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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

2024年2月の時事情勢メモ

■次期戦闘機の第三国輸出巡る、自公協議再開 両政調会長が「2月末結論」で一致
(防衛日報デジタル2024.02.21)https://dailydefense.jp/_ct/17685366

次期戦闘機を含めた国際共同開発する防衛装備品の第三国輸出の是非を巡り、自民、公明両党の政調会長は21日、国会内で初協議を行った。英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機を念頭にした国際共同開発の第三国輸出の結論を2月末までに示すことで、両政調会長は一致した。両党の実務者間で協議していたが、公明側が慎重姿勢を示し、議論が停滞。岸田文雄首相(自民党総裁)が公明の山口那津男代表に協議を要請したことで、議論が再開された。

■中国の「海外警察拠点」捜索 詐欺容疑で2人を書類送検-警視庁(時事通信2024.02.21)

新型コロナウイルス対策の持続化給付金を不正受給したとして、警視庁公安部は21日、詐欺容疑で、ともに中国籍の女で、会社経営者44=東京都墨田区=と会社役員59=埼玉県蕨市=を書類送検した。捜査関係者によると、公安部は関連先として、中国が非公式に運営しているとされる都内の「警察拠点」を家宅捜索した。送検容疑は2020年7月、整体院の個人事業主を装って、国の持続化給付金100万円をだまし取った疑い。中国の警察拠点を巡っては、スペインの人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」が2022年、53カ国に102カ所設置されていると指摘した。日本国内の拠点は2カ所あるとされ、公安部は昨年5月、そのうちの一つとみられる千代田区内のビルを捜索。2人は当時、ビルを所有し、事務所を構えていた団体の幹部を務めていた。

■東証、時価総額がアジア首位に 中国経済の減速、上海を逆転(共同通信2024.02.19)

東京証券取引所に上場する株式の時価総額の合計がアジア首位となったことが19日、分かった。2020年7月に中国の上海証券取引所に抜かれて以来、3年半ぶりの返り咲き。中国経済の減速を受け、海外投資家を中心に、資金の流入先が中国から日本へ転換し、逆転につながった。国際取引所連合の統計によると、1月末時点で、東証を中心とする日本取引所グループの6兆3400億ドル(約950兆円)に対し、上海は6兆433億ドル。JPXは世界4位に上昇した。上海が追い越した20年7月はJPXが5兆5518億ドル、上海は6兆347億ドルだった。野村証券の寺田絢子ストラテジストは背景を「不動産市況の悪化で中国の景気が悪い上、政府によるIT企業などへの規制強化で投資家に不安が広がっている」と分析する。米中対立など地政学的リスクから「中国を外したサプライチェーン構築の動きもあり、投資対象として厳しくなっている」とみる。東京株式市場では日経平均株価が高値で推移。年初から先週末までの上げ幅は5千円を超えた。

(コメント:経済対策の効果が花開いたという感じ。コロナ禍ハードルは大きかった。いろいろ感慨深いところかと思案)

■自民、来月から議員教育開始へ 派閥に代わり、中堅・若手対象に(共同通信2024.02.18)

自民党は派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、派閥に代わり党本部として中堅・若手議員教育を来月開始する方針を固めた。人材養成の党内組織「中央政治大学院」を強化し、政策講義を定例開催する。関係者が18日明らかにした。全6派閥のうち4派が解散方針を決めており、穴埋めを狙う。一方麻生派と茂木派は政策集団として集まりを維持する意向で、派閥解消を前提とする議員教育活動を党内に浸透させるのが課題となる。

(コメント:人材養成を強化。口の軽さ脇の甘さが気になる議員を再教育もあり、かも)

■アストロスケール、衛星打ち上げ成功 宇宙ごみ調査へ(日本経済新聞2024.02.19)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC190SB0Z10C24A2000000/

デブリ除去サービスのアストロスケールホールディングス(HD、東京・墨田)は19日、人工衛星の打ち上げに成功したと発表した。衛星はデブリを調査する目的で打ち上げられ、数カ月間の運用を見込む。デブリに最短で数メートルまで接近し、撮影して劣化状況などを確認する。衛星は18日午後11時52分(日本時間)、ニュージーランドからロケットに搭載されて打ち上げられた。高度約600キロメートルでロケットから分離され、地上と正常に通信できることを確認したとしている。デブリ調査は世界初の試みとなる。宇宙航空研究開発機構JAXAのプロジェクトの一環で、アストロスケールHD子会社、アストロスケールが選ばれた。アストロスケールはデブリとなった日本製ロケットの上部を調査し、撮影データをJAXAに提供する。JAXAは改めて民間事業者を選定し、2026年度以降にこのデブリ除去を目指す。

■災害時の医薬品供給「能登の事例を分析」厚労省(MEDIFAXweb2024.02.19)
https://mf.jiho.jp/article/248562

厚生労働省の内山博之医薬産業振興・医療情報審議官は16日の衆院内閣委員会で、1月の能登半島地震を踏まえた大規模災害発生時の医薬品供給の在り方を問われ、「薬剤師会や卸売業者などの協力による今回の事例をよく分析しながら検討する」などと述べた。髙木啓氏(自民)への答弁。内山氏は能登半島地震が発生した直後から「厚労省、石川県庁、現地の卸業者などが連携し、必要な医薬品を供給できるよう努めた」と説明。現地の医療機関から県庁などに要請があった医薬品は基本的に翌日には現地に届けられる体制を整備したという。また各地から派遣されたモバイルファーマシーが避難所を巡回するなどし「被災地における医薬品の安定的な供給に尽力いただいている」とした。その上で、「災害発生時に迅速に医薬品を安定供給できる体制の整備は不可欠」と指摘。「薬剤師会や卸売業者などの協力による今回の事例をよく分析しながら、発生直後においても医薬品が迅速に安定的に供給される方策について、不断に検討する」と述べた。
・能登地震で最大73製品が出荷停止/参院災害対策特別委員会でも医薬品の安定供給の在り方が取り上げられた。三浦靖厚生労働大臣政務官によると、能登半島地震により最大73製品が出荷停止、1製品が限定出荷になったという(いずれも1月11日時点、2月15日現在では出荷停止3製品、限定出荷18製品)。質疑に立った芳賀道也氏(国民民主)は南海トラフ地震を見据え、災害時は製造責任者などが他の地域の稼働可能な工場に移り、医薬品の生産を再開する特例措置を設ける必要性を訴えた。三浦政務官は「医薬品製造では、工場ごとに管理責任者が異なり、各工場においてそれぞれの管理責任者の下で、医薬品の製造方法、設備、原料資材等が適切に管理される必要がある」と説明。「医薬品の製法に詳しい者でも、その者が当該工場の部外者である場合は、医薬品の適正な製造管理等に支障が生じる恐れがあるため、当該工場の設備等の利用は認められない」とした。その上で、東日本大震災では製造所の追加など一部変更の承認手続きを緊急的に実施し、能登半島地震でも相談窓口を設置したというこれまでの取り組みを紹介した。
・GLP-1を調べると「痩せ薬の広告が氾濫」/この日の衆院内閣委員会では、GLP-1受容体作動薬の美容・ダイエットを目的とした適応外使用についても質疑があった。髙木氏は「ネットで検索するとすぐに『痩せ薬として処方する』という広告が氾濫をしている」と指摘。「被災地の避難所だけでなく通常の医療にも支障を来すことになるのではないか」と厚労省の見解をただした。吉田易範大臣官房審議官は、承認効能以外の目的で使用した場合は医薬品副作用被害救済制度による救済給付を受けられない可能性が「非常に高い」と指摘。「制度等の対象とならないことを明示することを新たに求める検討を行っている」と答弁した。

■米大統領に望ましいのはバイデン氏=「予測しやすい」-ロシア大統領(時事通信2024.02.15)

ロシアのプーチン大統領は14日放送されたインタビューで、米大統領として民主党現職のバイデン氏が共和党のトランプ前大統領より望ましいとの考えを示した。ロイター通信などが報じた。2024年大統領選に関し、プーチン氏が公に言及するのは初とみられる。ロイターによると、プーチン氏はバイデン氏とトランプ氏のどちらが「われわれ(ロシア)にとって良いか」と問われ、ためらいなく「バイデンだ。より経験があって予測しやすい、昔ながらの政治家だ」と返答した。「もっとも、米国民が選んだ大統領なら、誰であれ共に働く」とも語った。81歳というバイデン氏の年齢を巡る不安に関しては「3年前に会った時、既にそうした指摘はあったが、不安に値するようなことはなかった」と述べた。プーチン氏の発言についてトランプ氏は14日、南部サウスカロライナ州で行った演説で「最大の賛辞だ」と主張。自身がロシアにとって最も手ごわい相手だと強調した。

■米中外相がミュンヘンで会談、「建設的な」協議と中国外務省(ロイター2024.02.17)
https://jp.reuters.com/world/us/VSN37OJB5FJWZGQUHGERB4IVF4-2024-02-17/

中国の王毅外相とブリンケン米国務長官は16日、ドイツで開催されているミュンヘン安全保障会議の場で会談した。中国外務省が17日発表した声明によると、両氏は「率直で実質的かつ建設的な」議論を行った。王氏は、中国の企業や個人に対する制裁解除についてブリンケン氏と協議したという。また、「デリスク(脱リスク)を脱中国に仕立てて、小さな庭と高い壁を築き、中国からのデカップリング(切り離し)を求めること」は逆効果になるだけだと指摘した。中国外務省は、ウクライナ危機や朝鮮半島を含む地域問題についても意見交換が行われたとしたが、詳細には言及しなかった。米中関係は昨年11月に首脳同士が会談し、医療用麻薬フェンタニル対策や軍事対話、人工知能AI分野などに関して合意して以降、一定の進展が見られている。

■キャメロン英外相、中国外相と会談 紅海危機や人権問題を提起(ロイター2024.02.17)
https://jp.reuters.com/world/china/AW6ITCZXUBNMFNFMKUJ4DVS22Y-2024-02-17/

キャメロン英外相は16日、ドイツで開催されているミュンヘン安全保障会議に合わせて中国の王毅外相と会談した。英外務省が17日に発表した声明によると、キャメロン氏は、中国がイランへの影響力を行使して、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海での行動に圧力をかけるべきだと述べた。また、新疆ウイグル自治区と香港の人権問題に対する英国の立場を示したほか、英議員らが中国の制裁を受けている問題を提起。香港国家安全維持法(国安法)違反の罪などで起訴されたメディア王の黎智英(ジミー・ライ)氏の釈放を改めて求めたという。中国外務省の声明によると、王氏は双方が戦略的なコミュニケーションを強化し、安全保障促進と平和維持にそれぞれの役割を果たすべきだと述べた。

■欧州委、農薬使用削減法案を撤回へ、農業生産者への支援強化の動き(ジェトロ2024.02.13)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/02/34da660b469dfafb.html

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は2月6日、欧州議会本会議に出席し、2030年までに化学農薬の使用量を50%削減するとした規則案を撤回する方針を表明した。農業生産者が強く反発していた同規則案は、欧州議会が2023年11月に第一読会で事実上否決し、EU理事会(閣僚理事会)での協議も停滞していた。同委員長は同時に、農薬の使用削減に取り組み、農業と環境保護の両立に向けた意欲をあらためて示した。EU各国での農業生産者の抗議活動を受け、欧州委はこのところ農業関連の提案を相次いで行っている。(中略)また、欧州委は同日、共通農業政策CAPの直接支払いの受給に当たって生産者に課す農地の4%を休耕地とする義務について、2024年初めより1年間、一定条件下で免除するとした実施規則案を提案。同規則案はEU加盟国による審査を経て欧州委の採択後、EU官報掲載翌日に発効する。

(コメント:最近のEU農業関係者デモ騒動の、続報。欧州委員会は農薬使用削減法案SURを撤回。抗議デモでも大きく上がっていた要請のひとつで、EU農業関係者は少し息をつける状態になったかと思案)

■ナワリヌイ氏追悼の100人超拘束 ロシア各地で献花・集会(時事通信2024.02.17)

ロシアのプーチン政権を批判してきた反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏47が16日、極北の刑務所で死亡したという当局の発表を受け、ロシア国内で追悼の動きが広がった。人権団体OVDインフォなどによると、各地でジャーナリストを含めて100人以上が拘束された。(中略)モスクワで人々が献花したのは、ソ連時代に強制収容所があった白海の諸島から命名された「ソロベツキーの石」と呼ばれる追悼碑。国家保安委員会KGBの後継機関、ロシア連邦保安局FSBの本部があるルビャンカ広場に置かれている。プーチン氏はKGB出身。

(コメント:渦中の人物、故ナワリヌイ氏。単なる反体制派指導者としては扱いが大きく、ロシア政府にとっては外患誘致罪を適用すべき人物であったかと思われる。アメリカEU側の反応の大きさも合わせて、ナワリヌイ氏は、プーチン=ロシア政府を機能不全にして、混乱下ウクライナ経由で、ロシアの富を吸い出す活動家、という立場であったかも知れない。ナワリヌイ氏の取引関係先が、アメリカEU側の政商の可能性も。前後して、アマゾン帝国の政商といっても過言ではない巨大企業アマゾン創業者の拠点移動やアマゾン株の大量売買があったのも、疑惑の多すぎるアヤシイ動き)

■ロシア大統領に非難相次ぐ ナワリヌイ氏妻も登壇-ミュンヘン安保会議(時事通信2024.02.17)

ドイツ南部ミュンヘンで開幕したミュンヘン安全保障会議は16日、初日の討議を行った。ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の死亡を受け、参加者からは「プーチン(ロシア大統領)の残忍さが示された」(ハリス米副大統領)などと非難が相次いだ。ナワリヌイ氏の妻ユリヤさんは、ハリス氏の演説に続いて、急きょ登壇。「もしこれが事実なら、プーチンとその関係者は私の夫とわが国にしたことの罰を受けるだろう」と深呼吸をしつつ気丈に述べた。国際社会にロシアの「恐ろしい政権」に対して団結するよう呼び掛け「プーチンは個人として、わが国の全ての残虐行為の責任を負う」と断じた。ブリンケン米国務長官はユリヤさんと面会して哀悼の意を表し「死の責任はロシアにある」と強調。問題意識を共有する多くの国と対応を協議する意向を示した。ペロシ元米下院議長も会場でユリヤさんを抱き寄せ、声を掛けた。

■各国首脳、ロシアの責任追及 反体制派ナワリヌイ氏の死亡で(時事通信2024.02.16)

ロシアの反体制指導者ナワリヌイ氏の突然の死亡を受け、各国の指導者らから16日、ロシア政府の責任を問う声が相次いだ。AFP通信などが伝えた。

(まとめ)
・ウクライナ>ゼレンスキー大統領は訪問先のドイツで、ナワリヌイ氏が「拷問された他の何千人と同様、ロシアのプーチン大統領によって殺害されたのは疑う余地がない」。ウクライナのイェルマーク大統領府長官は通信アプリ「テレグラム」で「(ウクライナ侵攻で)交渉を求める者は、彼(プーチン氏)を信用できないと認識しなければならない。彼が理解できるのは力だけだ」
・ドイツ>ショルツ首相「ナワリヌイ氏がその勇気のために命を落とした」
・フランス>セジュルネ外相X旧ツイッター「彼の死はプーチン体制の現実を改めて示した」
・バルト3国ラトビア>リンケービッチ大統領X旧ツイッター「ナワリヌイ氏がクレムリン(ロシア大統領府)によって無残にも殺された」

■ベゾス氏、アマゾン株さらに1200万株売却-5000万株売却計画の一環(ブルームバーグ2024.02.16)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-15/S8X5DYT0G1KW00

米アマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏は今週、同社株をさらに1200万株売却した。売却額は20億ドル=約3000億円規模で、今回の売却ラウンドでの合計額は60億ドル強に達する。提出書類によると、ベゾス氏は13、14両日に売却を行った。既に発表されている、最大5000万株売却する計画の一環。これで計約3600万株の売却となる。ベゾス氏は売却理由を説明してはいない。ただ、同氏は昨年11月2日に米ワシントン州のシアトル地域からフロリダ州マイアミに移住することを発表。米証券取引委員会SECの規則10b5-1に基づく取引プランを採用したのが同月8日だった。フロリダ州への移住により、ベゾス氏は約4億3000万ドルの節税に成功した可能性がある。ワシントン州はキャピタルゲインに対する7%課税を開始したが、フロリダ州にはそうした税はない。ベゾス氏とアマゾンの担当者にコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。

■米テキサス州が「基地」設置へ 不法移民対策、国境の町に(共同通信2024.02.17)

米南部テキサス州は16日、国境の町イーグルパスに不法移民対策のため「基地」を置くと決め、建設を始めたと発表した。既に派遣している州兵らの活動拠点とする。地元メディアが報じた。不法移民が殺到する中、州はバイデン政権の対応が不十分だとして独自の流入制限措置を講じている。基地は80エーカー(約0.3平方キロメートル)。4月中旬までに州兵300人を収容できる施設を造り、1800~2300人規模に拡大する。アボット知事は16日、イーグルパスで記者会見し「活動の維持、拡大のため基地は必要不可欠だ」と主張した。

(コメント:アメリカ版の万里の長城と強制収容所ができそう。数年間は大変な時期かと思案)

■中国政府、金を大量購入 脱「ドル依存」、制裁への備えか(共同通信2024.02.16)

