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気が付いたら1年近く間が空いてしまいました。

下記、更新しました。

▽《物語ノ本流》コーナー
http://mimoronoteikoku.tudura.com/astrolabe/content.html

第二部「タタシマ」/第八章「百鬼夜行」全80ページ

ライフワーク作品としているオリジナル和風ファンタジー漫画で、これまでに作成公開した正味ページ数=898ページになりました。描きに描きたり…というところですが、まだまだ続きます。

今回、新型コロナ問題が目まぐるしく、行動制限や時間制限が厳しくなる中での制作になりました。

「百鬼夜行」というネーミングと、現実の新型コロナ騒動がシンクロしたのは、なんとも不思議な気持ちです。ワクチンが普及し始める6月までは、大変かも知れませんが…

仕事の形態も随分と変わりました。テレワークとか。紙文書から電子文書への変更とか。

変わらざるを得なかったのか、それとも、大きく変わるタイミングだったのか…適応するのも一苦労というところです。


TOMITA_Akio@Prokoptas様ツイッター/紫色、染色、黄金、水銀、錬金術

https://twitter.com/Prokoptas/status/1419747532087824387
ニセムラサキは”偽-紫”の意ではなく”似せ-紫”の意。そのうち青味のものを「江戸紫」「今紫」、赤味のものを「京紫」「古代紫」と呼ぶが、たいていは蘇芳や藍を使って紫に近づけたものという。もちろん「蘇芳」という色名は別にある。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1419775542480433179
これに対して西方の紫(purple←πορφύρα)は、同名の2種の貝(Murex trunculusとPorpura haemastoma)の腺から採れる染料であり、それによって染められた布をも指す。それがいかなる色であるかもさることながら、いかなる色と認識されていたかが重要であると思われる。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1419777385520525318
先ず、πορφύραは血の色である。「大地はπορφύρα色に、血潮でもって濡れ浸し……」(Il.XVII,361)
これはまた海の色でもある。「河々は……山々からまっしぐらに、πορφύρα色なす潮路へ、轟々たる響きを立てて押し流れれば……」(IL.XVI,391)

https://twitter.com/Prokoptas/status/1419779305794531335
これだけでも充分に混乱させられるが、さらに πορφύρα は希臘人にとって虹の色でもある。「ポルピュラ色の虹を、死すべき人間どもへと、ゼウスが天蓋からして掛け渡したよう」(IL.XVII,547)そういう次第で、邦訳ではテキトーに訳されることになる。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1419782573526458375
サッポー詩(LP54)「πορφύρα色の衣(クラミュス)に身をつつんで 天空より舞いおり来る(エロース)」。訳者の沓掛良彦はこれを「くれない」と訳しているのだが、日本人には、もちろん、沓掛の訳の方がしっくりくるだろう。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1419790338965704707
紅花はエジプト原産で、日本には7世紀頃、その染色法とともに伝来したという。私見だが、この紅花染めの色とスミレ色(violet)との間にあるのが西方のπορφύρα→purple、日本の紫は蘇芳と藍との中間の色とみなしていいのではないかと思う。異論のある方はどうぞ。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420118112305774592
πορφύραはフェニキアの特産物であり、それ以外の地では輸入品であるから稀少価値を有した。エチオピア王は紫の衣裳を見て云ったという。「ペルシア人は人間もいかさまだが、その身につけるものもいかさまだ」(Hdt.III,22)。染色するのは生地の色を偽る、というのだ。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420119459381923840
焼く・煮る・炙る……こそ最初の物質変成つまり錬金術だというのがわたしの持論だが、第2の物質変成は染色だろう。染料は「顔料の場合と同様に……その色で織物を飾るのに使われるよりも先に、先ず人体に用いたのではないかと考えられる」(フォーブス『古代の技術史』下・II)

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420120404165758977
とはいえ、「古代人が色に対して(さらには顔料や染料に対しても)、宗教的勝呪術的意味をもたせていたことに十分注意を向けるべきであって、色について論じる際は、古代人がそのような意味合いで色彩を用いていたという面を常に認識していなければならない」(フォーブス)。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420122759259033600
金属を染色することが初期錬金術の課題であったことは、テキスト上も確認できる。しかしそのことが、卑金属を貴金属に見せかけるという汚名の原因にもなる。「彩色や染色、あるいは変色といった諸現象に関心を抱くようになり、それを研究し始めたときに化学が成立したのである」

