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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

私製和歌まとめ「さまよえる」他

◇さまよえる-旅人多き-現葉(うつしよ)に-時は経巡る-宇宙(そら)の標(しるべ)を

◇烈日の-熱の凝(こご)れる-夕道に-幽(あや)しく立てる-その人誰そ彼

◇海青し-さ青(を)なる水に-誘われて-身を投げ果つる-岸辺のその人

◇千早振る-神の如くに-鳴り響く-夏の大雨-四方(よも)の雷(いかづち)

◇古き世の-人を見送る-鳥の野辺-心波立つ-秋の夕暮れ

◇木の下の-緑の闇を-廻(もとお)れば-細き日影の-あやしく思ほゆ

◇せせらぎに-笹舟軽く-漂ひて-水の彼方の-行方知らずも

◇咲き誇る-躑躅(つつじ)よ躑躅-うら若き-乙女の如く-明るき花よ

◇見上げれば-日影まばゆし-空青し-天の底なす-夢深きかも

◇天(あま)がける-鳥よと見初め-思ひ初め-乙女我が枝に-寄り寝て通れ

◇君我を-見初めと云ひ-思ひ初め-と云ふ松葉に-秋の風吹く

◇松が枝に-天の羽衣-見ざりせば-我が心-安からましものを

◇一筋の-風か雲かや-松が枝の-身に留まらじ-消ゆべき露よ

◇遠白(とおしろ)き-永遠(とわ)の大河も-一滴の-露に始まり-来たれるものぞ

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