2024年3月後半の時事情勢メモ
■2023年のアフリカ取り巻く政治・外交から今後を読み解く(ジェトロ2024.02.08)
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2024/e515effc3e26ccd3.html
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New Evidence Emerges of Ukraine’s Horrific “Forced Fertilization” Program, Inspired by Nazi Lebensborn(ボストンタイムズ2024.03.30)
https://bostontimes.org/2024/03/30/new-evidence-emerges-of-ukraines-horrific-forced-fertilization-program-inspired-by-nazi-lebensborn/
ウクライナの恐ろしい「強制受精」プログラム:不正と闘う財団は、ナチス・ドイツの悪名高いレーベンスボーン・プログラムにまで遡る、ウクライナ当局による怪しげな「社会医学的実験」による女性の権利侵害の衝撃的な証拠を発見した。SBUの元高官、ウクライナ保健省の役人、そして直接の被害者を含む情報源を含む数ヶ月にわたる調査の結果、財団はウクライナにおける強制受精プログラムの存在を確認した。女性を誘拐し、強制的に妊娠させるために、彼女たちの意思に反して専門の培養器研究所に監禁するために使用される具体的な方法と施設を特定した。不愉快なことに、財団はこの非難すべきプログラムの運営に責任を負うウクライナの高官たちの名前も挙げている。このプログラムでは、ゼレンスキー政権が国家資源を悪用して、疑うことを知らない被害者を探し出し、誘拐し、不法に拘留し、医療暴力を振るっている。
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■米政府「結節役」の日本に期待 NATO首脳会議に招く2つの理由(産経新聞2024.03.30)
https://www.sankei.com/article/20240330-C67VMFWIJBMXPCSHWA3XQZAN6Y/
7月に米ワシントンで開かれる北大西洋条約機構NATO首脳会議に、岸田文雄首相を招待する方向で米政府が調整を進めている。ウクライナ支援を巡って米国のリーダーシップが揺らいでいる折、岸田首相を招くことには2つの狙いがある。第1は、ウクライナ支援に積極的な岸田首相の参加を通し、「支援疲れ」が表面化する加盟国の結束を固め直すこと。第2は、中国の脅威をにらみ、インド太平洋地域と欧州諸国の結節を強めることだ。(後略)
■インドと台湾、経済で急接近 半導体、供給網で思惑一致(時事通信2024.03.31)
インドと台湾が急接近している。戦略物資の半導体技術が欲しいインドと、同国を中国に代わるサプライチェーン供給網の移転先候補と位置付ける台湾側の思惑が一致。経済的な結び付きを強めている。(中略)台湾を「不可分の領土」と主張する中国は、「インドとの交流で、台湾がより多くのインド人から独立国として認知されることを警戒している」と指摘。印中関係のさらなる悪化につながる可能性を示唆した。
■インド隣国へ接近加速 防衛協力強化、切り崩し図る-中国(時事通信2024.03.24)
中国の習近平政権は今月、インド隣国の3カ国との防衛協力を強化する方針を示した。中印は国境問題を巡る対立が続く。中国は軍事面や経済面での支援をてこに、伝統的なインド勢力圏の切り崩しを図る考えだ。中国国防省は13日、軍代表団が4~13日にモルディブ、スリランカ、ネパールを歴訪し、各国で「2国間の防衛協力推進」について協議したと発表した。3カ国はいずれもインドの影響が色濃い地域。ただ近年は、中国が巨大経済圏構想「一帯一路」を通じた重要インフラ整備などを各地で進め、浸透を図ってきた。(中略)ネパールでは今月、親中政党の連立が決定し、中国への傾斜が進むとの指摘も出ている。中国外務省報道官は22日の記者会見で「(両国と)政治的相互信頼を深め、戦略的協力パートナーシップを発展させる」と説明した。中印関係は2020年、インド北部の係争地で両軍が衝突し20人以上の死者が出たことで急速に悪化した。中印は先月、国境問題解決に向けた軍高官協議を実施。「国境地域の平和維持で合意した」(中国国防省)が、今月にはインドによる係争地のトンネル開通を巡って非難の応酬となった。習政権は、インドが武器調達などで米国への接近を強めていることにも神経をとがらせており、関係修復の道筋は見えていない。
■「ばれないと思った」個人事業の消費税無申告が過去最高…年間7615人198億円追徴課税
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240330-OYTNT50060/(読売新聞2024.03.30)
消費税の申告義務がある個人事業者が申告しない事案が全国で横行している。(中略)申告義務がないように装うために年間売上高をごまかしたり、故意に申告しなかったりするケースが目立つ。国税当局は積極的に調査に乗り出すなどして、警戒を強化している。(中略)国税庁によると、昨年6月までの1年間の税務調査で確認された消費税の無申告者は、全国で4615人に上った。指摘された個人事業者の業種は、ブリーダーのほか、建築業、運送業、飲食業など様々だ。追徴税額は前年度比約1.5倍で過去最高の198億円に膨らみ、1人当たりの平均額も過去最高だった前年度を上回る260万円だった。追徴税額が増えた背景には、消費税は身近な税で、無申告が相次げば適切に納税する国民の不公平感を招きかねないため、国税当局が監視の目を光らせていることがある。昨年10月に始まった消費税のインボイス(適格請求書)制度導入を見据えて調査を強化したとみられ、それが影響した可能性もある。
■第7地対艦ミサイル連隊が編成完結式 南西諸島各離島部隊を指揮下に(2024.03.30)
