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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

社会占星術のプチ研究

【テーマ=天安門事件】

天安門事件というのをネットで調べてみると、複数あるらしいのですが、ここでは、世界中に衝撃的な映像が配信されて有名になった、1989年6月4日の天安門事件を採用してみます。

まずは数値データ。

中華人民共和国の成立日=1949年10月1日、正午と設定(日本時間13:00)。

天安門事件の騒動ピーク=1989年6月4日、正午と設定(日本時間13:00)。

舞台となった北京の緯度経度=北緯39.55度、東経116.26度。

今は無料で自動計算ホロスコープを作れるインターネットサービスがあり、それを利用させていただきました。今回は、それを読んでみました。

天安門事件に関わった運動グループと、当時の中華人民共和国との間の緊張とは、どんなものであったのか?

天安門事件のホロスコープで目立つのは、「神の指」という名前で知られる強烈な配置「ヨッド」。一般的には、天命、宿命、逃れられない運命、といった一方向の強い意味を持っており、天賦の才能や秘めた理想などがこの方向で開花・爆発する場合は、超絶的なものになる可能性があると言われています。

この宿命の「ヨッド」は、タロットカードで言えば、「力(正/逆)」。この「力」のカードは、「暴発」と「制圧」の二面性に満ちた緊張を表しています。

1989年6月4日、天安門事件の日に生じた「ヨッド」を構成する惑星は、南中した太陽(月・木星が合)を頂点にして、冥王星が一方の足を、そして土星と海王星の合がもう一方の足を作るという、すさまじい配置となっていたようです。

太陽の頂点となっている双子座ハウスは風のグループで、柔軟宮。

冥王星が入っている蠍座ハウスは水のグループで、不動宮。

土星海王星が入っている山羊座ハウスは地のグループで、活動宮。

タロット的に読んでみる場合、頂点にあるのは太陽=国家そのものであります。更に月と木星が重なって加わっているという事は、おとなしくかつ気紛れな大多数の庶民意識と、地位のある知識人・資産家の殆どの意識が、政府側の心理をもっていた、何となく政府側に従っていたと言う事を暗示しているかも知れません。

当時の太陽は、双子座13度。中央政府は、大胆に行動し、かつ孤立を恐れない、という強い意志を持っていたと推測されます。

「太陽=国家の中心」に向かって、「冥王星の破壊力」と、「海王星の夢想(=啓蒙思想)」と、「土星の草の根活動」が、協力して攻撃あるいは反抗している…と言う構図を描くことができます。しかも、天安門事件は、総じて突発的なタイミングと暴力に満ちた出来事だった。破壊力はともかく、理想に燃えてガンガンと突っ走った若者グループの行動が、方々に呼び起こした衝撃はとても大きかったに違いない…と想像しています。

反政府グループを燃え立たせた惑星、海王星と土星は、それぞれ山羊座11度12度。これは、「ハイレベル集団と接触する事によって喚起されるプライド」の度数、および「一般にはちょっと理解されにくい高邁な理想に燃える」度数、という事なので、やはり背景には、ステータスのある思想結社的なものが存在した…という風に考えられるかも知れません(本当にそうだったかどうかは不明ですが)。

なお、破壊力を暗示する冥王星は蠍座12度にあります。これは外見(または主張する内容)のチェックにとらわれて、肝心の破壊力が不足する度数。…やはり何処か神経質なところが残っており、かつ若かったのだ、という事になりますでしょうか…

反政府運動のグループが背負った要素、水の不動宮は理想や意思の強固さを、地の活動宮は活動レベルの高さと内心の動揺を暗示していると考察。一方、政府が背負った要素、風の柔軟宮は、早急に有効な制圧方法を繰り出さなければならなかった…という切羽詰った事情を暗示していると思われました。政府側の行動は文字通り、暴風よろしく、反政府グループを吹き飛ばした…という最悪の形になってしまった。

そして、天安門事件を起こした冥王星(深層意識=水)は、政府の冥王星(深層意識=火)とは性質的に徹底的に相容れないもので、タイミングがぴったり合っていれば、もしかしたら中央政府の火をかき消すところまで行ったかも知れない、という位置でもあったようです。

ですが、天安門事件発生当時、安定した配置に入っていた政府誕生時の土星が、さらに軍事力(火星)と良好な関係を保っており、その軍事協力があったからこそ、体制側の地盤がガッチリと守られた…という形になったわけです。そしてこの瞬間に、「天安門事件後の中国」という時代が始まった…と考えられます。

全体的に、この衝撃的な事件を彩るホロスコープが、それに匹敵するほどの衝撃的な配置になっていたことは、とても印象深いものでありました(実際、一目見て忘れられない、ショッキングなホロスコープ配置であります…)。


