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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

タロット14節制

タロット14節制

カード・メッセージ=「整調」

主な意味=重要なヒント、反復、復習、交流、交換、循環、順調、二者の融合、調整、調節、復調、相反する出来事を同時に経験する、穏健な思想態度、両立、平等

循環の意味を含むという箇所では「運命の輪」カードに似ていますが、こちらはむしろ、「調子を整える」というイメージの強いカードです。乱れていたものを整え、正常な/清浄な循環に戻す…

不思議な水瓶と、その間を行き来する水…というイメージで描画

このカードは偉大なる浄化の意味も持っています。「浄化」というのはなかなか複雑なものを孕んでいますが、その要点はやはり、「整調」という事にあるように思うのであります

心臓があるべきリズムを取り戻す、季節があるべき順番で巡ってくる、咲くべき時に咲くべき花が咲く…「大自然の中の、かくあれかしという調子」という条件だけで、世界はこれ程にも浄化されるのであります

日本が生み出した哲学の中に、明恵上人の「阿留辺畿夜宇和(あるべきようは)」があります

「栂尾明恵上人遺訓」《http://www.kuniomi.gr.jp/geki/ku/1honmyou.html》より引用転載:

人は阿留辺畿夜宇和(あるべきようは)の七文字を持(たも)つべきなり。僧は僧のあるべきよう、俗は俗のあるべきようなり。乃至(ないし)帝王は帝王のあるべきよう、臣下は臣下のあるべきようなり。このあるべきようを背くゆえに一切悪しきなり。
河合隼雄は、その著作「明恵夢を生きる」で『「あるべきようわ」は、日本人好みの「あるがままに」というのでもなく、また「あるべきように」でもない。時により事により、その時その場において「あるべきようは何か」と問いかけ、その答えを生きようとする』ものであると述べている。
何でも受け入れる母性的な「あるがままに」でもなく、肩肘張って物事を峻別しようとする父性的な「あるべきように」でもない。
白と黒、善と悪、都市と田舎、大企業と中小企業・・・・。どちらかに偏してはいけない。違いを認めながら共和する心が大事だという、古代から連綿と続いている歴史的な知恵と相通ずる思想である。・・・
・・・彼はおそらく、自分の生き方について多分こう言ったであろう。
「私は後生で済われようとは思っていない。ただ、現世においてあるべきようにあろうとするだけだ。修行すべきように修行し、振舞うべきように振舞えばいい。今は何をしてもかまわない、死後往生して助かればいい、などとはどの経典にも書いてない・・・」と。

☆タロット連作&解釈の一覧を作成=〔ホームページ更新2013.6.14

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