防衛省は南西方面の防衛力強化のため今月21日、うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地に本島では初めてとなるミサイル部隊「第7地対艦ミサイル連隊」を隊員およそ170人規模で発足。今月30日、うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地で、南西諸島の各離島の地対艦ミサイル部隊を束ねる第7地対艦ミサイル連隊の設置行事を開催。隊員と来賓合わせて約210人参加。鬼木誠防衛副大臣から井藤庸平連隊長に連隊旗が手渡された。部隊は12式地対艦ミサイルが配備されている宮古島駐屯地や石垣駐屯地などの部隊を統括する役割。勝連分屯地のほか、奄美大島、宮古島、石垣島に配備した陸自の12式地対艦誘導弾の部隊を指揮下におく。(複数記事を要約)
■福田元首相、中国外相と会談 両国関係や処理水議論(時事通信2024.03.29)
中国を訪問した福田康夫元首相は29日、北京で王毅共産党政治局員兼外相と会談した。中国外務省によると、王氏は、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出など「両国関係の正常な発展を妨げる問題に適切に対処する」よう求めた。王氏は「中日関係を戦略的、長期的観点から把握し、安定的かつ健全な関係発展を共同で推進したい」と強調。福田氏は「日中友好は必然的な選択だ」と応じ、その上で「日本企業は中国での投資や事業展開を望んでいる。日本は(両国の)相違点を管理し、日中の戦略的互恵関係を進めることに意欲がある」と伝えた。
■「紅麹」問題「未知の成分」はプベルル酸の可能性(日本経済新聞2024.03.29)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA296KL0Z20C24A3000000/
厚生労働省は29日、小林製薬の紅麹原料を含む機能性表示食品による健康被害を巡り、同社が厚労省に対し腎疾患の原因と推定される「未知の成分」が「プベルル酸」の可能性があると報告したと発表した。プベルル酸は青カビから生成される天然化合物で、抗生物質の特性を持ち、毒性が非常に高いという。腎臓に対する障害など、健康被害への影響は不明だという。小林製薬の報告によると、健康被害のあった製品のロットに予定していない物質を検出した。「高速液体クロマトグラフ」という手法で分析した結果、プベルル酸の数値が高いことが分かった。厚労省と小林製薬、国立医薬品食品衛生研究所(国衛研)の3者合同で行った記者会見で明らかにした。今後は厚労省が中心となり、国衛研でプベルル酸以外の物質の可能性も含めた網羅的な調査を行うとした。
■112兆円予算成立 防衛、社保費は過去最大(共同通信202703.28)
2024年度予算は28日午後の参院本会議で、与党などの賛成多数により可決、成立した。一般会計の歳出総額は112兆5717億円で、23年度当初の114兆円に次ぐ過去2番目の規模。政府の防衛力強化方針を踏まえた防衛費に7兆9496億円、社会保障費も高齢化に伴い37兆7193億円を計上し、いずれも過去最大を更新した。能登半島地震を受け、災害対応などに充てられる一般予備費を5千億円から1兆円に倍増した。医療従事者の人件費などに相当する診療報酬の「本体」を0.88%引き上げ、少子化対策を担う「こども家庭庁」の予算規模も増やした。国の借金である国債の元利払いに充てる国債費は、金利の上昇基調を背景に27兆90億円とした。歳入面では、過去最大の69兆6080億円の税収を見込む一方、国債も35兆4490億円分を新たに発行する。所得税と住民税を合わせて1人当たり4万円減税する定額減税の実施を明記した24年度税制改正関連法も成立した。
■「一帯一路」で8.3兆円不履行 中国の対東南アジア援助 豪研究所調査(時事通信2024.03.27)
中国が巨大経済圏構想「一帯一路」に基づき東南アジア諸国に援助を約束した大規模事業のうち、3分の2近い547億米ドル(約8兆3000億円)が履行されなかったことが分かった。オーストラリアのシンクタンク、ローウィー国際政策研究所が、27日公表の調査報告書で明らかにした。報告書によると、2015~21年の東南アジアの大規模インフラ開発事業で、中国は843億米ドル(約12兆8000億円)の支出を約束していた。だが、実際に支出したのは296億米ドル(約4兆5000億円)で、履行率は35%にとどまる。タイやフィリピンの鉄道建設、マレーシアのパイプライン敷設が中止されたほか、規模が縮小された事業もある。
■農業基本法改正案、審議入り 岸田首相「理念に食料安保」(時事通信2024.03.26)
ロシアによるウクライナ侵攻で揺らいだ食料安全保障の強化を柱とする食料・農業・農村基本法改正案は26日、衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。基本法は「農政の憲法」と呼ばれ、政府・与党は1999年の制定以来、初の本格改正を目指す。人口減少や地球温暖化などの環境変化を踏まえ、農業生産の維持・拡大につなげる。
■ボルティモアの橋崩落、石炭輸出に影響(ロイター2024.03.27)
https://jp.reuters.com/world/us/LSPR6DZBDZPDJEANPTCTZU3QDA-2024-03-27/
米東部メリーランド州ボルティモアで26日未明、港湾にかかる橋にコンテナ船が衝突し崩落した事故を受け、ボルチモアの港からの石炭輸出に影響が出ている。鉄道会社や石炭会社が明らかにした。鉄道大手CSXは石炭顧客について、事故を受けて出荷が遅れる可能性を想定すべきと述べた。同社は崩落現場に近いボルティモアのカーティスベイに石炭埠頭を持つ。状況精査を行う間、当面は稼働を続ける方針という。ボルティモア港に輸出ターミナルを持つ石炭採掘大手コンソル・エナジーは、ターミナルへの船舶の出入りに遅れが生じていると明らかにした。米エネルギー情報局EIAのデータによると、ボルティモアは2023年1-9月バージニア州ノーフォークに次いで国内2位の石炭輸出港だった。
■北朝鮮IT技術者に発注か 虚偽登記容疑、2人再逮捕-神奈川県警など(時事通信2024.03.27)
北朝鮮のIT技術者に業務を発注するための会社を不正に設立したとして、神奈川、広島両県警は27日、電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で、IT関連会社「ITZ」(広島県府中町)社長で韓国籍の朴賢一53、同「ROBAST」(同県福山市)代表の蓑毛勇郎42両容疑者を再逮捕した。再逮捕容疑は、2021年10月に「ROBAST」を設立した際、資本金が300万円あると装い、虚偽の登記をした疑い。捜査関係者によると、この会社は北朝鮮のIT技術者に業務を発注し、報酬を支払うために設立された。蓑毛容疑者は以前、朴容疑者の会社で働いていたという。