ハウスと社会事象の象徴

第1ハウス=主権者(国民)とその環境

第2ハウス=国家の財政状態、金融政策、税制

第3ハウス=初等教育の環境と政策、通信、情報、流通、貿易

第4ハウス=国土や領土の環境。ここが悪いと災害や戦争などの国土破壊が生じやすい

第5ハウス=出生率、穀物の生産高

第6ハウス=雇用状態、軍事関連。ここを刺激されると、戦争につながることも。

第7ハウス=国のパートナー、2国関係の当事者や同盟国。日本ならアメリカなど

第8ハウス=出生率、外国との借款関係、貿易に絡む国家的な金銭状態、株価 (第2ハウスとの対比で)、投機や外国との経済関係

第9ハウス=高等教育の状態、宗教、司法、思想の環境

第10ハウス=その国の最高権力、政府、政府機関、政府の最高権力者

第11ハウス=政党、議会、国庫の豊さ(第10ハウスより2番目のハウスにあたる)

第12ハウス=敵、スパイ、テロ活動、裏社会、陰謀。第6ハウスの軍事と対比して考えると良い。

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拝読記事へのコメント

訪問先のブログで、ニュートンの話題が出てきていたので、様々な記憶を刺激されました。

自分が知っている事といってもわずかな内容だけですが、思い切って書き出してみようと思います(トラックバックを送らせて頂いております…)。

刺激を受けた記事>>変容する世界-2010.3.2「啓蒙思想とは」
http://marcooichan2.blog129.fc2.com/blog-entry-14.html

中世の宇宙観では、天上界(神の住まう場)と地上界(人間の生活の場)は全く別々の世界であるという内容になっていました。例えば、「神は永遠の物質で出来ていて、人間は永遠ではない物質で出来ている」とか「月はこの世のものではない神秘的な物質で出来ている」とか、そんな感じです。

ニュートンがやったのは、その上下2つの世界が、実はまったく同一の一つの世界であり、統一的な理論で記述できる、という事の証明です=『プリンキピア』。これは、実は「ヘルメス思想」的なもので、古代グノーシス思想と並んで、錬金術師の間では主流となっていた中世異端思想でした。「ヘルメス思想」が西欧に普及したのはルネサンスの頃だという事になっていますが、実際は、それより昔から地下でひっそりと普及していたかも知れません。

そして、グノーシス派の学問では、この世のものはすべて「至高神」から流出したという風になっておりまして、ニュートンが追求し続けた「第一原因=神」は、すなわち「グノーシス的至高神」だったという説明もあるくらいです。

ヘルメス思想やグノーシス思想が何故カトリックにとっての異端になっていたかというと、「神と人は同じものである」という主張が基本になっていたからです。このあたりの主張が、イルミナチ啓蒙思想(自由・平等・友愛っぽいもの)やマルクスの共産主義思想の基礎になっているかも知れません。当時のカトリックにとっては、「許しがたい冒瀆」という事になっていました。

・・・・・・

聖書には聖書年代学という謎めいた分野があり、この延長で聖書預言の分析が行なわれているらしいです(例えば、聖書に記述された或る日の事件を緻密に特定して、「最後の審判」の日取りを「科学的」に算出するとか、そんな感じです。終末世界観とかアンチ進化論とか、ファンダメンタリスト歴史観が代表的なものだと思われますが、このあたりには無知なので、笑って流してくださいまし)。

ニュートンが聖書を研究したのは、聖書に書かれている事件も「第一原因」によって起きたのであって、故に、「歴史の法則」も、『プリンキピア』と共通の「グノーシス的至高神」の理論で説明できる筈だ…と言う確信があったからだと言われております。

※なお、当時の「歴史のようなもの」は、聖書=オリエント世界は意外に淡い感じで、古代ギリシャ・ローマ伝承を中心にして、古代エジプト・ペルシア伝承がイスラム風聞と一緒にまぜまぜされていて、さらに各地の伝承が適当にツギハギされたもの…だったようです。ローマ・カトリック中心の世界でしたし、今のような歴史学など無い時代だったので、必然の結果かも知れません

言ってみれば、『プリンキピア』は、「ヘルメス的・錬金術的・大統一理論」を完成し、グノーシス的至高神の存在を証明しようと言う、「大いなる秘密の掌握プロジェクト」の橋頭堡だったという事になるかと思います。

ここはちょっと悩むところですが、当時は、「知識」=「力」というような認識があったと思います。「グノーシス認識を成し遂げた人は神のようになり、神のように無知で下等な人間どもを支配できるようになるのだ」という考えが出てきても、それほどおかしな事では無いように思います。まして当時は貴族社会だったわけですから、「自由・平等・友愛」というスローガンやマルクスの共産思想が、「ものすごく矛盾に満ちた形」で広まったとしても、そちらの方が自然な気も致します…