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420476527393734658
日本語では代表的な金属を色で区別する。あかがね=銅、しろがね=銀、くろがね=鉄、き(→「こ」に転音)がね=黄金、である(いずれも99%以上の純度であるが、100%でないことに注意)。が、このほかに「ま-かね」というものがある。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420477571297280002
「真金(Magane)」は日匍辞書に「金・黄金」となっていて、紛れはない。しかし、「真金(まかね)吹く 丹生の真朱(まそほ)の 色に出て 云はなくのみぞ 吾が恋ふらくは」(万葉XIV,3560)があり、ここでは鉄の意だとするのが定説であった。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420478706514939904
「吹く」といえばすぐに踏鞴(たたら)製鉄しか思い浮かばない研究者たちが定説をつくりあげていたせいである。これを真っ向から批判したのが廣岡義隆「「まかね」考」彼は大仏造営を根拠に、「黄金を葺き上げる(=鍍金する)」意と解釈した。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420499466918850560 「当時盛んであった造仏(大仏等)の際に、仏像への鍍金(葺く)の過程で金を水銀によって液状化して用いたところから(アマルガム法)、水銀の産地である丹生に掛ける枕詞の用例」と、論考は奈良の大仏が本来金ピカの金色像であったことが忘れられている盲点を衝いたといえる。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420503127065649157
しかし、なるほどアマルガム法による鍍金に水銀は不可欠であるが、だからといってそれが直接「丹生」を指すわけではない。まして、「真金吹く吉備の中山帯にせる 細谷川の音のさやけさ」(古今和歌集』)という歌が、同一の根拠で説明できないのは、いかにも苦しい。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420831438950133766
どうやら、「辰砂は赤い」という先入観・固定観念に人々はとらわれすぎているらしい。なるほど辰砂は赤い(左図)、しかし黒辰砂(右図)もあるし、黄土(おうど/きづち)も加熱すれば赤くなることは、先に見たとおりである。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420833134241665027
さらには、クロガネといわれる鉄も、自然界では赤い。左は砂鉄。右は、砂鉄のもととなる鉄の鉱床が地表に現れたもの。鉄元素が酸化して(つまり錆びて)赤くなる。自然界において金属はみな合金の形で存在する(唯一の例外とされる金も、多くは合金である)。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420836437147090946
岩見銀山は、当時の世界の銀の総産出量の1/3を産出していたという。世界遺産になるだけの理由があるのだ。それよりもっと早く、「黄金の国ジパング」伝説のもととなった平泉の黄金文化の金は、99%以上の純度だという。ところが、それはいかなる技術によって達成されたのか?

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420869713115029504
自然界の金属はみな合金の形で存在する(例外とされる金も多くは合金である)。合金は還元し、不純物は除去されて(精錬されて)初めて純粋の金属となる。「灰吹法は貴金属を卑金属から分離する方法としてはおそらく最も古く、また最も効果的なものである」(フォーブス)。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1420877555821780993
ところが、バビロニア時代から知られていたこの方法を、日本は16世紀まで知らなかったと通説は云う。しかし、貴金属と卑金属の分離の仕方は知らなかったが、金の精錬の仕方や、鍍金の仕方は知っていた(金ピカの大仏とはそういうことだ)などという理屈に合わぬことがあろうか?

https://twitter.com/Prokoptas/status/1421208370434904067
西方では、金(Au)と銀(Ag)との合金は琥珀金(ἤλεκτρον→ラテン語electrum)と呼ばれた。これを合金として単独の金属から外し、それまで金属と認められなかった水銀(Hg)を加えて「古代七金属」が成立した。図は最古の貨幣とされるエレクトロン貨(B.C.6)。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1421210292353073158
かくして、古代七金属、七惑星、虹の七色、音楽の七音階が関連づけられ、相俟って「宇宙は音楽を奏でている」といったピュタゴラスの正しさを証明しようとした。虹の色を「各色の帯のはばが、音楽の音階の間の高さに対応していると結論」したのはニュートンであったという。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1421231458903986182
金は、金属のまま自然界に存在しうるほとんど唯一の金属である。したがって、”根気さえあれば”純金を得ることができる。「カリフォルニアでは99%の金が発見されたが、その平均は88.4%……オーストラリアでは95%、日本では砂金で62〜90%、鉱脈金で57〜93%である」(フォーブス)。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1421235609838886912
しかし、「鉱山や鉱床でとれるほとんどすべての自然金は天然の合金で、時折かなりの量の銀を含み、たいていは若干の銅と痕跡量の鉄を含んでいる」(フォーブス)。先の「灰吹法」は、金や銀の貴金属を卑金属から分離する方法であって、金と銀を分離させるわけではない。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1421240365323935744
日本の金山はその方法を確実に知っていた。──金を粘土と食塩と混ぜ、その混合物の入った坩堝を木炭炉の中で赤熱状態で12時間加熱。それから鉢を取り除き、その金を熱い塩水で洗って生成した塩化銀を流し去る(フォーブス)。いわゆる「塩化法」と云われるものである。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1421242651370684416
奥州の黄金文化について、技術的なことについて研究者たちは不思議なほど沈黙している。奈良の大仏の鍍金についても然りである。先に、ベンガラの発色をよくするため、縄文人は素材を海水に漬けておくことを経験的に知っていたことの重要性を指摘しておいた。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1421595555461943299
「鉱床の分布・配列は、地帯構造に左右され……わけても水銀鉱床は、世界的にみて著しい偏在性を示している……すなわち、環太平洋地域と、地中海・ヒマラヤ地域の二つの大きい造山地帯に、ほとんど集約的に配列している」(矢嶋澄策)