■北朝鮮IT技術者、身分偽り受注疑い 警察庁など注意喚起(日本経済新聞2024.03.26)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE254HV0V20C24A3000000/
警察庁などは26日、北朝鮮のIT(情報技術)技術者が身分や国籍を偽り日本企業から業務を受注している疑いがあるとして注意喚起した。北朝鮮の技術者はフリーランス向けの仲介サービスを悪用するケースが多く、報酬が相場より安くテレビ電話会議に応じないといった不審点がある場合は業務を発注しないよう呼びかけた。国連安全保障理事会は北朝鮮の核・ミサイル開発へ資金が使われることがないよう外貨獲得手段に厳しい制裁を科している。北朝鮮技術者への報酬支払いは外為法などに違反する恐れがある。警察庁などによると、北朝鮮のIT技術者は身分証明書を偽造するなどして日本人になりすまし、日本企業が運営する仲介サービスに登録。アプリやソフトウエアの制作業務を受注し収入を得ている疑いがある。多くは中国やロシア、東南アジアに居住しているとみられるが、仮想私設網VPNを使って日本からアクセスしているかのように装っている場合もある。北朝鮮技術者の特徴としては、機械翻訳が疑われる不自然な日本語を用いる▽テレビ会議形式の打ち合わせに応じない▽一般的な相場より安価で業務を募集する――といった点がみられるという。仲介サービスの提供業者に対しても、アカウント名義を頻繁に変更したり、報酬の受取口座名義がアカウントと一致しなかったりする場合に北朝鮮技術者である疑いがあるとして注意を求めた。
■EU、米巨大IT3社を調査-自社サービス優遇禁止違反の疑い(共同通信2024.03.25)
欧州連合EU欧州委員会は25日、巨大IT企業に自社サービス優遇を禁じた「デジタル市場法DMA」違反の疑いで、グーグルの親会社アルファベットとアップル、メタ(旧フェイスブック)の米大手3社の調査を始めたと発表した。7日に適用が始まったDMAに基づく正式な調査は初めて。支配的な地位を利用して寡占を進めようとしているとして、巨大ITへの規制は米国や日本でも強まっている。DMAは、運営サイトなどでの自社サービス優遇のほか、利用者の同意なくデータを収集して関心に沿った「ターゲティング(追跡型)広告」を行うことを禁ずる。適用対象は米中の計6社。
■紅海の海運混乱、インドの物価や景気に影響=政府報告書(ロイター2024.03.25)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/55NGDXLOLFJF3ALJ66VVN2AZYU-2024-03-25/
インド財務省は22日に公表した月報で、国内のインフレや景気が紅海の通航遮断による原油高の影響を受けているとし、貿易ルートの多様化が必要だと指摘した。紅海ではイエメンの武装組織フーシ派の商船に対する攻撃が相次いでおり、海運各社は航路の変更を余儀なくされている。原油や自動車部品、化学製品などインドの対欧州貿易品の約8割は紅海ルートで輸送されている。財務省は、高い運賃や保険料、輸送時間の拡大により、輸入品が「著しく割高」になっていると指摘。「これらの課題に効果的に対処するためには貿易ルートや輸送手段を多様化する必要がある」との見方を示した。一方、来年度2024年4月-25年3月の輸出額に影響が出るかどうかは現時点で不明だとした。
■内閣府会議の資料に中国企業のすかし 出席者が提出(日本経済新聞2024.03.24)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA242KI0U4A320C2000000/
再生可能エネルギー分野の規制改革を議論する内閣府の会議の資料に、中国企業のロゴなどのすかしが入っていたことがわかった。会議に出席した民間のメンバーが22日と2023年12月の会合で提出した資料で見つかった。内閣府の規制改革推進室が23日にX(旧ツイッター)の投稿で明かした。同室が担当する「再生可能エネルギータスクフォース」に公益財団法人「自然エネルギー財団」の事業局長が出した資料で判明した。中国の電力会社「国家電網公司」のロゴや企業名が映っていたという。規制改革推進室はXで、財団が開いたシンポジウムで同社の関係者が登壇した際の資料の一部を使ったためロゴが残ったと説明した。「財団と中国政府・企業とは人的・資本的な関係はないとのことだ」と記した。会議を所管する河野太郎規制改革相は23日、Xで「今後は対策を強化し同じようなことが起きないよう徹底していく」と釈明した。
■情報察知し、ロシアと共有 モスクワでのテロ計画-米(時事通信2024.03.23)
米国家安全保障会議NSCのワトソン報道官は22日、米政府が今月上旬にロシアの首都モスクワでのテロ攻撃計画の情報を入手し、ロシア当局と共有していたと明らかにした。モスクワ郊外では22日夜、コンサート会場で銃撃事件が発生。ロシア当局はテロと断定し、捜査を進めている。情報は「コンサートを含む大規模集会を標的とする可能性」を示唆。米政府は情報機関が潜在的脅威を把握した場合、他国政府に警告する方針に基づき、ロシア当局と情報を共有したという。米国務省は今月7日、この情報を基に大規模集会などを避けるよう米国民に警戒を呼び掛けていた。ただ、ワトソン氏は入手した情報と今回の銃撃事件の関連については言及していない。
(コメント:ロシアでIS団に最も詳しい人材は、プリコジン氏であったと思われるけれど、彼は現在、死亡している※2023年8月23日、民間軍事会社「ワグネル」の代表エフゲニー・プリゴジン氏が搭乗していた自家用機が、モスクワ近郊で墜落)
■英副首相と会談、次期戦闘機開発の推進確認=官房長官(ロイター2024.03.21)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/ZF2SF3CWPZPNTPZ35JSUSCUSM4-2024-03-21/