中国政府が外貨準備として金を大量購入している。購入から売却を差し引いた純購入量は昨年、約225トンに上り、国別でトップ。一方で米国債の保有は減らしており、ロシアのような経済制裁を受ける事態に備えて、ドル資産への依存を減らす狙いとみられる。国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシルWGCによると、世界の中央銀行による昨年の純購入量は1037トン。中国は全体の2割強を占め、データがある1977年以降で最大の純購入量となった。ポーランド、シンガポール、リビアが続いた。中国人民銀行(中央銀行)によると、今年1月末まで15カ月連続で金を買い増し、保有量は約2245トンとなった。ウクライナ侵攻を始めたロシアに対し、先進国は制裁として資産凍結を決定。中国はこの動きに危機感を強め、2022年11月から金保有を急速に増やし始めた。他方、米財務省の統計によると、中国が保有する米国債は昨年末時点で8163億ドル=約122兆4千億円。1兆ドルを超えていたウクライナ侵攻前と比べて約2割減った。
(益尾知佐子、国際政治学者、九州大学大学院比較社会文化研究院教授/yahoo記事の消滅にそなえて、メモ)中国政府にとって、これはかなりまじめな動きです。ロシアのウクライナ侵攻以前から、中国は米中貿易戦争の行方を気にしており、「いざという時にどう備えるか」を研究者に検討させていた形跡があります(一部が学術論文の形で公開されている)。そこには、SWIFT以外の国際送金システムを作るとか、米ドルに依存しないで済むような貿易体制を作るとか、さらには大豆や小麦の食料安全保障を確保するとか、いろんな案が出てました。このうち、一番最初に目立つ動きが始まったのが食料安全保障で、十分な耕地面積の確保のため、政府は国土空間計画を立ち上げて国土のデジタル管理を開始しました(その一環で新地図が公表)。その後、国際情勢に対する中国側の懸念は深まるばかり。この記事にある金の大量購入も、明らかにそうした準備の一部です。外から見れば心配しすぎに見えますが、あの人口を養っていくのはとても責任が重い仕事なのです。

■不適正大学への留学停止へ、政府が省令改正方針 所在不明問題で(産経新聞2024.02.16)
https://www.sankei.com/article/20240216-Y4TIFZTAZBLZVJ45UJBRNJEXZU/

大学や専門学校で受け入れた留学生が就労目的などで所在不明となることを防ぐため、政府が外国人の在留資格付与基準を定めた「上陸基準省令」を改正する方針を固めたことが16日、政府関係者への取材で分かった。政府が学生管理の不適切な大学などに対し、留学生の受け入れを停止させることができるようにする。(中略)別名目での留学を防ぐため、専修学校などの留学生に求める日本語能力要件も厳格化し、日本語教育機関での最低履修期間をこれまでの半年以上から1年以上に延長する。

■次期戦闘機の輸出是非 自公政調会長、来週に協議へ(日本経済新聞2024.01.15)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA158M30V10C24A2000000/

自民党の渡海紀三朗政調会長は15日、国会内で公明党の高木陽介政調会長と会談した。次期戦闘機など他国と共同開発する防衛装備の第三国への輸出の是非を協議する会合を来週に開くと確認した。高木氏は記者団に「岸田文雄首相の意向を踏まえて検討しなければならない」と述べた。政府が与党に求める2月末までの議論の時期に配慮する意向を示したが、具体的な時期への明言は避けた。公明党の山口那津男代表はこれまで「2月にとらわれる必要はない」と語り、結論を出すタイミングの設定に否定的だった。首相と山口氏は13日に会談し、戦闘機の輸出に関し自公の政調会長間での協議に格上げすると一致していた。

■金与正氏、岸田首相の訪朝可能性言及(共同通信2024.02.15)

北朝鮮メディアによると、金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は15日、日本人拉致問題は解決済みとした上で、同問題を両国の「障害物」とみなさなければ「岸田文雄首相が平壌を訪れる日が来ることもあり得る」との談話を発表した。

(コメント:拉致問題に動きがあるでしょうか)

■ガソリン補助、延長検討 4月末が期限、物価高考慮-政府(時事通信2024.02.16)

政府はガソリンや灯油など燃料油の価格高騰を抑制する補助金について、4月末の期限を延長する方向で検討に入った。食品を中心とする物価高騰や円安が家計に打撃を与えていることを考慮した。複数の政府関係者が16日、明らかにした。延長幅は今後検討する。ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」凍結解除については、実施を求める国民民主党と自民、公明両党の協議が決裂したことを踏まえ、現時点では見送る。

(コメント:補助の延長でまとまる方向。この物価高の中では、極めて現実的かつベターな決断と思います。トリガー条項は物価高や物価変動に対応しきれないという事実もある)

■https://twitter.com/tamakiyuichiro/status/1757947593605472579
玉木雄一郎(国民民主党代表)@tamakiyuichiro/2024年2月15日午前10:59
朝日新聞だけが会談すると報じて、実現しなかったから「拒否」とか「身送り」とか言われても当惑します。与党とのトリガー協議の中でも検討した「現場の混乱を回避し」かつ「抜本的な税制改正につながる」方策を法案として検討しているので、まとまれば各党にお声かけします。

(コメント:総合的に見て、玉木氏の仕事は「遅い」「遅すぎる」の範囲に入ると思案。1年以上にわたって、様々な方向からトリガー条項への問題点の指摘があったにもかかわらず、今まで抜本的な検討すらしていなかった、との言及には失望。政治の仕事の生産性ゼロ、ないしは、マイナス実績)

■サンゴ移植訴訟、沖縄県敗訴 辺野古移設巡り-福岡高裁支部(時事通信2024.02.15)

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、埋め立て予定海域にあるサンゴの移植を許可するよう農林水産相が県に是正を指示したのは違法だとして、県が取り消しを求めた訴訟の判決が15日、福岡高裁那覇支部であり、三浦隆志裁判長は県の訴えを棄却した。三浦裁判長は「指示は適法かつ有効で、原告の請求には理由がない」と述べた。防衛省は2022年7月、埋め立て予定海域のサンゴ移植を県に申請したが、県は地盤改良工事の設計変更を承認していないことなどを理由に許可しなかった。農水相は同12月に県が不許可とした処分を取り消し、2023年3月に是正指示を出した。判決後、同県の玉城デニー知事は「判決は不当。内容を踏まえ、今後の対応を検討する」とのコメントを出した。

■「中堅企業」を税優遇、投資やM&A 地域経済底上げ(日本経済新聞2024.02.13)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA131GG0T10C24A2000000/

経済産業省は従業員2000人以下の企業を「中堅企業」と新たに法的に位置づけ、地域経済のけん引役として重点的な支援に乗り出す。地域に根ざした中堅企業向けの賃上げ促進税制や設備投資、M&A(合併・買収)への税優遇を設けて後押しし、国内経済の底上げにつなげる。産業競争力強化法の改正案で従業員2000人以下の企業を「中堅企業」と定義する。対象はおよそ9000社と見込む。

■政府 東南アジア4か国の海上保安当局に長期的支援の方針固める(NHK2024.02.12)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240212/k10014355971000.html

日本政府は、フィリピンやベトナムなど東南アジアの4か国の海上保安当局に対して長期的な支援を行う方針を固め、計画作りに乗り出しました。専門家は、南シナ海で各国と領有権争いが続く中国を念頭にしたものだと指摘し、「各国にとって非常に力強い助けになる」と分析しています。支援の窓口となるのはJICA=国際協力機構で、▽フィリピン、▽インドネシア、▽マレーシア、▽ベトナムを対象の重点国と位置づけ、10年程度の長期の計画を立てた上で支援を行う予定です。各国のニーズを把握するための現地調査を、ことし1月にフィリピンとインドネシアで行ったほか、ことし4月ごろにマレーシアとベトナムで行う予定です。各国の海上保安当局などとの協議をもとに、無人機やレーダーの整備、巡視船の供与、人材育成などについての具体的な協力計画を、来年3月までに策定することにしています。南シナ海をめぐっては、中国がほぼ全域の管轄権を主張し、海上警備にあたる海警局に武器の使用を認める「海警法」を施行して、ことし2月で3年となり、中国の行動に周辺国が警戒を強めています。

(要旨メモ)
・中国とのトラブル相次ぐフィリピン 日本の支援強化に期待/フィリピン沿岸警備隊のジェイ・タリエラ報道官「日本の支援が途絶えると、沿岸警備隊には大きな影響が出る。中国と対じするなかで、日本の支援はとても重要だ」
・専門家「尖閣諸島での不測の事態に備えるためにも重要/「中国は最近、南シナ海で海警局を使って東南アジア諸国に対する圧力を強化している。各国としては、海上保安機関の能力構築を支援してもらえることは、対抗していく上で非常に力強い助けになる」「中国海警法(2021年2月1日施行)中国が管轄する海域などに外国の組織や個人が設けた構築物などを強制的に撤去できることが明記されている」「南シナ海で中国側に国際法などのルールを逸脱する行動を許さないようにするための支援は、わが国にとっても非常にプラスになる」

■中台の観光客往来、暗礁に 民間機航路・団体旅行巡り応酬(時事通信2024.02.10)

中華圏で春節(旧正月)の大型連休が10日、始まったが、中台間の観光客の往来は依然として改善の見通しがついていない。台湾当局は今月に入り、中国行きの団体旅行を3月から解禁する方針を撤回。先に中国が台湾海峡上空の民間機航空路の運用を一方的に変更したことに対抗したもので、中国当局は批判している。台湾交通部(交通省)は7日、「情勢の変化や旅行の安全を考慮し、当初の計画は実施しない」と発表。中国行き団体旅行の販売を停止するよう旅行業界に通知した。交通部長(交通相)が昨年11月に表明した今年3月からの解禁方針を受け、各業者は既に関連ツアーの販売を開始していたため、3月1日~5月31日の販売済み分だけは認めるとした。解禁撤回の具体的理由について同部は、中国が台湾行き団体旅行を再開していないことや、中国が先月、台湾海峡の中間線付近を飛ぶ民間機航空路の運用を一方的に変更したためだと説明。航路の運用変更を巡っては、中国機がこれまでより台湾寄りを飛行するようになることから、台湾側が強く反発していた。次期総統の頼清徳副総統は与党・民進党の会合で、「観光は相互交流だ。残念ながら台湾の善意に対し中国から同様の善意は示されなかった」と強調した。これに対し、中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室は7日の記者会見で、「観光を政治操作に利用し、両岸(中台)同胞の交流を妨げている」と非難した。大型連休直前の突然の解禁撤回発表で対応に窮する台湾の旅行業界には、動揺が広がっている。台湾メディアは「政府は約束を守らなかった。あまりにもひどい」などと反発する業界の声を伝えた。

(コメント:コロナ禍の後の経済回復の歩みが更に遅延する可能性。「台湾は、中国とアメリカの間で、曖昧な立ち位置を続けている。これは、よろしくない(早く覚悟を決めるべき)」と暗に指摘した、麻生太郎元首相の懸念が現実化する流れか。国際情勢の流れから見て、台湾の判断タイミングは、遅すぎるとのこと。中国経済の轟沈の影響を大きく受けると思われる)

■首相、中国のTPP加盟に慎重 「貿易慣行などに厳しい目も」(共同通信2024.02.09)

岸田文雄首相は9日の衆院予算委員会で、中国の環太平洋連携協定TPP加盟に慎重な考えを明らかにした。「中国の貿易慣行やビジネス環境に、厳しい目が注がれている部分もある」と指摘した。加盟申請している中国について、首相は「高いレベルを満たし続ける意図と能力があるかどうか、見極める必要がある」と強調。「戦略的観点や国民の理解も踏まえながら対応を判断する」と答弁した。質問した立憲民主党の太栄志氏は、中国のTPP加盟が安定した日中関係に資するとの見方に立ち「わが国はしっかり(中国を)後押しすべきだ」と訴えた。

■東京都が下水からリン回収、肥料に 農業関係者が施設見学 JA全農と連携
https://www.jacom.or.jp/noukyo/news/2024/02/240213-72336.php(農業協同組合新聞2024.02.13)

東京都は2月8日、江東区にある砂町水再生センターのリン回収・肥料化施設で、農業関係記者や農業関係者の施設見学会を行った。今年1月末に完成し、運転を始めたばかりの施設で、ケイ酸カルシウムに吸着させて下水からリンを回収する新しい技術を導入し、年間70tのリンを生産できる。JA全農と連携し、肥料の原料として利用に供する。(リンは窒素カリウムと並び、肥料の主要な資源。日本はほぼ全量を中国やモロッコなどからの輸入に依存しているが、中国などの輸入規制で近年、国内価格が不安定になり、安定した調達先が求められている)

■大西洋の重要な海洋循環、崩壊の予兆を示しつつある 研究者ら警鐘(CNN2024.02.10)
https://www.cnn.co.jp/fringe/35215117.html

大西洋の海水が表層で北上し、深層で南下する大西洋子午面循環AMOCは既に崩壊に向かっている可能性がある。AMOCの崩壊は海面上昇や世界の気象に深刻な影響を及ぼし、各地で気温の急激な低下や上昇をもたらす可能性があるという。(中略)AMOC崩壊の影響は破滅的なものになる可能性がある。欧州の一部地域では100年間で気温が30度低下し、わずか10~20年の間にまったく別の気候に変化するかもしれない。近年、AMOCが転換点に近づいている可能性を示す研究が増えている。2021年の研究では、AMOCが過去1000年で最も弱くなっていることが示された。昨年7月に公開された論文は、早ければ2025年にもAMOCが崩壊する可能性があると警鐘を鳴らし、議論を呼んだ。

■外国人の永住許可、税・社会保険料の滞納で取り消し検討(日本経済新聞2024.02.09)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA05AQN0V00C24A2000000/

政府は9日、技能実習制度に代わる新制度の方針を決定した。就労から1〜2年で転職できるよう要件を緩和する。あわせて「永住者」の在留資格を持つ外国人について、税金や社会保険料などが未払いの場合は資格の取り消しを検討する。首相官邸で外国人材の受け入れ・共生に関する関係閣僚会議を開いて決めた。岸田文雄首相は「日本が外国人材から選ばれる国になるという観点に立ち、制度の見直しを進める」と強調した。

■外国人育成就労、転籍制限2年まで=政府方針を決定(時事通信2024.02.09)

政府は9日、外国人材の受け入れ・共生に関する関係閣僚会議を首相官邸で開き、外国人技能実習制度を廃止して新制度「育成就労」を創設する政府方針を決定した。外国人材を3年間で一定の技能水準に育成し、中長期的な在留につなげる。働く場所を変える「転籍」(転職)は、分野ごとに最長2年まで制限可能とする。政府は今国会に関連法案を提出する方針。
岸田文雄首相は会議で「わが国が外国人材から選ばれる国になるという観点に立って、決定した方針に基づき制度の見直しに向けた作業を進めていく」と述べた。育成就労は「人材確保」の目的に重点を置き、受け入れた人材を最長5年働ける「特定技能1号」の水準に育成する制度。熟練技能が必要な「特定技能2号」を取得すれば、事実上無期限の滞在や家族の帯同が可能となる。
転籍を原則として認めない現行制度は、賃金の未払いや長時間労働といった権利侵害の背景と指摘されてきた。政府有識者会議は昨年、転籍を認めた上で制限期間を1年とするよう提言。だが、自民党は都市部に人材が流出するなどとして2年とするよう求め、政府方針は当分の間、業務内容によって分野ごとに「1~2年」の範囲内で期間を設定するとした。
外国人材の受け入れや勤務先の監督を担う監理団体は「監理支援機関」に名称変更。外部監査人の設置を義務化し、独立性・中立性を高める。悪質な転籍ブローカーを排除するため、民間職業紹介事業者の関与は当分の間認めない方針も盛り込んだ。
政府方針は永住許可を申請する外国人の増加を見据えて永住許可制度の適正化にも言及。政府は納税や社会保険料の支払いなどの公的義務を怠った場合に永住許可の取り消しを可能とする法改正を検討している。
◇政府方針ポイント:技能実習制度を廃止、3年間の育成就労、転籍は1~2年制限、監理団体に外部監査人、民間職業紹介事業者排除、永住許可制度を適正化

(コメント:現在の産業界は、若い人手が少なくなっていて外国人労働者で埋める形だけど、人数が増えると「悪貨が良貨を駆逐する」事例も増えるらしく。厳しい措置を、という話が大きくなって来たのを受けての事だろうと思案。個別の企業の対策では、失踪した外人労働者の追跡や管理など、もう追い付かない、との話もあり)

■胎盤模した人工臓器を作製 医薬品開発へ活用期待(共同通信2024.02.08)

妊娠時に胎児と母体を結ぶ「胎盤」の組織を模した人工臓器の作製に成功したと、東京医科歯科大や東北大などのチームが8日、英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に発表した。堀武志・東京医科歯科大助教(医工学)は「胎盤を通じたウイルス感染の仕組みの解明や、胎児への副作用を抑えた医薬品の開発に活用できるかもしれない」と話している。胎盤は、さまざまなホルモンをつくる他、胎児をウイルスなどから守る働きがある。また母親が飲んだ薬の一部は胎盤を通じて胎児に影響を与える。医薬品開発では、胎盤を通過する量を評価する必要があるが、正確に調べるのが難しい。

■中国、証監会のトップ交代-株価下落で元上海市党幹部を起用(ブルームバーグ2024.02.07)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-07/S8HJLQDWRGG100

