2024年2月の時事情勢メモ
■次期戦闘機の第三国輸出巡る、自公協議再開 両政調会長が「2月末結論」で一致
(防衛日報デジタル2024.02.21)https://dailydefense.jp/_ct/17685366
次期戦闘機を含めた国際共同開発する防衛装備品の第三国輸出の是非を巡り、自民、公明両党の政調会長は21日、国会内で初協議を行った。英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機を念頭にした国際共同開発の第三国輸出の結論を2月末までに示すことで、両政調会長は一致した。両党の実務者間で協議していたが、公明側が慎重姿勢を示し、議論が停滞。岸田文雄首相(自民党総裁)が公明の山口那津男代表に協議を要請したことで、議論が再開された。
■中国の「海外警察拠点」捜索 詐欺容疑で2人を書類送検-警視庁(時事通信2024.02.21)
新型コロナウイルス対策の持続化給付金を不正受給したとして、警視庁公安部は21日、詐欺容疑で、ともに中国籍の女で、会社経営者44=東京都墨田区=と会社役員59=埼玉県蕨市=を書類送検した。捜査関係者によると、公安部は関連先として、中国が非公式に運営しているとされる都内の「警察拠点」を家宅捜索した。送検容疑は2020年7月、整体院の個人事業主を装って、国の持続化給付金100万円をだまし取った疑い。中国の警察拠点を巡っては、スペインの人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」が2022年、53カ国に102カ所設置されていると指摘した。日本国内の拠点は2カ所あるとされ、公安部は昨年5月、そのうちの一つとみられる千代田区内のビルを捜索。2人は当時、ビルを所有し、事務所を構えていた団体の幹部を務めていた。
■東証、時価総額がアジア首位に 中国経済の減速、上海を逆転(共同通信2024.02.19)
東京証券取引所に上場する株式の時価総額の合計がアジア首位となったことが19日、分かった。2020年7月に中国の上海証券取引所に抜かれて以来、3年半ぶりの返り咲き。中国経済の減速を受け、海外投資家を中心に、資金の流入先が中国から日本へ転換し、逆転につながった。国際取引所連合の統計によると、1月末時点で、東証を中心とする日本取引所グループの6兆3400億ドル(約950兆円)に対し、上海は6兆433億ドル。JPXは世界4位に上昇した。上海が追い越した20年7月はJPXが5兆5518億ドル、上海は6兆347億ドルだった。野村証券の寺田絢子ストラテジストは背景を「不動産市況の悪化で中国の景気が悪い上、政府によるIT企業などへの規制強化で投資家に不安が広がっている」と分析する。米中対立など地政学的リスクから「中国を外したサプライチェーン構築の動きもあり、投資対象として厳しくなっている」とみる。東京株式市場では日経平均株価が高値で推移。年初から先週末までの上げ幅は5千円を超えた。
(コメント:経済対策の効果が花開いたという感じ。コロナ禍ハードルは大きかった。いろいろ感慨深いところかと思案)
■自民、来月から議員教育開始へ 派閥に代わり、中堅・若手対象に(共同通信2024.02.18)
自民党は派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、派閥に代わり党本部として中堅・若手議員教育を来月開始する方針を固めた。人材養成の党内組織「中央政治大学院」を強化し、政策講義を定例開催する。関係者が18日明らかにした。全6派閥のうち4派が解散方針を決めており、穴埋めを狙う。一方麻生派と茂木派は政策集団として集まりを維持する意向で、派閥解消を前提とする議員教育活動を党内に浸透させるのが課題となる。
(コメント:人材養成を強化。口の軽さ脇の甘さが気になる議員を再教育もあり、かも)
■アストロスケール、衛星打ち上げ成功 宇宙ごみ調査へ(日本経済新聞2024.02.19)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC190SB0Z10C24A2000000/
デブリ除去サービスのアストロスケールホールディングス(HD、東京・墨田)は19日、人工衛星の打ち上げに成功したと発表した。衛星はデブリを調査する目的で打ち上げられ、数カ月間の運用を見込む。デブリに最短で数メートルまで接近し、撮影して劣化状況などを確認する。衛星は18日午後11時52分(日本時間)、ニュージーランドからロケットに搭載されて打ち上げられた。高度約600キロメートルでロケットから分離され、地上と正常に通信できることを確認したとしている。デブリ調査は世界初の試みとなる。宇宙航空研究開発機構JAXAのプロジェクトの一環で、アストロスケールHD子会社、アストロスケールが選ばれた。アストロスケールはデブリとなった日本製ロケットの上部を調査し、撮影データをJAXAに提供する。JAXAは改めて民間事業者を選定し、2026年度以降にこのデブリ除去を目指す。
■災害時の医薬品供給「能登の事例を分析」厚労省(MEDIFAXweb2024.02.19)
https://mf.jiho.jp/article/248562
厚生労働省の内山博之医薬産業振興・医療情報審議官は16日の衆院内閣委員会で、1月の能登半島地震を踏まえた大規模災害発生時の医薬品供給の在り方を問われ、「薬剤師会や卸売業者などの協力による今回の事例をよく分析しながら検討する」などと述べた。髙木啓氏(自民)への答弁。内山氏は能登半島地震が発生した直後から「厚労省、石川県庁、現地の卸業者などが連携し、必要な医薬品を供給できるよう努めた」と説明。現地の医療機関から県庁などに要請があった医薬品は基本的に翌日には現地に届けられる体制を整備したという。また各地から派遣されたモバイルファーマシーが避難所を巡回するなどし「被災地における医薬品の安定的な供給に尽力いただいている」とした。その上で、「災害発生時に迅速に医薬品を安定供給できる体制の整備は不可欠」と指摘。「薬剤師会や卸売業者などの協力による今回の事例をよく分析しながら、発生直後においても医薬品が迅速に安定的に供給される方策について、不断に検討する」と述べた。
