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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

詩歌鑑賞:「蜀相」杜甫

・・・杜甫が作った『蜀相』は、非常に印象深い作品だと思います

松浦友久氏によれば、唐代の文学作品においても「判官びいき」といったような感傷が現われていて、曹操よりも孔明の方が、人気が高かったそうです。そして、とりわけ杜甫は、見果てぬ夢を追うかのように、繰り返し孔明を詠じた詩人であったそうです

▼『蜀相』・・・杜甫・作/『中国名詩集―美の歳月―』松浦友久・著より

丞相祠堂何處尋
錦官城外柏森森
映階碧草自春色
隔葉黄鸝空好音
三顧頻繁天下計
兩朝開濟老臣心
出師未捷身先死
長使英雄涙滿襟
丞相の祠堂 何(いず)れの処にか尋ねん
錦官(きんかん)城外 柏(はく)森森(しんしん)
階(かい)に映ずる碧草は自(おの)ずから春色(しゅんしょく)
葉を隔つる黄鸝(こうり)は空しく好音(こういん)
三顧 頻繁なり 天下の計
両朝 開済す 老臣の心
出師 未だ捷(か)たざるに 身は先(ま)ず死し
長(とこし)えに英雄をして 涙 襟(きん)に満たしむ

(傍注)・・・「錦官城」=成都の美称。「蜀江の錦」で知られるように、その西の外城に錦を扱う役所が置かれていた。/「両朝」=劉備・劉禅の二つの王朝のこと。/「開済」=「建国と興隆」の意味らしい。/「未だ捷たざるに」=魏国討伐の軍を起こしながら、勝利を得ないままに。

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