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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

明治用水頭首工の漏水事故

(参考知識)頭首工(とうしゅこう)とは:

コトバンク>
湖沼,河川などから,用水を取入れる農業水利施設の総称。おもに取水堰と取入れ口 (取水口) から成る。取水堰は,用水取入れに必要な水位を確保するためのもので,土砂吐き,魚道,流木路,いかだ道などをつける。また取入れ口はむだなく計画水量が取水できるような形状と配置が必要で,ちりよけ格子,土砂吐き,沈砂池などを設け,流量調整のための制水門をつける。

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■明治用水頭首工の漏水事故で4700haの水田に影響 全国390か所の施設緊急点検へ(農業協同組合新聞2022.05.20)
https://www.jacom.or.jp/nousei/news/2022/05/220520-58953.php

愛知県豊田市にある農業用水などを供給する取水施設「明治用水頭首工」で漏水が発生し、今月17日から川からの取水ができない状態となり、東海農政局などが対応にあたっている。金子原二郎農相は20日の閣議後会見で、この事故を受けて、全国の国営造成施設の頭首工390カ所を緊急点検することを明らかにした。

(参考知識)東海農政局サイトより「明治用水の歴史」
https://www.maff.go.jp/tokai/noson/yaso2/history.html
明治13年に完成した明治用水は、それまでの「安城が原」「五ヶ野が原」と呼ばれる荒れ地を、「日本のデンマーク」と呼ばれる優良農業地帯に変えたと言われている。元々の立地条件は、水を引きにくい台地である。溜め池に依存していたため、乏しい水を巡って水争いが頻繁に起きた土地柄であった。

■取水施設漏水、パイピング現象か 専門家「兆候つかみづらい」(2022.05.19毎日新聞)

愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工(とうしゅこう)」で発生した大規模漏水で、愛知県は19日、仮設ポンプで河川の水をくみ上げる応急措置により、工業用水を供給する下流の浄水場で取水を再開した。県は同日夜から事業所への使用自粛要請を緩和したが、農業用の給水復旧のめどは立っていない。一方、専門家は漏水の原因について「パイピング現象の可能性が高い」との見方を示している。
愛知県は西三河地区9市3町の131事業所に対し、工業用水の受水停止を求めていたが、19日午後7時から段階的に再開したと発表した。通常の3割程度の利用を依頼する。

■愛知の漏水 農業用水が一部試験再開 安城・刈谷など(2022.05.25日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD2547K0V20C22A5000000/

愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工」で大規模漏水が発生した問題で供給が止まっていた農業用水が25日、一部地域で試験的に再開した。明治用水を使う約4500ヘクタールのうち、25日は安城市や刈谷市の一部などおよそ1千ヘクタールに給水した。供給できる水量に限りがあるため、26日以降も地域を指定して水を使えるようにする。
(中略)
明治用水を管理する農家らの団体「明治用水土地改良区」は今後の供給先について「状況が厳しい地域はどこかなどを考えながら決めたい」としている。26日は安城市や豊田市、知立市の一部などに給水する予定だ。取水施設で仮設ポンプによる水のくみ上げ作業にあたる東海農政局は、5月中に最低限必要な農業用水の確保を目指している。
大規模漏水の原因究明に向けた動きも進んでいる。水が抜ける穴が空いたとみられる堰(せき)の川底の状況を確認するため、東海農政局は漏水している場所の周囲に土のうを積む作業を始めた。水を抜いて原因を調べ、修復方法を検討する。本格復旧の見通しは立っていない。

■愛知の漏水、本格復旧へ工法検討委(2022.05.27日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD274J90X20C22A5000000/

愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工」で発生した大規模漏水を巡り、農林水産省は27日、有識者が本格復旧の方法を検討する委員会を東海農政局に設置したと発表した。漏水事故の原因究明や復旧の工法について助言を受ける。6月2日に委員が現地を視察し、同日中に初会合を開く。
取水施設では東海農政局が漏水箇所付近に土のうを積み、水を抜いて川底を確認する作業に着手している。検討委の委員が穴があいたとみられる川底の状況を視察し、漏水の原因を調べる。その後に本格復旧の具体的な工法を検討する。メンバーは名古屋大学の平山修久准教授(災害環境工学)ら6人。
東海農政局の小林勝利局長は27日の記者会見で、本格復旧の工法を検討するスケジュールについて「どこまでかかるか見通せる段階にない」と話した。
東海農政局は現在、応急措置として仮設ポンプで水をくみ上げている。小林局長は今後の措置として、ポンプを使わず通常の取水口から水を取れるようにするため、仮設構造物を造る方針を示した。取水施設の水位を上げると同時に、穴が空いたとみられる漏水箇所に水が流れないようにする。一例として、矢板を地下の岩盤まで打ち込んで水流を仕切る方法を挙げた。施工の日程は示さなかった。

■農業用水の供給再開も水が出るのは4日に1回 農家「ギリギリかな」 漏水原因の穴は未だ塞がらず(2022.05.30メ~テレ名古屋テレビ)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1db9a7f38cbab8b15e3523df7c65900a4e09c2a8

農業用水の復旧に向けてまた一歩前進です。豊田市の取水施設で起きた漏水問題で、農業用水の試験的な給水が終わり、30日朝から地域を4つにわけ4日に一回ずつの給水が始まりました。
(中略)
水が使えるのは4日に1日だけ 暑い季節を前に不安残る/給水再開も現状水が使えるのは4日に1日だけ
(中略)
川底の穴は未だ塞がらず 調査のため周囲の水を抜く作業続く/漏水の原因とされる頭首工の川底の穴
一方、漏水の原因とされる頭首工の川底の穴については、「漏水が確認されてから2週間近くが経過しました。現在も原因とみられる穴はふさがっておらず、調査を行うために穴の周りでは水を抜くための作業が行われています」(記者)
東海農政局は一旦、穴の周りから水を抜き、調査を行うとともに6月2日には専門家を招いて、具体的な対策を話し合うとしています。
―5月30日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より

■明治用水復旧の「期日言えない」東海農政局長/中日新聞2022年6月1日 05時05分 (6月1日 05時06分更新)
https://www.chunichi.co.jp/article/481005

愛知県の矢作川から農工業用水を引き込む施設「明治用水頭首工(とうしゅこう)」(同県豊田市)で大規模な漏水が起きた問題で、取水用の仮設ポンプを設置している東海農政局の小林勝利局長は三十一日の記者会見で「最低限必要な水量は供給できる体制になった」と述べた。
これまで、いったん断水した農業用水の供給を五月中に再開する見通しを示していた。当初の目標は達成した格好だが、ポンプをさらに増やすのは難しく、不安定な供給体制が続く。
農政局は農業用水と工業用水で合わせて毎秒八立方メートルを「最低限必要な量」としており、三十一日までにポンプ百六十二台を設置することで達成。現在は漏水の原因となっている川底の穴に水が流入しないように、土のうで川の流れを変え、穴の周りを囲む作業を行っている。
穴の状況を確認後、周囲で水をせき止める工事などを行い、水位を上げて取水口から取水できるようにする計画だが、小林局長は「現時点で具体的な期日は言えない」と、完全復旧までのスケジュールは示さなかった。

■中部日本放送株式会社2022.06.08東海地方のニュース【CBC news】
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/65616
金子農水大臣が明治用水の漏水現場を視察 影響を受ける農家の声も聴いて対応へ 愛知

明治用水の大規模な漏水の問題で8日、農水大臣が現地や農家を視察しました。
愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工」では、5月15日に大規模な漏水が確認され、西三河地域の一部で農業用水と工業用水の利用が制限されています。
8日、金子農水大臣が現地を訪れ、仮設ポンプによる応急対策など、復旧に向けた作業を視察しました。
午後には、安城市内の米農家やイチジク農家の田畑を視察し、安定した水の供給を求める農家の声に耳を傾けました。
(イチジク農家)「水をたくさん毎日くださいということと、今後(果樹に)影響が出てくるので、推移を見守ってほしい(と訴えた)」
(金子原二郎・農林水産大臣)「(漏水の)原因が出てくれば、その対策に国土交通省の協力を得て積極的に取り組みたい」
また、頭首工では高さ約10メートルの「矢板」と呼ばれる鉄の板を、幅100メートル余りにわたって打ちこむ工事が始まりました。
東海農政局によりますと、工事は2週間ほどかかり、水位を2、3メートル上げ、直接、取水口から水を取り込めるようにするということです。

