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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

私製詩歌「時ノ神楽」

天にあまねく
地にあまねく
八百万うつしむ国ぞ

―― 緑なす 花綵(はなづな)の 我らが列島(しまじま) ――

空の彼方を おし渡り
海の彼方を おし渡り
現し御世(みよ)を 揺らぐもの
時ノ神楽を 誰か知るらむ

―― 緑なす 花綵(はなづな)の 我らが列島(しまじま) ――

天にあまねく
地にあまねく
八百万うつしむ国ぞ

我らが美し 現し国
まほろばの ―― 緑の花綵(はなづな)連ねる国ぞ ――

落ち激つ 時の渡瀬
流され命の
幸(みゆき)かなしむ

豊かなれ 日影のほとり
気振り立つ 常世の岬
青葉渦巻け 袖ひるがえれ ……

威烈(タケハヤ)は 真素(ましろ)にして
天照(アマテル)は 真赭(まそほ)なり
今一度(いま-ひとたび)の 時を揺すれ
今一度(いま-ひとたび)の 波を揺すれ

千入(ちしほ)や千入(ちしほ)
命の雫を 括り染め

色いや重(し)きて
匂い立つ
花なる君よ
花照るや君

君 流離(さすらい)の 美し花珠(はなだま)
時渡瀬(とき-わたらせ)に 青らむ星よ
涙の痕こそ血の色に
しとどに濡れて
その白布(しらぎぬ)に浸み透れ ――

天にあまねく
地にあまねく
八百万うつしむ国ぞ
まほろばの 美し列島(しまじま)
玉響(たまゆら)の ―― 星に連なる

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2009.11.23暁の夢

迷える心理が夢になったのだろう…というような、ささやかな夢ですが、色合いがくっきりとしていた上に、何となく神聖というか、奥深い印象が強かったので、記念のために記録です。

実家の中で、何やら見知らぬ人物(外国人か、泥棒みたいな人々…)が大勢、ドヤドヤと入ってきて、宴会などをする雰囲気で騒ぎ出し、「土足で入ってくるんじゃない!」とか、箒で叩き出したりとか、いろいろ揉めているところからスタートしました。

※この揉めている部分は、起床した後で判明。実家の大掃除に駆り出されました…^^;

夢の中ながら、その見知らぬ人物の集団との交渉に疲れたのか、それとも急に無常を感じたのか、家出を決心しました。

夢の中で何故か家出を決心した自分は、縁側から、新しい草鞋を履いて出立。その扮装は、これまた何故か托鉢修行のお坊さん(制作中の物語の主人公みたい)。

何処までも続く、でこぼこな道とレトロな交通機関。

何が何やら…の感覚で、テクテクと、さ迷っていきました。

奇妙な件といえば…新しい草鞋がなかなか足に馴染まないのですね。何度も草鞋が取れたり、足指で変な位置を挟んだりして、夢の中ながら、何となく黙示されている目的地まで歩き通すのに、大変苦労しました…^^;

交通機関は、バス停留所が出てくるのが殆どでしたが、何故かバスには乗れませんでした。バス停の終着駅が目的地だという事はハッキリしていたのですが…でも、テクテクと歩いていくと、駅を通過する感じで路線をたどって行けたので、選択したコースは多分、大丈夫…かな…^^;;;;

駅の名前は、停留所の表示がレトロなタイプという事もあり、文字がひどくかすれていて、読めない…辛うじてはっきりと読み取れた駅の名前は、「星ノ宮下」とか「星雲の町云々」でした。終着駅もどうやら「星・云々」がつく名前を持っていて、全体的に「星」が多かったのですが、果たしてどういう意味があるのかは…全く謎です。

あちこちとさ迷っているうちに、どうやら目的地に到着したようで、気が付くと、明るい陽射しが差している神社の前に立っていました。わりと霊験で評判のスポットなのでしょうか(笑)、善男善女といった感じの和服を着た集団が、三々五々通り過ぎてゆきます。

苔生した石の階段を上ってゆくと、こんもりした林に囲まれた8畳程度の、拝殿の無い平らな空間。そこに、白木の鳥居…というか、余りにも古いので黒木の鳥居、だけがポンと置いてあるのです。

その鳥居を透かしてボンヤリと、雲の中の竜宮城(?)みたいな雰囲気の建物。

夢の中で、鳥居の向こうの「何か」に向かって一生懸命拝んでいたようなのですが、何をお願いしていたのかは、覚えていないです。ただ無心に拝んでいたようです…^^;