林芳正官房長官は21日午後の会見で、同日午後に首相官邸で英国のダウデン副首相と会談し、日英とイタリアの3カ国が共同開発する次期戦闘機の開発プログラム(グローバル戦闘航空プログラムGCAP)についても話し合い、3カ国でしっかり開発を進めていくことを確認したと述べた。国際共同開発する次期戦闘機をめぐっては、自民・公明の与党間に第三国への輸出問題で大きな溝が生じ、一時はGCAP推進の障害になるとの懸念も浮上していた。しかし、岸田文雄首相が参院予算委員会で、第三国へ輸出できるようにするため、防衛装備移転の運用指針改定を閣議決定すると表明し、戦闘機を実際に輸出する際も個別に閣議決定すると説明。輸出先は日本と防衛装備品・技術移転協定を結ぶ国に限定、戦闘が起きている国には輸出しないことも明らかにし、与党間の合意が成立した。21日の英副首相との会談ではGCAPも話題となり、林官房長官は「3カ国の優れた技術を生かした戦闘機となるよう引き続き緊密に連携し、共同開発を着実に推進していきたい」と述べた。
■韓国主催で民主サミット=AI・偽情報対策テーマ(時事通信2024.03.20)
韓国が主催する第3回「民主主義サミット」の本会議が20日、オンライン形式で開かれた。4月の韓国総選挙や11月の米大統領選を控え、各国首脳が人工知能AIを悪用した偽情報への危機感を共有し、対策を議論した。バイデン米大統領は「言論の自由や公正な選挙を守り、民主主義の再生のために協力しよう」と呼び掛けた。サミットは米国の主導で2021年に始まった。民主主義国の結束をアピールし、中国やロシアといった権威主義国に対抗する狙いがある。岸田文雄首相は、自由で公平な選挙は「民主主義の根幹だ」と強調。「生成AIによるディープフェイク(偽動画)や成り済まし音声は、人々の政治的自己決定を妨げ、社会を混乱させる」と危機感を示した。昨年の先進7カ国G7議長国として生成AIに関する国際指針と行動規範をまとめたと紹介し、偽情報対策の国際的な連携を提起した。韓国の尹錫悦大統領は「偽ニュースは民主主義の根幹である選挙を脅かしている」と警告。外国からの選挙への介入に国際社会が協力して対抗するよう訴えた。2月には尹氏が自らの政権を「無能で腐敗している」と批判する偽の動画がインターネット上で拡散した。総選挙への北朝鮮などの介入も警戒される。
■香港議会、国家安全条例案をスピード可決-中国支配が強化(ブルームバーグ2024.03.19)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-19/SALD6QDWX2PS00
香港議会は、国家安全条例案を早々に可決した。同条例はオープンな経済議論を封じ、世界的な金融ハブである香港で活動する外国組織に対する管理を強化するものだとの批判がある。条例案は19日、香港の「愛国者専有」議会が毎週開催する定例議会の前日に招集した臨時議会で、全会一致で承認された。審議開始から11日間という短期間での承認は、1997年に中国の支配下に戻って以来最速だ。国家安全条例は香港の憲法に当たる基本法第23条に基づき法制化される。香港に中国国家を守る法を制定するための20年にわたるキャンペーンが完了したことになる。(中略)国家反逆罪や暴動罪といった犯罪は終身刑となり、政治的反対勢力を鎮圧するための当局の手段が拡大される。この法律が広範に定義する国家機密の罪は、スパイ行為に関する中国本土の曖昧な法律と歩調を合わせるもので、昨年来、外国人投資家を恐怖させてきた。中国の習近平政権は、2019年に香港を揺るがした大規模な民主化デモをきっかけに香港に対する支配を強化。翌年に反対勢力を抑圧する国家安全維持法(国安法)が施行された。香港の基本法は、香港政府が独自の治安維持法を制定することを義務付けているが、03年の試みは大規模な反対によって実現しなかった。国安法によって抗議活動が取り締まられ、条例制定に道が開かれた。
(コメント:中国共産党による、香港の取り込み作業が完了。名実ともに完全に中国の領土となったと言える。麗人-周恩来、今太閤-田中角栄、最高の外交官キッシンジャーの「胡蝶の夢」は崩れ去った、との言い回しあり。今は亡きソ連と共に並び立つ筈だったグローバル金融センター香港、という野望の終焉)
■英豪「地位協定」を締結 太平洋地域への中国の進出抑止(日本経済新聞2024.03.21)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM211XP0R20C24A3000000/
オーストラリアのマールズ副首相兼国防相は21日、同国を訪問中の英国のシャップス国防相と会談し、両国間の安全保障協力を広げる協定に署名した。豪州は最大の貿易相手である中国との関係正常化を急ぐ一方、同志国と安保協力を深めて中国の太平洋地域への進出を抑止する。協定は豪英関係がより戦略的で大きな国家安全保障の側面を持つようになったことを示す。
■4月11日に日米比首脳会談 中国にらみ連携強化(共同通信2024.03.19)
米ホワイトハウスは18日、岸田文雄首相の訪米に合わせ、バイデン大統領、フィリピンのマルコス大統領の3者による初の日米比首脳会談を、4月11日にホワイトハウスで行うと発表した。東・南シナ海で覇権主義的な行動を強める中国をにらみ、海洋安全保障を含めた防衛分野での連携強化を協議する。ホワイトハウスは「自由で開かれたインド太平洋の実現を目指す3カ国の協力を会談で推進する」と表明した。
(コメント:着々と、中国包囲網。中国ビジネス利権による国益と、アメリカ安全保障による国益、との間でフラフラするフィリピンを、ガッツリ取り込めたのは大きい。中国がフィリピンへ軍事的威嚇をやり過ぎたというのもあるかも知れませんが…中国海軍の船が、フィリピン船へ放水した事件が相次いだ…etc。岸田首相の外交力がすごい)
■自民、裏金議員80人規模処分へ 4月上旬にも一斉実施(共同通信2024.03.18)
