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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

2024年8月の時事情勢メモ

■行政事業の「カネの流れ」丸分かり 誰でも見られる「見える化サイト」内閣官房がスタート(itmedia2024.08.31)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2408/31/news070.html

内閣官房は8月30日、各府省庁による事業を点検し、その結果や予算の流れを公表する「行政事業レビュー」を一カ所にまとめたサイト「行政事業レビュー見える化サイト」を公開した。府省庁を横断して行政事業レビューを検索したり、サイト内でグラフ化の上、データを分析したりできる。
※「行政事業レビュー見える化サイト」https://rssystem.go.jp/top

■ポリオ予防接種でガザ戦闘一時休止に合意(共同通信2024.08.30)

世界保健機関WHOは29日、パレスチナ自治区ガザで戦うイスラエルとイスラム組織ハマスが、ガザ住民のポリオ(小児まひ)予防接種のため、戦闘の一時休止に合意したと発表した。

■辺野古工事の協議打ち切り 防衛省が沖縄県に通告(共同通信2024.08.29)

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、軟弱地盤の広がる大浦湾側で今月始まった本格工事に関し、県は29日、防衛省沖縄防衛局から「県との協議は尽くされた。環境に配慮しながら工事を進めていく」との、協議打ち切りの通告が28日にあったと明らかにした。県は環境保全などの調整が付いていないとして、工事の中止を求めていた。県の担当課は「協議が完全に打ち切られたと受け止める。今後の対応を検討する」としている。県によると2月以降、県と防衛局は協議を続けてきたが、6月18日に防衛局は8月以降の本格工事の開始を伝達。県は今月22日、協議の継続を求めて防衛局に行政指導していた。

■衆参委、NHK不適切放送で聴取へ(時事通信2024.08.27)

衆参両院の総務委員会は、NHKのラジオ国際放送で不適切な発言があった問題を受け、NHKから説明を聴取する。28日に衆院、29日に参院でそれぞれ理事懇談会を開く。自民党が27日の政府・与党連絡会議で報告した。NHKの中国籍の外部スタッフが19日、ラジオ国際放送の中国語ニュースの中で沖縄県の尖閣諸島を「中国の領土」などと原稿にない発言をした。

(コメント:政府が乗り出す余地ができたかも。NHK改革とか始まるかなという雰囲気)

■「バイデン政権が検閲圧力」コロナ関連投稿巡り-メタCEO(時事通信2024.08.27)

米メタ(旧フェイスブック)のザッカーバーグ最高経営責任者CEOは26日「2021年にバイデン政権の高官が、われわれのチームに対し、新型コロナウイルス関連の投稿を検閲するよう繰り返し圧力をかけた」と明らかにした。政府による圧力は不適切だったとも指摘し、今後同様の働き掛けには対抗すると明言した。下院司法委員会がX旧ツイッター上で、ザッカーバーグ氏がジョーダン委員長(共和党)に送付した書簡を公開した。ジョーダン氏は、現政権がSNS企業に誤情報対策を求めたことを検閲と批判し、メタに社内文書の提出を要求してきた。ザッカーバーグ氏は「(圧力に対し)もっと声を上げなかったことを後悔している」と強調。政府側の働き掛けに同意しなければ不満を示されたとも振り返り、投稿管理に妥協的な判断があったことも認めた。

(コメント:民主党を裏切って共和党へ流れる形。アメリカ大統領選挙は大荒れ…)

■教皇、モスクワ系教会禁止に懸念 ウクライナ正教巡り(共同通信2024.08.25)

ローマ教皇フランシスコは25日、ウクライナのゼレンスキー大統領がウクライナ正教会のモスクワ総主教庁系の活動を禁じる法律に署名したことを受け「いかなる教会も廃止されてはならない」と懸念を表明した。イタリアメディアが報じた。ゼレンスキー氏は24日に署名。モスクワ総主教庁系は、ロシアのウクライナ侵攻を支持する立場のキリル総主教を最高位とするロシア正教会の影響が強い。教皇は定例の行事で「祈りは悪事ではない。祈りたい人が教会と考えるところで祈らせてほしい」と訴え、教会に影響を及ぼすべきではないとの考えを示した。

(コメント:或る意味、宗教弾圧。改宗。でも、多様性ナンチャラ団は騒がない…)

■ヒズボラ、イスラエルに報復 320発以上のロケット弾(時事通信2024.08.25)

レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは25日、イスラエルに大規模な攻撃を開始したと発表した。イスラエル軍が7月下旬にレバノンの首都ベイルートを空爆し、ヒズボラの軍事部門最高幹部を殺害したことへの報復。イスラエル軍はこの攻撃に先立ち、「脅威を排除する」としてレバノンに激しい空爆を実施した。ヒスボラは、イスラエルがパレスチナ自治区ガザで交戦するイスラム組織ハマスと連帯。昨年10月に始まったイスラエルとハマスの衝突以降、ヒズボラはイスラエルに向けてロケット弾やドローン攻撃を実施し、イスラエルも応戦してきた。今回の対イスラエル報復攻撃によって、中東情勢が一層悪化する懸念が高まった。ヒズボラは攻撃後の声明で、「第1段階(の作戦)は成功裏に終わった」と強調。イスラエル軍の関連施設11カ所に向けてドローンや320発以上のロケット弾を発射したと主張した。イスラエル軍はヒズボラによる報復攻撃の前に「ミサイルやロケット弾の発射準備を確認した」として、レバノンのヒズボラ関連の標的を攻撃したと公表。軍の戦闘機約100機が数千のロケット弾発射筒を破壊したと説明した。 ヒズボラの指導者ナスララ師は先に、「強力で効果的」な報復を予告していた。イスラエルのネタニヤフ首相は25日、報復攻撃の後に開かれた緊急の治安閣議の冒頭で、「われわれに危害を加える者を攻撃する」とヒズボラをけん制した。