・能登地震で最大73製品が出荷停止/参院災害対策特別委員会でも医薬品の安定供給の在り方が取り上げられた。三浦靖厚生労働大臣政務官によると、能登半島地震により最大73製品が出荷停止、1製品が限定出荷になったという(いずれも1月11日時点、2月15日現在では出荷停止3製品、限定出荷18製品)。質疑に立った芳賀道也氏(国民民主)は南海トラフ地震を見据え、災害時は製造責任者などが他の地域の稼働可能な工場に移り、医薬品の生産を再開する特例措置を設ける必要性を訴えた。三浦政務官は「医薬品製造では、工場ごとに管理責任者が異なり、各工場においてそれぞれの管理責任者の下で、医薬品の製造方法、設備、原料資材等が適切に管理される必要がある」と説明。「医薬品の製法に詳しい者でも、その者が当該工場の部外者である場合は、医薬品の適正な製造管理等に支障が生じる恐れがあるため、当該工場の設備等の利用は認められない」とした。その上で、東日本大震災では製造所の追加など一部変更の承認手続きを緊急的に実施し、能登半島地震でも相談窓口を設置したというこれまでの取り組みを紹介した。
・GLP-1を調べると「痩せ薬の広告が氾濫」/この日の衆院内閣委員会では、GLP-1受容体作動薬の美容・ダイエットを目的とした適応外使用についても質疑があった。髙木氏は「ネットで検索するとすぐに『痩せ薬として処方する』という広告が氾濫をしている」と指摘。「被災地の避難所だけでなく通常の医療にも支障を来すことになるのではないか」と厚労省の見解をただした。吉田易範大臣官房審議官は、承認効能以外の目的で使用した場合は医薬品副作用被害救済制度による救済給付を受けられない可能性が「非常に高い」と指摘。「制度等の対象とならないことを明示することを新たに求める検討を行っている」と答弁した。
■米大統領に望ましいのはバイデン氏=「予測しやすい」-ロシア大統領(時事通信2024.02.15)
ロシアのプーチン大統領は14日放送されたインタビューで、米大統領として民主党現職のバイデン氏が共和党のトランプ前大統領より望ましいとの考えを示した。ロイター通信などが報じた。2024年大統領選に関し、プーチン氏が公に言及するのは初とみられる。ロイターによると、プーチン氏はバイデン氏とトランプ氏のどちらが「われわれ(ロシア)にとって良いか」と問われ、ためらいなく「バイデンだ。より経験があって予測しやすい、昔ながらの政治家だ」と返答した。「もっとも、米国民が選んだ大統領なら、誰であれ共に働く」とも語った。81歳というバイデン氏の年齢を巡る不安に関しては「3年前に会った時、既にそうした指摘はあったが、不安に値するようなことはなかった」と述べた。プーチン氏の発言についてトランプ氏は14日、南部サウスカロライナ州で行った演説で「最大の賛辞だ」と主張。自身がロシアにとって最も手ごわい相手だと強調した。
■米中外相がミュンヘンで会談、「建設的な」協議と中国外務省(ロイター2024.02.17)
https://jp.reuters.com/world/us/VSN37OJB5FJWZGQUHGERB4IVF4-2024-02-17/
中国の王毅外相とブリンケン米国務長官は16日、ドイツで開催されているミュンヘン安全保障会議の場で会談した。中国外務省が17日発表した声明によると、両氏は「率直で実質的かつ建設的な」議論を行った。王氏は、中国の企業や個人に対する制裁解除についてブリンケン氏と協議したという。また、「デリスク(脱リスク)を脱中国に仕立てて、小さな庭と高い壁を築き、中国からのデカップリング(切り離し)を求めること」は逆効果になるだけだと指摘した。中国外務省は、ウクライナ危機や朝鮮半島を含む地域問題についても意見交換が行われたとしたが、詳細には言及しなかった。米中関係は昨年11月に首脳同士が会談し、医療用麻薬フェンタニル対策や軍事対話、人工知能AI分野などに関して合意して以降、一定の進展が見られている。
■キャメロン英外相、中国外相と会談 紅海危機や人権問題を提起(ロイター2024.02.17)
https://jp.reuters.com/world/china/AW6ITCZXUBNMFNFMKUJ4DVS22Y-2024-02-17/
キャメロン英外相は16日、ドイツで開催されているミュンヘン安全保障会議に合わせて中国の王毅外相と会談した。英外務省が17日に発表した声明によると、キャメロン氏は、中国がイランへの影響力を行使して、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海での行動に圧力をかけるべきだと述べた。また、新疆ウイグル自治区と香港の人権問題に対する英国の立場を示したほか、英議員らが中国の制裁を受けている問題を提起。香港国家安全維持法(国安法)違反の罪などで起訴されたメディア王の黎智英(ジミー・ライ)氏の釈放を改めて求めたという。中国外務省の声明によると、王氏は双方が戦略的なコミュニケーションを強化し、安全保障促進と平和維持にそれぞれの役割を果たすべきだと述べた。
■欧州委、農薬使用削減法案を撤回へ、農業生産者への支援強化の動き(ジェトロ2024.02.13)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/02/34da660b469dfafb.html
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は2月6日、欧州議会本会議に出席し、2030年までに化学農薬の使用量を50%削減するとした規則案を撤回する方針を表明した。農業生産者が強く反発していた同規則案は、欧州議会が2023年11月に第一読会で事実上否決し、EU理事会(閣僚理事会)での協議も停滞していた。同委員長は同時に、農薬の使用削減に取り組み、農業と環境保護の両立に向けた意欲をあらためて示した。EU各国での農業生産者の抗議活動を受け、欧州委はこのところ農業関連の提案を相次いで行っている。(中略)また、欧州委は同日、共通農業政策CAPの直接支払いの受給に当たって生産者に課す農地の4%を休耕地とする義務について、2024年初めより1年間、一定条件下で免除するとした実施規則案を提案。同規則案はEU加盟国による審査を経て欧州委の採択後、EU官報掲載翌日に発効する。
(コメント:最近のEU農業関係者デモ騒動の、続報。欧州委員会は農薬使用削減法案SURを撤回。抗議デモでも大きく上がっていた要請のひとつで、EU農業関係者は少し息をつける状態になったかと思案)
■ナワリヌイ氏追悼の100人超拘束 ロシア各地で献花・集会(時事通信2024.02.17)