■明治用水漏水 川底に空洞確認される 愛知・豊田
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20220616/3000023130.html(NHK,2022.06.16)

愛知県豊田市にある取水施設で起きた大規模な漏水について、発生場所の周辺の川底で空洞が確認されたことがわかりました。原因究明などを行う委員会はさらなる調査を進めていくことにしています。
愛知県豊田市の矢作川にある取水施設で起きた大規模な漏水の影響では、農業用水が3日おきの給水となっているほか、工業用水も通常の5割ほどに給水が制限される状況が続いています。
こうした中、農林水産省は、漏水の原因究明と復旧方法の検討を行うため、河川工学や農業土木の専門家などが参加する委員会を東海農政局に設置し、16日2回目の会合を開きました。
委員会では、これまでに東海農政局が行った調査の結果が示され、漏水が起きている場所の周辺の川底で、幅およそ3メートル、高さおよそ2メートルの空洞が確認されたということです。
空洞があるのは川底が土砂になっている部分で、コンクリートが敷かれた「エプロン」と呼ばれる部分のすぐそばだということで、会議のあと委員長を務める三重大学の石黒覚名誉教授は、「エプロンの下まで空洞がつながっている可能性もあり、さらなる調査分析を進めていきたい」と述べました。

■原因の“穴”ふさがる…大規模漏水起きた明治用水頭首工 応急工事が完了 本復旧まで少なくとも2年以上か(東海テレビ2022.08.31)

大規模な漏水が発生した愛知県豊田市の明治用水頭首工を巡り、東海農政局は漏水の原因となっている「穴」をふさぐ応急工事が完了したと発表しました。
東海農政局は31日に会見を開き、明治用水頭首工で発生した大規模な漏水の原因とされる穴について、コンクリートなどでふさぐ応急工事が8月24日までに完了したと発表しました。
応急工事の完了を受け、農業用水や工業用水は通常通り供給されています。
また、漏水の原因の穴がある左岸の堰の下で見つかった複数の空洞については、セメント剤を注入し補強する工事を開始したということです。
東海農政局では施設の本復旧に向けた工事を進めていく方針ですが、完了には少なくとも2年以上かかる見通しです。

(コメント:ひとまず応急処置は成功ということで、良かったです。これからは、じっくり、修復してゆく流れだと思われます)

■今の基準より弱い構造で設計され漏水か…大規模な漏水が起きた明治用水頭首工 コンクリの継ぎ目に止水板なく(東海テレビ2022.10.01)
https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20221001_22150

愛知県豊田市の明治用水頭首工で起きた大規模漏水で、施設が現在の基準より弱い構造で設計されたことが漏水の原因とみられることが分かりました。
30日、名古屋の東海農政局では、復旧方法などを検討する委員会が開かれ、これまでの調査結果などが報告されました。
新たに分かった調査結果では、頭首工が現在の基準が定められる前の昭和20年代に設計されたため、コンクリートの継ぎ目に止水板が入っていなかったことなどが漏水の原因と考えられるということです。
また、60年以上耐震工事が行われておらず、施設が老朽化していたことも漏水の原因とみられています。
東海農政局は、10月から施設の本復旧に向けた工事を始める予定ですが、完了には少なくとも2年以上かかる見通しです。

■明治用水の流域、漏水越えて実りの秋に 「収穫でき、ほっと」(中日新聞2022.10.04)
https://www.chunichi.co.jp/article/557003

明治用水頭首工(愛知県豊田市)で五月に起きた大規模漏水で、田植え作業に影響を受けた同県安城市などのコメ農家が「あいちのかおり」の収穫を本格化している。水不足を乗り越えて無事に収穫までこぎ着け、喜びをかみしめている。
JAあいち中央(安城市)によると、品質検査では最高の一等と評価された。
(中略)
同JA管内(安城など五市)では例年、二千七百ヘクタールであいちのかおりを栽培していたが、水不足のため農家二十一軒、四・五ヘクタールで田植えを断念した。五月末以降は、区域を分ける「ブロック通水」や、三日ごとに通水と断水が繰り返されるなど、徐々に水が確保できるようになった。
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