■マイナで受診把握迅速化=生活保護者の「頻回」是正-厚労省(時事通信2024.08.22)

厚生労働省は、頻繁に同じ医療機関に通う生活保護受給者の早期把握に向け、地方自治体とモデル事業を行う方針だ。マイナンバーカードを活用した「オンライン資格確認システム」で受診状況を確認し、生活習慣や健康の改善に向けた指導を強化する。同省担当者は「受診行動が定着する前に患者にアプローチすることが効果的」と強調。現在、モデル事業を希望する自治体と内容を調整しており、準備が整い次第開始する。同じ病気で同じ医療機関を受診する回数が多い「頻回受診」は、重複する検査や投薬による患者への悪影響に加え、医療費適正化の観点からも問題になっている。生活保護受給者の場合、医療機関などを受診しても原則自己負担が発生しない。同省によると、月15回以上受診した生活保護者が2022年度は約1万人に達し、医師が「必要以上の受診」と判断したケースは約2千人だった。現行では医療機関や薬局が保険者に請求するレセプト=診療報酬明細書で確認しているため、実際の受診から助言までに2カ月程度を要している。より早期に状況を把握するため、オンライン資格確認システムを活用することにした。モデル事業では、福祉事務所が同システムで受給者の利用実績を確認。頻回受診と判断された場合、戸別訪問による助言などにつなげる。事業費は国が全額負担する。厚労省は21年から展開する健康管理支援事業の中で、福祉事務所による「頻回受診指導」を柱の一つに位置付けている。指導を受けた人のうち、適切な回数に改善した人の割合は22年度で約47%だった。

(コメント:マイナカード・オンライン記録を通じて生活保護者の過剰受診を抑制し、医療逼迫の解決につなげる狙い。これまでの紙保険証では実態をつかむのに時間がかかり、不正受診の排除が困難だったという事情がある)

■北陸新幹線、金額示さず予算要求 大阪延伸、25年度着工目指す-国交省(時事通信2024.08.21)

北陸新幹線の敦賀-新大阪間の延伸に必要な建設費用について、国土交通省が2025年度予算への計上を要求する方針を固めたことが21日、関係者への取材で分かった。具体的な金額を示さない「事項要求」とする。年内に詳細なルートを決めた上で、25年度中の着工を目指す。(後略)

■韓国軍が竹島防衛訓練 日本外務省は強く抗議(時事通信2024.08.21)

韓国軍は21日、島根県・竹島(韓国名・独島)の防衛訓練を非公開で実施した。年2回行われる定例の訓練とされる。(中略)訓練は尹錫悦政権では5回目。聯合ニュースによると、海軍と海洋警察が参加し上陸は行われなかった。聯合は「現政権では毎回、比較的小規模で実施している」と説明し「日本の反応を考慮したとみられる」と伝えた。

■豪・インドネシア、防衛協定で合意 共同演習を円滑化(日本経済新聞2024.08.20)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB20BI00Q4A820C2000000/

インドネシア次期大統領のプラボウォ国防相は20日、訪問先のオーストラリアでアルバニージー首相と会談し、2国間の防衛協力協定を締結することで合意した。近く正式に署名する。両国軍が互いの国の基地を訪問したり、共同軍事演習をしたりしやすくする。中国と緊張関係にあるオーストラリアは東南アジアの大国インドネシアとの連携を強めたい考えだ。プラボウォ氏は、インドネシアの非同盟中立の原則を堅持しつつ、オーストラリアから農業技術や麻薬対策などで支援を引き出す狙いだ。キャンベラで行われた共同記者発表で、アルバニージー氏は協定について「(両国軍の)相互運用性を強めるものだ」と説明。「歴史的」な出来事だとし「両国だけでなく地域の安定に極めて重要だ」と語った。プラボウォ氏も「大きな進展があった」と歓迎。オーストラリアに対し、インドネシアへの投資拡大や違法薬物の撲滅に向けた協力も求めた。オーストラリアは南シナ海で威圧を強める中国に対抗し、フィリピン軍や米軍と海上協同活動を実施。プラボウォ氏は大統領就任を控え、中国やロシアを含む各国と全方位外交を展開している。プラボウォ氏は19日からオーストラリアを訪問。アルバニージー氏は、10月に行われるプラボウォ氏の大統領就任式に出席する予定だ。

■海自の水陸両用飛行艇「US-2」、新明和が一転生産継続へ(日本経済新聞2024.08.21)

新明和工業が救難飛行艇「US-2」の生産を一転して継続することになった。海上自衛隊が運用する国産唯一の水陸両用飛行艇だが、製造コストの上昇などを受けて2023年夏に一度は生産打ち切りが固まった経緯がある。政府が防衛関連産業を強化する動きもあり、防衛省が25年度予算の概算要求に建造費を盛り込み、復活する見通しになった。

(コメント:一方で、装備品は米国など海外からの輸入品も多く、円安で増額分が目減りすることも懸念される。国産装備品への割り当てを増やして防衛関連産業を維持することが課題)

■ロシア M7.0地震直後に火山噴火 科学アカデミーが更なる地震を警告(テレ朝2024.08.19)