自民党は派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、安倍、二階両派の議員計80人規模を4月上旬にも一斉処分する方向で調整に入った。党が定める処分で最も重い「除名」と、それに次ぐ「離党勧告」は見送る。岸田文雄首相(党総裁)は役員会で政治資金収支報告書への不記載額や役職歴、説明責任の果たし方などを踏まえると言明。派閥幹部には厳正に対応する方針で、「党員資格停止」や「選挙での非公認」を科す案が浮上している。複数の関係者が18日、明らかにした。2005年の郵政民営化関連法案に反対した50人を上回る異例の大量処分となる。ただ郵政造反組に下した除名、離党勧告といった厳重処分は回避し、党内融和を優先して事件の幕引きを図る狙いとみられる。最終的な処分の対象者、内容は首相や茂木敏充幹事長ら執行部が判断する。不記載額が少なかった中堅・若手議員は党の役職停止や戒告とする見通しだ。茂木氏は18日の記者会見で処分について「できるだけ早期を考えている。(内容が)一律にということにはならない」と述べた。
(コメント:自民党の改革が進行。国家機密を漏洩するタイプのメンバー相当数、整理した様子。これはこれで、党内で革命が起きたというレベルに相当。マスコミにとっては、情報提供者が少なくなる形。これまで以上に誹謗中傷デマ報道の可能性も、あるかも)
■マイナス金利解除、市場は冷静に受け止め 日銀一巡で関心は米政策に(ロイター2024.03.19)
https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/BM5BLVUU7VP7FM5X655YXYRUWY-2024-03-19/
日本銀行は19日、マイナス金利の解除などの政策修正を正式に発表した。金融市場では、事前の観測報道におおむね沿う内容として、冷静な受け止めが目立つ。総裁会見も無難に通過したとの見方は多い。関連イベントが一巡したことで、市場の関心は米金融政策に移る。 日銀は、マイナス金利の解除のほか、長短金利操作(イールドカーブ・コントロールYCC)の撤廃、上場投資信託ETFの新規買い入れ停止などを決めた。市場では、観測報道を受けた政策修正の織り込みが進んでいたことから「おおむね織り込み済みで、出尽くしの反応」(国内運用会社のファンドマネージャー)となった。日銀が政策金利を引き上げるのは17年ぶりで、07年2月以来となる。政策の大転換の局面にありながら、相場変動は限られた。市場では「事前に十分に周知された上での決定で、市場は混乱を避けることができた。日銀のコミュニケーション力が強力だった」(サクソバンクグループのチャル・チャナナFX戦略責任者)との見方が聞かれた。日銀の会合結果を受けて、国債先物は一時小幅マイナスに沈んだ後、上昇に転じた。「緩和的な金融環境の継続や国債買い入れの維持など、金利の急上昇を回避するという日銀の方針が示されたことが要因だ」と、ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは指摘する。ドル/円は発表を受けて上下。その後、節目の150円を上回った。大和証券の多田出健太チーフ為替ストラテジストは「日銀が今後、円安を修正するほどタカ派色を強めていくことはないとみている」と話す。政策修正を継続するという方向感は円高要因だが「そのペースは極めて鈍い。日銀側の要因で円相場が水準を切り上げていくのは難しいと思う」という。日経平均は、前日終値を挟んだ上下動の後、高値引けとなり4万円を回復した。三菱UFJアセットマネジメントの石金淳チーフファンドマネジャーは、イベント通過の安心感はあるものの、目先の日経平均は高値圏でもみ合いが続くとみている。「年初からの上昇による過熱感がまだ完全に払拭されたわけではなく、しばらくは底堅さを維持しつつも積極的に上値を追う展開にはならないだろう。次の上昇基調に向けての値固めの動きとなりそうだ」と予想する。
<総裁会見は無難通過>為替の円安基調が強まる中、植田和男総裁の記者会見はタカ派イベント化が警戒されたが、会見中のドル/円の変動は限られた。りそなホールディングス市場企画部の石田武ストラテジストは「ニュートラルな利上げ」と指摘する。1度も「利上げ」とは言わず、一方で新たな枠組みの名称を問われた際には「普通の金融調節」と説明し、「緩和」との言葉は使わなかった。今後の利上げ時期を巡るヒントとしては、基調的なインフレ率の上昇が一つの目線として示された。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャーは、足元のインフレ率を分解すると輸入物価が過半となり、基調的なインフレ率は1%に満たないとの試算もあるとして「まだ距離がありそうだ」との見方を話す。日銀を巡るイベントが一巡したことで、市場の関心は19-20日開催の米連邦公開市場委員会FOMCに移る。FOMCではメンバーによる政策金利見通しで年内の利下げが2回に減って早期利下げ期待が後退すれば米株安となりかねないが、その場合でも「日本株にとっては円安がある程度、下支えになるだろう」と、しんきんAMの藤原氏は話している。
■特定技能の対象、4分野追加へ 運転手や鉄道、自民党が了承(共同通信2024.03.18)
自民党の合同会議は18日、外国人労働者を中長期的に受け入れる特定技能制度の対象にバスやトラック運転手などの自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野を追加する政府方針を了承した。即戦力として最長5年滞在できる特定技能1号の対象分野が、今の12分野から16分野に拡大。特定技能全体の受け入れ見込み数は2024年度からの5年間で最大82万人と試算され、19~23年度の見込み数の2倍超になる。人口減少を背景にさまざまな産業で人手不足が深刻化しており、外国人労働者を担い手として受け入れる狙いがある。政府は月内に方針を閣議決定し、パブリックコメント(意見公募)を経て開始する。自動車運送業はバスやタクシー、トラックの運転手が対象。国土交通省の「運転者職場環境良好度認証制度」で一定基準を満たした事業者のみ、特定技能での受け入れを可能とした。トラックでは、運転手の残業時間規制に伴い、物流が停滞する「2024年問題」が懸念されており、解消につなげたい考えだ。
■プーチン氏が圧勝5期目30年まで、スターリン超えへ-ウクライナの占領地でも強行・ロシア大統領選(時事通信2024.03.18)