証監会の易主席を更迭、銀行業界ベテランの呉清氏が就任へ/年初から下落続く中国株式市場、当局は歯止めをかけられず/中国は証券監督管理委員会(証監会)のトップを更迭した。株式市場が最近激しい売りに見舞われる中で、予想外の人事を発表した。国営新華社通信の報道によると、証監会主席は易会満氏から呉清氏に交代となる。呉氏は銀行業界のベテランで、2000年代半ばにトレーダーに対する締め付けを主導したことから「ブローカー殺し」の異名を取る。中国当局は過去数カ月にわたり小出しの対策を打ち出しているが、株式相場の急落を食い止められないでいる。中国本土と香港の株式市場は2021年のピーク時からおよそ7兆ドル(約1036兆円)の時価総額を失った。

(コメント:中国の株式市場は急激な株価下落に見舞われており、市場関係者はそれを受けた措置と見ているとの事。中国経済の轟沈は止まらず、中南海はこの人事を通じて上海閥へ責任をかぶせるという意図があるかと思われるところ)

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■中国表記ブイ「沈んだと推定」東シナ海EEZ内-林官房長官(時事通信2024.02.07)

林芳正官房長官は7日の記者会見で、東シナ海の日本の排他的経済水域EEZ内で漂流していた「中国」表記のブイが所在不明となり、海中に沈んだとみられると明らかにした。海上保安庁が1月29日、このブイを発見し、政府は中国側に事実関係の説明を求めていた。林氏は「2月2日に海上保安庁の航空機が存在を確認したのを最後に、確認できていない。現場が荒天だったため、既に沈んだものと推定される」と述べた。

■EEZ内に「中国」表記のブイ=政府、説明を要求(時事通信2024.02.01)

森屋宏官房副長官は1日の記者会見で、東シナ海の日本の排他的経済水域EEZ内で「中国」の表記があるブイが漂流しているのが見つかったと明らかにした。「中国側に通報するとともに、しかるべく説明を求めている」と語った。※共同通信>逆さまに転覆した状態で水没しており機能していない

(コメント:中国ブイ問題、天候が解決したみたいな感じ?首都圏に大雪をもたらした低気圧は、中国ブイのある海では、激しい時化となっていたとのこと)

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■輸入相手国への投資促進 農業基本法改正案判明(共同通信2024.02.06)

農林水産省が今国会に提出する食料・農業・農村基本法改正案が6日判明した。日本が海外から農産物を安定的に確保できるよう「輸入相手国への投資促進や必要な施策を講じる」と明記。農業の持続的な発展を目指し、農薬や肥料の使用などに伴って農業が周辺環境に与える影響を低減する方針も盛り込んだ。1999年の基本法施行以来初の改正となり、ロシアのウクライナ侵攻や地球温暖化などの情勢変化を踏まえ、食料安全保障を強化する。食料自給率目標などの文言を与党と調整し、2月下旬にも国会に提出する。改正案では、農産物の安定調達に資する輸入元との関係強化に加え、国内農家や食品産業の収益力強化に向け、輸出産地の育成方針を新たに掲げた。輸入に依存する農業資材については「良質な(国産)代替物への転換」を進める。食料供給システムには農業者や食品事業者、消費者を含む各段階で環境に負荷を与える側面があることに言及。農薬や肥料の適正な使用を促し、先進技術を活用した生産方式の導入で負荷低減につなげる。

■62途上国が全面的債務危機、早急な国際支援必要=米大学報告(ロイター2024.02.06)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/OVCMBH6RYZMBLDMG44RQRXNUUU-2024-02-06/

主にアフリカとオセアニアの途上国62カ国は既に全面的な債務危機に陥っており、すぐにも債務再編に向けた国際的な支援の取り組みが必要だ。ボストン大学グローバル開発政策センターは最新のリポートでこう訴えた。コロナ禍からの経済回復が想定ほど進まなかったところに、2023年の世界的な金利上昇や気候変動対策の負担が重なり、歳入の20%以上が債務返済に充当されている国の数が過去最高に近い水準で、こうした状況は持続不可能との見方が大勢だ。

■キオクシアが最先端半導体に7200億円投資 経産省も補助(日本経済新聞2024.02.06)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA061D00W4A200C2000000/

経済産業省は6日、キオクシアホールディングスと米ウエスタンデジタルWDによる最先端半導体メモリーの量産を支援すると発表した。両社の総投資額はおよそ7290億円で、経産省が最大2430億円を補助する。生成AI(人工知能)などへの供給を想定している。キオクシアとWDは三重県の四日市工場(四日市市)や岩手県の北上工場(北上市)で最先端メモリーを量産する。四日市工場では月6万枚、北上工場では月2万5000枚を生産する。ともに2025年9月の初出荷をめざす。2工場の最先端品の量産は総投資額がおよそ4500億円で、経産省が最大1500億円を補助する。量産する最先端メモリーは「第8世代」や「第9世代」と呼ぶ。データの書き込みや読み出しの速度が速い。消費する電力も少ないといった特長がある。経産省は生成AIや自動運転向けに世界的に需要が高まるとみる。四日市工場や北上工場での最先端品の量産では9000人程度の雇用を見込む。経産省は地域経済への波及効果も期待する。キオクシアとWDはもともと四日市工場で「第6世代」などの量産を計画していた。合計すると、両社の総投資額は7290億円に上り、経産省の支援は最大で2430億円となる。経済安全保障の観点で日米が歩調を合わせる意義は大きい。斎藤健経産相は同日の記者会見で「日米が連携して世界が必要とするメモリーの供給責任を果たす」と述べた。

■ロシア大統領、12日にトルコ訪問か NATO域内は侵攻後初(時事通信2024.02.01)

ロシアのプーチン大統領は12日にもトルコを訪問し、エルドアン大統領と会談する見通しだ。ロイター通信が1月31日、トルコ当局者の話として伝えた。国営ロシア通信も最近、在アンカラ外交筋の情報として、プーチン氏のトルコ訪問は2月12日になる可能性があると報じていた。トルコは北大西洋条約機構NATO加盟国で、ロシアのウクライナ侵攻開始後、プーチン氏がNATO域内を訪れるのは初めて。トルコ訪問はかねて調整されてきたが実現せず、昨年9月にはエルドアン氏がロシア南部ソチを訪れてプーチン氏と会っている。トルコは侵攻開始後も、ロシア寄りの外交姿勢を取って良好な関係を維持し、ウクライナとの間で仲介努力を続けてきた。ロシアと対立する軍事ブロックの一角だが、プーチン政権から「友好国」と見なされている。

■米CDCが東アジア事務所開設=感染症対策で連携強化(時事通信2024.02.05)

米疾病対策センターCDCは5日、東アジア・太平洋地域事務所を東京に開設した。新型コロナウイルスといった感染症に対し、データ交換の迅速化や、人材育成面での連携強化などを通じて対処能力を高める。世界で6カ所目となる新事務所は、東アジアとオセアニア、太平洋島嶼国を管轄。中国を担当する事務所は別に設けている。来日したCDCのコーエン所長は開設式典で、「日本はパンデミック(世界的大流行)時のリーダー的存在だ」と述べ、連携強化の意義を強調した。エマニュエル駐日大使も、感染症は「どこで発生しても世界的脅威になり得る」と指摘し、「即時、科学的」に対処する上で事務所開設が重要だと語った。

(コメント:米戦略国際問題研究所は、保健衛生と安全保障は切っても切れない関係にあると表明。日本のパンデミック対策は大きな成功を収めたと広く見なされている。政府が公式にロックダウンすることなく、死亡率を低く抑えることができた。社会秩序を乱さないようにするルールの順守やマスク着用率・ワクチン接種率の高さなど「国を守ることに非常に成功しており、何が実施すべき正しいプロトコルとパラメーターであるかを考えている」として、世界の保健衛生の安全保障上、CDCの重要なパートナーとなりうると認識)

■2024.02.04:安倍洋子さん死去(安倍晋三元首相の母、岸元首相長女)ご冥福をお祈り申し上げます

■伊藤忠、イスラエル軍事企業とのMOU終了 防衛装備品の輸入(時事通信2024.02.05)

伊藤忠商事の鉢村剛副社長は5日、子会社の伊藤忠アビエーション(東京)が、イスラエルの軍事企業エルビット・システムズと協業に関する覚書を締結したと報じられたことを受け、「現在の協力覚書MOUは2月中をめどに終了する」と述べ、協業を取りやめる考えを明らかにした。国際司法裁判所ICJが集団殺害を防ぐための措置を取るようイスラエルに命じたことにより、エルビット社との取引が国際的な批判を浴びる可能性が出ているための判断とみられる。

(コメント:現在の協力覚書MOUは2023年3月締結。趣旨は、防衛省の依頼に基づき日本の安全保障に必要な自衛隊の装備品の輸入を目的とした提携。輸入品を第三国に輸出可との項目は無いが、ICJの暫定措置命令および上川陽子外相が出した「当事国を法的に拘束するものであり誠実に履行されるべきものだ」などの談話を踏まえて判断したとのこと)

■イスラエル、民間経済が疲弊 労働力不足で継戦に影響も(日本経済新聞2024.02.05)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR31E4M0R30C24A1000000/

イスラム組織ハマスとの戦闘が4カ月近くに及ぶイスラエルで、民間経済の疲弊が色濃くなってきた。個人消費やハイテク投資の落ち込みに加え、30万人以上の予備役兵が動員されたことで労働力不足が顕著になっている。大規模な戦闘の継続が困難を増している。

■ヨルダン川西岸の経済逼迫 失業率3割、物流も目詰まり(日本経済新聞2024.02.05)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR31DKV0R30C24A1000000/

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の余波で、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区の経済が逼迫している。賃金の高いイスラエルでの就労が難しくなり、失業率が3割超に跳ね上がったとの推計がある。物流の目詰まりやパレスチナ自治政府の収入減も経済の重荷だ。

■中国が東シナ海に独自の「防空識別圏」を設置 自衛隊の航空機などが警戒監視
(防衛日報デジタル2024.02.05)https://dailydefense.jp/_ct/17682460

中国が東シナ海上空に一方的に設定した「防空識別圏ADIZ」の境界付近に複数の軍艦を常時展開している問題で、防衛省は自衛隊の早期警戒管制機などを現地に派遣し、警戒監視を実施していることを明かした。同省は中国が独自にADIZに関して「全く受け入れることはできない」と非難した。

■ウクライナ、米に総司令官解任の方針通知 手続きは保留中(時事通信2024.02.03)

ウクライナ政府がザルジニー軍総司令官解任の方針を米政府に通知したことが2日、分かった。関係筋2人が明らかにした。ウクライナ大統領府に近い関係筋によると、ゼレンスキー大統領は兵士50万人の追加動員というザルジニー氏の提案に否定的で、両氏は対立関係に陥っている。ただ、双方とも解決策を見いだそうとしており、解任手続きは当面の間保留されている。手続きに要する時間は不明という。

■川崎汽船、商船三井、日本郵船の計400隻の海洋観測データ、海上保安庁に一括提供へ
https://funeco.jp/news/news-22702/(船舶ニュース2024.02.03)

海上保安庁と株式会社シップデータセンターは、2024年1月29日(月)、船舶が観測した海洋観測データを海上保安庁へ一括で提供するための契約を締結したと公表した。今回の契約は、川崎汽船、商船三井、日本郵船の3社に所属する船舶、約400隻が観測した海流や風などの海洋観測データを海上保安庁へ一括で提供するための契約。今後、提供されるデータは従来と比較し約6倍に増加し、海難発生時の漂流物の予測や黒潮など日本周辺海域の海況把握のための基礎資料として活用される計画。株式会社シップデータセンターは、日本海事協会の完全子会社として2015年に設立、海事業界全体におけるビッグデータ活用機会の最大化を目標とし、船舶運航データを収集、蓄積し、また、利用者にデータを提供するデータセンターを運営している。今回の海上保安庁との契約締結にあたっては、1月26日(金)に記念セレモニーも実施された。

■太平洋島嶼国と関係強化 海保が初めて保安官派遣し救助訓練(NHK2024.02.03)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240203/k10014344781000.html

太平洋島嶼国の海上保安当局との協力関係を強化する一環として、海上保安庁は1月、ミクロネシアとマーシャル諸島に初めて海上保安官を派遣し、救助訓練を行ったと発表しました。海上保安庁はこれまで、東南アジア各国の海上保安当局を中心に、海難救助などの能力向上の支援を通じて協力関係を強化していて、2017年には各国をサポートする専従部門を発足させています。2018年からはパラオやキリバスといった、太平洋島嶼国にも範囲を広げていて、1月初めてミクロネシアとマーシャル諸島に専従部門の海上保安官を派遣したと発表しました。海上保安庁によりますと、1月13日から28日まで4人を派遣し、現地当局とともに海上で漂流している人を救助用のネットを使って船に引き上げる救助訓練を行ったということです。南太平洋では日本の漁船もマグロ漁などを行っていて、海上保安庁は、今回の訓練を通じ、万が一の場合でも漁船を救助できる体制を整えたいとしています。また、今回の派遣では、領海内での法律の執行についてなど国連海洋法条約の講義も行ったということで、関係者によりますと、中国の海洋進出を念頭に太平洋島嶼国とも協力関係を強化したいねらいがあるということです。

■アフリカ豚熱の侵入警戒、農水省 韓国・釜山で拡大、水際対策強化(共同通信2024.02.02)

農林水産省は2日、感染すると家畜に甚大な被害を及ぼすアフリカ豚熱ASFが韓国・釜山で相次いで発生していることを受け、都道府県に水際での対策強化を呼びかけた。釜山とは日本各地の港が定期航路を結ぶ上、アジアで初めて発生した中国も今月10日に春節(旧正月)を迎え、感染した肉製品を旅行客が日本に持ち込む恐れがあることから、ウイルス侵入に警戒を強めている。アフリカ豚熱はブタやイノシシが感染して発熱などを引き起こす病気。致死率が高く、有効なワクチンや治療法が存在しない。アフリカや欧州に続き2018年8月に中国で発生して以降、アジアの19カ国・地域で感染が広がった。

■インドネシアの首都移転、選挙控え民間にもためらい(日本経済新聞2024.02.01)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB317CW0R30C24A1000000/

インドネシアの首都をジャカルタからカリマンタン(ボルネオ)島のヌサンタラ新都市に移転するという野心的な計画が、重大な岐路に差し掛かっている。ジョコ大統領が退任を控え、企業が投資を様子見する動きもある。

(コメント:2025年から首都移転を進める予定。初代大統領のスカルノが1957年に検討課題として上げてから、これまでに数回にわたって議論。移転理由=世界最悪とも言われる交通渋滞、気候変動による海面上昇と地盤沈下。違法な地下水の汲み上げが横行しており、地面が降下し続けているという。2050年までにジャカルタ北部の95パーセントは海に沈むという試算が出ている)

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2024年1月末の時事情勢&陰謀論メモ

昭和農業恐慌
https://kazuya-hatayama.xyz/showa-agricultural-panic/
>日本の政体が変わり、国体まで危機に陥れるほどの敗戦を経験しなければ、農村問題は解決しなかったのだろうか
・・・残念ながら日本人には地主-小作人-人身売買の呪縛的な構造矛盾を解決できなかったと思う

小耳
・対立分断を煽るX投稿は某国発が多い
・X時間帯が某国の業務時間帯と一致※しかも定時出退勤らしい
・2024年はX投稿含む情報工作激化
選挙の年。世論分断工作~認知戦の好機。民主主義国家を分断、混乱、内乱、崩壊させ、各政府が現状維持に手間取っている内に一方的な領土変更を仕掛けたい様子

■米、ユダヤ人入植者に制裁 パレスチナ人襲撃で責任追及(時事通信2024.02.02)

バイデン米大統領は1日、イスラエルが占領するヨルダン川西岸でパレスチナ人襲撃に関与したユダヤ人入植者への制裁を可能とする大統領令に署名した。西岸でのパレスチナ人襲撃事件が増える中、関与した入植者の責任を追及する。大統領令に基づき、ブリンケン国務長官は1日、西岸でのパレスチナ人襲撃や放火、破壊行為などに関与した21~32歳のイスラエル人の男4人に制裁を科すと発表した。米国内の資産が凍結されるほか、米国人との取引が禁止される。バイデン氏は大統領令で西岸の状況について「過激な入植者による暴力、強制移住、破壊が耐え難い水準に達している」と強調。入植者の暴力が中東地域の平和と安定への「深刻な脅威」になっていると非難した。ブリンケン氏はイスラエルに対し「西岸市民への暴力を阻止し、責任を追及するため、さらに努力すべきだ」と訴えた。

■ハマス指導部、ガザ戦闘休止案を本格検討「休戦延長の保証」要求か(時事通信2024.02.01)

イスラエルとイスラム組織ハマスが交戦するパレスチナ自治区ガザを巡り、米国、イスラエル、エジプト、カタールの4者協議で一致した戦闘休止案について、ハマスは1月31日、受け入れの可否に関し本格的な検討に入ったもようだ。ハマス幹部がAFP通信に語ったところによれば、最高指導者ハニヤ氏がエジプトの首都カイロに滞在。指導部が協議を継続中という。同案では戦闘休止は6週間で、この間、ガザへの支援物資搬入が行われる。焦点の人質について、ハマス幹部はAFPに「女性と子供、60歳超の病気の男性」だけ解放されるとの見通しを示した。当初は3段階を予定しているが、さらなる人質解放に向け次の段階も想定されている。トーマスグリーンフィールド米国連大使は31日、国連安保理の会合で「武器を置いて、人質解放のための提案を受け入れることが可能だ」と述べ、ハマスに提案への同意を求めた。イスラエル紙ハーレツは同日、ハマス側には提案に同意する意向があるものの、交渉仲介者による将来的な「休戦延長の保証」を求めていると報じた。