ロシア極東のカムチャツカで地震が発生し、火山が噴火しました。ロシア科学アカデミーは今後、強い地震が起こる可能性が高いとしています。ロシア極東カムチャツカ半島沖で18日、マグニチュード7.0の地震が発生しました。その直後に、半島にあるシベルチ火山と千島列島パラムシル島の火山が噴火しました。ロシア科学アカデミーは地震が火山噴火を引き起こしたのかについては明確にしていません。タス通信によりますと、地震と噴火によりエネルギーが蓄積されているため、ロシア科学アカデミーは20日朝までにカムチャツカ半島南部のアバチャ湾付近を震源とするマグニチュード9クラスの地震が発生する恐れがあると指摘しています。

■【速報】国交省、多重下請け構造検証へ検討会(物流ニッポン2024.08.19)
https://logistics.jp/goverment/2024/08/19/48540/

国土交通省は23日、「トラック運送業における多重下請構造検討会」を立ち上げる。多重下請け構造の背景や課題を検証するため、野尻俊明氏(流通経済大学名誉教授)、矢野裕児氏(同大学教授)、首藤若菜氏(立教大学教授)ら学識経験者で構成する。全日本トラック協会(坂本克己会長)をはじめとした物流関係労使団体、厚生労働、農林水産、経済産業の各省、公正取引委員会など関係省庁もオブザーバーとして参加し、必要な対策を検討。初会合では多重下請け構造の実態把握に向けた調査方法について議論し、9月に実態を調査する見通しだ。

■ベネズエラで一斉デモ マドゥロ大統領「3選」を否定(時事通信2024.08.18)

南米ベネズエラで17日、反米左派のマドゥロ大統領の3選を否定する一斉デモが行われ、野党支持者らが統一候補ゴンサレス氏の勝利を訴えた。大統領選は7月28日に実施。マドゥロ派が牛耳る中央選管当局は根拠を示さないまま、マドゥロ氏が得票率約52%で当選したと宣言。野党側はゴンサレス氏が7割近くを得たと主張している。(中略)一斉デモはマチャド氏がSNSで呼び掛けた。独裁体制と経済破綻を苦にして脱出したベネズエラ人が集住する中南米や欧州諸国でも呼応してデモや集会が開かれた。一方、マドゥロ氏も対抗して大統領府前で集会を開催。AFP通信によると、隠れているゴンサレス氏について「洞窟に身を潜め、逃亡を準備している。金を持って米マイアミに向かうつもりだ」とやゆした。マドゥロ氏はマチャド、ゴンサレス両氏が「クーデターをあおっている」として、身柄を拘束する意向を示している。

■ミャンマー人、タイに逃避-徴兵制や内戦に嫌気、190万人が移住(日本経済新聞2024.08.18)

ミャンマー人がタイに逃避し、レストランや新規ビジネスを始める動きが加速している。今年に入り、ミャンマー国軍が徴兵制を導入したことや長引く内戦によって、母国からタイに逃れてきた移民の様々なニーズに対応することが狙いだ。ミャンマーの経済界に詳しい複数の関係者によると、過去3カ月の間にミャンマーの数十社がタイで事業拠点を設けたとしている。

(コメント:タイとの外交交流には、ミャンマー情勢が否応なく入ってくるようになるかと思案。タイ経由でミャンマー反社成分が来日する可能性があり、タイにおける大麻合法化の流れと合わせて、いっそう慎重な取り扱いが必要…)

■政府、エムポックスで対策会議 WHOの宣言受け、対応確認(時事通信2024.08.16)

政府は16日、アフリカで広がっている天然痘に似た症状の感染症「エムポックス(サル痘)」について、関係省庁の局長級による対策会議を持ち回りで開催した。世界保健機関WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したことを受けたもので、情報の収集・提供のあり方や医療体制について、当面の対応を確認した。内閣感染症危機管理統括庁によると、会議では発生国の罹患状況や諸外国の対応に関する情報収集、出入国者への注意喚起を確実に行うことを申し合わせた。また、感染が疑われる患者が発生した場合に備え、2022年の流行時から整備した検査、受け入れ体制を維持することなどを確認した。外務省は15日、アフリカの7カ国を対象に、渡航などに関し十分な注意を呼び掛けるレベル1の感染症危険情報を発出した。武見敬三厚生労働相は同日の閣議後記者会見で、コンゴ(旧ザイール)からの要請を受け、日本で製造されているワクチンなどを供与する準備を進めていると明らかにした。

■エムポックスで緊急事態宣言=2度目、アフリカで流行-WHO(時事通信2024.08.15)

世界保健機関WHOのテドロス事務局長は14日、天然痘に似た症状の感染症「エムポックス(サル痘)」がアフリカで流行していることを受け、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。記者会見で「アフリカ内外にさらに広がる可能性が非常に懸念される」と述べ、各国に警戒を呼び掛けた。WHOがエムポックスで緊急事態を宣言したのは、欧米などに感染が拡大した2022年7月以来約2年ぶり2度目。前回は感染減を理由に23年5月で解除されたが、アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)ではその後、エムポックスウイルスの変異株が急速に広がった。今年はコンゴで既に23年の1年間を上回る1万4000人超が感染し、520人余りが死亡。隣国のルワンダ、ブルンジ、ウガンダや東部ケニアでも過去1カ月で計約90件の感染が報告されたため、WHOが14日に開いた専門家会合で緊急事態に当たるとの見解が示された。エムポックスは前回も今回も、主に性交渉で広がっているもようだ。テドロス氏は会見で「(感染の)増大を食い止め、命を守るには国際的対策の調整が不可欠だ」と強調。宣言を機に、WHO加盟各国で連携を強化すると訴えた。