ロシア大統領選(任期6年)は17日、投票が終了して即日開票され、現職のウラジーミル・プーチン大統領71が約87%の得票率で圧勝し、通算5選を決めた。プーチン氏はモスクワの選対本部で「(国民は)一つのチームだ」と謝意を示し、勝利を宣言した。プーチン氏は2000年に大統領に就任し、首相時代を挟んで現在通算4期目。新たな任期を30年までまっとうすれば、権力掌握期間が独裁者スターリンの29年を超え、旧ソ連・ロシアの指導者で最長となる。憲法上は36年まで続投できる。就任式は5月。中央選管の18日の発表によると、投票率は約77%。投票を一部電子化して期間も3日間に延長され、政権が目標にしたという数値(投票率7割、得票率8割)を上回った。選挙は侵攻・占領下のウクライナ東・南部4州でも強行され、プーチン氏の得票率は90%前後と発表された。
■「核兵器管理にAI」懸念、上川外相が国連安保理で表明へ…中露念頭に「人間の関与」求める
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240316-OYT1T50177/(読売新聞2024.03.17)
18日に米ニューヨークで開かれる国連安全保障理事会での「核軍縮・不拡散」に関する閣僚級会合で、上川外相が行う演説の原案が判明した。核兵器の運用・管理にAI人工知能が利用される可能性に懸念を表明し、核保有国の中国やロシアを念頭に「人間による管理と関与の維持」を呼びかける。上川氏は演説で、核兵器について「AIなどの新興技術が及ぼし得る影響を、非常に高い関心を持って注視している」と強調。核保有国の米国、イギリス、フランスが人間による関与をすでに表明していることを受け、「他の核兵器国も同様の宣言を表明することを期待する」と述べる。また、宇宙での大量破壊兵器の配置禁止を定めた1967年の宇宙条約などを踏まえ、「宇宙空間は核兵器のない領域であり続けるべきだ。宇宙条約など既存の法的枠組みの順守は我々の責務だ」と訴える。このほか、ウクライナを侵略するロシアによる核の威嚇を「あってはならない」と非難し、米露間の核軍縮枠組み「新START:新戦略兵器削減条約」への復帰を促す。北朝鮮の核・ミサイル開発も批判し、「核実験を含め、さらなる挑発のおそれもある」との認識を示す。日本は3月の安保理議長国で、閣僚級会合では上川氏が議長を務める。ロシアのウクライナ侵略が始まった2022年2月以降、安保理で核軍縮が議題となるのは初めてで、ロシア側の発言も注目される。
■離島奪還部隊に無人水陸両用車、防衛省が開発へ…人的損害抑える狙い
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240316-OYT1T50025/(読売新聞2024.03.16)
防衛省は新年度、敵に奪われた離島への逆上陸作戦などに投入する「水陸両用車」の無人化に着手する。遠隔で操縦する無人車両を自衛隊員に先行させることで、人的損害を抑える狙いがある。国産化を視野に開発を進め、2028年度頃の部隊配置を目指す。南西諸島が占領された際の奪還任務を担う陸上自衛隊の「水陸機動団」(長崎県)には現在、米国製の水陸両用型装甲車「AAV7」が配備されている。操縦士を含む隊員が乗りこんで海上を航行し、そのまま島に上陸する運用を想定している。一方、上陸部隊は島に展開する敵から集中的な攻撃を受けるため、大きな損害を出す恐れもあった。防衛装備庁が新たに開発する無人車両は、搭載した火器を遠隔で制御することが可能で、複数の車両を同時に操縦できるようにする仕組みも検討されている。前衛部隊として安全を確保してから有人車両を進出させられることになり、自衛隊幹部は「敵が待ち受ける島への上陸作戦は特に危険を伴う。無人車両は有効な選択肢だ」と話す。車列を作って輸送任務に従事させる構想もあるという。政府は22年に策定した国家防衛戦略で、装備品の無人化を重要項目の一つに位置づけた。海洋進出の動きを強める中国軍はすでに無人型の水陸両用車を導入しているとされ、ウクライナでは遠隔操作のドローンが戦果を挙げている。防衛省は開発費の一部として、新年度当初予算案に約200億円を計上。28年度以降の量産化を予定しており、同省幹部は「自衛隊員の命を守る無人機の導入拡大は、防衛力の強化に欠かせない」としている。
水陸機動団、月内に増強…団長「抑止力高める」・・・南西諸島を防衛する陸上自衛隊の中核部隊「水陸機動団」が、月内に2400人規模から3000人超の態勢に増強される。団長の北島一(はじめ)陸将補が読売新聞の取材に応じ、「より隙のない態勢が整う。領土と国民を守り抜く能力を示し、抑止力を高めたい」と語った。同団は現在、主力の2個水陸機動連隊を長崎県佐世保市の陸自相浦(あいのうら)駐屯地に置いている。今月中に同県大村市の竹松駐屯地に1個連隊が誕生し、3個連隊編成となる見通しだ。北島団長は「戦力が1.5倍になるだけでなく、3交代制によって訓練や整備と並行した有事の即応性が格段に向上する」と意義を説明する。同団は九州・沖縄出身の隊員が過半数を占める。新連隊の創設にも地元の理解と支援を得られたといい、「隊員の士気は高い。地域での官民を挙げた応援に感謝している」と話した。九州・沖縄で行われている日米共同訓練「アイアンフィスト」では動員数が過去最大の2100人となり、演習内容も従来の「戦術レベル」から、より大規模な「作戦レベル」に格上げされた。英独仏や豪州のほか、新たにフィリピンとオランダもオブザーバーとして招待されている。北島団長は「南西諸島で実際の地形に応じた訓練をすることができる」とし、「米国だけでなく、『力による一方的な現状変更は許されない』という志を同じくする国との連携を深める機会にもなる」と語った。日本を取り巻く安全保障環境が悪化する中、防衛白書は中国について▽尖閣諸島や台湾周辺での軍事活動を活発化させている▽ロシアとの連携が強まっている――などと指摘する。北島団長はロシアによるウクライナ侵略を挙げ、「我々が学んだ教訓は、成功すると思えば侵略を試みる国が21世紀にも存在するということ。『攻めても失敗に終わる』と相手に思わせ、侵略を思いとどまらせることが最大の抑止効果を生む」と述べた。
■金沢-敦賀間が延伸開業 沿線で式典、応援割も開始-「復興の原動力に」・北陸新幹線(時事通信2024.03.16)
北陸新幹線の金沢―敦賀間(約125キロ)が16日、延伸開業した。福井、石川両県の沿線各駅では出発式や開業記念イベントが開かれ、一番列車が走行。能登半島地震の被災地を支援する「北陸応援割」も同日開始され、対象となる4県の復興を観光面から後押しする。
■中国、日本の防衛費増懸念 「武器輸出緩和」と反発(共同通信2024.03.15)