■ガザ戦闘一時停止で交渉前進、長期停戦への第一歩との期待も-関係者(ブルームバーグ2024.02.01)

パリでの合意案をカタールがハマスに提示、反応待ち/米当局者、「見込みある」もすぐに合意に至ることはないだろう/イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の一時停止と、ハマスに拘束されている民間人の人質解放での合意に向けて交渉が進んでいると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。関係国はこの合意がまとまれば、戦闘終結への重要な一歩になり得るとみているという。(中略)一方、イスラエルのネタニヤフ首相は1月30日の演説で、28日のパリ会談は「建設的」だったが、「重大な相違」が残っているとし、イスラエル軍をガザから撤退させるつもりはないし、数千人のテロリストを釈放することもないと述べた。しかし米政府高官らは交渉が進展しつつあるとみている。ネタニヤフ首相のコメントは、同首相が率いる右派政党リクードの多くの支持者がハマスとの取引を望んでいないという国内事情と関連しているとみられている。

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■ランサム修復ツールを開発 ロックビット用、世界初公表か-警察庁(時事通信2024.02.21)

警察庁は20日、身代金目的でデータを暗号化するウイルス「ランサムウエア」の一種「ロックビット/LockBit」によって暗号化されたデータを修復するツールを開発したと発表した。ロックビットは世界で多くの被害が確認されているランサムウエア。ロックビットの修復ツールの開発を公表するのは世界初とみられる。警察庁によると、修復ツールを開発したのはサイバー特捜隊。「リバースエンジニアリング解析」と呼ばれる手法で、暗号化されたデータなどを分析し、ロックビットの暗号化の仕組みを解明した。昨年12月、欧州警察機関(ユーロポール)にツールを提供したところ、有用性が実証された。暗号化されたデータの9割以上の回復に成功した例もあるという。攻撃グループ側が対策を講じることにつながるため、修復ツール開発の公表は通常行わない。しかし、国際共同捜査でロックビットが盗んだ情報の暴露に使う「リークサイト」やサーバーの閉鎖に成功したことから、被害回復を世界規模で進めるため公表に踏み切ったという。警察庁はツールを活用してデータの修復作業ができるとして、日本国内の被害企業などに対し、最寄りの警察署に相談するよう呼び掛けている。

■経済安全保障推進会議(内閣官房)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keizai_anzen_hosyo/index.html

2024.01.30会議/セキュリティ・クリアランス制度整備、基幹インフラ制度における今後の対応:既存の情報保全制度である特定秘密保護法とシームレスに運用。基幹インフラについては、経済安全保障推進法の対象事業に一般港湾運送事業を追加(2022年7月、名古屋港、サイバー攻撃によるシステム障害で停止したという事例あり)

(コメント:マスコミ側=セキュリティクリアランス制度の成立を妨害する見込み)

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■香港、国家安全条例の早期制定目指す 統制さらに強化へ(ロイター2024.01.30)
https://jp.reuters.com/world/security/CID3NBJ4JZI35FS4HUO6K6FTHE-2024-01-30/

香港政府トップの李家超行政長官は30日、新たな国家安全保障法の早期成立を目指す方針を示した。
香港では国家分裂や政権転覆などの行為を処罰する国家安全維持法(国安法)が2020年に施行された。今回成立を目指すのは、香港の憲法に相当する基本法第23条を立法化する「国家安全条例」。基本法第23条は、国家の安全を脅かす行為や活動を禁止する法律を香港が制定すると定めている。2003年に立法化を目指したが、平和的な反対活動を受け実現しなかった。
李長官は、憲法の規定に従い新法を成立させる責任があるとし、「できるだけ早い」制定を目指すと表明。香港社会は安全で落ち着いているように見えるが、外国の工作員がなお活動している可能性があり、警戒が必要だと指摘した。法令は国際基準に沿ったものになるとも説明した。警察トップのクリス・タン警務処長によると、条例には国家機密、スパイ行為、反逆、扇動、コンピューターや電子システムを使った国家安全を脅かす行為に関する条項が盛り込まれる予定。その後発表された市中協議文書では、コンピューターや電子システムを不正に使った国家安全を脅かす行為が新たな破壊罪になるとされている。同文書は経済、科学、外交、社会分野の香港の国家機密についても定義しているが、公表されれば国家安全保障が脅かされる情報が国家機密に分類されるとしている。
外交関係者、財界、学識経験者らは、条例制定の動きを注視している。一部法律学者は、国安法で明確さを欠いていた規定が明瞭になると予想。香港大学法科大学院のサイモン・ヤング教授は「特に国家機密やスパイ活動など、既存の法律で定義があいまいだった項目に越えてはならない一線が引かれるのはほぼ確実だろう」と述べた。

■バイオマス発電所で相次ぐ火災、JERA武豊火力は過去3度発煙(ブルームバーグ2024.02.01)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-31/S85AJNT0AFB400

再生可能エネルギーとして期待のバイオマス発電への信頼揺らぐ恐れ/JERAの武豊火力は再び出火もその後に鎮火、運転再開時期は未定/再生可能エネルギーの一つとして日本が推進するバイオマス発電所で火災が相次いでいる。31日に火災が発生したJERAの武豊火力発電所(愛知県武豊町)では石炭と木質バイオマスの混焼を行っているが、これまでも設備で煙が発生するといった事故が複数回発生しており、リスクが改めて浮き彫りとなった。前日に火災が発生・鎮火したJERAの武豊火力では1日午前2時40分ごろに燃料を搬送するベルトコンベア付近で再度出火していることが確認された。その後消火活動を行い、午前3時34分に鎮火が確認された。温室効果ガス排出量の削減に向け、木質チップやペレット、未利用材などを燃料とし再生可能エネルギーと位置付けられるバイオマス発電所は増加の一途を辿っており、それに伴い火災などの発生も増えている。政府は2030年時点の電源構成でバイオマスを5%程度まで拡大することを掲げるが、火災などの事故が頻発すれば電源としての信頼が揺らぎかねない。(中略)推測される火災や煙発生の原因は、堆積した燃料チップの粉塵が加熱され発火、貯蔵されていた木質ペレットから発生したガスに自然発火などさまざまだ。JERAの宇佐美氏は、今回の武豊火力での火災の原因調査は終わっていないとした上で、火元は木質ペレットを貯蔵する設備付近とみられていると話した。武豊火力5号機の出力は107万キロワットと大型だが、中部電力パワーグリッドによると、十分な供給余力があり安定供給に問題はないという。JERAは同設備の再開時期を未定としているが、松尾氏は復旧までには数カ月単位でかかるとの見通しを示した。

■PEFサプライチェーン協定、2月末に発効(ジェトロ2024.02.01)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/02/65a2ca7cdc232ec3.html

米国商務省は1月31日、アジア太平洋経済枠組み(IPEF)のサプライチェーン協定が2月24日に発効すると発表した。サプライチェーンの途絶時の具体的な連携手続きを規定する初めての複数国間の協定となる。IPEFサプライチェーン協定は、2023年11月に行われた閣僚会合で署名された。同協定は、IPEFに参加する少なくとも5カ国が批准書や受諾書などを寄託国の米国(国務省)に寄託してから30日後に発効すると定めている。日本が2023年11月に、続いて米国が1月初旬に寄託しており、商務省によると、その後にフィジー、インド、シンガポールも寄託したことで発効要件が整った。(後略)

■中国が台湾海峡の飛行ルート変更、台湾「一方的」と反発(ロイター2024.01.31)
https://jp.reuters.com/world/taiwan/TF2XCXJVZVIA7D4SQ25BTVMFDU-2024-01-31/

台湾は31日、中国が台湾海峡の中間線付近の飛行ルートを「一方的に」変更したとし、意図的な現状変更の試みだと非難した。
中国の民間航空当局は30日、中間線の西を飛行する「M503」ルートについて、南行きの運航の「オフセット措置」を2月1日から取り消すと発表した。中間線は中台の事実上の境界線として機能してきたが、中国はその存在を認めておらず、中国軍機は繰り返し中間線を越えている。中国はまた、台湾が実効支配する金門島と馬祖島に近い中国福建省厦門市と福州市からの2つの飛行ルートで西から東への航路を開設するとした。これは台湾に向かう方向を意味する。
台湾の民間航空当局と対中政策を担当する大陸委員会はこの動きを「一方的」として強く反発。 大陸委員会は中国が飛行の安全を無視し、台湾を軽視しているなどと非難し、「本土側がその路線に固執するなら、両岸関係に影響する深刻な結果の責任を負わなければならない」と述べた。
中国の台湾事務弁公室はルート変更について「日常的」な措置で、空域の逼迫を緩和するものだと説明。また「両岸の航空業務改善やさらなる人的交流促進にも資するもので、両岸の同胞の共通の利益に沿う」とした。
台湾「国家政策研究基金会」の軍事研究者、掲仲氏は新ルートについて、中間線から約7キロの位置で、台湾の防空態勢を圧迫すると述べた。台湾国防部(国防省)は緊張が高まりやすくなると指摘。「われわれの防空識別圏に進入する未知の航空機に対しては、空域の安全を確保するため運用手順と緊急対応規定に従って対処する」と表明した。

■仏農家の抗議デモ拡大、首都への高速道路封鎖2日目に(AFP2024.01.30)
https://www.afpbb.com/articles/-/3502816

フランスで、労働条件をめぐり怒りを募らせる農家による抗議デモが拡大している。30日には首都パリに向かう高速道路の封鎖が2日目に入り、農家は政府から譲歩を引き出そうと圧力をさらに強めた。農家は収入が不十分であることに加え、行政手続きの煩雑さや環境政策に不満を示し、他国との競争力が損なわれ、輸入依存度が高まっていると反発している。エマニュエル・マクロン大統領から今月首相に任命されて以来、最大の危機に直面しているガブリエル・アタル氏は近く議会で演説を行い、新たな措置を発表するとみられている。農家はこれまで1週間以上にわたり抗議を続けている。デモは首都にも広がり、29日からは、パリにつながる複数の高速道路がトラクターや圧縮した牧草などで封鎖されている。政府はこれまでのところ、デモに対する強硬措置は講じていないものの、パリの主要空港や大規模な食品卸市場を封鎖する動きがあれば容認しないと明言している。警察筋によると、29日にパリ周辺の道路封鎖に加わった農家は約1000人、車両は約500台で、2月2日まで継続される可能性があるという。

■北朝鮮が巡航ミサイル発射 日本海側の海上から数発(時事通信2024.01.28)

韓国軍によると、北朝鮮は28日午前8時(日本時間同)ごろ、東部の咸鏡南道・新浦付近の海上から巡航ミサイル数発を発射した。日本海に面した新浦には潜水艦の開発拠点があり、潜水艦から発射する巡航ミサイルの開発と関係している可能性がある。北朝鮮は24日に黄海に向けて「新型戦略巡航ミサイル」を撃ったばかり。米韓両国がミサイルの飛行経路などを分析している。巡航ミサイルは、弾道ミサイルに比べ速度が遅いものの、低空を変則的に飛行する。今回の発射には、奇襲攻撃を実行可能な潜水艦搭載の核戦力の実用化加速という狙いがありそうだ。北朝鮮は昨年3月、新浦付近で潜水艦から巡航ミサイルを発射する訓練を実施したと発表。同9月には、新浦造船所で新造した「戦術核攻撃潜水艦」の進水式を行った。

■中国軍艦4隻,台湾の四方にも常時展開,台湾有事で米軍接近を阻止する狙いか(読売新聞2024.01.29)
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240128-OYT1T50161/

中国が、台湾周辺の四方に軍艦4隻を常時展開させていることがわかった。平時から台湾に軍事的な圧力をかけ、台湾有事の際には、中国が東シナ海上空に一方的に設定した「防空識別圏」ADIZの境界線付近に常時展開する軍艦とも連動し、米軍などの接近を阻止する狙いがあるとみられる。
複数の日本政府関係者が明らかにした。中国は2022年8月、ナンシー・ペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問に激しく反発し、台湾周辺で大規模な軍事演習を行った。この頃から、主にフリゲート艦4隻が常時展開するようになったという。4隻は、日本最西端の沖縄県・与那国島周辺に11隻、与那国島とフィリピンの間に1隻、台湾の南西と北の海域にそれぞれ1隻ずつ配置されている。このほか、同県の尖閣諸島北西にも1隻が常時展開しているという。
尖閣諸島北東の海域を巡っては、中国ADIZの境界線付近に、複数の中国軍艦が常時展開していることが明らかになっている。
尖閣周辺では、三方が中国軍艦によって包囲されている状態だ。中国は、尖閣は台湾の一部だと主張している。中国が台湾侵攻に踏み切った場合、尖閣有事も同時に起きる可能性が指摘されている。
中国は、自国周辺での他国の軍事活動を制約する「接近阻止・領域拒否A2AD」能力の強化を進めている。南西諸島とフィリピンを結ぶ「第1列島線」の内側に米軍を進入させないことを目指す戦略だ。第1列島線は、中国ADIZの境界線付近や台湾周辺の東側で常時展開する中国軍艦の位置とほぼ重なるという。中国は22年8月の演習で、台湾の四方に弾道ミサイルを発射し、尖閣周辺にも着弾させたほか、与那国島南方の日本の排他的経済水域EEZ内にも落下させた。香田洋二・元自衛艦隊司令官は「日本に隙が生じれば、中国が今後、力を使って尖閣諸島に手を出してくる可能性は十分ある。日本は、万全の態勢で備えておく必要がある」と強調する。
[台湾有事]中国と台湾が武力衝突する非常事態。中国は台湾統一に向けて、武力行使も辞さない考えを示している。中国が偽情報を流布するなどの「認知戦」を展開し、ミサイルやサイバー攻撃などで重要施設を攻撃したうえで、台湾に上陸するなどのシナリオが想定されている。

■経営不振、恒大にとどまらず 需要減で危機深刻化も-中国(時事通信2024.01.29)

中国不動産開発大手の中国恒大集団に清算命令が出た。ただ、不動産不況の長期化を背景に、経営不振の事業者は恒大にとどまらない。清算命令が住宅需要のさらなる減退を招き、業界の危機的状況が一段と深刻化する悪循環に陥る可能性もある。
2021年に恒大の経営危機が浮上したのをきっかけに、中国では不動産市場の先行き懸念が広がった。住宅需要が急減し、これが事業者の経営を直撃。23年8月には業績が比較的安定していた最大手の碧桂園の苦境も判明するなど影響が広がった。政府は、恒大が経営破綻に陥った原因となった厳格な融資規制を撤回し、住宅ローン金利も引き下げた。ただ、23年の住宅販売面積は前年比8.2%減と、2年連続で前年割れ。これが足かせとなり、国内総生産GDPは5.2%増と、政府目標の「5%前後」をぎりぎり達成する水準にとどまった。
大和総研によると、上場するデベロッパーの半数以上がデフォルト(債務不履行)に陥っており、大半は恒大と同じ民営事業者という。齋藤尚登主席研究員はリポートで、政府による民営企業への支援強化が不動産市場の「安定化」に向けたカギになると指摘。積極的な財政政策も講じられた場合、24年の経済成長率が5%程度になるとの見通しを示した。

■中国恒大に香港の裁判所が清算命令-金融システムに波及の恐れ(ブルームバーグ2024.01.29)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-29/S803G8T0G1KW00

経営陣は交代し、幾つかの問題に対処する可能性-陳静芬判事/香港上場の中国恒大株、一時21%下落-その後は売買停止/香港高等法院(高裁)は29日、経営再建中の中国不動産開発大手、中国恒大集団に清算を命じた。今回の清算命令は、中国の経済成長を妨げ、消費者の信頼感を損ねてきた不動産危機の最大の象徴として、中国恒大の立場を確固たるものにした。また、当局が株式相場の大幅下落に歯止めをかけようと取り組むタイミングで、中国の金融システムに影響が波及する可能性もある。2021年12月にドル建て社債で事実上のデフォルト(債務不履行)に陥った中国恒大はこの10年、販売ベースで国内最大の開発企業だった時期もあった。今回の清算申し立ては、恒大のオンライン販売プラットフォームの戦略的投資家だったトップ・シャイン・グローバル・リミテッド・オブ・インターショア・コンサルト(サモア)が22年6月に行っていた。香港に上場する中国恒大の株価は29日、一時21%下落。その後、売買停止となった。

■国連スタッフ、奇襲関与か 米、資金拠出一時停止(共同通信2024.01.27)

国連パレスチナ難民救済事業機関UNRWAは26日、複数のスタッフが昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲に関与した疑いがあるとして、契約を打ち切り、調査を開始したと発表した。UNRWAはパレスチナ自治区ガザで人道支援に携わる。米国務省は疑惑を受け、UNRWAへの資金拠出を一時的に停止した。国務省によると、スタッフ12人が関与を疑われている。UNRWAはイスラエル当局から情報提供を受けて調査を決定。ラザリニ事務局長は「テロ行為に関与したスタッフは、刑事訴追を含め責任を問われる」と強調した。イスラエルのガラント国防相は「人道支援を装ったテロは国連の恥だ」と非難した。国連はガザでの「過剰な攻撃」を批判し、イスラエルとの対立が深まっていた。国連によると、グテレス事務総長はラザリニ氏に迅速な調査を指示し、関与したスタッフを直ちに解雇して刑事責任を問うよう求めた。