ロシアのプーチン政権を批判してきた反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏47が16日、極北の刑務所で死亡したという当局の発表を受け、ロシア国内で追悼の動きが広がった。人権団体OVDインフォなどによると、各地でジャーナリストを含めて100人以上が拘束された。(中略)モスクワで人々が献花したのは、ソ連時代に強制収容所があった白海の諸島から命名された「ソロベツキーの石」と呼ばれる追悼碑。国家保安委員会KGBの後継機関、ロシア連邦保安局FSBの本部があるルビャンカ広場に置かれている。プーチン氏はKGB出身。
(コメント:渦中の人物、故ナワリヌイ氏。単なる反体制派指導者としては扱いが大きく、ロシア政府にとっては外患誘致罪を適用すべき人物であったかと思われる。アメリカEU側の反応の大きさも合わせて、ナワリヌイ氏は、プーチン=ロシア政府を機能不全にして、混乱下ウクライナ経由で、ロシアの富を吸い出す活動家、という立場であったかも知れない。ナワリヌイ氏の取引関係先が、アメリカEU側の政商の可能性も。前後して、アマゾン帝国の政商といっても過言ではない巨大企業アマゾン創業者の拠点移動やアマゾン株の大量売買があったのも、疑惑の多すぎるアヤシイ動き)
■ロシア大統領に非難相次ぐ ナワリヌイ氏妻も登壇-ミュンヘン安保会議(時事通信2024.02.17)
ドイツ南部ミュンヘンで開幕したミュンヘン安全保障会議は16日、初日の討議を行った。ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の死亡を受け、参加者からは「プーチン(ロシア大統領)の残忍さが示された」(ハリス米副大統領)などと非難が相次いだ。ナワリヌイ氏の妻ユリヤさんは、ハリス氏の演説に続いて、急きょ登壇。「もしこれが事実なら、プーチンとその関係者は私の夫とわが国にしたことの罰を受けるだろう」と深呼吸をしつつ気丈に述べた。国際社会にロシアの「恐ろしい政権」に対して団結するよう呼び掛け「プーチンは個人として、わが国の全ての残虐行為の責任を負う」と断じた。ブリンケン米国務長官はユリヤさんと面会して哀悼の意を表し「死の責任はロシアにある」と強調。問題意識を共有する多くの国と対応を協議する意向を示した。ペロシ元米下院議長も会場でユリヤさんを抱き寄せ、声を掛けた。
■各国首脳、ロシアの責任追及 反体制派ナワリヌイ氏の死亡で(時事通信2024.02.16)
ロシアの反体制指導者ナワリヌイ氏の突然の死亡を受け、各国の指導者らから16日、ロシア政府の責任を問う声が相次いだ。AFP通信などが伝えた。
(まとめ)
・ウクライナ>ゼレンスキー大統領は訪問先のドイツで、ナワリヌイ氏が「拷問された他の何千人と同様、ロシアのプーチン大統領によって殺害されたのは疑う余地がない」。ウクライナのイェルマーク大統領府長官は通信アプリ「テレグラム」で「(ウクライナ侵攻で)交渉を求める者は、彼(プーチン氏)を信用できないと認識しなければならない。彼が理解できるのは力だけだ」
・ドイツ>ショルツ首相「ナワリヌイ氏がその勇気のために命を落とした」
・フランス>セジュルネ外相X旧ツイッター「彼の死はプーチン体制の現実を改めて示した」
・バルト3国ラトビア>リンケービッチ大統領X旧ツイッター「ナワリヌイ氏がクレムリン(ロシア大統領府)によって無残にも殺された」
■ベゾス氏、アマゾン株さらに1200万株売却-5000万株売却計画の一環(ブルームバーグ2024.02.16)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-15/S8X5DYT0G1KW00
■米テキサス州が「基地」設置へ 不法移民対策、国境の町に(共同通信2024.02.17)
米南部テキサス州は16日、国境の町イーグルパスに不法移民対策のため「基地」を置くと決め、建設を始めたと発表した。既に派遣している州兵らの活動拠点とする。地元メディアが報じた。不法移民が殺到する中、州はバイデン政権の対応が不十分だとして独自の流入制限措置を講じている。基地は80エーカー(約0.3平方キロメートル)。4月中旬までに州兵300人を収容できる施設を造り、1800~2300人規模に拡大する。アボット知事は16日、イーグルパスで記者会見し「活動の維持、拡大のため基地は必要不可欠だ」と主張した。
(コメント:アメリカ版の万里の長城と強制収容所ができそう。数年間は大変な時期かと思案)
■中国政府、金を大量購入 脱「ドル依存」、制裁への備えか(共同通信2024.02.16)
中国政府が外貨準備として金を大量購入している。購入から売却を差し引いた純購入量は昨年、約225トンに上り、国別でトップ。一方で米国債の保有は減らしており、ロシアのような経済制裁を受ける事態に備えて、ドル資産への依存を減らす狙いとみられる。国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシルWGCによると、世界の中央銀行による昨年の純購入量は1037トン。中国は全体の2割強を占め、データがある1977年以降で最大の純購入量となった。ポーランド、シンガポール、リビアが続いた。中国人民銀行(中央銀行)によると、今年1月末まで15カ月連続で金を買い増し、保有量は約2245トンとなった。ウクライナ侵攻を始めたロシアに対し、先進国は制裁として資産凍結を決定。中国はこの動きに危機感を強め、2022年11月から金保有を急速に増やし始めた。他方、米財務省の統計によると、中国が保有する米国債は昨年末時点で8163億ドル=約122兆4千億円。1兆ドルを超えていたウクライナ侵攻前と比べて約2割減った。
(益尾知佐子、国際政治学者、九州大学大学院比較社会文化研究院教授/yahoo記事の消滅にそなえて、メモ)中国政府にとって、これはかなりまじめな動きです。ロシアのウクライナ侵攻以前から、中国は米中貿易戦争の行方を気にしており、「いざという時にどう備えるか」を研究者に検討させていた形跡があります(一部が学術論文の形で公開されている)。そこには、SWIFT以外の国際送金システムを作るとか、米ドルに依存しないで済むような貿易体制を作るとか、さらには大豆や小麦の食料安全保障を確保するとか、いろんな案が出てました。このうち、一番最初に目立つ動きが始まったのが食料安全保障で、十分な耕地面積の確保のため、政府は国土空間計画を立ち上げて国土のデジタル管理を開始しました(その一環で新地図が公表)。その後、国際情勢に対する中国側の懸念は深まるばかり。この記事にある金の大量購入も、明らかにそうした準備の一部です。外から見れば心配しすぎに見えますが、あの人口を養っていくのはとても責任が重い仕事なのです。