中国国防省は15日、日本の2024年度予算案で防衛費が過去最大を更新したことに懸念を示し「周辺国の安全への懸念を尊重するよう日本に促す」とする報道官談話を発表した。「日本は武器輸出の規制を絶えず緩和している」と反発し「平和な発展の道を歩み続けるのかどうか強烈な疑問がある」と非難した。談話は「日本の軍国主義の歴史からアジアの隣国と国際社会は日本の動向を注視している」と強調し「侵略した歴史を深く反省する」ことを日本に求めた。
■賃上げ平均5.28%、33年ぶり高水準 連合1次集計(日本経済新聞2024.03.15)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA138N50T10C24A3000000/
連合は15日、2024年春季労使交渉の第1回回答の集計結果を公表した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率は平均5.28%で、前年の同時点(3.80%)から1.48ポイント上昇した。過去の最終集計と比較すると5.66%だった1991年以来33年ぶりに5%を超えた。組合員数300人未満の中小企業は4.42%だった。15日午前10時時点の771組合に対する企業回答をまとめた。定昇を含めた賃上げ額は月額1万6469円で、前年の同時点から4625円増えた。ベアと定昇を明確に区別できる654組合でみると、ベアの引き上げ率は3.70%と1.37ポイント上昇した。
■独・ウクライナ首脳、軍事支援や和平など協議 電話会談で(ロイター2024.03.15)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/NLHRJKXJ4ZOULKPSPTGQTXGWEM-2024-03-15/
ドイツのショルツ首相は、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、軍事支援でパートナー国が緊密に協力していくと言明した。独政府報道官が明らかにした。ショルツ氏は15日、フランスのマクロン大統領とポーランドのトゥスク首相とベルリンで会談し、ウクライナ支援について協議する。報道官は声明で「(ドイツとウクライナの)首脳は、平和的解決に向けた世界規模の支援も視野に入れた建設的な対話を継続するとともに、緊密な連絡を続けることで一致した」と説明した。ゼレンスキー氏は防衛協力について協議したとし、チェコが主導するウクライナへの砲弾供給計画にドイツが参加したことに謝意を表したと説明。「ウクライナの防衛には装甲車、迫撃砲、防空システムが優先的に必要とショルツ氏に伝えた」とX旧ツイッターに投稿した。
■ドイツ経済、景気の顕著な回復みられず=経済省月例報告(ロイター2024.03.15)
https://jp.reuters.com/economy/inflation/3KEPLRWLU5JD5IU2KCUCLKY6UQ-2024-03-15/
ドイツ経済省は15日公表した月例報告で、今年初めの鉱工業生産、建設、対外貿易は改善傾向にあるが景気の顕著な回復は依然みられないとの見方を示した。報告では「内需の低迷が続き、資金調達コストが高く、家計や企業マインドが引き続き冷え込んでいることが要因」と指摘した。
■ドイツ企業倒産件数、23年は前年比22%増 負債総額266億ユーロ(ロイター2024.03.15)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/UKLFT2AWHVNPHD4N5Q5HWYHCKI-2024-03-15/
ドイツ連邦統計庁が15日発表した2023年の企業倒産は前年比22.1%増の1万7814件だった。景気減速や高インフレ、金利上昇が経営の逆風になった。負債総額は約266億ユーロ。倒産件数は新型コロナウイルス流行前の19年比で5%増加したが、金融危機中の09年の3万2687件を大幅に下回っている。昨年はピーク&クロッペンブルクやゲリー・ウェバーなど、ファッション小売り業界で有名企業の経営破綻が目立った。ドイツ商工会議所DIHKは、企業の4分の1で不良債権が増加していることが調査で明らかになっていると指摘し、今年は倒産がさらに増えるとの見通しを示した。2月の通常の倒産件数は前年比18.1%増加した。
■脱北者、帰還事業で初提訴 北朝鮮に損害賠償請求―韓国(時事通信2024.03.15)
1959~1984年の帰還事業で、日本から北朝鮮に渡った後、脱北して韓国で暮らす5人が15日、北朝鮮当局を相手取りソウル中央地裁に提訴した。北朝鮮で過酷な生活を強いられたとして、1人当たり1億ウォン(約1100万円)の損害賠償を求めている。原告は「『北朝鮮は地上の楽園だ』という宣伝にだまされた」と訴えている。韓国では初めての例という。
■「沖縄の宝」返還される 琉球国王肖像画、米から―沖縄(時事通信2024.03.15)
沖縄県は15日、琉球国王の肖像画「御後絵(おごえ)」など、沖縄戦で流出したとみられる文化財22点がアメリカで見つかり、14日に返還されたと発表した。御後絵の現存が確認されたのは戦後初。玉城デニー知事は「沖縄の宝が戻ってきたのは、県民にとっても大きな喜びだ」と述べた。御後絵は、国王の姿をひときわ大きく描き、その権威を示している。県によると、2001年に米総領事館を通じ、連邦捜査局FBIの盗難美術品ファイルへの登録を申請したところ、23年、FBIから御後絵らしきものが見つかったと照会があり、本物と確認された。沖縄戦の混乱で米国に持ち出された可能性が極めて高いという。今後、防虫処理や文化財の状態を確認した上で、メディアなどを対象に4月中に公開する予定。玉城知事は「今回をモデルケースに貴重な流出文化財の発見、返還につなげていきたい」としている。
(コメント:戦後が終わったのだという感慨)
■政府「育成就労」法案を国会提出 人権配慮、実効性が課題(時事通信2024.03.15)