(コメント:国連の、中立組織としての地位立場が無くなった場合、そこに存在する意味は無くなる訳で、大変な事件であり疑惑であるかと思案。犠牲者や死人を出し、国際情勢への大混乱をもたらした以上、戦争犯罪に限りなく近い罪状でもって裁判になるところ。公平に扱われるか、ダブルスタンダードになるか、注目されるところ)

■国境の危機 米国で新たな内戦勃発か?(Sputnik日本@sputnik_jp、2024.01.27)
https://twitter.com/sputnik_jp/status/1750884464400453948

米国は潜在的にその政治史の転換点にさしかかっている。テキサス州は、メキシコ国境で連邦職員の立ち入りを阻止するのをやめるよう求めるバイデン政権と米連邦最高裁判所の要求に対して公然と挑戦的な態度をとっている。スプートニクが現時点でわかっていることをお伝えする。
テキサス州のアボット知事は、同州は自衛権利を有していると表明した。知事は、最高裁判所が連邦職員に対してテキサス州がメキシコとの国境に設置したカミソリ有刺鉄線の撤去を認める判断を下した後、この声明を発表した。
テキサス州は、南部国境の安全確保に関する取り組みを意図的に台無しにしようとしているとして連邦政府を非難している。テキサス州検事総長は、ホワイトハウスはメキシコの麻薬カルテルと共謀していると述べた。
トランプ前米大統領と25州の知事は、テキサス州の「憲法上の自衛権」を支持する共同声明に署名。一部の知事は、州兵部隊を国境に派遣すると約束した。
バイデン政権はテキサス州に対して26日まで猶予期間を与えて有刺鉄線の撤去を要請したが、検事総長は26日までに撤去するという最後通告に同州は従うつもりはないと表明した。

■米最高裁、テキサス州がメキシコ国境に設置の有刺鉄線撤去を許可(ジェトロ2024.01.24)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/01/77ac29ca14561184.html

米国連邦最高裁判所は1月22日、連邦国境警備職員に対し、テキサス州が米国・メキシコ国境に設置したカミソリ有刺鉄線の撤去を認める判断を下した。最高裁判事9人のうち、保守派のジョン・ロバーツ長官、エイミー・バレット判事を含む5人が撤去を求める連邦の主張を支持した。
テキサス州は2023年10月、連邦の国境警備職員がリオグランデ川沿いに同州が設置した鉄線を切断した際、国土安全保障省がテキサス州の資産を損壊し、州の国境安全措置を妨害したとして連邦政府を訴えた。今回の判断は、連邦職員による鉄線の切断を妨げる第5巡回区連邦控訴裁判所の命令を無効とするものだ(「テキサストリビューン」1月22日)。
最高裁の判断について、CNNは、国境措置をめぐりテキサス州と対立しているバイデン政権の大勝利、と報じている。ホワイトハウスのアンジェロ・フェルナンデス・ヘルナンデス報道官は「国境付近に有刺鉄線を敷くというテキサス州の政治的な暴挙は、国境警備の前線に立つ職員の仕事を単に難しく危険にするだけだ」とテキサス州を批判した(「APニュース」1月22日)。
一方、グレッグ・アボット知事(共和党)は最高裁の判断を受けて、自身のX(旧ツイッター)で「これで終わったわけではない。テキサスの有刺鉄線はバイデン大統領が助長する違法な越境を効果的に抑止する策だ。国境を守るテキサス州憲法の権限を守り、バイデン政権がわれわれの資産を破壊することを阻止し続ける」と述べている。
テキサス州によるカミソリ有刺鉄線の設置は、アボット知事が2021年3月に開始した「オペレーション・ローン・スター」と呼ばれる州独自の不法移民対策の1つだ(2023年11月22日記事参照)。カミソリ有刺鉄線の全長は約30マイル(約48キロ)にわたる。テキサス州政府は対策のこれまでの成果として、49万6,000件以上の不法移民の摘発、3万8,500人以上の逮捕、大量の合成麻薬フェンタニルの押収などを挙げている。
このほか、テキサス州は、ニューヨークやシカゴ、首都ワシントンなどの「サンクチュアリシティー(聖域都市)」と呼ばれる不法移民保護に寛容とされる都市に向けて、バスや飛行機を用いて不法移民を移送してきた。その数は2024年1月時点で既に10万人を超えている。

■台湾周辺に中国軍機33機 13機が中間線越え(フォーカス台湾2024.01.27)
https://japan.focustaiwan.tw/cross-strait/202401270001

国防部(国防省)は27日、同日午前6時までの24時間に中国の軍用機延べ33機と軍艦延べ6隻が台湾海峡周辺で活動しているのを確認したと発表した。軍用機のうち延べ13機が台湾海峡の暗黙のラインである「中間線」やその延長線上を越え、台湾の南西や北部の空域に進入した。国防部は併せて、27日午前6時までの24時間に中国の気球2機を台湾海峡周辺の空域で確認したと発表した。1機は北部の空域に、1機は南部の空域に姿を見せた。飛行高度は約1万7千~2万フィート(約5200~6100メートル)の間。2機は北部・基隆の南西約101カイリ(約187キロ)、南部・屏東の北西約132カイリ(約244キロ)にそれぞれ出現。24分~1時間50分後に姿を消した。

(コメント:一時的に、台湾海峡が軍事的脅威の真っただ中に放り込まれていた様子。ヘタに爆発などがあったら、盧溝橋事件の再来のような雰囲気になっていたかも。油断はできない状況。この事件を受けて、米大統領補佐官が会談で、台湾海峡の平和と安定の維持の重要性を強調/サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と中国の王毅外相はバンコクで26~27日に会談し、米中首脳による電話会談の今春実施を目指す方針で一致。台湾情勢を巡り応酬、不測の事態を防ぐため軍同士の対話維持を確認。米中高官の対面会談は13日の台湾総統選後、初)

■麻生氏、派閥存続の意向強調「政策集団として役目」-自民党(時事通信2024.01.27)

自民党の麻生太郎副総裁は27日、地元の福岡県飯塚市で講演し、党が決定した政治改革の中間取りまとめに触れ、「派閥は政策集団としての役目をさらに活発にしていかなければならない」と述べた。自身が率いる麻生派を存続させる考えを示したものだ。麻生氏は「今後、政策を役人だけに任せるのではなく、従来以上にわれわれが勉強、研鑽、立案し、国民の信託に応えなければならない」と強調。「それが信頼回復に向けた唯一の方策だ」と理解を求めた。

■防衛省、オーストラリア国防省と「水中自律型無人機」に関する共同研究を実施へ
https://funeco.jp/news/news-22676/(船舶ニュース2024.01.27)

防衛省は2024年1月23日(火)、オーストラリア国防省と「水中自律型無人機に関する日豪共同研究」に関する事業取決めの署名を行ったと公表した。この共同研究は、日本とオーストラリアの両国が所有する水中音響通信の試験評価シミュレータを連接し、日豪双方の水中音響通信モデルや海洋環境情報等を持ちよることで、様々なシナリオでシミュレーションを実施、水中音響通信の評価指標を確立するもの。防衛省は、共同研究の成果は、将来の日豪間の水中自律型無人機の相互運用に活用されることが期待されるとしている。なお、オーストラリア国防省の公表によれば、共同研究は防衛装備庁とオーストラリア国防科学技術グループDSTGの間で進められ、1月23日(火)の署名式典には防衛装備庁 技術戦略部の松本恭典部長と、DSTGのデイビッド・カーショウ(David Kershaw)科学戦略計画・エンゲージメント主任が出席、署名した。

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■陰謀論者はなぜ暗殺を恐れないのか?(2024.01.25)
https://yomitai.jp/special/02-kurakazu/

陰謀論者の行動を見ていると、明らかにガチで信じている人がいるのは間違いありません。寄付をしていたり、職場で孤立していたり、さらに友だちや家族を失う危険だってあります。軽いお遊び感覚ではとてもできません。その人たちは本気で陰謀を信じている。この世界や社会が本当に悪の集団によって牛耳られていると考えている。でも自分の身に危険が及ぶとは感じていない。いったいこれはどういう矛盾なのか?
陰謀論の語りには「自分」がすっぽり抜け落ちている。わたしはそのように考えています。陰謀論者は真剣に社会を憂い、様々な情報を集め──結局それが偏っているのですが──本気で世の中をただすために闘っている。けれども、なぜかそこから生身の「自分」が抜け落ちてしまう。これが陰謀論を成り立たせるメカニズムだと思うのです。
それはビデオゲームをやっているのに似ています。ゲームの中で強大な敵と戦う。そのために睡眠時間を削り、友達と遊びに行くのを諦め、膨大な時間と労力を費やす。けれど、戦いで死んだり傷ついたりするのはあくまでゲームの中のキャラクターであって、プレイヤーの生身の身体は無傷です。だから自分の全能感はそのまま残ります。ビデオゲームで起きる生身のプレイヤーとゲーム内のキャラクターへの自己の分裂が、なぜか陰謀論者でも発生しています。
そもそも拡散する物語にはパターンがある。シンプルでわかりやすく、善悪がはっきりしていること。真実味はあまり重要ではありません。典型的なのは敵と味方がはっきりした勧善懲悪のストーリーであり、敵の部分には政府だったり、環境活動家だったり、外国人だったり、ネトウヨだったりが入ることでしょう。要は個別の対象を入れ替えていくことで、いくらでも似たような物語を作ることができるわけです。
そしてこのような物語は物事をスッキリとわかりやすくしてくれます。ネットの物語を信じることでそれまで混沌としていてよくわからなかったものが急に見通しが良くなります。それならば、社会が複雑化するにつれ、物語の誘惑は大きくなるでしょう。
また物語は「参加感覚」も与えてくれます。SNSで見かけたポストをリポストするだけで、自分は勧善懲悪の「善」の側に参加したことになります。これもまた「ゲーム感覚」です。

■AI技術活用などの課題は 最新研究発表 フェイク情報拡散実態も(NHK、2023.10.30)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231030/k10014242151000.html

サイバーセキュリティーやAI技術の活用の課題について最新の研究成果を発表するシンポジウムが、30日から福岡市で始まり、SNS上でフェイク情報が拡散される実態などについて報告が行われました。「コンピュータセキュリティシンポジウム2023」は、情報処理学会が福岡市中央区で開き、サイバーセキュリティーやAI活用の課題に詳しい専門家など1000人近くが参加しました。
講演やワークショップなど合わせて240余りが行われ、このうち、情報セキュリティ大学院大学の一葉修平さんは、ことしの春、ネットで炎上した、食用コオロギのパウダーを使ったパンの事案について報告しました。
このとき、食品会社のSNSなどがターゲットになり、「他のパンも食べたくない」とか「政府の補助金をもらっている」などの誹謗中傷やフェイク情報が拡散しましたが、この話題に言及した投稿のうち37%余りが、機械により自動で投稿などを行う「ボット」によるものとみられることがわかったということです。
また、NTT社会情報研究所の荒岡草馬さんは、人気アニメの声優を模した音声がAIで作り出され、その声を使った曲がネット上で無断で公開されているケースなどについて取り上げ、写真や動画と違って、現在、権利保護の対象とされていない「声」の権利について議論が必要だと訴えました。
シンポジウムは10月30日から11月2日まで4日間、開かれます。

コメント(◉▾◉)
最近はAI技術の発達がいちじるしく。bot投稿による情報工作が、スタンダードになってきた模様。政治社会のビッグウェーブ話題は、botによって「注目度が高い」という風に演出された内容が大多数…という風に認識を改める頃かと。

最近、話題になったコオロギ食も、botによって焚きつけられたトピックであったとのこと。その扇動に乗った人々の攻撃によって、スタートアップ企業が後退させられるという事態になったのは、記憶に新しいところ。「アクセス数=カネ儲け」構造が生み出した現象であり。このようにして新しい産業や学問の可能性を滅ぼすことが可能、ということであれば、その産業が有用と見込んだ仮想敵国にとっては、笑いが止まらない状況かと思案。

文章や画像ばかりでなく、音声のAI利用もありえる社会。情報工作のためのフェイクニュースに悪用されそうな。「宣戦布告」や「解散総選挙」宣言のニュース画像など簡単にできそうな雰囲気ですし、それに乗っかって、後先考えずに、アクセス数目当てで多数リツイートして騒ぎ立てる人も増えるだろうと思われるところ。

炎上系SNSに乗っている発言のうち、どれくらいのものが「本物の人間」によるものか、というのも疑わしいところでしょうか…

熒惑の-炎荒ぶる-夜の底-あだし心の-熱さ危うさ(短歌)

《政治言論の潮流⇒メディア産業化》
*分かり易く単純化した世界観
*信念ファースト=議論が観念的妄執的、発言行動も幼稚無責任化
*現代スピ影響=終末救済&救国カルト化、反ワクRAPT理論など
*認知戦ビジネス産業化に伴い政治圧力団体が新規に出現、メディア露出前提、政治パフォーマンス方面も過激化

《補足》現代スピ傾向=ニューエイジ的
*精神と物質は同じ
*意志の力で世界は変えられる~成功哲学
*科学と宗教はいずれ大統一される
※現代科学や現代哲学の見解は異なる
※現代スピ的「自分の思い通りに世界を変えられる」という無責任なパラノイア幻想が陰謀論と結合して政治言論界の麻薬になったか

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(なんか見た)文化習俗作法を見ずして、愛だけで結婚後の生活が成り立つと思うならそれはとてもとても浅はかなこと/「愛こそすべて」「すべてを解決するのは愛」結論は甘い甘いファンタジーでしかなく/身分意識など不均衡の多すぎる所では閉鎖性や拘束の強度が宗教カルトにも匹敵するゆえ現実には凄惨な末路となりがち

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世界情勢の潮流が或る程度、見通しがつくのは2028年ごろの見込み?(露宇戦争、中東紛争の終結へ向かう等)2025年8月ごろを中心にトランスサタニアン3惑星(天・海・冥)が調和的な複合アスペクト。海王星が頂点の三角形。おそらくインド太平洋戦略に関わる暗示も含む。2025年~2026年、海王星&土星コンジャンクション時期。重要な節目。

●2023/06/11:冥⇒磨羯in/地に足つけ見直し。日本政府は超高速で国土防衛を整備。有事対応、準・戦時体制つづく。半導体工場の誘致・稼働など。交通・輸送ネットワーク再整理。地価上昇。
⇒2023/10/11:冥王星、巡行シフト。宝瓶宮へ移動開始。大きな物事の類が新局面へ向かって流れ出す。※この時期に、全銀システムが初めての障害トラブル。印象的な出来事。
⇒2023/11/04:土星、巡行シフト。妄想から現実へ。岸田政権への公平な評価が増え始めている。
⇒2023/12/06:海王星、巡行シフト。春分点へ接近中。新時代への胎動。パラダイムシフト前夜。
※2023/12/13:改正空家対策特措法が施行/「特定空家」件数増加に伴い自治体の負担が増加、新カテゴリ「管理不全空家」スタート:固定資産税の住宅用地特例の解除が可
>(国土交通省)https://mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000138.html
●2024/01/21:冥⇒宝瓶in*流通の渦巻きか、供給網か
最強寒波ニュース多し。20日未明SLIM月面着陸。欧州中銀、政策金利据え置き。日銀、大規模な金融緩和策の維持。

【紅海の物流混乱、ロジスティクス大手による現場の見方】(ジェトロ2024.01.19)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/01/0b7c78c7fed50c1a.html
イエメンの武装組織フーシ派が紅海などで船舶への攻撃を繰り返していることを受け、物流の混乱が発生。
(問)今回の紅海の混乱で、アジア発欧州向けの海運はどのような状況か。
(答)世界の貿易の約3分の1が紅海を経由すると言われており、その影響の大きさは計り知れない。南アフリカ共和国の喜望峰ルートへの変更により、仕向け地に到着するまでにかかる運航日数は、往復でおよそ4週間増える。それによる機会損失、当該ルートの需要増加によるコンテナ価格や海上保険料の上昇などにより、全てのコストが上がっている。
新型コロナ禍の時はじわじわと物流の混乱および価格上昇が生じたが、今回はごく短期間で混乱と価格上昇が起こったので、よりインパクトが大きい。1月15日現在、紅海の状況により影響を受ける(迂回する)船舶を359隻確認している。それらの船舶のコンテナの総容量は474万TEU(20フィートコンテナ換算)と推定される。ルート調整は初回だけシステム上に記録され、その後は迂回として記録されないため、今後、実際にどのくらいの船舶がルート変更の影響を受けたのか追跡するのが難しくなる。

●2024/09/02:冥⇒磨羯in*地場連携っぽい
●2024/11/20:冥⇒宝瓶in*~2043年まで
◎2025/03/30:海⇒白羊in*春分点を通過、巡行、エネルギー・ガテン系が来そう
◎2025/07/07:トランスサタニアン小三角シーズン開始
◎2025/10/22:海⇒双魚in*戦火、極東有事、第3WWなどの心配
◎2025/10/25:海⇒春分点を逆行、双魚へ、トランスサタニアン小三角を維持
◎2026/01/27:海⇒春分点を巡行、白羊へ、トランスサタニアン小三角は解除へ
○2026/04/26:天⇒双児in*通信技術の世代交代?
◎2026/05/23:海⇒白羊in*~2039年まで
○2032/08/04:天⇒巨蟹in*新型コロナ・流行病の関連の発明か何か
○2032/12/12:天⇒双児in*バイオ、宇宙、核融合など新技術、新発見、変革

