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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

詩歌鑑賞:薄田泣菫「ああ大和にしあらましかば」

ああ、大和にしあらましかば、
いま神無月、
うは葉散り透く神無備[かみなび]の森の小路を、
あかつき露に髮ぬれて、往きこそかよへ、
斑鳩[いかるが]へ。平群[へぐり]のおほ野高草の
黄金の海とゆらゆる日、
塵居[ちりゐ]の窓のうは白[じら]み日ざしの淡[あは]に、
いにし代の珍[うづ]の御經[みきやう]の黄金文字、
百濟緒琴[くだらをごと]に、齋[いはひ]瓮[べ]に、彩畫[だみゑ]の壁に
見ぞ恍[ほ]くる柱がくれのたたずまひ。
常花[とこはな]かざす藝の宮、齋殿[いみどの]深く
焚きくゆる香ぞ、さながらの八鹽折[やしほをり]
美酒[うまき]の甕[みか]のまよはしに、
さこそは醉はめ。

新墾[にひばり]路の切畑[きりばた]に、
赤ら橘葉がくれにほのめく日なか、
そことも知らぬ靜歌[しづうた]の美[うま]し音色に、
目移しの、ふとこそ見まし、黄鶲の
あり樹の枝に矮人[ちいさご]の樂人[あそびを]めきし
戲[ざ]ればみを。尾羽[をば]身[み]がろさのともすれば、
葉の漂ひとひるがへり、
籬[ませ]に、木の間に、――これやまた野の法子兒[ほふしご]の
化[け]のものか、夕寺深く聲[こわ]ぶりの
讀經[どきやう]や、――今か、靜こころ
そぞろありきの在[あ]り人の
魂[たましひ]にしも沁み入らめ。

日は木がくれて、諸とびら
ゆるにきしめく夢殿の夕庭寒く、
そそ走りゆく乾反葉[ひそりば]の
白膠木[ぬるで]、榎[え]、楝[あふち]、名こそあれ、葉廣[はびろ]菩提樹[ぼだいじゆ]、
道ゆきのさざめき、諳[そら]に聞きほくる
石廻廊[いしわたどの]のたたずまひ、振りさけ見れば、
高塔[あららぎ]や九輪の錆に入日かげ、
花に照り添ふ夕ながめ、
さながら、緇衣[しえ]の裾ながに地に曳きはへし
そのかみの學生[がくじやう]めきし浮歩[うけあゆ]み、――
ああ大和にしあらましかば、
今日神無月日のゆふべ、
聖[ひじり]ごころの暫しをも、
知らましを身に。

**************

「白羊宮」より(明治三十九年)

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2010.9.5暁の夢

暑さで睡眠が中断されつつも根気良く見た夢みたいで、かなり印象深かったものです。夢そのものは単純で、目立った科白とかは無しでしたが、延々と続く息詰まるような作業が、心理学的にも意味深でした…^^;

最初は、とても高い塔のシーンから始まりました。

その塔は、五重塔みたいな和風の、信じがたいほど高い、黒い色の塔でした。無限の屋根が積み重なっていて、百重の塔かな?という感じもありました…^^;

最上階の部屋は、ふすまで3つくらいに仕切られていましたが、だいたい24畳敷くらいの広さです。仕切りは、6畳、6畳、12畳でしょうか…

最上階の部屋に居たのですが、窓や障子が雨戸が締め切られていて薄暗く、倉庫みたいに陰気で、古そうな品物が、埃が溜まるままに置いてありました。

※この辺り、夢占いで診断してみると、どうも過去のコンプレックスとかトラウマとか、陰気な記憶とかが表層意識(=建物の最上階=)に出てきたものを見ていたらしい…という結果になり、何とも落ち着かなかったです。「お化けの抜け殻」というような訳の分からない物体もありましたし。あんなにいっぱい、変なものを溜め込んでいたのかな?とか…(アセアセ)

しばらくすると地震が来たらしく、塔がぐらぐら揺れだし、崩壊の危機に陥ったので、地上へ避難しなければならなくなりました。

地上へ避難する経路は壊れてしまっており、最上階から地上へ逃れるには、中央にある中空の柱しか無いという状況に置かれていました。その柱は、人一人が通れるほどのサイズの、最上階と地上とを連結するパイプになっていたのです(何故そうなっていたのかは謎)。

