」となっています。「ベルギカ」の東部地方が「ゲルマニア」…現代のドイツで、西の海の彼方の島が「ブリタニア」、現代のイギリスです。当時のスペイン&ポルトガルは「ヒスパニア」と呼ばれていたようです(間違っていたら訂正ください^^;)。

当然ながら、ローマ化の早かった「ナルボネンシス」州が、一番地位の高いローマ属州だったそうです。(厳密に言えば、ナルボネンシス州はガリアでは無いようです。通常、ガリアというのは、それより北側の3属州をまとめて言うようです)

ブリタニア、ガリア、ゲルマニア…それにヒスパニア。いずれもケルト文明が栄えた土地ですが、カエサルの頃のローマ帝国においては、異民族の辺境と見なされていました。

そんな訳で、ガロ=ローマ時代のガリアでは、ローマ化プロジェクトが推し進められるところとなりました。ローマ道路が敷かれ、ローマ風都市が作られ、ローマ支配の下で「パックス・ロマーナ」を享受しており、大いに繁栄する事になりました。そこでは、ローマ帝国の誇る土木技術が、惜しみなく注ぎ込まれたのであります。(大森林は結構、大量に伐採されています。後にゲルマン民族が拡散しやすくなったのは、この開発による森林地帯の減少にも、いささかの理由があるのではと思います・汗)

名のある大都市(ナルボンヌ、リヨン、ニーム、トゥルーズ、オータン、ランス)では、人口2万人から3万人。中規模の都市は約20あったと考えられており、推定人口5000人~2万人。小都市は不明ながら数が多かったようで、平均推定人口6000人未満。公用語はラテン語。内陸部の河川輸送ルートも、この頃から開かれていました。

ガリア人の殆どは農民だったそうですが、その詳細は研究が進んでおらず、よく分かっていないそうです。ただ、乾燥した地中海沿岸部で、エジプト及びスペインからの農作物や、地中海貿易に頼っていたローマ人に比べると、農耕に向く豊穣な土地に長く住んでいたガリア(ケルト)人は、必然として、各種の農業技術に優れたであろうという事は、かなりの確度で言える筈です。この時代に、犂(すき)、刈り取り機、土壌改良剤といった技術がローマに流入しています。

ローマ軍の食糧となった小麦は、ほぼガリア産の小麦だったと言われています。ガリア(ケルト)人はブドウ園の経営の習熟も早く、ガリア産ワイン(今で言えばフランス産ワイン)は、早々にローマ人の賞賛するところとなったようです。

しまいにはローマで消費するワインの8割がガリア産ワインという状態になり、後のドミティアヌス帝はローマの葡萄栽培を保護するため、ガリアの葡萄の木を半分抜かせる命令を出した程であったと言われています。もっとも、西暦270年に、プロプス帝がガリアの葡萄栽培権をガリア人達に与え、再びガリアでのワイン造りは活気を取り戻すのでありますが。

※ちなみに、カール大帝、もといシャルルマーニュは、「ワイン中興の祖」の異名も与えられているそうです。ゲルマン諸王国・乱世の時期は、さすがに葡萄栽培も低調だったのでは無いかと思われます^^;

・・・ガロ=ローマ時代の覚書(2)に続く・・・

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Coment
04 November 2008  1 : [Edit]             無題 by 丸幸亭  ( URL )
美月さん、
こんにちは。
ええっと、ノイシュヴァンシュタインは中世に憬れたルードヴィッヒ2世が中世を模して19世紀に作らせたものですから、まあデズニーランドと五十歩百歩ですね。

それからカール大帝はドイツ語のKarl der Grosseの訳でしょうからフランス語のシャルルマーニュと意味は同じです。当時は独仏北伊をあわせて一つの国でした。それでこの地域の文化は基本的にゲルマン的ですね。南仏、南伊は違いますが。そして中世ゴシック建築もかってのフランク王国のものが優れていると思います。このフランク王国については以前、<ドイツとフランスはかって一つの国だった>で述べた事があります。
http://marco-germany.iza.ne.jp/blog/entry/81914/
それはいわゆる「東アジア共同体」に反対するために書いたものでした。

独仏の歴史はからみあっており、中世までたどると一つの歴史を共有していること独仏国民には自明のことなのですが日本人はそれがよく理解できないのですよね。そしてこのフランク王国こそが現在のヨーロッパというものの源流だ、ということも。

御身体お大事に。

04 November 2008  2 : [Edit]             11.4コメント御礼 by 美月  (  )
マルコさま
コメントありがとうございます^^

ノイシュヴァンシュタインは新しいお城だったんですね。
(この部分はイメージ先行で、ボンヤリして追加リストアップしてしまいました。観光パンフレットでの刷り込みも大きかったかも知れません。某社のパンフレットでは「中世の白亜の城」が定番のキャッチコピーでした。ご指摘ありがとうございます。お勉強になります。)

日本だと、自分の国が海できっかり仕切られているだけに、大陸の真ん中を走る国境線も、海と同じくらいに隔絶した仕切りとして受け取ってしまうのかも知れません。何となく、本当に大地に赤いペンキか何かで国境線がバッチリ引いてあるとか、特別な縄を張ってあるとか…何だか、そういう風に想像してしまいますね。国境を越える言葉の連続性だけでも、想像外にありますし・汗)

話変わって東アジア共同体ですか、いっときは新聞でもよく記事になっていたようでしたが、本当にそんな奇妙な事態(?)になっていたとは知りませんでした。確かに、日本は、大陸国家とのリンクは…あまり上手くいかないかも知れませんね。むしろ「環太平洋連合」の方が、沖縄~九州ルートでの親和性もあって、ずっと現実的な感じがあります。

最後になりましたが、お気遣いありがとうございます^^

※カール大帝ってギョロ目ですね。迫力あります^^;;;

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