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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

研究:台湾文学の誕生

出典:『台湾文学この百年』藤井省三・著、東方書店1998年

序「台湾文学とは何か」より抜粋(引用者注:「ビンナン語」は、原著では漢字表記。パソコンで漢字表記が不可だったため、カタカナで引用。数字は、年代や番号などに限って読みやすさ向上のためアラビア数字に変換)

・・・日清戦争後に台湾が日本の植民地となったとき、台湾の先住民はそれぞれの部族語を話し、明清2王朝の時代に大陸から移民してきた漢族は大別してビンナン語と客家語を話していた。しかもビンナン語も客家語もさらに下位の方言に枝分かれしていた。台湾ではいわば地域や血縁により各人が自分の方言を話して暮らしていたのである。

19世紀末の台湾人の識字率は10%程度と推定され、口語文はいまだ存在せず、古典中国語が読み書きされていた。

B.アンダーソンの『想像の共同体(白石隆・白石さや訳、リブロポート)』やイ・ヨンスクの『「国語」という思想(岩波書店)』を読むと、19世紀末台湾の言語状況も、「国語」制定以前の明治初期の日本、あるいは標準語制定以前の18世紀から19世紀半ばのヨーロッパ諸国とそれほど異ならぬ状況であったことが推測できよう。

ただし大きく異なるのは台湾の俗語がその後「国語」化されなかった点である。

台湾に近代国家の国語制度を持ち込んだのは、1895年から50年間にわたり宗主国であった日本である。台湾島民は全国規模の言語的同化を通じて日本人化されたが、それと同時に全島共通の「国語」は諸方言と血縁・地縁で構成されていた各種の小型共同体を越えた、台湾大(サイズ)の共同体意識を形成したのである。

それは台湾ナショナリズム(=台湾意識〝Taiwanism〟)の萌芽であったと言えよう。[引用者注・・・〝Taiwanism〟は現代台湾の女性作家・李昂(リーアン)の言葉]

1945年の日本敗戦後、台湾は大陸の国民党政権に接収され、日本語に代わって北京語が新たに「国語」として君臨した。少数民族の先住民を除けば、台湾島民の95%は大陸人と同系の漢族ではあるが、日本植民地下の50年間の歴史的体験により彼らは大陸人に対し違和感を覚えざるを得なかった。

台湾における「国語」の普及率や小学校の就学率は、大陸のそれと比べて倍以上であり、大陸が前近代的要素を色濃く残した農業社会であったのに対し、台湾はすでに工業生産が過半を占める工業化社会であった。こうした文化的社会的違和感に国民党の暴政・失政が加わり、1947年の2.28事件という全島的な反国民党蜂起が勃発している。

このように台湾における「国語」とは、いずれも外来政権が持ち込んできた言語であり、島民の圧倒的多数は2代の「国語」制度の下で話し言葉と書き言葉が異なるという言文不一致の状況に置かれてきたのである。

・・・(中略・いずれの時代も「言文不一致」であることに変わりはない)・・・

現在の台湾では台湾人の不屈の闘いによりすでに民主化は達成されている。1996年3月全島民の直接投票による新総統選出は、その総仕上げであったといえよう。

・・・(中略・戦後台湾のGNP、経済発展への言及)・・・

政治の民主化と経済の先進国入りとがほぼ達成された台湾では、近年〝台湾意識〟と称されるナショナリズムが勃興している。戦後国民党政権が強要した「国語」=北京語に対し、多くの文化人は公的な場においても台湾方言であるビンナン語の使用を要求している。

しかしビンナン語のほかに少数言語として客家語と北京語が常用されており、3種の言語間の差はいわば英独仏間の差にも等しい。ほかに30万の先住民がそれぞれの部族語を常用することも忘れてはなるまい。

このような多言語を擁しつつ国民国家たらんとするとき、はたして第3の国語はどうあるべきかという熱い議論が台湾では数年来行われている。台湾文学に触れるとき、人は否応なく近代国家における「国語」の起源を問い直さざるを得ないのである。それはまた、文学の起源、「文学とは何か」を問うことでもあるのだ。