そこで、部屋の中から使えそうな大工道具を取り出してきて、柱の入り口を封印している鉄扉を分解することにしました。マンホールの鉄のふたみたいな感じで、持ち上げても重いし、あっという間に汗だくに。

3サイクル分、その作業をやってみて、塔を貫いている中空の柱は、一階ごとに鉄扉で封印されているという構造になっている事が分かりましたので、たった一人で、何回もその作業を繰り返しながら地上に降りるのだなあと思い、道のりの遠さに一瞬、目がくらみました。

階と階の間には様々な廃棄物や汚物がびっしりと詰まっており、徹底掃除しての避難作業となりました。長い時間そうして繰り返し作業をし、体中泥だらけになって、ようやくにして地上階に下りられました。

※この辺りは、おそらく自己の意識構造に関係があるのでは無いかという感じがありました^^;

…ショッキングなことに、ようやく到着したその地上階には、ドアがありませんでした。同じような、今度は地下階に通じる中央のマンホールのふたのような鉄扉があったのです…^^;

最後の鉄扉の下には、黒い色の激しい流れがあり、飛び込むのをためらうものでありましたが、勇気を出して飛び込みました。しばらく流されていると、砂利だらけの地下の岸辺に乗り上げることが出来て、ホッとしました。

その先には地下迷宮があり、十字路や三叉路など、判断に迷う構造になっておりまして。

何だかウヤムヤのうちに、地上へ出る通路を見つけたらしく、そこで目が覚めました(印象からすると、その先も難問だらけのルート、という感じでしたが・汗)…^^;

全体を夢占いで調べてみると、『スターウォーズ』の修行よろしく自分の暗黒面と向き合う夢だったようで、尋常ならざる恐怖感と緊迫感が続いていたのも納得できるかな、と思いました(=夢にうなされていたかも知れない)…^^;

起床したとき頭痛がありましたし、悪夢に分類される夢かも知れないです…^^;;;;;

カラーイラスト「緑の髪」

まずは緑の髪シリーズ、2点。

昔読んでいたSF小説に『グリーン・レクイエム』(新井素子・著)がありまして、そのヒロインを想像して描いたもの…となります。

異形かつ異質なヒロインの設定に含まれている「どうしようも無い孤独感」、寂寥感、浮遊感や、望郷の念に彩られた音楽の呪い…といった、不吉で異質な気配が出ている…と、自分では思っていますが…

1枚目は完全なるアナログ(猛暑のため、パソコンは完全にNGだったのです)。画用紙にシャープペンで淡くササッと「あたり」を取って、色鉛筆で塗り塗りしたものです。

緑色の色鉛筆を中心に、こげ茶、紫、青。背景だけ黒です。緑の髪のハイライト部分は、黄緑色の色鉛筆をうすーく伸ばしました。ヒロインは信じがたいほどの色白で華奢で…という設定だったので、こんな風だろうか…と想像しつつ…

何だか不健康な肌色に見えるという事もあって、雪女みたいになってしまったかも知れませんが…ヒロインの体内を流れる「異質な血」の気配は、十分に出せたのでは無かろうか…と自画自賛です(色鉛筆イラストの下の方の文字っぽいものは、単純に「Made in Japan」となっています。スキャンサイズの都合で、一部切れてますが…)

2枚目は、台風通過後に気温が急激に低下してパソコン作業が可能になったので、急遽、色鉛筆作業をパソコン作業に差し替えたものです。カラー塗り塗りがパソコンの部分となっています。半分アナログ、半分デジタルです。

画用紙に普通の鉛筆でラインをクッキリと取った後、スキャン。

淡く、ミュシャ風になったかも…

その次に、カラー塗り塗りをパソコンでやってみました。カラー塗り塗りは、フォトショップです(ペンタブレットに添付されてきたもので、マスキングレイヤーが使えない簡易バージョンですが、その分、手を一生懸命動かしたので、結構見られるのではないかと…)

パソコン体力との調整で、いつものように小さな作品になっていますが、詩情とか抒情といったものは、キレイに入っているのでは無かろうか…と、思っています。