政府は15日、技能実習に代わる外国人材受け入れの新制度「育成就労」を創設する入管難民法などの改正案を閣議決定し、衆院に提出した。現行制度では原則認めていない「転籍」(転職)を「1~2年」の就労後に可能とすることなどが柱。成立すれば2027年にも施行の見通しで、実効性の確保などが今後の課題となる。技能実習は1993年に始まった。途上国の外国人に技能を習得させる「国際貢献」が目的だったが、実態は安価な労働力を確保するための利用が横行。過酷な労働環境でも本人の意向で職場を変えることができず、長時間労働や賃金未払い、暴力・ハラスメントなど「人権侵害の温床」と批判されてきた。育成就労はこうした現状認識を踏まえ、1~2年の就労期間や一定の技能水準などの要件を満たせば、同じ職種に限って転籍を容認。悪質な転籍ブローカーを排除するため、不法就労のあっせんなどを取り締まる「不法就労助長罪」の法定刑を引き上げる。受け入れ先を監督する「監理団体」は、名称を「監理支援機関」に変更。外部監査人の設置義務付けや、受け入れ企業と密接な関係を持つ役職員の関与制限などで、独立性・中立性を高めるとした。育成就労の期間は3年。この間に、一定の技能が必要な「特定技能1号」の水準に引き上げることを目指す。中長期の在留を促し、人手不足の解消につなげるのが狙い。その一方で、永住者が税や社会保険料の納付を故意に怠った場合、永住許可の取り消しを可能にする規定も盛り込んだ。改正案は、外国人の転籍要件や監理支援機関の許可基準などの詳細に関し、省令で定めると規定。政府は施行までに内容を詰める考えだ。
■パナマ運河鉄道社長、水不足「国の損失、政府は対策を」(日本経済新聞2024.03.15)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB150W30V10C24A3000000/
水不足で通航制限が続くパナマ運河の代替として、太平洋側と大西洋側を結ぶ鉄道の輸送が増えている。港の容量に限りがあり、一段の輸送拡大は困難な状況だ。パナマ運河鉄道のトーマス・ケンナ社長は水不足について「国全体の損失。政府も対策を進めるべきだ」と訴えた。パナマ運河鉄道が運ぶ貨物の輸送量は2023年12月ごろから平時に比べ2割ほど増えた。
■イスラエル現政権「和平の妨げ」、選挙実施を=米民主上院トップ(ロイター2024.03.15)
https://jp.reuters.com/world/security/OQNSYTBAIRNQNKPTHCJNF7UJPI-2024-03-14/
米上院民主党トップのシューマー院内総務は14日、イスラエルのネタニヤフ首相が和平の妨げになっていると厳しく批判し、イスラエルは新たな選挙を実施する必要があるとの考えを示した。シューマー氏は議会上院で行った演説で、昨年10月7日のイスラム組織ハマスの奇襲攻撃後のイスラエルで、ネタニヤフ政権は「イスラエルの二ーズにもはやそぐわない」と指摘。「ネタニヤフ首相が率いる現在の政権が戦争終結後も存続し、米国の既存の援助基準を試すような危険で扇動的な政策を取り続ける場合、米国は方向性を変えるためのレバレッジを利用することで、イスラエルの政策形成に積極的な役割を果たすしかない」と述べた。その上で「民主主義国家としてイスラエルには指導者を選ぶ権利がある。重要なのはイスラエル国民が選択肢を持つことだ。10月7日以降のイスラエルの将来について新たな議論が必要だ」と指摘。「自分自身の見解では、選挙を実施することによってこれを達成するのが最善となる」と述べた。また、イスラエルと独立したパレスチナ国家が共存する「2国家共存」策をイスラエルがを拒否することは「重大な誤り」だとし、パレスチナ自治区ガザでの停戦の交渉担当者に対し、停戦の確保と人質の解放のほか、ガザ地区への人道支援実施に可能な限りの努力をするよう呼びかけた。同時に、ハマスを支持するパレスチナ人らを非難したほか、パレスチナ自治政府のアッバス議長も退任する必要があると言及。「将来的な和平に向けた希望をつなぐために、アッバス氏は退任し、新しい世代のパレスチナ人指導者と交代しなければならない」と述べた。シューマー氏はユダヤ系で、イスラエルの強力な支持者として知られる。
<ネタニヤフ首相率いる「リクード」が反論>ネタニヤフ首相率いる政党「リクード」は声明で「シューマー氏の発言とは異なり、イスラエル国民はハマスに対する完全な勝利を支持している」と反論。「イスラエルの選挙で選ばれた政府を尊重し、それを弱体化させないことをシューマー氏に期待する」とした。イスラエル首相報道官は、シューマー氏の発言に対し「現時点でコメントはない」としている。米ホワイトハウス国家安全保障会議NSCのカービー戦略広報調整官は、シューマー氏がホワイトハウスに演説について事前に報告していたとした上で、ホワイトハウスは不承認も承認もしていないとし、編集も一切行っていないと言及。記者団に対し「シューマー氏が発言をする権利を十分に尊重している。上院で何を発言するかはシューマー氏自身が決めることだ」と述べた。また、米政府はイスラエルが戦争終了後に選挙を行うべきと考えているのかとの質問に対し「イスラエル次第だ」とした。シューマー氏の演説を受け、上院共和党トップのマコネル院内総務は即座にネタニヤフ首相を擁護。「民主主義への外国の干渉に過敏に反応する米国人が、民主的に選ばれたイスラエルの指導者の解任を求めるのは偽善的だ」と述べた。
(コメント:アメリカとイスラエルの間に隙間風。アメリカ国内のユダヤ派閥の影響力は強いと思うけれど、キッシンジャー時代の後は精彩を欠き、後継者不足が響いている状況とのこと。政治的天才の登場が無くなっているらしい。こうも時代が変わるものかと驚かされるところ)
■フィジー、中国と警察協力協定を維持 英紙報道(日本経済新聞2024.03.15)
英紙ガーディアンは15日、フィジーが破棄を検討していた中国との警察協力協定を維持すると決めたと報じた。オーストラリアなど周辺国との関係を重視するランブカ政権下でも、一定の中国の影響力が残りそうだ。国防を担当するティコンドゥアンドゥア内務・移民相がガーディアンに「約1年間にわたって見直しを進めた結果、我々は協定を維持するとの結論に至った」と述べた。
■オーストラリア、レアアース供給網確立へ820億円投資(日本経済新聞2024.03.15)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM151360V10C24A3000000/
オーストラリアのアルバニージー首相は最大8億4000万豪ドル(約820億円)を投じ、北部準州でレアアース鉱山と精製施設の立ち上げを支援すると発表した。レアアース鉱石の供給や加工工程で中国への依存度を下げる。国内で初めてレアアースの採掘から精製まで一貫した供給網を確立する。