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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

異世界ファンタジー絵:ケモ耳少女、ケモミミ少女

出典作品:『宿命の人 運命の人―瑠璃花敷波―』(後に「狼少女と青き盾」に改題)

キャラクター:水のルーリエ(通称「ルーリー」)/水のサフィール、同一人物

ラフ絵/2018.07.01制作

レイヤー20枚ほど、デジタル彩色絵(手動)その1/2020.01.04~2020.01.11完成

レイヤー30枚ほど、デジタル彩色絵(手動)その2/2020.01.04~2020.01.11完成

比較/参考

全自動彩色バージョンの場合/2020.01.04試行

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詩歌鑑賞:ディキンスン258,764,1078

(作品258番)/エミリー・ディキンスン

冬の午後には
ななめの陽差しがある
聖堂の重い調べのように
人の心に塞がる

それは天上の痛みを負わせる
しかしだれもその傷を見つける事はできない
ただ深い意味の世界で
見えない変化がある

だれもまたそれを変える事はできない
それは絶望の相
空からわたしたちに加えられた
至高の苦悩

その訪れるとき風景は耳をそばだて
影も息を殺す
またその去るときは死者の顔に浮かぶ
あのよそよそしさに似ている

(作品764番)/エミリー・ディキンスン

予感は芝生の上の長い影
太陽が沈むしるし、
驚いている芝草への通知
暗闇が経過しようとしていることへの

(作品1078番)/エミリー・ディキンスン

死んだ朝の
家のざわめきは
地上で行なわれる
最も厳粛な仕事

心を掃き清め
永遠まで
二度と使う用の無い
愛を片付ける

詩歌鑑賞:ヘルダーリン「遠望」他

詩歌鑑賞:ヘルダーリン

遠望(1671.3.24)

緑が平坦な遠方から見え始める時、
広やかな昼は人間に様々な形象で明るい、
夕べの光が薄明へと傾き、
微光が昼の響きを優しく和らげるまでは。
しばしば世界の内面は雲に包まれ、閉ざされる、
人間の思いは疑念に充ち とどこおる、
壮麗な自然は彼の日々を明るくし、
彼方には疑念の黒い思いが佇んでいる。

冬(1842.3.9)

野は荒涼としている、遥かな高みには
ただ青い天空だけが輝いている、そして彼方に続く小径に似て
自然の風光は一様だ。風は
清新に吹く、自然はただ明るさに包まれている。

大地の一刻一刻は 明らかに天空に
囲まれている、過ぎ行く昼に、そして
星の群がりが高く現われる清澄の夜に。
そして生は遠く開けて霊性を増してくる。

冬(1676.1.24)

年が変わり 壮麗な自然の
光が過ぎると、季節の輝きは
もはや栄える事が無い、日々は歩みを速めて
過ぎてゆく、しかしまた歩みをゆるめて留まる。

生の精神は 生き続ける自然の
季節ごとに異なる、日々はさまざまに
光を広げる。しかし変わることなく新しい姿は
選ばれたものとして人間の心にかなう。

冬(1743.1.24)

年の日が傾き
四方の野も山並みも沈黙すると
空の青みは輝き
日々は星座のように晴れた高みにそば立つ。

交替と壮麗との拡がりは少なくなった、
彼方の河はその流れを速めている、
しかし安らぎの心は時ごとに
壮麗な自然と深く結び合っている。

時の霊(1748.5.24)

人間はこの世界において生と結ぶのだ、歳月は移り 時代は高みを目指し
変容は続く、それに従って今もなお見出される多くの真実がある、
こうして伝統が多様な歳月を貫くのだ、
完全はこの生において結実し
人間の高貴な努力はこの生に随順する。

『ヘルダーリン全集2』手塚富雄・浅井真男(訳)河出書房