2024年1月の時事情勢メモ

能登地震が起きたので、日本の周辺リスク前提が変化している

現在の日本海は海底地形が激変していて、まだ測量が終わっておらず、安全に沿岸を航行できる状態ではない(戦時中に仕掛けられた機雷も確実に津波で流されており、戦後ずっとつづいている掃海にも影響あり)。危険な軍事的空白が出現している

中国経済が轟沈している真っ最中で、台湾有事リスクは薄くなっている(2024年1月の台湾総統選までに岸田内閣が倒れていた場合、日本国の存亡の危機だった)

代わりに危険が急上昇しているのは半島有事。北朝鮮ミサイルの増加

「ロシアはウクライナ制圧にかかりきりで極東まで手を伸ばしにくい」「中国は経済弱体化で動けない」「日本は能登地震で動けない」「米国はイスラエル・ハマス問題と大統領選挙で忙しい」「紅海ルート物流が使えない」「EUはウクライナ防衛で忙しい」…北朝鮮にとっては韓国を完全に攻略する絶好の好機。朝鮮戦争の再開。勢いに乗って日本への武力行使も可能なら、かなり高い確率で、後顧の憂いを断つためにやると思われる。いまはロシアが北朝鮮を抑えているけど、いつ抑えが無くなっても不思議では無い

日本サイドとしては、能登半島を復興しつつ、北朝鮮の軍事行動へ対抗措置を進めなければならない。日本の国土防衛・安全保障・物流ルート確保を急ぐ。敵基地への反撃能力をガッツリ整備(長期戦に耐えられる数の迎撃ミサイルおよび弾薬を、超特急で入手)

目下、日本政府の方では、国家存亡の危機を認識。有事対応、戦時体制がつづいている。挙国一致内閣ステータス。マスコミやSNSの陰謀論フェイクニュースなどに付き合っている暇はない。野党やマスコミは緊急事態にある事を理解していない様子

何故、能登半島の復旧支援に米軍が入ったのか。それは朝鮮半島の戦火が日本海沿岸へ及ぶ危険が迫ったため、無防備な空白地帯の軍備を兼ねてのこと。台湾有事リスクへの対抗措置として、南西方面を軍備強化していたけれど、いまは日本海側の防衛へと優先順位が変わっている。事態は激変の真っ最中

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■岸田派解散、「身勝手」と地元 広島の地方議員ら、結束に影(共同通信2024.01.27)

岸田文雄首相による自民党岸田派(宏池会)解散の判断が、地元・広島県にも波紋を広げている。創設者の池田勇人元首相らを輩出した縁から、宏池会に愛着を持つ地方議員が多く「身勝手な判断だ」との批判や落胆の声が上がる。首相を支えてきた結束力だけでなく、次期衆院選にも影を落としかねない状況となっている。宏池会を「溺愛している」(自民筋)首相の解散表明。広島県連の中本隆志会長代理は「出直しを図ろうとした勇気と決断力」に敬意を示したが、県連内の評価は称賛一色ではない。派閥の歴史は60年以上。広島から池田、宮沢喜一、岸田3氏を首相に送り出し「宏池会系」を自任する地方議員も多い。

■桐島聡容疑者か、警視庁が男発見 連続企業爆破、神奈川で入院(共同通信2024.01.26)

1974-75年に起きた連続企業爆破事件の一つに関与したとして、爆発物取締罰則違反容疑で指名手配されていた過激派「東アジア反日武装戦線」のメンバー桐島聡容疑者70とみられる男を、警視庁公安部が発見したことが26日、捜査関係者への取材で分かった。男は神奈川県内の病院に入院中で、「桐島聡」を自称している。公安部は身元の確認を急ぐ。桐島容疑者は、75年4月19日に東京・銀座の韓国産業経済研究所入り口ドア付近を手製の時限爆弾で爆破した疑いで指名手配され、約49年間逃亡していた。当時、桐島容疑者は「東アジア反日武装戦線」の「さそり」に所属。警察庁が重要指名手配容疑者に指定していた。

■トリガー凍結解除「反対」 石油連盟会長、混乱懸念(共同通信2024.01.25)

石油連盟の木藤俊一会長(出光興産社長)は25日の定例記者会見で、ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」の凍結解除について「流通販売の混乱、消費者へのご迷惑という観点から反対だ」と述べた。トリガー条項は、ガソリン価格が一定基準を超えた場合に発動して税金を安くする制度で、自民、公明、国民民主の3党が実務者協議を進めている。木藤氏は、発動されれば買い控えや駆け込み購入でガソリンスタンドが混乱するなどの懸念があると強調した。一方、開始から約2年がたつガソリン価格抑制のための補助金支給については「負担回避の一定の効果があった」と評価した。

■台湾の対中投資、4割減 全体の1割、緊張反映リスク分散(共同通信2024.01.24)

台湾経済部(経済産業省)が24日までに発表した直接投資統計によると、2023年の中国への投資額は前年比39.8%減の約30億3681万ドル(約4500億円)で、01年以来の低水準となった。全体に占める比率も前年の34%から11%まで激減した。経済部は、地政学的な緊張の高まりから企業がリスク分散のため、米欧や日本への投資比重を増やしたと分析した。23年の中国資本による対台湾投資も23.3%減の2969万ドルとなり過去最低だった。中台関係の緊張を反映し、経済面でも相互依存を低下させている状況が鮮明となった。台湾からの対中投資は、経済協力枠組み協定ECFAを調印した10年には対外投資全体の84%を占め、サプライチェーン供給網の一体化が進んだ。その後、16年の民主進歩党(民進党)の蔡英文政権発足などに伴って関係悪化が進み、投資も減少傾向が続いている。

(コメント:台湾の中央部、「米中の間で良いとこ取り」コウモリ外交を控える方向の模様。世界情勢の激変の中で生き延びるには損切の判断が遅すぎる。もっと早いタイミングであれば影響は小さかったかも。台湾経済に想定以上に大きなダメージを与えることが予想される。中国経済の急速な轟沈が、台湾経済の回復の足を引っ張る可能性が濃厚。台湾政局はいっそう荒れる見込み)

■離島住民避難の図上・実動訓練 鹿児島県と屋久島町 他国からの武力攻撃想定
https://www.nankainn.com/news/(南海日日新聞2024.01.22、地域カテゴリ)

他国からの武力攻撃が予測される事態を想定した鹿児島、熊本両県共同の国民保護訓練が21日あり、鹿児島県が対策本部を置いた鹿児島市の県庁では、18日に続き関係者が参加して図上訓練が行われた。屋久島と口永良部島からの高齢者ら要配慮者の島外避難や、県本土での受け入れ状況などについて情報収集。避難・救援計画に基づき連携を確認し、課題を共有した。国民保護訓練には、オンラインを含め両県合わせて約50機関から約300人が参加した。図上訓練は屋久島町での実動訓練と連動して実施。参加者が総括、消防・航空運用調整、住民輸送、保健医療福祉調整など各班に分かれ、現地とも連絡を取りながら集めた情報をボードにまとめていった。気象条件や県本土での交通渋滞など、住民避難に影響を及ぼす可能性がある情報は随時、全体で共有した。モニターには現地からの中継映像が映し出され、避難の進展状況を確認しながら作業を進めた。危機管理学・安全保障研究が専門で訓練評価委員長を務めた中林啓修国士館大学准教授は「昨年取り組んだことを踏まえて前進できた訓練だった。今後は住民とのネットワーク、連絡体制をしっかり確立していくことが重要。今回の訓練でできたことは自信とし、できなかったことは目標として、着実な取り組みを進めてほしい」と総括した。鹿児島県の長島和広総括危機管理防災監は「漁船やマイカーでの避難、ペットや家畜はどうするのか。また、長期避難者への対応については収容、就労、生活保障といった問題も出てくる。今回の訓練成果を踏まえ、関係機関と連携してより実効性が高まるよう取り組んでいく」と述べた。

■海藻・海草もCO2吸収量に 環境省が算入、世界初(日本経済新聞2024.01.22)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA221OB0S4A120C2000000/

環境省は22日、温暖化ガスの排出量と吸収量の算定に関し、新たに海藻と海草の二酸化炭素CO2吸収量を含めると決めた。海藻・海草を含む算定は世界初という。2022年度は36万トンほどの見通しで、4月までに国連に提出する報告書に盛り込む。海洋生態系に蓄積する「ブルーカーボン」と呼ばれる炭素の一部として扱う。国連の気候変動に関する政府間パネルIPCCはガイドラインで沿岸部の湿地における排出・吸収量の算定方法を示す。環境省と国土交通省、農林水産省は海藻・海草の藻場の面積などを基に算定する手法を検討した。国連環境計画UNEPは09年、ブルーカーボンが吸収源の選択肢になると指摘した。日本の21年度の吸収量4760万トンのうち吸収源の大半は森林が占めた。ブルーカーボンによる吸収はマングローブ林の2300トンだけだった。日本は国連気候変動枠組み条約に基づいて温暖化ガスの排出・吸収量を国連に毎年報告している。4月15日までに年次報告を提出し、その後に22年度の排出・吸収量を公表する。

■北朝鮮ミサイル、迎撃システムかいくぐれるか-ウクライナで初の実戦(ブルームバーグ2024.01.22)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-22/S7N8ZLT1UM0W00

米供与のウクライナ防空システムはおおむね効果発揮CSIS/ロシアは北朝鮮の金総書記にミサイルや砲弾の供与求める/北朝鮮がロシアに供与したとされる弾道ミサイルの初の実戦テストがウクライナの戦場で行われようとしている。だが、米国のミサイル迎撃システムがウクライナ防空に成功していることを踏まえると、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は気をもんでいる可能性がある。

(コメント:ウクライナのミサイル迎撃システムは日本と共通。北朝鮮ミサイルが迎撃システムを突破できた場合、日本の軍備も破られる可能性あり。日本としても気を揉むところ)

■https://twitter.com/DefenceHQ/status/1748306865732088288
Ministry of Defence(英国2024.01.19)英国の軍事防衛産業による高度な軍事用レーザーDragonFireは、強力エネルギービームで物体を切断、光速で標的を攻撃し、構造破壊する。

■北朝鮮、「核魚雷の重要試験」実施 日米韓訓練に対抗(時事通信2024.01.19)

北朝鮮国防省は19日、核魚雷の一種とされる核無人水中攻撃艇「ヘイル(津波)-5-23」の重要試験を日本海で実施したと発表した。日米韓3カ国の海上共同訓練への対抗措置としている。北朝鮮は昨年3月と同4月にもヘイルを実験しており、戦力化に向け改良を続けているとみられる。朝鮮中央通信が伝えた。ヘイルは、水中での核爆発で人工的に巨大な津波を起こし、艦船や港を破壊する兵器とされる。重要試験の詳細は明らかにされていないが、ヘイルを開発中の国防科学院水中兵器システム研究所が行ったという。

■北朝鮮労働者が中国でスト暴動-数千人規模を初確認-コロナ禍で賃金不払い(産経新聞2024.01.19)
https://www.sankei.com/article/20240119-F5K4USURTBP4HK3MCP2IJH6CPI/

北朝鮮が労働者を派遣した中国東北部・吉林省にある複数の工場で今月、長期間にわたる賃金不払いに端を発したストライキや暴動が連鎖的に拡大し、数千人規模に達したことが18日、分かった。元北朝鮮外交官の高英煥(コ・ヨンファン)氏が産経新聞に寄せた報告書で明らかにした。北朝鮮が派遣した労働者によるこの規模のスト・暴動が確認されたのは初めて。北朝鮮労働者の受け入れは国連安全保障理事会の決議で禁じられているが、中国やロシアなどは受け入れを維持。労働者が稼いだ外貨の多くはピンはねされて金正恩(キム・ジョンウン)政権に上納され、核・ミサイル開発の資金源になっているとされる。北朝鮮は事件の噂が広がらないよう情報統制を敷いているが、他の労働者の間に情報が拡散してストが頻発すれば、金政権の外貨収入源を揺るがしかねない。

■大規模ストは北朝鮮の資金源を直撃「現代版奴隷」-劣悪な労働環境も(産経新聞2024.01.19)
https://www.sankei.com/article/20240119-OURCJN5CDFK3XFOHQL5IPWQCKU/

北朝鮮労働者による中国での数千人規模のストライキ・暴動が判明した。この種の抗議が広がれば、金正恩(キム・ジョンウン)政権の外貨源が直撃を受けかねない。事件の経緯を記した元北朝鮮外交官、高英煥(コ・ヨンファン)氏の報告書は、賃金の大半を絞り取られ、劣悪な環境で徹底した監視下に置かれる労働者らの実態も明らかにした。派遣労働者は今も違法なサイバー活動による暗号資産(仮想通貨)奪取(22年に推定約7億ドル相当)に次ぐ外貨源と分析される。今回の騒動を受けてストが広がるなどすれば、金政権には大きな打撃となる。海外に送られる労働者は10カ月~1年超の身元調査や思想教育目的の講習などを経る。500~2千ドルの賄賂を朝鮮労働党の幹部らに贈る必要もある。出国できても、工場や建設現場で15時間以上の単純労働を強いられ、休暇はほとんどない。賃金の6割以上を北朝鮮側幹部らが中抜きする上、年間約8千ドルに上る金政権への上納金「忠誠資金」や寮費・食費を差し引くと、労働者が手にするのは月200~300ドル程度といわれる。

■パキスタン、イランが領内をミサイル攻撃と非難-緊張高まる(ブルームバーグ2024.01.17)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-17/S7ENP0T0G1KW00

イラン、パキスタン拠点の分離主義組織「ジャイシュ・アル・アドル」が標的だったと示唆/イランは16日にイラク北部も攻撃-パキスタン、大使召還へ/ジャイシュ・アル・アドルはイスラム教シーア派のイランから分離を目指すスンニ派の組織で、パキスタンとイランの国境地帯で活動。これまでイラン治安部隊に複数回の攻撃を仕掛け、最近では昨年12月に警察署を襲い、11人を殺害した。イラン、米国ともテロ集団と見なしている

■海運大手ハパックロイドとマースクが長期提携へ、290隻を共同運航(ロイター2024.01.17)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/FNQL2F7SANPQHPNC5QKVOUGHAE-2024-01-17/

ドイツの海運会社ハパックロイド(HLAG.DE), opens new tabとデンマークの海運大手APモラー・マースク(MAERSKb.CO), opens new tabは17日、2025年2月から始まる新たな長期提携契約を結んだと発表した。輸送能力は合わせて340万TEU(1TEUは20フィートコンテナ1個)となる。共同発表文によると、ネットワークの完全な導入後にスケジュールの信頼性を90%以上にすることを目指す。両社は290隻の船舶を共同運航し、マースクが60%、ハパックロイドが40%を配船する。マースクとの合意を受け、ハパックロイドは2025年1月末でアライアンスと呼ばれる海運同盟から離脱する。

(コメント:海運業界の勢力図が変動するとの観測あり。マースクは船社業も維持しつつ物流インテグレーターへ明確に舵を切る運営。また環境対応についても、船の整備だけでなくメタノール燃料の調達と拠点整備等、先手を打つ姿勢。運航規模のNo.1ではなく、総合力に重きを置く動き。/MSCはアジア域内航路を再編・拡充、ネットワーク強化。日本寄港サービスにおいては、日本―韓国・中国・東南アジア航路「Kaguya」で新たに清水港への寄港を開始するのに加え、東京港にも追加寄港し、東京の輸入サービス増便など。現在、勢いがあるのはMSC経営のほう)

■共産・不破氏、党指導部引退へ=93歳、理論的支柱(時事通信2024.01.17)

共産党の不破哲三前議長(93)が党指導部の中央委員から外れる見通しとなったことが17日、分かった。静岡県熱海市で開催中の党大会で代議員に提示された次期中央委員の候補者名簿から外れた。不破氏は名誉役員となる見通しで、人事案は大会最終日の18日に承認される。不破氏は党の理論的基礎「科学的社会主義(マルクス・レーニン主義)」の第一人者で、党の「理論的支柱」とされる。党幹部は「中央委員から外れれば、党運営に直接関与することはなくなる」と語った。今大会では在任期間が23年を超えて歴代最長の志位和夫委員長の去就にも注目が集まっている。志位氏と共に2004年の党綱領の全面改定に取り組むなど「現実・柔軟路線」を推進した不破氏の引退が正式に了承されれば、内外に党の世代交代を印象づけそうだ。

(コメント:つくづく「時代の流れ」ということを思います)

■ドイツ全土で大規模鉄道スト決行 過去最長、景気悪化の恐れも(共同通信2024.01.27)

ドイツ全土で大規模な鉄道ストライキが決行され、交通インフラに混乱が広がっている。ドイツ鉄道の運転士らでつくる労働組合が賃上げや労働時間短縮を求めて旅客鉄道で24日から始めたストは29日まで過去最長の6日間続く予定だ。貨物では23日から始まっており、物流機能のまひによる損失は10億ユーロ(約1600億円)に膨らむとの見方もある。不振のドイツ経済が一段と悪化する恐れがある。臨時ダイヤで一部は運行しているものの、主要都市を結ぶ長距離列車は8割が運休。地域の鉄道も多くが運行を停止している。地元メディアによると、ドイツ鉄道のストは昨年11月以来、4回目。

