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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

私製詩歌「雪白の連嶺」

星宿の海
万物の相関 無限の照応
限りなき 光明と暗黒の海よ

半ばは明(あか)く 半ばは暗く
紡がれ 織られる
風(かぜ)と景(ひかり)

そら打つ波の かたちして
天涯に 刻の道標 立ち出でし


かの佳き日
雲ひとつ無き 蒼穹に
澄み明らかに 冴えわたる
――雪白の連嶺よ!


遠白き かの連嶺よ 波浪を止(や)みて
今しばし 一瞥を与えよ わがもとに

永劫を 寄せては返す
流星の結びし軌道(みち)を 逍遥すれば
時知らず さやぐ渚に 立ち尽くす――

星宿の海
はじめもはても 知る人ぞ無き
限りなき 光明と暗黒の海よ


インスピレーション元の他人さまの詩歌たち

◆影見れば波の底なるひさかたの空漕ぎわたるわれぞわびしき/紀貫之『土佐日記』

◆水や空そらや水とも見えわかずかよひてすめる秋の夜の月/『古今著聞集』185読み人知らず

◆みゆるごとあらはれながらとこしへにみえざるものを音といふべき/葛原妙子・作(短歌)

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