忍者ブログ

制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

覚書「呪いの研究」

『呪いの研究』中村雅彦著より:

…オリンピックは、国民の多くが、そして世界中の人々が、大きな注目を寄せるスポーツの祭典である。…つまり、われわれ人類の注意が一点に集中しやすい瞬間なのである。このような状況では、意識は集合レベルで一つにまとまり、一体になろうとする。そのことが物質レベルでの変化と同調して現れるというわけだ。スポーツの世界では、観衆の声援が後押しして、驚異的な記録が誕生することがある。…(選手の)イメージトレーニングだけにとどまらず、ファンやサポーターの声援が一つになったとき、これが集団念力という形で選手の運動能力を驚異的に引き上げる形で作用する可能性がある。

…同様に…逆に、大勢の人々の憎しみが一つになったときは、集団レベルでの悲劇、争いが勃発する可能性がある。…宗教団体による霊的虐待も、そうしたマイナスの想いを霊的な専門職が集団念力としてまとめ上げ、実行している。…地域社会などで起きる悲喜こもごもの出来事の背景にも、こうした意識場による念力の効果が、目立たない形で働いているのかも知れない。

…実際、現代の新興カルトは呪術的色彩を強めており、霊能力の強い人物を集め、ワークショップやセミナー、霊的修行などを通じて、子飼いの呪術師として養成しているとの報告があります。呪術(奇跡)によって新たな信徒を獲得するというプロセスがあり、下手に霊能力のある人は、そうした問題カルトに狙われやすいという事です。特に念力、透視、テレパシー能力を持っている人は要注意だそうです。

「時代精神」という概念もきっちりあるので、気になるところです。もし、「アセンション」という大勢の人々の想念が、集団念力として知らないうちに発動していたら…何が起こるのか分からないです。これだけ科学も発達しているのに、いまだに祭祀支配を受けていたりする世界なのかな…と、目がくらみました。(陰謀論系統でしたら、ユダヤ祭祀集団でしょうか・汗)

(補遺)・・・『呪いの研究』より要約
宗教団体は、信者を束縛・拘束するために「救済」という名の暗示ないしは呪詛(霊的虐待)を常に行なっている。これは「われわれを信ずれば救われる」「奇跡はわれわれ(の神)が起こした」という科白に代表されるもの。
霊的虐待とは、呪詛によって体調悪化(霊障)を起こしたり、また不運を次々起こしてターゲットを絶望させ、死に至らしめる行為。また呪詛によってターゲットを生命の危機に陥れ、そこからの救済を図ることで、新たな信者として獲得することも多い(狙われるのは霊的守護の弱い資産家や成金)。
一般に、霊能者の能力が高いほどに呪詛の成功確率も高まるため、新興宗教団体は才能のある霊能者をスカウトし、専属の呪術師として養成する事が報告されている。この過程で、裏切りを行なった霊能者は「ポア」されるという事で、狂人を装って脱会した霊能者のエピソードもある。
PR