※ニュートンとソロモン宮殿の件については知りませんでした…
一応、ヘルメス思想の書『エメラルド・タブレット』の著者がヘルメスなのですが、その正体はフリーメーソンの伝説的な始祖ヒラム・アビフだったのだ、という話があります。真偽の程は不明ですが、ヒラム・アビフは、ソロモン王の第一神殿を建立した石工の棟梁だったという事になっています。

☆今のところ知っているのは以上ですが、考察の参考になれば幸いです…

近代宗教としてのフリーメーソン(メモ)

考察:フリーメーソンを、近代理性による人間の完成を目指す〈理性宗教〉と捉えたとき、「ソロモンの神殿」、「古代密儀宗教」、「薔薇十字団」は、<近代理性による世界の変容>という文脈の中で理解される、と考えられる。

近代化を促す〈理性宗教〉において、古代グノーシスやヘルメス思想といった古代神秘哲学は、近代理性による人間の変容のための思弁的・象徴的道具として活躍することになった。

古代宗教で重視された「神に至る神秘階梯(ヤコブの梯子)」は、至高の近代理性を象徴する「万物の眼」に至る「徒弟位階」「職人位階」「親方位階」として組み直され、それぞれ、中世錬金術の変容思想の中で発達した様々なオカルト的な象徴に彩られていった。

近代版「ヤコブの梯子」は、ある時は螺旋階段、ある時はピラミッド(=アメリカ合衆国ドル紙幣に採用された図像が代表的=)というように、様々な古代的・神秘的なイメージで表現された事が知られている。


FriendFeedコメントより転載

どうもありがとうございます。ニュートンはやはりグノーシス派なんですね。またヘルメス(別名エルメス、メルクリウス、マーキュリー)は商人および盗賊の守護神であり神と人とを介在するということで、啓蒙思想家などのエリート意識の表徴でもあったのでしょう。メーソン内部のことはもちろん秘密なので憶測するしかありませんが、その中心思想にグノーシスがあるのはどうも間違いないような気がします。 - 丸山光三
《返信》お役に立てて幸いです^^ヘルメスは「仲介の神」ですね。「上のもの」と「下のもの」を連絡している存在だと考えられていたそうです。その象徴性から、錬金術でも「変容を促す媒体」として意味づけられていた…というお話があり、ヘレニズム時代の頃は、グノーシスと共にさかんに論じられていたと言う事です。

タロット05法王

タロット05法王

カード・メッセージ=「信頼」

主な意味=偉大な師匠、博愛、改善、助言、精神的な充足、良医との巡り合い、援助者、集中力、貢献、目上からの引き立て、寛大、聖なる場所、大いなる知恵、広く深い識見

精神的な支配、あるいは精神的な支持基盤を暗示するカードです。「皇帝」カードが世俗的な力を表現するのに対して、「法王」カードは超俗的な力を表現します

「医術は仁術である」と言われる事がありますが、法王は、その仁術の部分を担当するカードと考える事が出来ます。人間は、物理的な部分だけで生きているのではなく、精神的な部分でも生きている…その精神的な部分の改善と成長を、「法王」カードは促すのであります

上と下から、それも複数の束を持って到来して来る、運命の軌道の群れ。「現在時点」で衝突し様々に分岐する「可能性」の道の複雑さは、人を迷わせます。「法王」は、偏りの無い大いなる識見によって、その迷いの中心を見極め、適切な助言を繰り出す…そのようなイメージで描画してみました

逆位置の場合は、その大いなる識見が、非現実的な見解として解釈されることがあります。抽象的過ぎて、現実には余り意味を持たなくなる…最高の学者や学識を集めたアカデミーが、実際には、現実社会と接点を持たない「白亜の塔」となってしまう…それもまた、現世に確かに現われる、矛盾のひとつなのであります

(たとえば、現代の地球科学の粋を集めた地震予知学会が、実際には東日本大震災を予知し得なかったように/現代のあらゆる防災技術が、実際には、福島原発事故に対して驚くほど非力であったように)

しかし、高い学識によって鍛え抜かれた識見は、素人判断に比べれば、やはり大いなる意味を持っていると申せましょう。「無私の心」という基本的な姿勢は非常に困難なものではありますが、高度な判断を下そうとする時は、その無言の信頼に応えるべく、可能な限り謙虚かつ誠実であれかし…とするものであります

☆タロット連作&解釈の一覧を作成=〔ホームページ更新2013.6.14