■不適正大学への留学停止へ、政府が省令改正方針 所在不明問題で(産経新聞2024.02.16)
https://www.sankei.com/article/20240216-Y4TIFZTAZBLZVJ45UJBRNJEXZU/
大学や専門学校で受け入れた留学生が就労目的などで所在不明となることを防ぐため、政府が外国人の在留資格付与基準を定めた「上陸基準省令」を改正する方針を固めたことが16日、政府関係者への取材で分かった。政府が学生管理の不適切な大学などに対し、留学生の受け入れを停止させることができるようにする。(中略)別名目での留学を防ぐため、専修学校などの留学生に求める日本語能力要件も厳格化し、日本語教育機関での最低履修期間をこれまでの半年以上から1年以上に延長する。
■次期戦闘機の輸出是非 自公政調会長、来週に協議へ(日本経済新聞2024.01.15)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA158M30V10C24A2000000/
自民党の渡海紀三朗政調会長は15日、国会内で公明党の高木陽介政調会長と会談した。次期戦闘機など他国と共同開発する防衛装備の第三国への輸出の是非を協議する会合を来週に開くと確認した。高木氏は記者団に「岸田文雄首相の意向を踏まえて検討しなければならない」と述べた。政府が与党に求める2月末までの議論の時期に配慮する意向を示したが、具体的な時期への明言は避けた。公明党の山口那津男代表はこれまで「2月にとらわれる必要はない」と語り、結論を出すタイミングの設定に否定的だった。首相と山口氏は13日に会談し、戦闘機の輸出に関し自公の政調会長間での協議に格上げすると一致していた。
■金与正氏、岸田首相の訪朝可能性言及(共同通信2024.02.15)
北朝鮮メディアによると、金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は15日、日本人拉致問題は解決済みとした上で、同問題を両国の「障害物」とみなさなければ「岸田文雄首相が平壌を訪れる日が来ることもあり得る」との談話を発表した。
(コメント:拉致問題に動きがあるでしょうか)
■ガソリン補助、延長検討 4月末が期限、物価高考慮-政府(時事通信2024.02.16)
政府はガソリンや灯油など燃料油の価格高騰を抑制する補助金について、4月末の期限を延長する方向で検討に入った。食品を中心とする物価高騰や円安が家計に打撃を与えていることを考慮した。複数の政府関係者が16日、明らかにした。延長幅は今後検討する。ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」凍結解除については、実施を求める国民民主党と自民、公明両党の協議が決裂したことを踏まえ、現時点では見送る。
(コメント:補助の延長でまとまる方向。この物価高の中では、極めて現実的かつベターな決断と思います。トリガー条項は物価高や物価変動に対応しきれないという事実もある)
■https://twitter.com/tamakiyuichiro/status/1757947593605472579
玉木雄一郎(国民民主党代表)@tamakiyuichiro/2024年2月15日午前10:59
朝日新聞だけが会談すると報じて、実現しなかったから「拒否」とか「身送り」とか言われても当惑します。与党とのトリガー協議の中でも検討した「現場の混乱を回避し」かつ「抜本的な税制改正につながる」方策を法案として検討しているので、まとまれば各党にお声かけします。
(コメント:総合的に見て、玉木氏の仕事は「遅い」「遅すぎる」の範囲に入ると思案。1年以上にわたって、様々な方向からトリガー条項への問題点の指摘があったにもかかわらず、今まで抜本的な検討すらしていなかった、との言及には失望。政治の仕事の生産性ゼロ、ないしは、マイナス実績)
■サンゴ移植訴訟、沖縄県敗訴 辺野古移設巡り-福岡高裁支部(時事通信2024.02.15)
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、埋め立て予定海域にあるサンゴの移植を許可するよう農林水産相が県に是正を指示したのは違法だとして、県が取り消しを求めた訴訟の判決が15日、福岡高裁那覇支部であり、三浦隆志裁判長は県の訴えを棄却した。三浦裁判長は「指示は適法かつ有効で、原告の請求には理由がない」と述べた。防衛省は2022年7月、埋め立て予定海域のサンゴ移植を県に申請したが、県は地盤改良工事の設計変更を承認していないことなどを理由に許可しなかった。農水相は同12月に県が不許可とした処分を取り消し、2023年3月に是正指示を出した。判決後、同県の玉城デニー知事は「判決は不当。内容を踏まえ、今後の対応を検討する」とのコメントを出した。
■「中堅企業」を税優遇、投資やM&A 地域経済底上げ(日本経済新聞2024.02.13)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA131GG0T10C24A2000000/
経済産業省は従業員2000人以下の企業を「中堅企業」と新たに法的に位置づけ、地域経済のけん引役として重点的な支援に乗り出す。地域に根ざした中堅企業向けの賃上げ促進税制や設備投資、M&A(合併・買収)への税優遇を設けて後押しし、国内経済の底上げにつなげる。産業競争力強化法の改正案で従業員2000人以下の企業を「中堅企業」と定義する。対象はおよそ9000社と見込む。
■政府 東南アジア4か国の海上保安当局に長期的支援の方針固める(NHK2024.02.12)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240212/k10014355971000.html
日本政府は、フィリピンやベトナムなど東南アジアの4か国の海上保安当局に対して長期的な支援を行う方針を固め、計画作りに乗り出しました。専門家は、南シナ海で各国と領有権争いが続く中国を念頭にしたものだと指摘し、「各国にとって非常に力強い助けになる」と分析しています。支援の窓口となるのはJICA=国際協力機構で、▽フィリピン、▽インドネシア、▽マレーシア、▽ベトナムを対象の重点国と位置づけ、10年程度の長期の計画を立てた上で支援を行う予定です。各国のニーズを把握するための現地調査を、ことし1月にフィリピンとインドネシアで行ったほか、ことし4月ごろにマレーシアとベトナムで行う予定です。各国の海上保安当局などとの協議をもとに、無人機やレーダーの整備、巡視船の供与、人材育成などについての具体的な協力計画を、来年3月までに策定することにしています。南シナ海をめぐっては、中国がほぼ全域の管轄権を主張し、海上警備にあたる海警局に武器の使用を認める「海警法」を施行して、ことし2月で3年となり、中国の行動に周辺国が警戒を強めています。
