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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

詩歌鑑賞:チュチェフ「夜風よ」

◆チュチェフ(無題)

夜風よ、何を咆えるのか、
何を狂おしく嘆くのか、
なれが奇しき声の
時にかすかに物がなしく、時にさわがしきは
何のゆえぞ、
こころはよく解る言葉で、
え知られぬ苦しみをくりかえし、
うめきつつ、時として
狂おしのひびきをあげて吹きすさぶ!

おお、この古き、母なる混沌の
おそろしき歌をうたうなかれ!
いかばかり貪るごとく夜の魂の世界の
なつかしき物がたりに耳傾くるぞ!
いのちなき大地の胸をのがれて、
はてなきものに融合せんといかばかりねがうぞ……
おお、ねむれる嵐をさますなかれ、
嵐のもとには混沌のたえず動くを!
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