■「国民皆保険」新興国に輸出 世銀・WHO拠点が東京に(日本経済新聞2024.08.16)

新興国で社会保障を担う人材の育成に、国民皆保険や介護保険など、日本の仕組みや経験を役立ててもらう取り組みが本格化する。各国の担当者が集まる拠点が2025年、東京に誕生する。日本が培った仕組みを「輸出」し、各国の制度見直しや日本の医療機器の海外展開につなげる。育成拠点の名称は「UHCナレッジハブ」で、厚生労働省が財務省や世界銀行、世界保健機関WHOと協力し設立する。

(コメント:いままでは法整備の援助などに限られていたのが、ついに「国民皆保険」制度を輸出。驚きの展開。日本の影響力が良い方向で、どんどん拡大している感じ)

■実質GDP、2四半期ぶりプラス-年3.1%増,内需主導-名目で初の600兆円突破4-6月期(時事通信2024.08.15)

内閣府が15日発表した2024年4-6月期の国内総生産(GDP,季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.8%増、この成長が1年続いた場合の年率換算で3.1%増だった。2四半期ぶりのプラス成長。一部自動車メーカーの認証不正に伴い1-3月期に落ち込んだ自動車生産の再開が進み、個人消費や設備投資が回復。内需がGDPを押し上げた。物価変動の影響を反映し、生活実感に近い名目GDPの実額は年換算で607兆9037億円と初めて600兆円を突破した。500兆円台に乗せたのが1991年10-12月期で、32年半ぶりに新たな大台に到達。15年に当時の安倍晋三政権が掲げた目標を達成した形だが、実質ベースの伸びは小さく、物価上昇の影響が大きい。新藤義孝経済財政担当相は15日の記者会見で、今回のGDPについて「民需による押し上げが顕著」と指摘。その上で、名目GDPが600兆円を超えたことは「新しい経済ステージへの移行実現に向けた大きな一里塚になった」と強調した。内需の柱となる個人消費は前期比1.0%増と5期ぶりのプラスとなった。自動車の購入が持ち直したほか、外食や衣服、エアコンなどの支出も増加した。設備投資も自動車関連の支出やソフトウエア投資が伸びて0.9%増となった。公共投資は4.5%増と4期ぶりに増加した。輸出は自動車を中心に増加し、1.4%増と2期ぶりに増加に転じた。内閣府担当者は、米国向けは好調な一方、中国向けは景気減速の影響で工作機械などが伸び悩んでいると指摘している。輸入も業務用コンピューターなどが増えて1.7%増と2期ぶりのプラスだった。

(コメント:岸田総理大臣「安倍政権時代2015年にこの600兆円という目標を掲げたわけですが、9年越しでこれが達成できた。こういった数字です」…民主党政権や東日本大震災・リーマンショックでダメージを受けた日本経済を立て直すのは大変だったかと思案。必死で対策したり走り回ったりした官僚たちも、感慨もひとしお、というところかと…バブル崩壊後の低成長が続いた影響で600兆円を超えるまで32年間もかかった。経済政策は、世代単位で見ていかないと真価が分からない領域であるのかも)

■グーグルの事業分割検討 中核にメス、独禁法訴訟-米司法省(時事通信2024.08.15)

米司法省が、グーグルを相手取った反トラスト法(独占禁止法)訴訟の一審で勝ったことを踏まえ、同社の事業分割を検討していることが14日、明らかになった。グーグルは控訴を表明しているが、独占状態の是正策として、ウェブブラウザー(閲覧ソフト)などの中核事業にメスが入る可能性がある。複数の米メディアが報じた。司法省はブラウザーの「クローム」やスマートフォンの基本ソフトOS「アンドロイド」、広告について、事業分割や売却を含む措置を議論。司法省側の提案を受け、首都ワシントンの裁判所で9月上旬に審理が開かれる。

(コメント:アメリカ経済は、年内のうちにも大恐慌の発生源となりかねないところ。ハードランディングしてでも…ということで、司法省が企業の事業分割に乗り出した形であるかと思案。アメリカ経済が危機を回避できるかどうか、綱渡りがつづく見込み)

■南海トラフ情報、発信検証へ 政府「過剰反応招いた」(時事通信2024.08.15)

史上初の南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の終了を受け、政府は国民への注意の呼び掛けが適切だったか検証する方針だ。一部の地域で宿泊施設のキャンセルが相次ぐなど、政府が想定していない反応を招いたとの反省からだ。岸田文雄首相は15日、松村祥史防災担当相ら災害担当者と首相官邸で協議し、「一連の対応や社会の反応を振り返り、国民への呼び掛け要領など運用面で不断の改善を図る」よう指示した。臨時情報が発表された8日、首相は官邸で記者団の取材に応じ、国民に向けて「日ごろからの備えを再確認し、地震が発生したらすぐに避難できる準備を行ってほしい」と発信。一方、林芳正官房長官は記者会見で、今回の臨時情報は「巨大地震警戒」よりレベルが下の「注意」だと強調し、国民に冷静な対応を要請した。首相は9日に記者団の前に再度立ち、「国民には情報の性格をよく理解し、旅行、帰省などを含めて社会経済活動を継続してほしい」と強調。しかし、実際には、三重、和歌山、徳島、愛媛、高知、宮崎各県などで宿泊のキャンセルが例年より増え、物資の買い占めなども起こった。徐行運転や一部運休に踏み切った鉄道会社もあった。官邸関係者は「できることはやったが、一部で過剰な反応があった」と課題を口にする。政府の発信が分かりにくかったとの指摘に加え、首相が外遊を土壇場で取りやめたことが影響したとの見方も政府関係者の間では出ている。首相との協議後、松村氏は記者会見で「初めての臨時情報発表だったので、国民には戸惑いもあったと思う」と分析。「(内閣府の)ワーキンググループで国民への周知のありようを議論する。今後の対応に生かしていく」と強調した。