■ドイツ、極右政党の移民政策に抗議広がる 数十万人がデモ(ロイター2024.01.22)
https://jp.reuters.com/markets/global-markets/NMKU2MXJFZPL7H5SFFEXEXJD5E-2024-01-21/

ドイツ全土で極右政党「ドイツのための選択肢AfD」の移民政策に対する抗議デモが週末に行われ、数十万人が参加した。デモはAfD幹部が外国出身者の国外追放などを議論する会合に出席したと報じられて以降、勢いを増している。AfDは以前から反移民政策を掲げているが、調査ニュースサイトのコレクティブは「同化していない市民」を「北アフリカのモデル国家」に送還する案について報じた。一方AfDはこの計画は党の方針ではないとしている。21日のデモは、ベルリンやミュンヘン、ケルンに加え、ライプツィヒやドレスデンといったAfD支持者が比較的多い東部でも行われた。ミュンヘンでは参加者が想定以上となったため、予定よりも早くデモを終了した。警察によると約10万人が参加。主催は20万人が参加したとしている。

■ドイツ全土で農家らが抗議デモ 首都まひ状態、極右支持拡大(CNN2024.01.16)
https://www.cnn.co.jp/world/35213927.html

(コメント:農家たちは緊縮財政計画に対して不満をもって抗議デモ実行。今回の抗議デモでは、極右政党「ドイツのための選択肢[代替案]AfD:Alternative für Deutschland」が混乱に乗じて支持拡大。ショルツ首相は全土で続く抗議デモに対応できず。11日にコットブス市で行われた新鉄道整備場の落成式に出席した首相は、デモ隊の激しい反発に遭遇/ドイツ財政苦~コロナ禍、ウクライナ支援/財政目標遂行のため削減と節約~気候に悪影響を与える補助金の廃止、各部門の歳出削減、連邦補助金の削減など/農業の税制優遇縮小の緊縮財政計画あり、ドイツ農家の抗議デモ発生/脱炭素に関してEU世論は実際はバラバラ)

■ドイツでストや抗議デモ,交通物流大混乱,鉄道運休,農家はトラクターで道路占拠(ANN2024.01.12)

ドイツで鉄道の運転士や農家らが各地でストライキや抗議デモをしていて交通網や物流網に影響が出ています。ドイツでは鉄道運転士の労働組合が物価高を補う賃金上げと、週38時間から35時間への労働時間の短縮を求めて10日から3日間の全国的なストライキを実施しています。最大の鉄道会社「ドイツ鉄道」では長距離高速鉄道が平常時の2割ほどしか運行しておらず、数十万人の乗客に影響が出ています。貨物列車の運転士も9日からストライキに突入していて、物流面への影響も深刻です。また、農家らも今週、燃料の補助金削減に反対して抗議デモを行っています。ドイツ各地で都市の中心部をトラクターがクラクションを鳴らしながら走行する光景が見られました。ベルリンの観光名所、ブランデンブルク門の周辺や高速道路もトラクターやトラックで占拠し、ソーセージを焼くなどして交通渋滞を引き起こしました。

■林官房長官、中国談話に反論 「日台協力の深化図る」(時事通信2024.01.15)

林芳正官房長官は15日、台湾総統選で勝利した頼清徳氏に祝意を寄せた上川陽子外相に対し、在日中国大使館が反発を表明する談話を出したことについて「台湾での民主的な選挙の円滑な実施に対し、わが国はこれまでも祝意を表明している」と反論した。林氏は台湾について「基本的価値を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーで大切な友人」と指摘し、「日台間の協力と交流のさらなる深化を図る」と強調した。

■中国、上川外相の祝意に断固反対(共同通信2024.01.14)

在日中国大使館は14日、上川陽子外相が台湾総統選で勝利した民主進歩党の頼清徳副総統に祝意を示したことについて談話を発表し「強烈な不満と断固とした反対」を表明した。

■沖縄・ドイツの教育交流に意欲 駐日独大使が知事訪問(琉球新報2024.01.14)
https://ryukyushimpo.jp/news/politics/entry-2690388.html

クレーメンス・フォン・ゲッツェ駐日ドイツ大使とメラニー・ザクシンガー大阪・神戸ドイツ総領事らが10日、県庁に玉城デニー知事を訪ね、沖縄とドイツの教育関係の交流などについて意見交換した。ゲッツェ大使はドイツの大学制度を紹介し「沖縄の若い方々もドイツの大学で勉強してもらえたら」と話した。玉城知事は「若い方々がドイツの大学に関心を持てるように、大使館などを通じて情報を提供してもらいたい」と話し、学問交流に向けて協力を求めた。

(コメント:ドイツと沖縄には特別な関係がある模様…)

■ガザでの集団殺害の提訴巡り、国際司法裁判所で審理開始(ジェトロ2024.01.12)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/01/470f72e46dcebda0.html

オランダ・ハーグの国際司法裁判所ICJは1月11日、南アフリカ共和国が集団殺害の疑いでイスラエルをICJに提訴した件を巡り、審理を開始した。南アは12月29日、パレスチナ自治区ガザ地区のパレスチナ人に対する集団殺害罪の防止と処罰に関する条約(ジェノサイド条約)の下での、イスラエルによる義務違反の疑いに関して、ICJに対しイスラエルに対する訴訟手続きを開始していた。(中略)イスラエルのアイザック・ヘルツォーク大統領は9日、アントニー・ブリンケン米国務長官との会談で、今回の南アの提訴について「この主張ほど非道で、ばかげたものはない」と非難している。

■米英、フーシ派に軍事行動 紅海の商船攻撃に対抗-中東情勢、一段と緊迫(時事通信2024.01.12)

米英両軍は11日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派に対する軍事攻撃を開始した。紅海で繰り返している商船攻撃をやめさせるのが狙い。フーシ派は反撃する構えを示しており、イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突で中東情勢が緊迫化する中、地域の緊張が一段と高まりそうだ。(中略)米英両政府によると、攻撃はオーストラリア、バーレーン、カナダ、オランダが支援した。フーシ派幹部はX(旧ツイッター)で、イエメンの首都サヌアのほか、ホデイダ、ザマールなどの都市が爆撃を受けたと明らかにし、「これは聖戦だ」と報復を明言。フーシ派指導者のアブデルマリク・フーシ氏は攻撃前、テレビ演説で「米国のいかなる攻撃も、無反応では終わらない」と主張していた。フーシ派はハマスへの連帯を示すとして、イスラエルに関連すると見なした船舶をミサイルなどで攻撃してきた。米国防総省によると、昨年11月19日以降の商船攻撃は27回に上り、同月には日本郵船運航の船舶も拿捕された。紅海は国際海運の大動脈。米国は有志連合を主導し、軍艦を派遣して警戒に当たっているが、多くの海運会社が紅海の迂回を余儀なくされ、世界経済への悪影響に懸念が高まっている。

■「強烈な不満と断固反対」 台湾巡る麻生氏発言に反発-中国(時事通信2024.01.10)

在日中国大使館は9日、自民党の麻生太郎副総裁の台湾問題を巡る発言に対し、「強烈な不満と断固反対」を表明する報道官コメントを発表した。8日の講演で麻生氏が「(台湾海峡で)戦争になった場合、台湾にいる日本人を救出する準備が必要」などと述べたことに対し、報道官は「台湾問題は中国の内政であり、日本の安全保障と結び付ければ悲惨な結果をもたらす」と警告。「『台湾独立』活動と外部勢力の干渉こそ、混乱の原因だ」と主張した。

■日・ウクライナ外相会談(外務省2024.01.07)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/c_see/ua/pageit_000001_00001.html
追加支援の一環として、NATO信託基金に新たに約3,700万ドルを拠出し対無人航空機検知システム等を供与する/越冬支援について、追加で500万人以上の裨益が見込まれる可動式ガスタービン発電機5基の供与及び大型変圧器7基の輸送支援を行い、同7日にその供与式を行う

■日銀の早期「出口」観測が後退 能登地震の影響見極めか(時事通信2024.01.07)

金融市場で、日銀の大規模金融緩和策が早期に「出口」へ向かうとの観測が後退している。日銀は今月22、23日に金融政策決定会合を開くが、市場関係者の間では、元日の能登半島地震が国内経済に与える影響を見極める必要があるとして、マイナス金利政策の解除といった利上げは見送られるとの見方が強まった。(中略)日銀は11日に冬の支店長会議を開き、北陸地域の支店長らから被災状況や経済への影響について報告を受ける見通し。国内経済全体への影響も点検しながら、引き続きマイナス金利解除の時期を探っていく構えだ。

■中国、軍事行動の可能性低下 汚職原因、ミサイル燃料に水-米分析(時事通信2024.01.07)

米ブルームバーグ通信は6日、米情報機関の分析として、中国のロケット軍や防衛産業に広がる汚職が原因で、習近平国家主席が今後数年内に大規模な軍事行動を検討する可能性は低くなっていると報じた。一方で米情報機関は、最近の汚職摘発は習氏の共産党内での統制力が依然強固なことを示していると説明。汚職撲滅や規律向上を通じ、中国軍の長期的な戦闘準備に取り組んでいると指摘した。米情報機関は汚職に関連した不正として、ミサイルに燃料の代わりに水を注入していたことや、中国西部に配備したミサイル格納庫のふたが正常に機能しないものだったことを挙げているという。米側は中国軍内の汚職で「特にロケット軍に関し、全体的な能力に対する信頼喪失につながっており、優先課題である近代化の一部についても後退させている」と分析している。

■北朝鮮、黄海上で連日砲撃 韓国・延坪島北西に60発超(共同通信2024.01.06)

北朝鮮は6日午後4~5時(日本時間同)ごろ、黄海上の韓国領、延坪島の北西で60発以上の砲撃を実施した。韓国軍が明らかにした。北朝鮮の砲撃は2日連続。韓国軍は、南北が2018年の軍事合意で砲撃を禁じた緩衝区域に、5日に続き着弾したとの見方を示した。聯合ニュースによると、韓国が海上の境界線と位置付ける北方限界線の北側海域に着弾した。韓国軍は「朝鮮半島の平和を脅かし緊張を高める行為だ」と批判。北朝鮮が砲撃を続ける場合は「相応の軍事的措置を取る」と表明した。北朝鮮は5日にも、黄海上の延坪島、白ニョン島の北方で200発以上の砲撃を行い、韓国軍が対抗して砲撃訓練を実施した。

■北朝鮮、200発以上射撃 韓国の延坪島北方、住民に避難命令(時事通信2024.01.05)

韓国軍は5日、北朝鮮が同日午前9~11時(日本時間同)ごろ、黄海上の韓国の白※(※令に翊のツクリ)島と延坪島の北方で200発以上の射撃を行ったと発表した。いずれも韓国が境界線と定める北方限界線NLLの北朝鮮側に着弾し、被害はなかった。韓国軍合同参謀本部は「朝鮮半島の平和を脅かし、緊張を高める挑発行為だ」と批判。「危機が高まる状況の責任は全面的に北朝鮮にある」と警告した。聯合ニュースによると、韓国軍は対抗して両島に駐留する部隊の射撃訓練を実施した。両島の住民には退避所への避難命令が出された。

■インド版マイナンバー、世界へ 貧困層にも金融サービス-生体情報で個人識別(時事通信2024.01.04)

インドで個人識別番号を基盤にした「デジタル公共インフラDPI」が国民生活に変革をもたらした。貧困層を含むあらゆる人々に金融サービスを行き渡らせる「金融包摂」に貢献。政府はインドモデルを国外にも広げようと取り組んでいる。
北部ハリヤナ州の村にある病院の一角。担当者が住民の名前や生年月日などに加え、目の虹彩や指紋といった生体情報をパソコンに取り込んでいた。12桁から成るインド版マイナンバー「アーダール」登録のためだ。登録者は身分証となるカードの発行を受ける。アーダールはヒンディー語で「基礎」を意味する。申請が始まった2010年以降、23年末までに約13億8700万人が登録した。政府による個人情報収集への懸念はあるものの、カバー率は人口の9割を超える。
それまで本人を証明する公的書類を持たなかった貧困層も銀行口座を開設できるようになり、政府の給付金配布もスムーズになった。16年にはアーダールと連携する即時決済システム「統合決済インターフェースUPI」の運用が開始。スマートフォンを通じ原則手数料なしで送金できる仕組みで、今や道端の露店でもUPIに基づくキャッシュレス支払いに対応したQRコードが掲示されている。アーダールとひも付く形で公的書類をクラウド上に保管できる仕組みや電子署名といった機能も追加されてきた。政府はこうした重層的なサービス群であるDPIのソースコード(設計図)を公開。それを活用する形でフィンテック関連のスタートアップ(新興企業)が次々と生まれている。日本貿易振興機構(ジェトロ)ニューデリー事務所の大瀧拓馬産業調査員は「個人認証を活用したスタートアップが新たなサービスを生み、社会に良い流れを生んでいる。インドから見習うべきことは多くある」と話す。
インドは23年11月、DPIを開発する国を支援する基金の立ち上げを発表した。インド政府によれば、既にパプアニューギニアや西アフリカのシエラレオネ、カリブ海の島国トリニダード・トバゴといった国々とインド方式を採用したDPI開発に関する覚書を結んでいる。インドは新興・途上国「グローバルサウス」の盟主を自任しており、ノウハウの輸出により途上国への影響力浸透を図りたい考えも透ける。日本はUPIへの参加に興味を示している。

■イラン南東部で2回爆発、100人超死亡 殺害司令官の墓近辺(ロイター2024.01.04)
https://jp.reuters.com/world/security/MO5HKNYTFFJPJDDE33WVW5IQG4-2024-01-03/

イラン南東部ケルマンで3日、爆発が2回あり、エイノラヒ保健相によると、95人が死亡、211人が負傷した。政府当局者は「テロリストによる攻撃」という認識を示している。犯行声明は出ていない。国営テレビによると、2020年に米軍の無人機攻撃で殺害されたイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の墓のある墓地で行われていた追悼式典中に爆発が発生した。1回目の爆発から20分後に2回目の爆発があったという。
地元当局者は国営イラン通信IRNAに対し、「墓地に通じる道沿いに仕掛けられた爆発物2つがテロリストの遠隔操作によって爆発した」と語った。ライシ大統領は「凶悪かつ非人道的な犯罪」と非難した。国営イラン通信IRNAによると、ライシ大統領は事件を受け、4日に予定していたトルコ訪問を中止した。最高権力者ハメネイ師は声明で「間違いなく厳しい対応が取られる」と警告したほか、バヒディ内務相も「イラン治安部隊による強力かつ断固たる対応」が取られると言明した。
他国からも非難の声が上がり、ロシアのプーチン大統領は、イラン指導部に哀悼の意を表した上で、罪のない人々に対する攻撃は残虐で衝撃的とし、「いかなるテロ」も非難すると述べた。ロシア通信社RIAノーボスチがロシア大統領府(クレムリン)の声明を報じた。こうした中、コッズ部隊のガアニ司令官は、爆発が「シオニスト政権(イスラエル)と米国の工作員」によるものと主張。国営テレビは、群衆が夜間に墓地に集まり、「イスラエルに死を」、「アメリカに死を」と叫ぶ映像を放映した。米国務省のミラー報道官は記者会見で、米国はいかなる形でもイランの爆発に関与しておらず、イスラエルが関与していると信じる理由もないと述べた。米国家安全保障会議NSCのカービー戦略広報調整官も、米国はイスラエルが爆発の背後にいた兆候を確認していないと述べた。

■原薬製造、30年ぶり国内回帰=抗菌薬、中国依存脱却へ-製薬企業(時事通信2024.01.03)

日本の製薬企業が、約30年ぶりにペニシリンなど抗菌薬の原薬製造に乗り出す。特に、注射で使われる抗菌薬の原薬のほとんどは中国からの輸入に頼り、供給が止まると手術や治療に深刻な影響を及ぼす恐れがある。このため政府は、抗菌薬を経済安全保障上の特定重要物資に指定。国内への生産回帰を促し、2030年までに安定供給できる体制の構築を目指している。
原薬は、医薬品の有効成分となるもので、日本企業はかつて抗菌薬と原薬の製造で世界をリードしていた。しかし、薬価改定などによる採算の悪化で、1990年代以降は原薬を中国から輸入するようになった。2019年、一部の原薬輸入が途絶え、医療現場で手術が延期される事態が発生。経済安保上の懸念が高まり、政府は23年7月、明治ホールディングス傘下のMeiji Seikaファルマ(東京)と、塩野義製薬の子会社シオノギファーマ(大阪)を中心とする二つの企業グループを対象に、製造設備や備蓄体制の整備に向け計553億円の支援を決めた。Meiji Seikaファルマは、1994年までペニシリンの原薬を製造していた岐阜工場(岐阜県北方町)で再開準備を進めており、2030年までの量産体制の整備完了を目指している。原薬のもとになるかび菌や当時の技術者が社内に残っていたことが再開の決め手となったという。
原薬の製造・管理や廃水処理などのルールは高度化しており、大掛かりな整備が必要だが、渡辺学生産副本部長は「経済安保や地政学リスクを考えると、国内で原薬を自給自足できる体制を整えることは重要だ」と強調する。これに対し、シオノギファーマには今回対象となった抗菌薬原薬の製造実績はない。「自分たちがやらなければ誰がやるのかという使命感と危機感」(同社)から、知見のある技術者の協力を得たり、資料や文献を収集したりして技術開発を進めている。24年度以降、同社金ケ崎工場(岩手県金ケ崎町)で原薬の試験製造を始める予定だ。