先ほど紹介したアンダーソンの著書は、ナショナリズムと出版資本主義との関係および出版語と特定の方言との結合を指摘しており、イ・ヨンスクの著書はこれをさらに一歩進めて「国語」とナショナリズムとの関係性を解き明かしている。

・・・(中略・明治日本~植民地帝国への発展を支えた日本語ナショナリズム)・・・

(イ・ヨンスクはアンダーソンの論を受けて次のように述べる)

ひとつの言語共同体の成員は、たがいに出会ったことも、話をかわしたことがなくても、みんなが同じ「ひとつの」言語を話しているという信念をもっている。
経験でいちいち確認できない言語の共有の意識そのものは、政治共同体と同様に、まぎれもなく歴史の産物である。
そして、「ネーション」という政治共同体と「ひとつの言語」を話す言語共同体という、ふたつの想像とが重なり結びついたとき、そこには創造的受胎によって生まれた「国語(national language)」という御子がくっきりと姿を現すのである。
・・・『「国語」という思想(岩波書店)』

・・・(中略・出版資本主義と文学の結合、出版語の固定化が国語固定化に連結)・・・

台湾の現状では、出版語の「形態を支配」しているのは台北の北京語である。ビンナン語を第3の言語とする場合、ビンナン語圏のいずれの「特定の方言」が「出版語の最終形態を支配」するのであろうか。高度に発達した現代台湾の各種メディアは、はたして北京語に替えてビンナン語を選択するであろうか。かりにそうなった場合、新しい国語制度下では先住民諸語と客家語、そして北京語はいかに遇されるのであろうか。

このような台湾の「国語」問題は、台湾の独自な周縁性によってもたらされている。近代文学研究の視点から述べれば、この独自な周縁性とは台湾が日本語と北京語という近代東アジアにおける2大「国語」圏のはざまに位置してきたことに原因するといえよう。もっともこの周縁性こそがきわめて短期間に台湾に「国語」と文学の制度とを可能にさせたのである。

西欧諸国では2世紀を、日本では半世紀を、そして中国では30年ほどを費やして成熟の域に達した文学の制度は、台湾においては戦前の日本語文学、戦後の北京語文学と2度にわたり、いずれも20年ほどの短期間で成熟期を迎えているのである。そしてこの周縁性は台湾の文学者たちを日本へ、中国へそして世界へと越境させていった原動力でもあった。

2つの「国語」を持ち今もなお第3の「国語」を模索する台湾文学は、近代および文学の活力あふれる実験室なのである。国際化が叫ばれ、越境の方法が問われる日本において、台湾文学は、日本近代文学の鏡であり、また1つの可能性を指し示すものであるともいえよう。

台湾は曲折に富む近代を体験し、その体験をバネとして豊かな文学を紡ぎだしてきた。20世紀100年という時空において、台湾文学は台湾人の情念と論理を時に日本語で時に北京語で語ることにより成熟してきたといえよう。・・・


(コメント)

「台湾文学とは何か」という問いに関して、著者・藤井氏はこのように考える…という内容が記されています。以下のような内容になります:

・・・(戦前・戦後時代を通して)日本語にせよ北京語にせよ、あるテクストが台湾大(サイズ)の共同体意識、あるいは台湾ナショナリズムという価値判断との関わりを有するとき、それは台湾文学と呼び得る・・・

今の時点での「台湾文学」の創造のイメージングは、このあたりに留まるのが精一杯であるように思われました。

ここ1世紀の間に急速に成長した台湾文学が、将来の台湾にとっての文化遺産…古典文学になってゆくのだろうと想像しています。(「台湾語」は「台湾文学」と共に、これから壮大な変容の歴史を刻んでゆくのだと思われました。どんな歴史になるのかは杳として知れませんが…)

『台湾文学この百年』の中に、[台湾人/大陸人]の今後の関係について示唆的なテクストがあったので、適当に要約してみます:

【以下、要約】【台湾人と中国人との間に横たわる溝…知的成熟と民主化】

現代中国小説の作品のひとつ、『月を食う犬(原題『天狗』)』の内容からうかがえる現代中国人(=大陸人)の台湾人観:

中国大陸に進出した台湾マネーの暴虐=台湾人社長の不道徳な振る舞いとして象徴。悪い意味での「エコノミック・アニマル」、かつ不道徳&有害&拝金主義。

『月を食う犬』に描かれた「不道徳な台湾人社長」は、「国民党軍中将の息子」と設定されており、どうも外省人らしい…??

中国大陸の小説が判で押したように「台湾人=不道徳なエコノミック・アニマル」を描くのは、大陸側では、台湾の政治的成熟の歴史に対する理解が欠けているからであろう、という事が考えられる。

中国大陸側の、台湾に対する無理解と嫉妬は大きいものであり、それゆえに大陸に住む大多数の中国人は、共産党の対台湾軍事干渉に暗黙の支持を与えている…という可能性が考えられる。中国人と台湾人の間に対話が成立するためには、中国人側のいっそうの民主化と知的成熟が望まれる。

中国共産党支配下において、知的成熟の原動力となる「言論の自由」はいまだ保証されておらず、民衆もまた時には、金の前に自尊心さえも犠牲にする。中国人と台湾人との間に「対話」が成り立つのは、まだずっと遠い先のことであろう。

この辺りは個人的には、著者の藤井氏とは異なる考えを抱きました。個人的には、「中国人が中国人であり続ける限り、永遠に台湾人との間に対話は成り立たない」という風に思っています。何といいますか、『月を食う犬』の内容は知らないのですが、このあらすじを見て、大陸人を縛り付けている、何らかの古代的・宗教的なまでの執念が想像されました。

【参考】1995年代のエピソード・・・『台湾文学この百年』より:

アメリカ新移住組(=天安門事件以後の移住グループ?)を構成する比較的貧しい中国人の間では、豊かな台湾人に対する反感が強い、と中国人留学生は語る(台湾人は、人によっては、貧しい中国人移民を搾取し蔑視する傾向があるという)。

「共産党の専制的支配を嫌ってアメリカに逃げてきた私たちが、大陸との統一を拒む台湾人に反対するのは矛盾しているのですが、中国人は感情的にこじれていましてね…」と、渡米中国人は苦笑する。

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青銅華炎の章・上古7

【夏王朝の社会と古代シナ王権についてのささやかな研究・考察】

伝説の夏王朝の政治を司ったのは、六卿(りくけい)という組織です。以下のように伝承されており、この仕組みは殷・周も継承していたようです。

  • 冢宰(ちょうさい)は、諸政全般を預かる。いわゆる宰相
  • 司徒(しと)は、人民教化(教育)を担当する
  • 宗伯(そうはく)は、祭祀を行なう
  • 司馬(しば)は、軍隊を統率する
  • 司寇(しこう)は、司法にのっとり、警察を指揮する
  • 司空(しくう)は、国土と人民の掌握を担当する

夏の時代には、すでに工業を専門とする職人集の発生があり、青銅兵器の生産も行なわれていたと言われています。特に武器の生産に携わったのは、地方平定を任された将軍(方伯)だったそうです。そのうち、もっとも勢力を誇った方伯が、後の殷の王となる湯王だったという話があります。

当時の武器は戈、矛、矢じり、大型刃(生贄や捕虜の首を切断するため)などだったと言われています^^;

祭祀に使われるような大型タイプ、あるいは金文を鋳込むタイプの青銅器の製作技術は、殷王家ないしは周王家直属の工房の独占であり、周辺諸侯にはそうした高度な青銅器が製造できなかったと言われています。(高度技術を駆使した青銅器が周辺諸侯に下賜され、周辺諸侯はそれをこっそり真似したようである、という事も、当時の出土物の分析から推測されています)