秋葉原☆オカルト☆メモ

▼秋葉原通り魔殺人と平将門伝説をめぐる「7」の不可解な符合
リアルライブ2008.6.12(http://npn.co.jp/article/detail/54407087/)
アニメ、コスプレ、フィギュアなど世界中から若者が集まる街・秋葉原。この秋葉原が流血の惨事に見舞われた。加藤智大容疑者(25)は、静岡の自宅から上京、レンタカーを借りて秋葉原の歩行者天国に乱入し、行き交う人々を車でなぎ倒した後、サバイバルナイフで次々に刺すという暴挙に及んだのだ。この史上に残る通り魔事件に関して、NMR編集部に数々の不気味な都市伝説情報が寄せられているのだ。都市伝説といえども、その中には社会不安の残像が見え隠れしているはずだ。今回のこの事件にまつわる都市伝説とフォークロアをお届けしたい。
まず、平将門と今回の事件の奇妙な符合である。加藤容疑者は静岡から上京、レンタカーを運転し、神田明神の前を通過して秋葉原に乱入している。この神田明神に奉られているのが将門の御霊である。因みに神田(かんだ)とは、元々神田(かど)と読んでいた時期があり、将門に通じる。つまり、江戸の守護神・将門が祭られた神田明神の眼前を通過して、秋葉原に切り込んでいるのだ。さらに、犯行日である6月8日は、鳥越明神の祭日にも当たっている。この鳥越明神とは、将門の首が飛び越えたことから、飛び越えがなまり鳥越明神と名づけられた将門ゆかりの神社である。加藤容疑者は将門ゆかりの鳥越神社の祭日に、将門が祭られた神田明神の前を通って犯行に及んだのだ。
しかも、彼の住む静岡県にも、将門の首塚がある。掛川市にある十九首塚は、将門一族郎党19名の首が埋まっていると言われているし、同市内の池辺神社も、将門の首が埋葬されており、将門の剣、犬の掛軸、薬師如来など将門の宝物が奉納されているという。
まだまだ不気味な偶然の一致は続く。将門は北斗七星を信仰しており、北斗七星の呪術を使って、朝廷軍と対峙したのである。そのためだろうか、将門関連の伝承には数字の7が深くかかわってくる。千葉県市川市にある薮知らずは将門の影武者が死んだ場所とも言われているが、この影武者が7人なのだ。また西多摩にある七つ石という場所も、将門が7人の影武者を使って、天敵・俵藤太をかく乱した場所。さらに、都内にある将門ゆかりの7つの神社、鳥越神社、兜神社、将門首塚、神田明神、筑土神社(津久戸明神)、水稲荷神社、鎧神社を結ぶと北斗七星の形になるのだ。今回の通り魔事件でも7人の尊い命が奪われた。北斗七星と被害者7人の一致、この偶然の一致はいったい何を意味しているのであろうか。
さらに、この加藤智大容疑者と宅間守の犯行が一致しているという情報もある。今回の惨劇は2008年6月8日に発生しているが、この日からちょうど7年前の01年6月8日に宅間守が池田小学校に乱入、無差別殺人が発生しているのだ。加藤容疑者はひょっとして宅間守に影響を受けた上で犯行に及んだのであろうか。自ら進んで死刑台に上った宅間守は、一部の犯罪者の間で神格化されているらしい。
それにしても、加藤智大と宅間守の行動は似ている。車で犯行現場に乗り込んで、刃物で無差別殺人を行うという手口はまったく一緒だし、宅間守は当初、大阪の商店街に車で乱入し、無差別殺人を行おうと思っていたという。さらに似ているのは、子供時代の境遇である。少年時代、加藤も宅間も頭脳が明晰であり、その後成長するにつれだんだんと歪んでいった。また、2人とも強い自殺願望があり、自分ひとりで死ぬのはいやだからという幼稚な理由で、他人を巻き添えにしているのだ。はたして加藤容疑者は宅間守をオマージュして、似たような犯罪を同じ日に行ったのであろうか。
どちらにしろ、許しがたい犯罪であり、今後発生が予想される模倣犯への徹底的な警戒、殺傷能力の高いダガーナイフの取り締まりが必要であろう。今回の惨劇で理不尽なまま亡くなられた方のご冥福をお祈りしたい。このように都市伝説を生み出すほど、社会不安を引き起こした犯人には厳罰が科されることを強く希望する。

異世界ファンタジー試作18

異世界ファンタジー6-1問答:踏み込む役人たちと令嬢

冬宮の設営は完了し、後は人の移動を受け入れるのみになった。先に使用人たちが移動してホテルよろしく各々の貴族たちに割り当てられた控室の私物を完備させ、しかる後に王族や貴族たちが入って来るのである。

公務明けとなった令嬢サフィニアと令嬢アゼリア〔仮名〕は、冬宮の主会場で貴族たちに囲まれて、輝かんばかりのユーフィリネ大公女を、微妙な眼差しで見つめるのみだ。貴族たちの招待名簿をひっくり返している以外には大して活躍しなかったはずのユーフィリネ大公女が、見物客第一弾の貴族たちの間で、冬宮の装飾についての賛美を独占している。