(要旨メモ)
・中国とのトラブル相次ぐフィリピン 日本の支援強化に期待/フィリピン沿岸警備隊のジェイ・タリエラ報道官「日本の支援が途絶えると、沿岸警備隊には大きな影響が出る。中国と対じするなかで、日本の支援はとても重要だ」
・専門家「尖閣諸島での不測の事態に備えるためにも重要/「中国は最近、南シナ海で海警局を使って東南アジア諸国に対する圧力を強化している。各国としては、海上保安機関の能力構築を支援してもらえることは、対抗していく上で非常に力強い助けになる」「中国海警法(2021年2月1日施行)中国が管轄する海域などに外国の組織や個人が設けた構築物などを強制的に撤去できることが明記されている」「南シナ海で中国側に国際法などのルールを逸脱する行動を許さないようにするための支援は、わが国にとっても非常にプラスになる」
■中台の観光客往来、暗礁に 民間機航路・団体旅行巡り応酬(時事通信2024.02.10)
中華圏で春節(旧正月)の大型連休が10日、始まったが、中台間の観光客の往来は依然として改善の見通しがついていない。台湾当局は今月に入り、中国行きの団体旅行を3月から解禁する方針を撤回。先に中国が台湾海峡上空の民間機航空路の運用を一方的に変更したことに対抗したもので、中国当局は批判している。台湾交通部(交通省)は7日、「情勢の変化や旅行の安全を考慮し、当初の計画は実施しない」と発表。中国行き団体旅行の販売を停止するよう旅行業界に通知した。交通部長(交通相)が昨年11月に表明した今年3月からの解禁方針を受け、各業者は既に関連ツアーの販売を開始していたため、3月1日~5月31日の販売済み分だけは認めるとした。解禁撤回の具体的理由について同部は、中国が台湾行き団体旅行を再開していないことや、中国が先月、台湾海峡の中間線付近を飛ぶ民間機航空路の運用を一方的に変更したためだと説明。航路の運用変更を巡っては、中国機がこれまでより台湾寄りを飛行するようになることから、台湾側が強く反発していた。次期総統の頼清徳副総統は与党・民進党の会合で、「観光は相互交流だ。残念ながら台湾の善意に対し中国から同様の善意は示されなかった」と強調した。これに対し、中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室は7日の記者会見で、「観光を政治操作に利用し、両岸(中台)同胞の交流を妨げている」と非難した。大型連休直前の突然の解禁撤回発表で対応に窮する台湾の旅行業界には、動揺が広がっている。台湾メディアは「政府は約束を守らなかった。あまりにもひどい」などと反発する業界の声を伝えた。
(コメント:コロナ禍の後の経済回復の歩みが更に遅延する可能性。「台湾は、中国とアメリカの間で、曖昧な立ち位置を続けている。これは、よろしくない(早く覚悟を決めるべき)」と暗に指摘した、麻生太郎元首相の懸念が現実化する流れか。国際情勢の流れから見て、台湾の判断タイミングは、遅すぎるとのこと。中国経済の轟沈の影響を大きく受けると思われる)
■首相、中国のTPP加盟に慎重 「貿易慣行などに厳しい目も」(共同通信2024.02.09)
岸田文雄首相は9日の衆院予算委員会で、中国の環太平洋連携協定TPP加盟に慎重な考えを明らかにした。「中国の貿易慣行やビジネス環境に、厳しい目が注がれている部分もある」と指摘した。加盟申請している中国について、首相は「高いレベルを満たし続ける意図と能力があるかどうか、見極める必要がある」と強調。「戦略的観点や国民の理解も踏まえながら対応を判断する」と答弁した。質問した立憲民主党の太栄志氏は、中国のTPP加盟が安定した日中関係に資するとの見方に立ち「わが国はしっかり(中国を)後押しすべきだ」と訴えた。
■東京都が下水からリン回収、肥料に 農業関係者が施設見学 JA全農と連携
https://www.jacom.or.jp/noukyo/news/2024/02/240213-72336.php(農業協同組合新聞2024.02.13)
東京都は2月8日、江東区にある砂町水再生センターのリン回収・肥料化施設で、農業関係記者や農業関係者の施設見学会を行った。今年1月末に完成し、運転を始めたばかりの施設で、ケイ酸カルシウムに吸着させて下水からリンを回収する新しい技術を導入し、年間70tのリンを生産できる。JA全農と連携し、肥料の原料として利用に供する。(リンは窒素カリウムと並び、肥料の主要な資源。日本はほぼ全量を中国やモロッコなどからの輸入に依存しているが、中国などの輸入規制で近年、国内価格が不安定になり、安定した調達先が求められている)
■大西洋の重要な海洋循環、崩壊の予兆を示しつつある 研究者ら警鐘(CNN2024.02.10)
https://www.cnn.co.jp/fringe/35215117.html
大西洋の海水が表層で北上し、深層で南下する大西洋子午面循環AMOCは既に崩壊に向かっている可能性がある。AMOCの崩壊は海面上昇や世界の気象に深刻な影響を及ぼし、各地で気温の急激な低下や上昇をもたらす可能性があるという。(中略)AMOC崩壊の影響は破滅的なものになる可能性がある。欧州の一部地域では100年間で気温が30度低下し、わずか10~20年の間にまったく別の気候に変化するかもしれない。近年、AMOCが転換点に近づいている可能性を示す研究が増えている。2021年の研究では、AMOCが過去1000年で最も弱くなっていることが示された。昨年7月に公開された論文は、早ければ2025年にもAMOCが崩壊する可能性があると警鐘を鳴らし、議論を呼んだ。
■外国人の永住許可、税・社会保険料の滞納で取り消し検討(日本経済新聞2024.02.09)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA05AQN0V00C24A2000000/
政府は9日、技能実習制度に代わる新制度の方針を決定した。就労から1〜2年で転職できるよう要件を緩和する。あわせて「永住者」の在留資格を持つ外国人について、税金や社会保険料などが未払いの場合は資格の取り消しを検討する。首相官邸で外国人材の受け入れ・共生に関する関係閣僚会議を開いて決めた。岸田文雄首相は「日本が外国人材から選ばれる国になるという観点に立ち、制度の見直しを進める」と強調した。
