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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

タロット03女帝

タロット03女帝

カード・メッセージ=「豊穣」

主な意味=繁栄、女性的な叡智と母性、円満、大団円、努力の結実、仕事の充実、豊かな実り、開放的、細かな物事にこだわらない

女性的な支配力を強く感じるカードであり、それを意識して描画。古い時代の、大地の豊穣&繁栄への祈り=地母信仰(例:古代ギリシャのデメテル信仰)という文化につながってゆくカードでもある…と思います

果実の結実、穀物の収穫…という昔ながらのオーソドックスなイメージ解釈もあり、そこから、女性的な「絆」という支配力や、「絆」によって結ばれた支配圏を想起し、中央に円形の光らしきものを置いてみました。散在するものを一つにまとめあげるための統率力には色々有りますが、「絆」という統率方法は、とりわけ女性的なスタイルであると申せましょう

「絆」は、母性的な愛情と、豊かさを左右する大地母神的な権力と、土地的&家族的な縁とが結びついた、不思議な支配スタイルです

それでもそれは、やはり支配の一種には違いなく、「絆」によって結ばれる事を良しとしない状況の中では、「おせっかい」「愛情の押し付け」「武力を伴わない(富の力を介在する)、従属への強制」と感じられる場合も、それなりにあるのです…それが逆位置における解釈ともなります

逆位置の状況…愛情や執着、嫉妬といったものが関わるだけに、感情的に荒れるとその影響は甚大なものとなるのであり、理性では割り切れない泥沼もまた深くなりましょう。古代ギリシャ神話において、娘を死神に奪われたデメテルの怒りと嘆きが不毛の冬を到来させた…と物語られたように、大地母神の怒りの真の恐ろしさは、その巨大な荒廃と喪失から来るものであります

当サイトにおけるタロットカード「女帝」のイメージは、鬼子母神の伝説で知られるインドの神、「訶梨帝母(かりていも/ハーリティー)」における「慈悲と残虐の二重性」とほぼ重なるものになります。カード「女帝」は、一種の畏怖の対象である…と思うのであります

☆タロット連作&解釈の一覧を作成=〔ホームページ更新2013.6.14

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