「ユーフィリネ大公女は、取り巻きの令嬢たちと一緒になってローズマリーの怠慢をチクチク吹聴してるけど、最終盤のところでローズマリーが活躍できなかったのって、この間の襲撃事件のせいだわ。サフィニアは一足の差で危機に突っ込むところだったって言うじゃ無いの、どうしてバシッと言わないのよ」
「ガイ〔仮名〕から口止めされちゃってるのよ。彼が真剣になるなんて滅多に無いし、ただならぬ何かがあるみたい。二度目の危機も起こりかねないから、護衛がくっついてるって脅されたし」

――それは脅しとは言わないのでは?と、令嬢アゼリア〔仮名〕は本気で首を傾げた。会場をくるりと見回す。ガイ〔仮名〕占術師が用意したと思しき護衛の姿は、影も形も見えない。よほど上手く紛れているのであろう。

(まあ、サフィニアとガイ〔仮名〕は既に《宿命》の盟約を交わして、正式な婚約者同士だからね。《宿命の人》として合致した者同士で《宿命》の盟約を交わすと、竜体の能力が底上げされる。実際、ガイ〔仮名〕はサフィニアが何処に居るのか、やたらと勘が働くし)

令嬢アゼリア〔仮名〕は、ドレスの下でこっそりと足の具合を直した。先日の夜、暴走族よろしく竜体で飛来して来た二人組と出会い頭に衝突して、空中階段の上から放り出された時、足首をくじいたのだ。軽傷ではあるが、夜会に使うような華やかなサンダルや細いパンプスは、まだ無理だ。軽傷で済んだのは、ひとえに同伴していた婚約者の、近衛兵としての能力のお蔭である。

ちなみに、かのレストランを含めて空中階段に居合わせていた人々は、滅多に目撃することのない近衛兵の身体能力を目の当たりにして興奮した。若手の近衛兵の間ではトップクラスの実力を持つクリストフェルですら感心したという尾ひれもついた。

その金髪碧眼の貴公子クリストフェルは、目下、ユーフィリネ大公女の恋人の第一候補であると言われている。今も、目の前でユーフィリネ大公女の手を取って、見物を楽しむ貴族たちと共に、主会場のあちこちを視察している。本格的な警備体制を組む際の下見という名目だが、別の要素をも楽しんでいるのは明らかだ。

「ユーフィリネ大公女は、相変わらず殿方に人気があること。夫になる人の苦労は、想像するに余りあるわね」
「王族に最も近い公爵令嬢だから、王女並みに相当数のスペアがあってしかるべき、だそうだけど。ヴィクトール公爵のお眼鏡にかなわない求婚者…っていうか恋人候補は、片っ端から排除されてるそうだし、これはこれで割に合うのかも知れないわ、何せ筆頭公爵ですもの」

令嬢サフィニアと令嬢アゼリア〔仮名〕が内緒話に花を咲かせていると、監察機関に所属するスタッフ数名――下位の監察メンバーが、逮捕権を持つ検察機関所属の衛兵のチームと共に主会場に入場して来た。

見物に来ている貴族とは明らかに異なる一団の登場で、主会場の中には戸惑いのざわめきが広がった。

「監察の人と、検察の人じゃないの。汚職があったのかしら?」

令嬢サフィニアと令嬢アゼリア〔仮名〕は、嫌な予感がした。そして、その予感は的中した。

中年の監察官スタッフたち数名は、引き連れている衛兵たちと共に令嬢サフィニアと令嬢アゼリア〔仮名〕の前に立つと、必要とあらば証人喚問をする旨の文書を披露したのである。一斉にざわめく貴族たち。

「このたびの冬宮設営にて、室内装飾業者の一と不正に結託し、認可された計画書の内容を大幅に超える品の購入ないし横流しをした疑いが浮上している。領収書の合計と決算報告書の数字が合わぬのだ。申し開きあらば、この場にて簡潔に披露せよ。内容次第によっては、この文書に従い、証人喚問に移行する」

令嬢サフィニアと令嬢アゼリア〔仮名〕は、開いた口が塞がらない。二人は一斉に顔を見合わせ、野次馬と化した主会場の大勢の貴族たちに目をやり、そしてその中心に居るユーフィリネ大公女とその取り巻きの令嬢たちを眺めた。

ユーフィリネ大公女は口に手を当てて、純真そのもので驚愕の表情を浮かべている。その取り巻きの令嬢たちは早速、「まあ信じられない!」「お育ちが卑しいと…ねぇ?!」などと、口を歪め、ささやき交わしていた。