■外国人育成就労、転籍制限2年まで=政府方針を決定(時事通信2024.02.09)
政府は9日、外国人材の受け入れ・共生に関する関係閣僚会議を首相官邸で開き、外国人技能実習制度を廃止して新制度「育成就労」を創設する政府方針を決定した。外国人材を3年間で一定の技能水準に育成し、中長期的な在留につなげる。働く場所を変える「転籍」(転職)は、分野ごとに最長2年まで制限可能とする。政府は今国会に関連法案を提出する方針。
岸田文雄首相は会議で「わが国が外国人材から選ばれる国になるという観点に立って、決定した方針に基づき制度の見直しに向けた作業を進めていく」と述べた。育成就労は「人材確保」の目的に重点を置き、受け入れた人材を最長5年働ける「特定技能1号」の水準に育成する制度。熟練技能が必要な「特定技能2号」を取得すれば、事実上無期限の滞在や家族の帯同が可能となる。
転籍を原則として認めない現行制度は、賃金の未払いや長時間労働といった権利侵害の背景と指摘されてきた。政府有識者会議は昨年、転籍を認めた上で制限期間を1年とするよう提言。だが、自民党は都市部に人材が流出するなどとして2年とするよう求め、政府方針は当分の間、業務内容によって分野ごとに「1~2年」の範囲内で期間を設定するとした。
外国人材の受け入れや勤務先の監督を担う監理団体は「監理支援機関」に名称変更。外部監査人の設置を義務化し、独立性・中立性を高める。悪質な転籍ブローカーを排除するため、民間職業紹介事業者の関与は当分の間認めない方針も盛り込んだ。
政府方針は永住許可を申請する外国人の増加を見据えて永住許可制度の適正化にも言及。政府は納税や社会保険料の支払いなどの公的義務を怠った場合に永住許可の取り消しを可能とする法改正を検討している。
◇政府方針ポイント:技能実習制度を廃止、3年間の育成就労、転籍は1~2年制限、監理団体に外部監査人、民間職業紹介事業者排除、永住許可制度を適正化
(コメント:現在の産業界は、若い人手が少なくなっていて外国人労働者で埋める形だけど、人数が増えると「悪貨が良貨を駆逐する」事例も増えるらしく。厳しい措置を、という話が大きくなって来たのを受けての事だろうと思案。個別の企業の対策では、失踪した外人労働者の追跡や管理など、もう追い付かない、との話もあり)
■胎盤模した人工臓器を作製 医薬品開発へ活用期待(共同通信2024.02.08)
妊娠時に胎児と母体を結ぶ「胎盤」の組織を模した人工臓器の作製に成功したと、東京医科歯科大や東北大などのチームが8日、英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に発表した。堀武志・東京医科歯科大助教(医工学)は「胎盤を通じたウイルス感染の仕組みの解明や、胎児への副作用を抑えた医薬品の開発に活用できるかもしれない」と話している。胎盤は、さまざまなホルモンをつくる他、胎児をウイルスなどから守る働きがある。また母親が飲んだ薬の一部は胎盤を通じて胎児に影響を与える。医薬品開発では、胎盤を通過する量を評価する必要があるが、正確に調べるのが難しい。
■中国、証監会のトップ交代-株価下落で元上海市党幹部を起用(ブルームバーグ2024.02.07)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-07/S8HJLQDWRGG100
証監会の易主席を更迭、銀行業界ベテランの呉清氏が就任へ/年初から下落続く中国株式市場、当局は歯止めをかけられず/中国は証券監督管理委員会(証監会)のトップを更迭した。株式市場が最近激しい売りに見舞われる中で、予想外の人事を発表した。国営新華社通信の報道によると、証監会主席は易会満氏から呉清氏に交代となる。呉氏は銀行業界のベテランで、2000年代半ばにトレーダーに対する締め付けを主導したことから「ブローカー殺し」の異名を取る。中国当局は過去数カ月にわたり小出しの対策を打ち出しているが、株式相場の急落を食い止められないでいる。中国本土と香港の株式市場は2021年のピーク時からおよそ7兆ドル(約1036兆円)の時価総額を失った。
(コメント:中国の株式市場は急激な株価下落に見舞われており、市場関係者はそれを受けた措置と見ているとの事。中国経済の轟沈は止まらず、中南海はこの人事を通じて上海閥へ責任をかぶせるという意図があるかと思われるところ)
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■中国表記ブイ「沈んだと推定」東シナ海EEZ内-林官房長官(時事通信2024.02.07)
林芳正官房長官は7日の記者会見で、東シナ海の日本の排他的経済水域EEZ内で漂流していた「中国」表記のブイが所在不明となり、海中に沈んだとみられると明らかにした。海上保安庁が1月29日、このブイを発見し、政府は中国側に事実関係の説明を求めていた。林氏は「2月2日に海上保安庁の航空機が存在を確認したのを最後に、確認できていない。現場が荒天だったため、既に沈んだものと推定される」と述べた。
■EEZ内に「中国」表記のブイ=政府、説明を要求(時事通信2024.02.01)
森屋宏官房副長官は1日の記者会見で、東シナ海の日本の排他的経済水域EEZ内で「中国」の表記があるブイが漂流しているのが見つかったと明らかにした。「中国側に通報するとともに、しかるべく説明を求めている」と語った。※共同通信>逆さまに転覆した状態で水没しており機能していない
(コメント:中国ブイ問題、天候が解決したみたいな感じ?首都圏に大雪をもたらした低気圧は、中国ブイのある海では、激しい時化となっていたとのこと)
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■輸入相手国への投資促進 農業基本法改正案判明(共同通信2024.02.06)