前1100年頃、従来の青銅に鉛を含ませる方法が始まりました。鉛を含ませると、冷えて固まるまでの時間が延びるため、型の隅々まで青銅を浸透させる事が出来るようになります。霊的威圧のための細かな文様や金文を鋳込む――という需要があって、そのための技術が伸びていった、と考えられます。

青銅器が霊的威圧のための呪術的器具であった事も考慮すると、青銅器の霊威によって正統な王を証しする――という伝統が生まれていても、さほど不思議ではありません。それが、おそらくは、「古代シナ王権」の種子であるのでしょう(「鼎の軽重を問う」などの言い回し)。

夏の時代。〈初代五諸族〉の闘争心は、極めて原始的かつ獰猛なものだったのでは無いでしょうか。

曖昧な区分ではありますが、神話伝説が暗示する〈初代五諸族〉の系統は各々、次のようなものであったようです(もちろん、彼ら〈初代五諸族〉は中原に集結した部族なのであり、他の地域には、他の部族が多く栄えていた筈です。巴蜀地域には巴蜀の民が、沿海州には呉越の民が定着していました)。

  • 「夏」=狄系(コムギ農耕を受け継ぐ。王国を作ったが、殷に滅ぼされた。大柄な体格)
  • 「殷」=夷系(沿海州の夷系。混血。酒を伴う祭祀が多く酒池肉林と批判される。氏姓制度なし)
  • 「周」=戎系(武勇に優れた辺境の牧畜系民族。氏姓制度あり。後に羌と同盟して殷を滅ぼす)
  • 「羌」=羌系(チベット系。辮髪の習俗あり。上古、夏王朝と争うが、敗退。岳神を擁する)
  • 「南」=南系(苗族を含む。最古のイネ農耕を受け継ぐ。祭祀に優れ、殷にも恐れられた)

服属を誓わせるために血の盟約の儀礼が発達したという事象、主従の連結を確実にするために、強力な霊的呪力を発揮する青銅祭祀が発達したという事象…そうした諸々の記録が残っている事に、注意しておきたいと思います。

〈前シナ文明〉時代の「王」の権力は、それ程に曖昧模糊としたレベルであったようです。

(編集から洩れているメモ知識)

1.巴蜀地域の民は、崑崙山脈~青海湖ルートをわたってきた遊牧系民族らしいという話があります。

西域から巴蜀に至るには2つのルートがあり、「西アジア~新彊ウイグル~オルドス地方(西戎の地)を貫いて南下するルート」と、「チベット高原を横断し通天河を経て雲南に至り、そこから巴蜀に入るというルート」とが考えられるそうです。前者が「河西回廊」と呼ばれるのに対し、後者のルートは「遊牧回廊」と言われており、場所柄、やはりチベット系民族が多く見られるそうです。地理的には、インド・アッサム地方とつながっています。

前者のルート=地図を何度も見直してみたのですが、多分、ここが「河西」だろう…というような認識レベルです・汗。アムゼルさまからのコメントで知って、探して、見当をつけてみた…というプロセスなので、どうしても知識不足は否めません。現場の光景は想像するしかありませんし、大地そのものが超・広大なので、圧倒されます…;^^ゞ

四川・雲南は森林地帯だったりするので、住みついた人々も照葉樹林系なのかと思っていたので、意外でした。最初に養蚕を確立したのもここに定着した人々で、「蜀」という漢字の由来なのだそうです^^

なお、華北の絹は細い繊維(三眠蚕)を使った絹であり、華中・華南(淮河以南)の絹は太い繊維(四眠蚕)を使った絹だそうです。そして、日本の古代遺跡(吉野ヶ里遺跡)から出土した絹は、太い繊維(南蚕)のものだという事です…

2.巴蜀王国(仮称)は多くの謎に満ちています。

「遊牧回廊」の東端に、かの三星堆文化が栄えたと言われています。青銅器出土は前1600年以降だという事ですが、どういう訳なのか、技術は殷より上で、古代シナ世界ではダントツらしいです。古代王国の時代に内部抗争があって滅び(前850年頃)、その後、巴と蜀の、2つの民が興ったと言われています。