スプリング・エフェメラル装飾は、初めての試みだけあって品が少ない。ロージーが最初に突き当たったように、対応できる王宮御用達の室内装飾業者が、一件しか無かったという有様である。貴族御用達となっている数々の室内装飾業者でも、件数こそ増えるが事情は同じである。冬季草花装飾に対応できる職人そのものが、少ないのだ。

冬季草花装飾の市場は、冬季の定番だった歴史装飾に比べると、遥かに小さい。王宮における冬宮の装飾をきっかけとして、多大な需要が発生したらどうなるか。当然、市場価格が、実物の価値を越えて高騰するのである。

注文が殺到する直前のタイミングで、見本市などで冬季草花装飾を手掛ける業者を引き抜き、品物と合わせて独占してしまう。その後、価格が高騰した状態で、ペーパーカンパニーを窓口にして注文をさばく。差額による収入は、莫大な物になるだろう。

スプリング・エフェメラル装飾の計画を事前に知りえるがゆえの、汚職の疑い。

――それに相当するタイミングで物品購入にタッチしていなかった令嬢サフィニアと令嬢アゼリア〔仮名〕にとっては、寝耳に水の疑いだ。疑いを掛けられた根拠を説明されると、二人は揃って、「はあ?!」と反応するのみであった。

業者の選定や見本市での買い付けは、まさにロージーが担当していた仕事であるが、平々凡々な平民たるロージーには、それだけの大掛かりな汚職を可能とする人脈は無い。ギルフィル卿やジル〔仮名〕卿の人脈が使えれば可能ではあるだろうが、仮婚約者に過ぎないロージーに、王都の貴族クラスの人脈にタッチできる力があろうはずが無い。

令嬢サフィニアと令嬢アゼリア〔仮名〕は、そのように、疑いが事実無根である事を申し開きした。

監察官スタッフ代表は、「では、一の業者と入札なしで契約したのは?」と質問を重ねた。

「まだ監察機関に文書が行ってないんだと思いますが、問題の領収書に、理由を書いたメモを添付していると聞いてます。私たちが知る限り関係した業者はその一件だけだし、品そのものが少ないので、後は見本市で品ごとに買い付けしていたそうです――それも、公費を使って購入したのは、きっちり領収書の分のみです――全て、契約先のサイン証明付きの」

令嬢サフィニアの説明に続き、令嬢アゼリア〔仮名〕が説明を始める。

「私たちは別の仕事を担当していたし、室内装飾関係は完全にローズマリー嬢にお任せしていたので、くだんの室内装飾業者とは契約締結の時に顔をつなぐために、立会人の下、王宮内にて同席したのみで、見本市には一回も行っていませんでしたの――」

――そこで、令嬢アゼリア〔仮名〕は、ある事に気付いて、目を丸くした。そのまま、驚愕の表情でユーフィリネ大公女の方を振り返る。令嬢サフィニアも遅れて、令嬢アゼリア〔仮名〕と同じ事実に思い至り、唖然として同じ方向を見やった。

流石にユーフィリネ大公女も、ハッとした顔になった。取り巻きの令嬢たちの顔が、これ以上無いほど、凍り付いた。

――いつだったか、サロンでお茶をした際にロージーに絡んだ時、ユーフィリネ大公女は何と言ったか。

――『わたくしも、見本市に出掛けておりましたの。青い目の君といらっしゃるのは、どなたなのかと思っておりましたが』

取り巻きの令嬢たちのうち一人が、「な、何よ…!」などと口ごもり、更に何か言おうと口を開いた時。

何処に潜んでいたのか、ガイ〔仮名〕占術師が意味深な笑みを浮かべながら、ふらりと現れたのであった。

「あの時、確かにおっしゃっていましたよね、ユーフィリネ大公女。見本市にて訪問したと言う、数々の業者の名前も――」

ほとんどロージーが手掛けていた冬宮の装飾。その評判が高まり、その評判に続く賛美をちゃっかりと横取りしようとして、ユーフィリネ大公女が決定的な失敗を――巨大な墓穴を掘ったという事を、その指摘は、無慈悲にも暴露していたのである。