農林水産省が今国会に提出する食料・農業・農村基本法改正案が6日判明した。日本が海外から農産物を安定的に確保できるよう「輸入相手国への投資促進や必要な施策を講じる」と明記。農業の持続的な発展を目指し、農薬や肥料の使用などに伴って農業が周辺環境に与える影響を低減する方針も盛り込んだ。1999年の基本法施行以来初の改正となり、ロシアのウクライナ侵攻や地球温暖化などの情勢変化を踏まえ、食料安全保障を強化する。食料自給率目標などの文言を与党と調整し、2月下旬にも国会に提出する。改正案では、農産物の安定調達に資する輸入元との関係強化に加え、国内農家や食品産業の収益力強化に向け、輸出産地の育成方針を新たに掲げた。輸入に依存する農業資材については「良質な(国産)代替物への転換」を進める。食料供給システムには農業者や食品事業者、消費者を含む各段階で環境に負荷を与える側面があることに言及。農薬や肥料の適正な使用を促し、先進技術を活用した生産方式の導入で負荷低減につなげる。
■62途上国が全面的債務危機、早急な国際支援必要=米大学報告(ロイター2024.02.06)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/OVCMBH6RYZMBLDMG44RQRXNUUU-2024-02-06/
主にアフリカとオセアニアの途上国62カ国は既に全面的な債務危機に陥っており、すぐにも債務再編に向けた国際的な支援の取り組みが必要だ。ボストン大学グローバル開発政策センターは最新のリポートでこう訴えた。コロナ禍からの経済回復が想定ほど進まなかったところに、2023年の世界的な金利上昇や気候変動対策の負担が重なり、歳入の20%以上が債務返済に充当されている国の数が過去最高に近い水準で、こうした状況は持続不可能との見方が大勢だ。
■キオクシアが最先端半導体に7200億円投資 経産省も補助(日本経済新聞2024.02.06)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA061D00W4A200C2000000/
経済産業省は6日、キオクシアホールディングスと米ウエスタンデジタルWDによる最先端半導体メモリーの量産を支援すると発表した。両社の総投資額はおよそ7290億円で、経産省が最大2430億円を補助する。生成AI(人工知能)などへの供給を想定している。キオクシアとWDは三重県の四日市工場(四日市市)や岩手県の北上工場(北上市)で最先端メモリーを量産する。四日市工場では月6万枚、北上工場では月2万5000枚を生産する。ともに2025年9月の初出荷をめざす。2工場の最先端品の量産は総投資額がおよそ4500億円で、経産省が最大1500億円を補助する。量産する最先端メモリーは「第8世代」や「第9世代」と呼ぶ。データの書き込みや読み出しの速度が速い。消費する電力も少ないといった特長がある。経産省は生成AIや自動運転向けに世界的に需要が高まるとみる。四日市工場や北上工場での最先端品の量産では9000人程度の雇用を見込む。経産省は地域経済への波及効果も期待する。キオクシアとWDはもともと四日市工場で「第6世代」などの量産を計画していた。合計すると、両社の総投資額は7290億円に上り、経産省の支援は最大で2430億円となる。経済安全保障の観点で日米が歩調を合わせる意義は大きい。斎藤健経産相は同日の記者会見で「日米が連携して世界が必要とするメモリーの供給責任を果たす」と述べた。
■ロシア大統領、12日にトルコ訪問か NATO域内は侵攻後初(時事通信2024.02.01)
ロシアのプーチン大統領は12日にもトルコを訪問し、エルドアン大統領と会談する見通しだ。ロイター通信が1月31日、トルコ当局者の話として伝えた。国営ロシア通信も最近、在アンカラ外交筋の情報として、プーチン氏のトルコ訪問は2月12日になる可能性があると報じていた。トルコは北大西洋条約機構NATO加盟国で、ロシアのウクライナ侵攻開始後、プーチン氏がNATO域内を訪れるのは初めて。トルコ訪問はかねて調整されてきたが実現せず、昨年9月にはエルドアン氏がロシア南部ソチを訪れてプーチン氏と会っている。トルコは侵攻開始後も、ロシア寄りの外交姿勢を取って良好な関係を維持し、ウクライナとの間で仲介努力を続けてきた。ロシアと対立する軍事ブロックの一角だが、プーチン政権から「友好国」と見なされている。
■米CDCが東アジア事務所開設=感染症対策で連携強化(時事通信2024.02.05)
米疾病対策センターCDCは5日、東アジア・太平洋地域事務所を東京に開設した。新型コロナウイルスといった感染症に対し、データ交換の迅速化や、人材育成面での連携強化などを通じて対処能力を高める。世界で6カ所目となる新事務所は、東アジアとオセアニア、太平洋島嶼国を管轄。中国を担当する事務所は別に設けている。来日したCDCのコーエン所長は開設式典で、「日本はパンデミック(世界的大流行)時のリーダー的存在だ」と述べ、連携強化の意義を強調した。エマニュエル駐日大使も、感染症は「どこで発生しても世界的脅威になり得る」と指摘し、「即時、科学的」に対処する上で事務所開設が重要だと語った。
(コメント:米戦略国際問題研究所は、保健衛生と安全保障は切っても切れない関係にあると表明。日本のパンデミック対策は大きな成功を収めたと広く見なされている。政府が公式にロックダウンすることなく、死亡率を低く抑えることができた。社会秩序を乱さないようにするルールの順守やマスク着用率・ワクチン接種率の高さなど「国を守ることに非常に成功しており、何が実施すべき正しいプロトコルとパラメーターであるかを考えている」として、世界の保健衛生の安全保障上、CDCの重要なパートナーとなりうると認識)
■2024.02.04:安倍洋子さん死去(安倍晋三元首相の母、岸元首相長女)ご冥福をお祈り申し上げます
■伊藤忠、イスラエル軍事企業とのMOU終了 防衛装備品の輸入(時事通信2024.02.05)
伊藤忠商事の鉢村剛副社長は5日、子会社の伊藤忠アビエーション(東京)が、イスラエルの軍事企業エルビット・システムズと協業に関する覚書を締結したと報じられたことを受け、「現在の協力覚書MOUは2月中をめどに終了する」と述べ、協業を取りやめる考えを明らかにした。国際司法裁判所ICJが集団殺害を防ぐための措置を取るようイスラエルに命じたことにより、エルビット社との取引が国際的な批判を浴びる可能性が出ているための判断とみられる。
(コメント:現在の協力覚書MOUは2023年3月締結。趣旨は、防衛省の依頼に基づき日本の安全保障に必要な自衛隊の装備品の輸入を目的とした提携。輸入品を第三国に輸出可との項目は無いが、ICJの暫定措置命令および上川陽子外相が出した「当事国を法的に拘束するものであり誠実に履行されるべきものだ」などの談話を踏まえて判断したとのこと)
■イスラエル、民間経済が疲弊 労働力不足で継戦に影響も(日本経済新聞2024.02.05)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR31E4M0R30C24A1000000/