(コメント:何もかもが初だったから、これくらい慎重で結果的にはオーライなのでは。人とモノがいつもより動くお盆時期だったのが、影響に拍車かけた点あったかも。どういう性格の情報であるか見定める能力、一定レベルを期待するためには、ある程度みっちり学習が必要。まさにインテリジェンスの要な部分、人によって向き不向きの個人差は大きい筈)

■大阪府の大規模停電、原因は「地中送電線の不具合」か 関西電力グループが発表 15日発生(ITmedia2024.08.15)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2408/15/news142.html

8月15日午前4時3分ごろに大阪府で発生した大規模停電を巡り、関西電力送配電はその原因について見解を発表した。同社は「大阪市内の地中送電線に不具合が生じ、複数の送電線に影響を与えたことが要因と推定している」と説明。より詳細な停電原因については調査を進めるとしている。停電が発生したのは、大阪市の福島区と西区、都島区、旭区、城東区、鶴見区、北区、中央区、東成区、守口市の一部。総停電軒数は約24万4600軒に及ぶとしており、15日午前7時43分ごろには送電を再開。現在は全て解消しているという。

■北陸新幹線、16日に臨時列車 東海道の代替ルート(共同通信2024.08.15)

JR西日本金沢支社は15日、金沢発の北陸新幹線の臨時列車を16日に運行すると発表した。台風7号の接近に伴う東海道新幹線の運転取りやめで、代替ルートとして北陸新幹線の利用増が見込まれるため。北陸新幹線の臨時列車は、16日午後に首都圏方面に向かう上り2本で、普通車は全車自由席とする。新大阪発敦賀(福井県)行きの特急「サンダーバード」も臨時列車を2本設定する。

■ガス管ノルドストリーム爆破、ウクライナ人に逮捕状 ダイビング講師か-独検察(時事通信2024.08.15)

ロシア産天然ガスを欧州に送る海底パイプライン「ノルドストリーム」が2022年9月に爆破された事件で、ドイツ検察はウクライナ人の男の逮捕状を取った。南ドイツ新聞などが14日報じた。男はダイビングの講師で、ウクライナで潜伏中とみられる。同国政府は関与を否定している。犯行グループは、船で運んだ爆発物を海底で起爆し、ガス管を損傷させたとされる。報道によると、独捜査当局は潜水用機材を運んだ車を特定し、この男が乗っていたことを突き止めた。乗船していたのは5人で、男の他に、ダイビング教室を経営するウクライナ人の男女が含まれているとみて調べている。

■岸田首相不出馬、米紙も速報 「党内圧力に屈した」(時事通信2024.08.14)

岸田文雄首相の自民党総裁選不出馬について、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)も13日、速報で伝えた。日本メディアを引用する形で「日本で人気のない岸田首相が来月退任の意向」と至急報を打った。同紙は不出馬について「党内の(退任)圧力に屈した」と説明。党総裁選の勝者が次の日本の首相になると解説した。外国通信社も「岸田首相が不出馬」と相次ぎ速報した。ロイター通信は、岸田氏について「戦後8番目に長く在職し、大規模な財政出動で新型コロナウイルス禍からの脱却に取り組んだ」と報道。次期総裁が「物価上昇や地政学的緊張、トランプ前米大統領が返り咲く可能性などに直面する」と伝えた。AFP通信は、岸田氏が「日韓関係の改善に取り組んだ」と評しつつ、物価高を背景に支持率が落ち込んでいたと指摘。自民党内の醜聞に加え、最近は急激な円安にも見舞われていたと報じた。

(コメント:岸田総理お疲れさまでした。世界秩序が激変する巨大パラダイムシフト砲火の戦国乱世の中、日本国を安全に舵取りしてゆかれたのは、偉大な業績として伝説として語り継がれると思うのであります。これほど非凡な決断力、そのたぐいまれな仕事ぶりを、ちゃくちゃくと目撃できた事は人生の幸いであります)

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■欧米が着手した凍結されたロシア政府資産の活用を巡る動き(米国REPO法の成立及びEU「ユーロクリア」からの最初の「特別収益」の受け入れ)とロシアによる対抗措置の可能性(2024.08.14独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構)
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1009992/1010187.html

G7による「ウクライナのための特別収益前倒し融資」(約500億ドル)の立ち上げについて、米国が200億ドル、ドイツ、フランス及びイタリアが計200億ドル、日本、英国及びカナダが残りの100億ドルを3カ国で均等に分けて拠出する方向で最終調整している。日本は日本で凍結しているロシア政府資産(580億ドル)からの「特別収益」をその資金として充当するのではなく、国際協力機構(JICA)による円借款5,000憶円程度の拠出で対応する方針。/ロシア政府の対抗措置はミラーアクションとして欧米諸国がロシア国内に保有する資産(欧米諸国が凍結した国債等をベースとする外貨準備ではなく、主要石油ガス会社株式やプロジェクト権益)が対象となってくることが予想される。/日本政府が凍結されたロシア政府資産には手を付けず、JICAによる円借款で5,000億円を拠出しようとしていることは、本措置が内包する発動時の日本が被る国際的な信用リスクを回避するだけでなく、ウクライナ支援という本来の目的を達成しながら、ロシア政府による資産接収という対抗措置をかわす判断と言えるだろう。