…以上、こういう感じの夢でした。

FriendFeedコメントより転載

ふうむ、集合意識にも国別があるのでしょうかねえ?あるかもなあ、日本語ラングもそこから来るんでしょうね、きっと♪ - 丸山光三

◆ついでの記録(フレンドフィードに書いていたもの)/2009.11.21暁の夢(短編)◆

http://friendfeed.com/midukideepforest/4a83c45a/2009-11-21-123

海岸沿いの集団アパートのような背の低い白モルタルの長方形の建物が、1つか2つ。明け方に震度3程度の地震が起き、海岸沿いだったので津波を心配し、高台に避難。その高台がいつの間にか、絶壁に囲まれた離れ島になる。「竹島/尖閣」という名前が黙示される。そこへ大津波到来。島の頂上まで駆け上がる波。炎のイメージも重複して黙示される。…西の国で政変か、戦争が近い?

FriendFeedコメントより転載

「国慶節」軍事パレードに見られたとおり、江沢民がまた権力回復を果たしたようで、軍内での権力闘争が熾烈化していることが推測されます。江沢民一派が主流派の足を引っ張るため外交的軍事的冒険にでる可能性もないわけではないので、ちょっと不気味です。 - 丸山光三
《返信》そんな話があるのですか…2008年3月のチベット騒乱と同時進行で後継者選び(李克強vs習近平)があって、たいそう揉めた末に、チベット騒乱の風圧で習近平に決まったのだという解釈を、この間小耳に挟みました。法輪功が1枚かんでたらしいという噂も。政治は分からないですが、内情は複雑怪奇な事になっていそうですね…

イラスト習作:雪白の連嶺

「雪白の連嶺」イメージのイラスト習作その1、紺青の空の下の連嶺

(添付)イメージ元のテキスト/小説「暁闇剣舞姫」より

窓の外は快晴だ。

身も心も吸い込まれそうな程に青く深く、何処までも澄み切った蒼穹が広がっている。窓から見える純白の山々の間を、まばゆいばかりに白い雲がたなびいていた。どうやら、正午に程近い刻らしい。

手前に見える背の高そうな樹木の枝で、輝くような緑の葉が勢いよく萌えている。この部屋は、《大砦》なる建物の中では、どうやら中階層といった場所にあるらしい。

目下ベッドから動けず、窓から地上を見下ろせない状態だ。窓の外にはチラチラと周辺の岩山や山脈の頂上が見える――しかも総じて雪をかぶっている――ところからして、相当に険しい山岳地帯の真ん中なのだろうという事は想像された。この辺りの大いなる主が、かの『雪白』なのだ。

*****

「雪白の連嶺」イメージのイラスト習作その2、夕映えの連嶺(雲なし)

(添付)イメージ元のテキスト/小説「暁闇剣舞姫」より

武骨なまでに簡潔な、着雪と寒気を防ぐ事のみに特化した窓だ。中世風の両開き窓の周りに漂う陽光は、温かみのある金色とオレンジ色に満ちているが、見える限りの外枠には、積雪の名残が凍り付いているのが分かる。

夕方になって気温が急低下したのであろう。窓の外には、見かけを裏切るような、ブルッと震えが来るような冷気が漂っているに違いない。

窓の外の光景に気付くと――女は深く驚嘆する余り、何も言えぬまま、目を丸くした。

――深い雪に包まれた壮大な連嶺が、驚くほど近くに見える。

赤みを帯びた金色の光の中、いつまでも見ていたくなるような、息を呑む程に見事な夕映えの絶景が広がっているのだ。

「雪山……」

婆神官は、女の視線の先を見やった。

「あたしらは、アレを『雪白』って呼んでる。此処は、竜王国の最北部の飛び地だよ。今まさに雪解けが始まったとこさ」
「雪白の……『連嶺』……?」

*****

「雪白の連嶺」イメージのイラスト習作その3、夕方の豊旗雲と連嶺

「豊旗雲」イメージが中心。小説には登場しない場面だけど、習作と言う事で。「エフェメラル・アストラルシア」の瞬間は、まだ色彩を起こせていない

(添付)イメージ元のテキスト/小説「暁闇剣舞姫」より

グーリアスは『雪白』を背にして、再びリリフィーヌを振り返って来た。

「暁星(エオス)の光で、『雪白』が不思議な――何処までも透き通るような――色合いに染まる瞬間がある。この一帯では、その一瞬を『エフェメラル・アストラルシア』と言っている。あの花の名前も、そうだ。リリフィーヌ殿の目の色は、そう言う不思議な色をしている。リリフィーヌ殿が元気になったら、この《大砦》の展望台から見せたい」

グーリアスを眺めているうちに、不意に――リリフィーヌの中で、確かな直感が閃いた。心臓が、ドキリと跳ねる。

リリフィーヌは絶句し、息を詰まらせるのみだった。