イスラム組織ハマスとの戦闘が4カ月近くに及ぶイスラエルで、民間経済の疲弊が色濃くなってきた。個人消費やハイテク投資の落ち込みに加え、30万人以上の予備役兵が動員されたことで労働力不足が顕著になっている。大規模な戦闘の継続が困難を増している。
■ヨルダン川西岸の経済逼迫 失業率3割、物流も目詰まり(日本経済新聞2024.02.05)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR31DKV0R30C24A1000000/
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の余波で、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区の経済が逼迫している。賃金の高いイスラエルでの就労が難しくなり、失業率が3割超に跳ね上がったとの推計がある。物流の目詰まりやパレスチナ自治政府の収入減も経済の重荷だ。
■中国が東シナ海に独自の「防空識別圏」を設置 自衛隊の航空機などが警戒監視
(防衛日報デジタル2024.02.05)https://dailydefense.jp/_ct/17682460
中国が東シナ海上空に一方的に設定した「防空識別圏ADIZ」の境界付近に複数の軍艦を常時展開している問題で、防衛省は自衛隊の早期警戒管制機などを現地に派遣し、警戒監視を実施していることを明かした。同省は中国が独自にADIZに関して「全く受け入れることはできない」と非難した。
■ウクライナ、米に総司令官解任の方針通知 手続きは保留中(時事通信2024.02.03)
ウクライナ政府がザルジニー軍総司令官解任の方針を米政府に通知したことが2日、分かった。関係筋2人が明らかにした。ウクライナ大統領府に近い関係筋によると、ゼレンスキー大統領は兵士50万人の追加動員というザルジニー氏の提案に否定的で、両氏は対立関係に陥っている。ただ、双方とも解決策を見いだそうとしており、解任手続きは当面の間保留されている。手続きに要する時間は不明という。
■川崎汽船、商船三井、日本郵船の計400隻の海洋観測データ、海上保安庁に一括提供へ
https://funeco.jp/news/news-22702/(船舶ニュース2024.02.03)
海上保安庁と株式会社シップデータセンターは、2024年1月29日(月)、船舶が観測した海洋観測データを海上保安庁へ一括で提供するための契約を締結したと公表した。今回の契約は、川崎汽船、商船三井、日本郵船の3社に所属する船舶、約400隻が観測した海流や風などの海洋観測データを海上保安庁へ一括で提供するための契約。今後、提供されるデータは従来と比較し約6倍に増加し、海難発生時の漂流物の予測や黒潮など日本周辺海域の海況把握のための基礎資料として活用される計画。株式会社シップデータセンターは、日本海事協会の完全子会社として2015年に設立、海事業界全体におけるビッグデータ活用機会の最大化を目標とし、船舶運航データを収集、蓄積し、また、利用者にデータを提供するデータセンターを運営している。今回の海上保安庁との契約締結にあたっては、1月26日(金)に記念セレモニーも実施された。
■太平洋島嶼国と関係強化 海保が初めて保安官派遣し救助訓練(NHK2024.02.03)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240203/k10014344781000.html
太平洋島嶼国の海上保安当局との協力関係を強化する一環として、海上保安庁は1月、ミクロネシアとマーシャル諸島に初めて海上保安官を派遣し、救助訓練を行ったと発表しました。海上保安庁はこれまで、東南アジア各国の海上保安当局を中心に、海難救助などの能力向上の支援を通じて協力関係を強化していて、2017年には各国をサポートする専従部門を発足させています。2018年からはパラオやキリバスといった、太平洋島嶼国にも範囲を広げていて、1月初めてミクロネシアとマーシャル諸島に専従部門の海上保安官を派遣したと発表しました。海上保安庁によりますと、1月13日から28日まで4人を派遣し、現地当局とともに海上で漂流している人を救助用のネットを使って船に引き上げる救助訓練を行ったということです。南太平洋では日本の漁船もマグロ漁などを行っていて、海上保安庁は、今回の訓練を通じ、万が一の場合でも漁船を救助できる体制を整えたいとしています。また、今回の派遣では、領海内での法律の執行についてなど国連海洋法条約の講義も行ったということで、関係者によりますと、中国の海洋進出を念頭に太平洋島嶼国とも協力関係を強化したいねらいがあるということです。
■アフリカ豚熱の侵入警戒、農水省 韓国・釜山で拡大、水際対策強化(共同通信2024.02.02)
農林水産省は2日、感染すると家畜に甚大な被害を及ぼすアフリカ豚熱ASFが韓国・釜山で相次いで発生していることを受け、都道府県に水際での対策強化を呼びかけた。釜山とは日本各地の港が定期航路を結ぶ上、アジアで初めて発生した中国も今月10日に春節(旧正月)を迎え、感染した肉製品を旅行客が日本に持ち込む恐れがあることから、ウイルス侵入に警戒を強めている。アフリカ豚熱はブタやイノシシが感染して発熱などを引き起こす病気。致死率が高く、有効なワクチンや治療法が存在しない。アフリカや欧州に続き2018年8月に中国で発生して以降、アジアの19カ国・地域で感染が広がった。
■インドネシアの首都移転、選挙控え民間にもためらい(日本経済新聞2024.02.01)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB317CW0R30C24A1000000/
インドネシアの首都をジャカルタからカリマンタン(ボルネオ)島のヌサンタラ新都市に移転するという野心的な計画が、重大な岐路に差し掛かっている。ジョコ大統領が退任を控え、企業が投資を様子見する動きもある。
(コメント:2025年から首都移転を進める予定。初代大統領のスカルノが1957年に検討課題として上げてから、これまでに数回にわたって議論。移転理由=世界最悪とも言われる交通渋滞、気候変動による海面上昇と地盤沈下。違法な地下水の汲み上げが横行しており、地面が降下し続けているという。2050年までにジャカルタ北部の95パーセントは海に沈むという試算が出ている)