本当かな?というようなお話ですが、古代巴蜀文字(未解読)は、何と、インダス文字に似ているのだそうです。インダス似の印章も出土しているそうです…^^;

3.南部・長江エリアから出土する青銅器は、殷・周に比べて技術が高いのが多い…という話です。しかもその殆どは呪禁用だったようで、明らかに恣意的(=魔術的)な方法で埋められていたそうです。…壮絶な呪術合戦の存在を想像するものであります…^^;

異世界ファンタジー試作35

異世界ファンタジー9-6エピローグ

翌日も相変わらず空は曇天に包まれていたが、令夫人の顔は明るかった。

ジル〔仮名〕の狭量で気難しい性格からして、昨夜のジル〔仮名〕とロージーの話し合いが決裂したら、きっと血を見る事になる――と心配でたまらなかったのだが、あにはからんや出て来たのは冬薔薇の花束。それは、頬を染めたロージーの腕の中に収まっていた。

「あの気の利かない息子にしたら、上出来じゃないの」

令夫人は、昨夜以来ずっと気恥ずかしそうな様子のロージーが、タイプライター作業のため部屋に戻った機会を捉えると、早速、息子を、説教部屋もといサンルームに拘束し、昼食時になるまでビシバシと問いただした。

当然、最初に北部辺境の雑木林で巡り合った見ず知らずの女性『ロージー嬢』を、いわば『ローズマリー』と上手くやるための練習相手にしていた――という突拍子もない経緯は、令夫人を呆れさせた。

人知を超越する運命の力が働いたのであろう。ジル〔仮名〕は、『ローズマリー』への時折の手紙や贈り物を欠かさない事からわかるように、その気になれば面倒見の良い性質である。少なからぬ好意を抱いた『ロージー嬢』に対してそれに準ずる態度を取った事は明らかだ、本人同士だったから良かったようなものの、冗談が本気になったら血の雨が降りかねないところである。

この時になって襲撃事件の顛末が明らかにされ、ロージーが怪我をし、記憶が混乱するほどのショックを受けた出来事があったという説明の後、馬車内での告白のエピソードに至った。そこで令夫人は、呆れ果てた余り、こぶしを振り回した。

「あんた一体、何やってるの…ホントにバカよね!おバカさんよね!」

ジル〔仮名〕は小首をかしげ、黒髪を片手でかき回した。苛立たしくなる程の非人間的な無表情だが、令夫人は知っていた。ジル〔仮名〕が困惑したり赤面したりする代わりに、この仕草をする事を。

――令夫人の説教が、一段落した後。

「昨夜、《宿命》の盟約を交わしたので、正式な婚約指輪に交換したいと思います」

そう言って、ジル〔仮名〕は、珍しく心からの綺麗な笑みを浮かべたのであった。

《了》


《異世界ファンタジー試作連載/あとがき》

今回のファンタジー物語を思いついた「きっかけ」は、夢の中のストーリーです。いつ見た夢かは覚えていませんが(今年に見た夢です)、「これは絶対に物語になる」と確信しました

記憶に残っている場面はランダムで、時系列も滅茶苦茶な状態だったので、場面のポイントをザッとメモした後、時系列を推測しながらストーリー順番を整理しました

夢で見た情景は、主にフルカラー系の場面と薄暮(グレー&オレンジ系)の場面が多く、人物より風光の方が、存在感が強烈でした。物語の初めの頃の場面で、「紅葉シーズンの雑木林」が出て来ます。これも、夢の中で見た情景をできるだけ描写してみた物です

特に強い印象に残った夢の中の情景は、「抜けるような群青に近い真っ青な青空を背景に、万年雪をいただいてそびえる、高く巨大な山脈」であります。このたびの物語を彩る底流的なイメージになりました。物語の中では「雪白の連嶺」という名前で登場します