https://twitter.com/Prokoptas/status/1421598890286067712
日本列島は環太平洋にすっぽり入るわけだから、水銀の歴史がないはずはないのだが、ほとんど研究されていない。「丹」とか「丹生」という地名に目をつけてこれに日本史の立場から先鞭をつけたのが松田寿男で、これに化学の立場から共働したのが先の論考の著者・矢嶋澄策という。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1421603117771071489
とはいえ、彼らは文字記録を根拠に据えるため、当然、文字記録のないそれ以前のことについては口を噤む(それが研究者の矜恃というものであろうが)。しかも、重要な技術は大陸から伝わったという固定観念からはどうしても免れないらしい。とはいえ、その成果は重要である。


TOMITA_Akio@Prokoptas様ツイッター/天津甕星

https://twitter.com/Prokoptas/status/1415450030291390480
日本神話に星が出るのは、天神から葦原中国の平定を命ぜられたフツヌシ、タケミカヅチが、「天に悪神あり、名を天津甕(アマツミカ)星と曰ふ。亦名は天香香背男(アマノカカセヲ)。請ふ先づ此の神を誅ひて、然して後に下りて葦原国を撥はむ」と答えたと(書紀・神代下)。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1415450373679026179
この香香背男を、「最後まで「服はぬ」天津甕星……明けの明星として、他の星々が消えた後も燦然と光を放って、独り暁天に残る金星の姿を神格化したもの」という解釈は、たぶん、正しいであろう。しかし、その解釈が陰陽五行説を下敷きにしたものであるところに不満が残る。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1415453096658960386
方位を知るため或いは農作業の目安にするような星は「当(あて)星」「役(やく)星」などと呼ばれる。星座神話を欠く民族においても、そういった星の伝承は多い。プレイアデスとオーリーオーンはそういう星として(仮令星座としては知らなくても)よく知られていた。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1415759552557977601
「カカセヲ」はおそらく「輝く」と同根の語(吉野裕子ならカカは蛇の古語だと云うだろうが、カカセヲに言及しているかどうかは未調査)。そういえばカカセヲを祭神とする神社の多い県の1つ茨城には、東日本で初めての色彩壁画が発見された古墳虎塚古墳があったはず。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1416150459140747265
アマテラスがニニギに葦原中国を治めさせようとした時、そこは「多(さわ)に蛍火の光(かかや)く神、及び蝿声(さばへな)す邪しき神有り。復草木に能く言語(ものいふこと)有り」(神代下)という。これが日本列島における文字で記録しえた最古の相であったとみてよかろう。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1416153013685784582
そこでは、樹木のそよぎに神意を伺ったというドードーネ神託所の伝説も信じることができる。古代の人々は「土地や河海、岩石や樹木、鳥・獣・虫・魚など自然界のあらゆる事物には神(精霊)が宿り、それらのさまざまな変異はそれを占有する神の意志の顕現であると信じていた」

https://twitter.com/Prokoptas/status/1416155791468339201
「自然界の事物を自分のものとして占拠したり手を加えて使用しようとする場合、それに先立って必ず神との交渉が必要であると考えていた。つまり、人はその営為に先立って神に対する祭儀を行わなければ、神の妨害にあってそれを安全・確実に進めることはできないと信じていた」。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1416160055108456457
かかる自然観がそのまま保持されることは難しい。例えば樹木を伐採する際に行われる「鳥総立(トブサタテ)」が好例である。
[1]伐採してよいかどうか神に伺いを立てる。
[2]許しが得られたら、遷移していただくためトブサを立てる。
[3]これを他所へ遷脚して後に伐木する。

https://twitter.com/Prokoptas/status/1416162489599856642
しかるに今やその意味が忘れられ、伐木後に、それも申し分け程度に立てられる。これを平林章仁は「神々の没落」として跡づける(『鹿と鳥の文化史』)。人の営為の妨げとなるような神は祟り神・偽りの神として速やかに他所へ遷却・追放されなければならないというわけである

https://twitter.com/Prokoptas/status/1416164033837809665
「なんじら日本人知らずや、われら昔、この列島の大地に年ふる土蜘蛛の精霊なり。われら地のそこに沈められた呪いを忘れず、いまこそ時を得て、君が代を討ちほろぼし、千数百年のとしつきを越え、われらが世を打ち立てんとよみがえりきたり」
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tiakio/yaziuma/kowa1.html

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