(過去記事)■5千億円のウクライナ支援へ 日本が年内実施で最終調整(共同通信2024.07.17)

先進7カ国G7で合意したロシアの凍結資産を活用するウクライナ支援で、日本が33億ドル(約5200億円)を拠出する方向で最終調整に入ったことが16日、分かった。総額500億ドル規模の支援の6%強に当たる。(中略)ロシアの凍結資産活用に向けて主導的な役割を担ってきた米国と欧州連合EUが500億ドルのうち200億ドルずつ拠出する。残る100億ドルを日本と英国、カナダの3カ国で分担する。G7はロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援金を融資の形とし、ロシアの凍結資産から生じる運用益を返済に充てることを決めた。

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■首相、モンゴル・キルギス首脳と電話 訪問再調整を伝達(日本経済新聞2024.08.13)

岸田文雄首相は13日、モンゴルのオユーンエルデネ首相、キルギスのジャパロフ大統領とそれぞれ電話協議した。南海トラフ地震の臨時情報に対応するため中央アジア訪問を延期したと説明した。今後の訪問に関して「諸般の事情を踏まえつつ、適宜調整したい」と伝えた。外務省によると、モンゴル、キルギスの首脳は首相の判断に理解を示した。首相は9〜12日にカザフスタン、ウズベキスタン、モンゴルを訪れる予定だった。カザフスタンとモンゴルで各首脳と会談する計画だった。

■島に「ガソリンがない」 南大東島で在庫尽き、車両動かせず 需要超過影響か 沖縄
https://ryukyushimpo.jp/news/national/entry-3357515.html(琉球新報2024.08.10)

南大東村で9日までに、ガソリンの在庫が切れて車両などへ給油ができなくなっている。島で唯一のガソリンスタンド「JAおきなわ南大東SS」によると、8日朝には在庫がなくなったという。島に燃料を届けている船の運航が1カ月近く止まっており、次の入港は14日まで待たなければならない。ある住民は「南大東村に来て50年近くなるが、ガソリンが切れるのは初めてだ」と驚く。南大東には通常、燃料を載せた船が2週間に一度入港しているという。最後に燃料が届いたのは7月11日。その後、7月20日から8月7日まで年に一度の船舶ドックに入ったことに加え、例年の夏の需要を大きく超える出荷量があった。7月末にかけて出荷量が増え、制限もかけていたが、間に合わなかった。南大東村港湾業務課の担当者は「今後の対策について、港湾と船会社で話し合っていかないといけない」と話した。

■秋葉安保局長、モンゴル要人と会談(時事通信2024.08.11)

秋葉剛男国家安全保障局長は11日、モンゴルの首都ウランバートルでビャンバジャルガル国家安全保障評議会事務総長、ビャンバツォグト国防相とそれぞれ会談した。北朝鮮による日本人拉致問題への対応を協議。防衛分野の2国間協力や、中国、ロシアの情勢についても意見を交わした。政府が同日、発表した。

■中国、自己破産制度の導入検討 個人債務急増、苦しみ永遠(共同通信2024.08.08)

長らく自己破産を認めてこなかった中国が制度の導入検討を始めた。不動産不況などに伴い個人債務が急増しているが、返済不能な借金が利息で膨らみ続ける悪循環を止めるすべがない。経済的に破綻した人々は「永遠に終わることのない苦しみ」(多重債務者)を強いられているが、自己破産はモラルハザード(倫理観の低下)を招くとの慎重論も根強い。「新型コロナウイルス禍で商売が悪化した上に投資の損失も膨らみ、銀行の借金が返せなくなった」。広西チワン族自治区の30代男性は生気のない表情で語った。家族が不動産を売り、借金約200万元(約4千万円)の一部を返済。残る数十万元の借金は利息で毎月増え、八方ふさがりだ。「早く自己破産を認めてほしい」投資に失敗し毎月の利息が月給を上回る女性は、両親にも督促がいくため連絡を絶った。「このままでは自殺するしかない」と思い詰める。共産党は先月開いた第20期中央委員会第3回総会(3中総会)で、自己破産制度導入に前向きな姿勢を打ち出した。

(コメント:共産主義は「個人は私有財産を持たない」ルールですが、実際は幹部が人民の財産を収奪するための階級社会システムへと移行しやすい部分があり。むべなるかな)

■遺体4千体を違法入手 中国、医療関連企業を捜査(共同通信2024.08.08)

中国メディアは8日、山西省太原市の医療関連企業が骨の移植に使用する「移植材」を製造するため、2015~23年に四川省や雲南省の葬儀場、病院などから4千体以上の遺体を違法に入手していたと報じた。死者の尊厳を踏みにじる行為だとしてインターネット上で激しい非難が湧き起こっている。この企業は医療用製品の製造販売を手がける「山西奥瑞生物材料」。太原市当局が捜査を進めており、容疑者は同社や病院、火葬場の関係者ら計75人に上り、いずれも容疑を認めているという。容疑者の一人である同社社長は、四つの葬儀場の経営権を取得して支配下に置き、火葬場の作業員に遺体を持ち出させて同社に4千体以上を提供させていた。

■岸田首相、中央アジア訪問中止 南海トラフ地震対応に万全(時事通信2024.08.09)