■イスラム教では最大の冒涜とされる行為「神が私の口を通じて言葉を発した」発言を、最高指導者がやらかしてしまった、ということで、方々で炎上しているとのこと。イスラム教では、そう言って良いのはイスラム教の創始者マホメットのみである、というルール。

https://twitter.com/IranIntl_En/status/1742251402456400151
Iran International English@IranIntl_En,2024年1月3日午前3:27
ICYMI: Iran’s 84-year-old ruler Ali Khamenei’s claim that God once spoke through him has led to sharp criticism and ridicule in the Iranian social media space.
https://iranintl.com/en/202401029230
ICYMI:イランの84歳の統治者アリ・ハメネイ師の、神はかつて自分を通して語られたとの主張は、イランのソーシャルメディア空間で鋭い批判と嘲笑につながった。
https://twitter.com/IranIntl_En/status/1742055533358530995
Iran International English@IranIntl_En,2024年1月2日午後2:29
Iran's Leader Ali Khamenei, in his meeting with the family of slain IRGC-QF chief Qassem Soleimani, suggested that God speaks through his mouth. "I delivered a very warm and eloquent speech, but I hadn't prepared it. God kept uttering the words. It was my mouth and God's words."
イランの指導者アリ・ハメネイは、殺害された革命防衛隊QF長官カセム・ソレイマニの家族との会談で、神は自分の口を通して語られると示唆した。「私はとても温かく雄弁なスピーチをしましたが、準備していませんでした。神は言葉を発し続けました。それは私の口であり、神の言葉でした。」

■拡大BRICSで欧米対抗 議長国のロシア、外交の主軸に(共同通信2024.01.02)

ロシアは1日から、中国やインドなどとつくる新興5カ国BRICSの議長国になった。プーチン大統領は同日発表の声明で「世界の公正な発展に向けた多国間主義強化」を進めると表明。1日から新規加盟5カ国を加えて計10カ国になった拡大BRICSを、ウクライナ侵攻で制裁を科す欧米に対抗する枠組みに成長させる姿勢を鮮明にした。ラブロフ外相も昨年末のインタビューで、BRICSを「国際政治に定着させていく」と発言。2024年のロシア外交はBRICS強化を軸に展開していくことになりそうだ。ロシアは今年10月、中部カザンで拡大後初の首脳会議開催を計画している。

■日航機、海保機と衝突炎上 乗客乗員は脱出、海保側5人死亡(共同通信2024.01.02)

2日午後5時50分ごろ、東京都大田区の羽田空港C滑走路で、札幌発羽田行き日航516便エアバスA350(乗客367人、乗員12人)が、海上保安庁の航空機ボンバルディアDHC8-300(乗員6人)と衝突、炎上した。日航機の乗客乗員はいずれも脱出し、命に別条はない。海保機の5人が死亡した。日航や海保などによると、海保機は羽田航空基地所属。1日に石川県で最大震度7を観測した能登半島地震の対応で新潟航空基地へ物資を搬送する途中だった。滑走路を走行中に衝突し、海保機も炎上した。機長は脱出し、意識はある。警視庁によると、けがをしている。日航機の乗客のうち8人は幼児。乗客乗員は脱出シューターを使って機外に出た。羽田空港は4本ある滑走路全てを閉鎖した。首相官邸は2日、官邸危機管理センターに情報連絡室を設置した。

(コメント:亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします)

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■フーシ派、紅海で攻撃継続 米軍と交戦で声明(共同通信2024.01.01)

イエメンの親イラン武装組織フーシ派は12月31日、紅海でコンテナ船を襲撃したとされるフーシ派のボート4隻と米軍の交戦に関し、メンバー10人が死亡したと声明で明らかにした。ボートは通常の警戒活動を行っていたと主張し、敵視するイスラエルに向かう船舶へ攻撃を続ける構えを示した。米中央軍によると、ボートはコンテナ船に発砲しながら接近し、乗船を試みていた。出動した米軍ヘリコプターに発砲したため自衛措置として応戦し、ボート3隻を沈めたという。ロイター通信などによると、コンテナ船はエジプトのスエズ港に向かっていた。紅海周辺ではフーシ派による民間船への攻撃が相次いでおり、米国などは商船保護のため多国籍部隊を発足させ、警戒を強めている。フーシ派は声明で「米国の危険な動き」に加わってはならないと牽制した。

■偵察衛星、24年に3基打ち上げ 韓国と統一「成し遂げられず」-北朝鮮(時事通信2023.12.31)

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、平壌で30日まで開かれていた党中央委員会総会で、2024年に軍事偵察衛星を追加で3基打ち上げると表明した。また、北朝鮮は今後、韓国との「統一は成し遂げられない」として、対韓政策の転換を宣言した。朝鮮中央通信が31日、報じた。
北朝鮮は、2度の失敗を経て、2023年11月に軍事偵察衛星「万里鏡1号」の打ち上げに成功。正恩氏は、打ち上げ成功は北朝鮮の「戦略的な力を高い段階に引き上げた」と強調。追加打ち上げに向け、宇宙科学技術発展のための「国家レベルでの対策」が取られたとも語った。正恩氏は、韓国との関係に関し「同族関係ではなく、敵対的な国家関係、戦争中の交戦国の関係」だと指摘。「これが北と南の関係を示す現在地」との認識を示し、党統一戦線部といった対韓政策を担う組織の整理、改編を行う考えを明らかにした。一国家二制度の連邦制を唱えた故金日成主席以来の統一政策を改める意向を表明した。

(コメント:北朝鮮は、韓国との統一は成し遂げられないとして政策の転換を表明。「統一」ではなく「平和共存」が政策目標か。日本含む西側諸国にとっては、北朝鮮が攻撃的である方が防衛大義が成立する分、今後の見通しがつきやすい。対中・対露防衛網を含めて、いっそう難しい判断を迫られる)

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■次期戦闘機「日本主導」に影 第三国輸出、英伊と溝-与党協議、公明の対応焦点(時事通信2024.01.03)

自民、公明両党は1月に、防衛装備品の輸出拡大を巡る実務者協議を再開させる方向で調整に入った。国際共同開発した完成品の第三国への輸出が主要議題。英国、イタリアと次期戦闘機の開発・生産体制の交渉を進める政府は、完成品輸出を禁じた現行制度が日本の立場を弱めかねないと懸念し、「わが国主導の開発」を掲げて与党に2月中の決着を求めた。公明の対応が焦点となる。
防衛装備移転三原則の運用指針は、共同開発について、開発相手国以外への移転を認めていない。自公は2023年4月に指針見直しの実務者協議を開始し、7月の中間報告では容認論が「大勢を占めた」と踏み込んだ。だがその後、公明が態度を硬化させたため結論は先送りされた。
開発体制の交渉は、参画企業の共同事業体(JV)が24年3月に基本合意され、本格化する。日本が輸出を認めるかどうかは全体の受注量に関わり、整備する生産ラインの規模も変化する。受注が減れば単価が上がり、英伊の輸出計画にも影響を及ぼす恐れがある。
日本はレーダーや機体の軽量化技術などの分野に強みがあるとされ、エンジンなど主要な部品開発でも主導権を握りたい考え。防衛省幹部は「このままでは英伊だけで話が進んでしまう」と危惧する。
英国は悪影響を懸念し、早くから日本側への働き掛けを重ねてきた。ロングボトム駐日大使は23年6月、与党協議座長の小野寺五典元防衛相(自民)らに対し、日本の制度を「ナンセンス」と指摘して対応を要求。12月上旬には英航空防衛大手BAEシステムズの担当者も小野寺氏らと会い、輸出禁止の弊害を説明した。同月14日に東京で行われた日英伊の防衛相会談では、英伊が「輸出の重要性」を強調した。
年明けの与党協議では、自民が公明に党内議論を深めるよう求める見通し。ただ、公明内は「戦闘機は正面装備だ」(関係者)として慎重論が根強いまま。山口那津男代表は12月22日、記者団に対し「党内的にも国民的にもコンセンサスが形成されているとは思えない。2月うんぬんにとらわれる必要はない」と述べ、政府・自民をけん制した。

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■海岸線、250メートル動く 輪島市の漁港付近-東大など・能登地震(時事通信2024.01.04)

最大震度7を観測した能登半島地震で、東京大地震研究所などは4日、能登半島北西部の現地調査結果を公表した。石川県輪島市の鹿磯漁港で約3.9メートルの隆起が観測されたほか、同漁港近くの砂浜では隆起に伴い、海岸線が海側に約250メートル移動していた。同研究所の石山達也准教授らは2日から調査を開始。3メートルを超える隆起は、鹿磯漁港から南側約4キロにわたる海岸沿いで確認された。また、志賀町赤崎漁港の隆起は約0.25メートルにとどまったものの、漁港施設への津波被害が確認された。倉庫の外壁などの痕跡から、津波の高さは約4.2メートルと推定された。

(コメント:海岸線が大きく隆起、移動。津波は隆起後に押し寄せたため、内陸深くまで入り込まなかったとのこと。これだけ大きな地形変動があると、従来の岸壁もかさが増すため、上陸は困難。強襲揚陸艦やLCAC上陸は合理的と思われる。さらに当時は荒天で、荒波に立ち向かう事態に。訓練よりも困難な荒波であったと思われますが、LCAC技術に感服)

■震源断層、長さ150キロか輪島市西部が4メートル隆起-政府調査委(時事通信2024.01.02)

政府の地震調査委員会は2日、最大震度7の能登半島地震について臨時会合を開き、震源断層は半島の北西部から北東沖まで長さ150キロ程度と考えられるとの評価をまとめた。続発する地震の分布や地殻変動の解析結果から推定され、マグニチュードが7.6と大きかったことを考えれば、相応の規模だという。ほぼ半分が海底に位置し、断層の南東側が上へずれる「逆断層」であるため、津波を引き起こしたとみられる。国土地理院の衛星観測データ解析では、能登半島北西部にある石川県輪島市西部が最大約4メートルも隆起するとともに、西へ最大約1メートル移動した。能登半島の北岸沖から北東沖の海底には活断層があることが知られるが、平田直委員長は記者会見で、今回の震源断層と結び付くかは「まだ分からない」と話した。半島北部では3年前から活発に地震が起きており、「一連の地震活動は当分続く。今回の地震の影響で少なくとも数カ月間は時々大きな地震が起きる」として、改めて注意を呼び掛けた。

■海路で支援物資輸送へ 国、港湾被害確認急ぐ(共同通信2024.01.02)

石川県で最大震度7を観測した地震を受け、国土交通省は2日、海路での支援物資輸送に向けて港湾施設の被害確認を本格化させた。陸路での輸送が難しいためで、担当者は「2日午前に津波注意報が解除され、ようやく作業ができるようになった」と説明。搬入先となる港の選定を急ぎ、着岸できる港があれば3日にも送り届ける方針だ。国交省によると、輪島市や珠洲市のある能登半島北部に向かう道路の多くは、路面が壊れたり、段差ができたりしており、復旧の見通しは立っていない。岸田文雄首相は2日、「最低限の修正で道路を開くことに取り組むとともに、海路確立のため港湾の安全確認などを行っている」と強調した。

■石川で震度7 能登に一時大津波警報-家屋倒壊など多数か(時事通信2024.01.02)

1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする地震があり、同県志賀町で震度7の揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さは16キロ。地震の規模マグニチュードは7.6と推定される。気象庁は同県能登地方に大津波警報を発令、午後8時半に津波警報に切り替えた。山形、新潟、富山、石川、福井、兵庫各県に津波警報、北海道から長崎県までの日本海側などに津波注意報を出していたが、2日午前1時15分にすべて注意報に切り替えた。1日午後8時までに石川県輪島市で1.2メートル以上、金沢市で90センチ、山形県酒田市と富山市で80センチ、北海道せたな町で60センチ、新潟県柏崎市などで40センチの津波を観測した。

(コメント:政府は特定災害対策本部を非常災害対策本部に格上げ。馳浩知事は陸上自衛隊に災害派遣を要請。気象庁は「令和6年能登半島地震」と命名。石川県で震度7を観測するのは初めてで、大津波警報は2011年の東日本大震災以来の発令)

■岸田首相、被災状況の把握指示 政府の調査チームを派遣(日本経済新聞2024.01.02)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA010TQ0R00C24A1000000/

岸田文雄首相は1日午後、石川県で起きた最大震度7の地震を巡り、被災状況を迅速に把握して救命・救助などに全力であたるよう関係省庁に指示した。首相公邸から首相官邸へ入る際に記者団に説明した。政府は同日夜、松村祥史防災相をトップとする特定災害対策本部を開いた。被害状況の把握に向けて古賀篤内閣府副大臣ら内閣府調査チームを石川県庁に派遣すると決めた。首相は地震発生直後に①国民への津波や避難などに関する情報提供を適時的確に行うとともに住民避難などの被害防止の措置を徹底すること②早急に被害状況を把握すること③地方自治体とも緊密に連携し人命第一の方針のもと、政府一体となって被災者の救命・救助等の災害応急対策に全力で取り組むこと――の3点を指示した。(中略)帰省のため地元を離れていた石川県の馳浩知事は首相に先立って官邸に入った。官邸で記者団に「林官房長官と一緒に情報共有して対応したい」と話した。馳氏は同日夜、官邸を出て自衛隊のヘリで県庁に戻ると表明した。石川県は副知事を通じて自衛隊の災害派遣を要請した。官邸には地震発生直後から林氏のほか松村防災相、村井英樹官房副長官らが集まって、情報収集などの対応にあたった。災害対応を担う村田隆内閣危機管理監は官邸に入らなかった。体調不良により入院中のためで、必要な情報は随時報告を受けているという。官邸では代理として鈴木敦夫官房副長官補が対応にあたっている。自民党は1日、同日夕の地震を受けて、党内に「緊急対策室」を設置した。茂木敏充幹事長が声明で明らかにした。「政府と連携し、迅速な被害状況の把握に取り組む」と強調した。

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興味深いX(旧ツイッター)ポスト・コメント:金属リサイクル業界について
https://twitter.com/steel_arai/status/1741220354939654330(旧ツイッター2023.12.31)

バタバタしてて書いてなかった、今年の金属リサイクル業のまとめを書いていくのだ。今年はというか、毎年判を押した状況ではあるが「モノ不足」が業界紙の紙面を飾った一年であった。
恐らく業界の一年の言葉に採択される言葉なのと、業界紙でネタに困ったら、使えばいいだろうと言う感じの単語だと思うのだ。原因としては、一部外国人の不法ヤードが回収してるというのもあると思うので、後述するのだが、対策をバンバンしてほしいのだ。
そしてクソゲーじゃないが、年末の魔物の如く日本製鐵がUSスチールを買収するというニュースが流れたのだ。これにより日本製鐵は世界第3位の製鋼業になる予定なのだ(米国の認可待ちなのだ)。そして、SDGS等環境に配慮した水素還元製鉄技術や電炉等への変換により二酸化炭素の発生を減少させるグリーン鋼材を発売する等、環境対策に強い方向に進んでいき始めているのだ。
只、資源高が要因となり電力が高くなった結果、水を差す結果になった部分があったので、其の辺については技術革新等でカバーしてほしいと思ったのだ。
それと、ようやくであるが一部の外国人による不適切ヤードに対する対策として先ずは日本鉄リサイクル工業会とメーカーが連結して、不適切ヤードから生産される製鋼原料は購入しないという方向になったのだ。かなりガバガバだけれど、先ずは足場からなのだ。
さて、来年であるが、中国の不動産バブルの崩壊の本格化とアメリカEUの景気後退による世界恐慌になると見てるのだ。著名な投資家の一部は米国ダウベースで50〜62%まで今後下落するという予測を立てており、鉄イさん的にも秋頃くらいからその傾向が見られると思うと予測してるのだ。まさに真冬の到来の予感なのだ。
しかしながら、資源業界全般に言えることだが、2020年のコロナショックを起点に相場は高騰し、現状でも高価格帯が継続していて、まさにバブル状態なのだ。無論、スクラップの発生が少ないという現状ではあるが、各業者はかなりの利益を上げ、経営が相当安定した所が多いと思うのだ。だから世界恐慌が発生しても乗り越えられる状況にある、当に僥倖であると思うのだ。それこそ「行くぞ、金属リサイクル業!資金の貯蔵は十分か!」といったところなのだ。
だから数年はしんどい状況になると想定されるが各ヤードは生き残れると思うのだ(人のリクルートもしやすくなると思うのだ)。それを踏まえ来年からは守りの年になると思うのだが、お互い踏ん張って頑張っていくのだ。以上なのだ。

■日本製鉄、USスチールを買収、鉄鋼の生産規模は世界2位に(ジェトロ2023.12.19)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/12/23d81f99dc5912c3.html

日本製鉄と米国のUSスチールは12月18日、日本製鉄がUSスチールを約141億ドル(負債を含む総額約149億ドル)で買収する最終合意に達し、買収契約を締結したと発表した。これを受け同日、USスチールの株価は、市場前の取引で29ポイント急騰した(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版12月18日)。世界鉄鋼協会によると、日本製鉄は年間約6,600万トン、USスチールは2,000万トンの鉄鋼を生産している。今回の買収により、日本製鉄は、中国の中国宝武鋼鉄集団に次ぐ世界2位の鉄鋼メーカーとなる(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版12月18日)。(後略)