岸田文雄首相は9日、長崎市で記者会見し、同日からの中央アジア訪問を中止すると表明した。南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表を受け、危機管理対応を優先する。首相は「気象庁が地震への備えを呼び掛けている1週間程度は国内にとどまり、政府として対応や情報発信に万全を期す」と述べた。日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、8日夜に臨時情報が初めて出た。首相は「特定の期間に地震が発生することを知らせるものではないが、国民の不安も大きい。危機管理の最高責任者として念には念を入れたい」と説明した。首相は9~12日の日程でカザフスタンとウズベキスタン、モンゴルの3カ国への訪問を予定。カザフでは中央アジア5カ国との初の首脳会合を開くことになっていた。首相は9日午前に長崎市で開かれた長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に参列。この後、会見に臨んだ。

■政府、核軍縮への影響懸念 G7大使の長崎式典欠席-原爆忌(時事通信2024.08.09)

日本以外の先進7カ国G7の駐日大使らが長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典を欠席することになり、日本政府は岸田文雄首相が重視する核軍縮の取り組みに悪影響が出ないか状況を注視している。米英仏という核保有3カ国を含む欧米諸国との間に溝が生じかねず「核なき世界」に向けた機運づくりに水を差す恐れがあるからだ。首相は核兵器国と非核兵器国との「橋渡し役」を担うとの立場。唯一の戦争被爆国として「被爆の実相」を世界に伝えつつ、現実的な手法で働き掛ける方針を繰り返し示してきた。与党幹部によると、政府は長崎市がイスラエルを式典に招待しないことを決め、各国大使らが反発していることが分かると、外交問題に発展する事態を懸念。鈴木史朗市長と関係のある現職閣僚や元参院議員を通じて水面下で翻意を促したが、市の方針は変わらなかった。林芳正官房長官は8日の記者会見で「式典は長崎市主催行事だ。各国外交団の出欠についてコメントする立場にない」と述べるにとどめた。首相周辺は「日本政府も招待される側だ」と語り、打つ手には限りがあったと強調している。G7の枠組みは日本外交の軸の一つ。ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢、東アジアの安全保障に関してもG7の連携を重視してきた。外務省幹部は「イスラエルを招待しないとなれば、欧米主要国とあつれきが生まれるのは当然だ」と指摘。共同歩調が崩れないよう意思疎通を強化する考えを示した。首相は6日、米国のエマニュエル駐日大使らも出席した広島市の式典で「核兵器のない世界への道のりが厳しいものであっても、歩みを止めるわけにはいかない」と表明した。長崎でも核軍縮へ決意を重ねて示すが、大使欠席が影を落としそうだ。

■「安全保障政策統括室」を設置=財務省(時事通信2024.08.07)

財務省は7日、安全保障に関連する政策について省内部局の連携強化を図るため、「安全保障政策統括室」を設けたと発表した。設置は5日付。

内閣府ホーム>内閣府の政策>経済安全保障:https://www.cao.go.jp/keizai_anzen_hosho/
(コメント:「財務省内の安全保障政策」を取りまとめるための室の設置。縦割り行政シフトしかねないということを考えると微妙な部分かと思いますが、「よりわけて作業」そのものは「経済安全保障推進法」が成立したからには、必要と判断された様子)

■米駐日大使、長崎式典欠席へ イスラエル不招待を問題視(日本経済新聞2024.08.07)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB079MF0X00C24A8000000/

米国のエマニュエル駐日大使は、長崎市が9日の「原爆の日」に開く平和祈念式典を欠席する。米大使館が7日、明らかにした。パレスチナ自治区ガザを攻撃するイスラエルを招待しなかったことを受けた対応。日本を除く主要7カ国G7と欧州連合EUの駐日大使や代表が連名で、イスラエルを招待しないことに懸念を表明する書簡を長崎市に送っていたことも判明した。書簡は7月19日付。ロングボトム駐日英大使も6日に問題視する立場を記者団に示しており、東京の仏独カナダ各大使館も7日、共同通信の取材に「遺憾」「残念」とそれぞれ表明した。長崎市によると、G7の6カ国とEUの大使はいずれも式典出席の予定はない。鈴木史朗市長は8日午前10時から市役所で取材に応じる。米大使館によると、エマニュエル氏は長崎市がパレスチナを招待する一方、イスラエルを招待しないと決めたことにより「式典が政治化された。参加を見合わせる」と説明している。鈴木市長は抗議活動など「不測の事態」が起きるリスクがあるとの立場で、7月31日、イスラエルを招待しないと発表した。書簡は発表前のもので、各大使らは「(ウクライナ侵略を理由に招待していない)ロシアやベラルーシとイスラエルを同列に置くことになる」と指摘し「このような事態は不幸であり、誤解を招く」と強調した。「長崎の式典の普遍的なメッセージを守るため、イスラエルを招待するよう呼びかける」とも訴え、招待がなければ高官の出席は難しくなると警告した。米政府は7日、在福岡米領事館のアシーケ首席領事が米政府代表として出席すると発表した。エマニュエル氏は追悼のため9日に東京・芝公園の増上寺で催される式典に参加する。長崎市によると、英仏独伊カナダは公使や参事官、総領事らが出席する見通しという。エマニュエル氏は6日の広島市の平和記念式典には参列した。同市はイスラエルを招待する一方、パレスチナは招かなかった。

■岸田首相、自衛隊明記も優先 改憲国民投票、緊急事態と合わせ(時事通信2024.08.07)

岸田文雄首相(自民党総裁)は7日、党本部で開かれた憲法改正実現本部の全体会合に出席し、憲法改正に関し、自衛隊明記にも優先して取り組む方針を明らかにした。「憲政史上初の国民投票にかけるとしたならば、緊急事態条項と合わせて自衛隊明記も含めて国民の判断をいただくことが重要だ」と訴えた。会合では、議員任期特例の条文化と、自衛隊明記などに関する論点整理を行うための二つの作業部会を新設することを決めた。自衛隊明記などについて、首相は「8月末を目指して議論を加速してほしい」と訴えた。

■日モンゴル、防衛装備移転で大筋合意へ 投資環境整備でも協力(時事通信2024.08.06)

日本、モンゴル両政府は、防衛装備品の輸出を相互に可能にする「防衛装備品・技術移転協定」の締結で大筋合意する方向で最終調整に入った。岸田文雄首相が今月中旬にウランバートルでフレルスフ大統領と会談し確認する。日本政府関係者が6日、明らかにした。協定は防衛装備品や技術の移転先での適正な管理を担保。政府は今秋以降の署名を想定し、具体的な輸出品目をモンゴル側と協議する。協定締結は中国やロシアと国境を接するモンゴルに対する安全保障協力の強化が狙い。政府は防衛装備品を無償供与する枠組み「政府安全保障能力強化支援OSA」についても、モンゴルを2024年度の対象国とすることを検討している。首脳会談では、モンゴルに投資を呼び込むための環境整備に関する協力も確認する。ビジネス関連の法整備や株式市場の監督強化、行政の透明性向上などの支援を検討している。

(コメント:フィリピンに続きモンゴルとも「防衛装備品・技術移転協定」の締結。モンゴルは北朝鮮と外交がある国で、拉致被害者問題の解決に向けての道筋が割と増えたかも?)

■中国株、高寄り後に伸び悩む 他のアジア株は総じて反発
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/PNOH5JWPP5KU5LKJQFNZZSYRCI-2024-08-06/

6日午前の中国株式市場は高寄り後に伸び悩む展開。他のアジア株は総じて反発しているが、中国経済の回復の遅れに対する懸念が根強い。前日の中国株式市場は他のアジア株ほど値下がりせず、1%強の下落となっていた。上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数は0.7%高で寄り付いた後、0300GMT日本時間正午時点でほぼ横ばい。香港株式市場のハンセン指数は0.3%高。国信期貨のアナリストは「(世界的な株安の)影響は限定的だ。中国株はすでに底値圏にあり、海外市場のボラティリティーとは比較的無縁だ」と指摘。多くの海外投資家はすでに中国から資金を引き揚げており、大幅な含み損を抱えている投資家がさらに売りを出す可能性も低いと述べた。RBCキャピタル・マーケッツのアジア通貨戦略責任者、アルビン・T・タン氏は「朝方のアジア市場は比較的落ち着いている。われわれは(米国の)景気後退が差し迫っているとは考えていない。ましてや、すでに景気後退に突入しているとも思えない」と語った。

■ハシナ首相が辞任、国外脱出 デモ激化で、暫定政権樹立へ-バングラデシュ(時事通信2024.08.05)

バングラデシュのシェイク・ハシナ首相76は5日、反政府デモの激化を受けて辞任し、国外に脱出した。隣国インドに逃れたとの情報がある。バングラデシュ陸軍幹部は国民向けの演説で、暫定政権樹立のため大統領に面会すると発表した。5日には多数のデモ参加者が首都ダッカの首相公邸になだれ込んだ。同国では7月中旬以降、反政府デモが激化。4日にはデモ隊と治安部隊の衝突で90人以上が死亡した。AFP通信は、反政府デモの死者数が7月以降で少なくとも計300人に達したと伝えた。デモ隊は当初、公務員採用における優遇措置の撤廃を要求していたが、その後ハシナ首相や閣僚の辞任を求めるなどエスカレートした。ハシナ氏はデモ隊を「テロリスト」と表現。要求を受け入れない姿勢を示していた。

■外務省、レバノン全土に退避勧告(時事通信2024.08.05)

外務省は5日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエルの戦闘激化を受け、レバノン全土の危険情報を最も高いレベル4=退避勧告に引き上げた。同省によると、レバノンには約60人の日本人が居住。安全を確保し、商用便が運航している間に「直ちに退避」するよう呼び掛けている。

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■債券は大幅高、米金利の急低下受ける-先物サーキットブレーカー発動(ブルームバーグ2024.08.05)

5日の債券相場は大幅高。米国で7月の雇用統計が予想を下回り、長期金利が急低下したことを受け買いが急増した。長期国債先物は取引を一時中断する「サーキットブレーカー」が発動された。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは、米金利の大幅低下に加え、米景気懸念による国内ファンダメンタルズへの悪影響から日本銀行の早期追加利上げ観測が後退し、買いが強くなっていると指摘した。BNPパリバ証券の井川雄亮マーケットストラテジストは、週末の弱い米雇用統計を踏まえてタカ派的なターミナル金利の織り込みが剥落しているとし、10年金利は一段の低下になっているとの見方を示す。

(コメント:大阪取引所では日経平均先物の取り引きで午後1時26分から10分間、売買を一時中断する「サーキットブレーカー」措置。先週発表されたアメリカの雇用統計で、失業率が予想を上回ったため、市場ではアメリカの景気が減速しているとの見方が拡大。FRB=連邦準備制度理事会が利下げのペースを早めるとの予想のもと、日米の金利差の縮小を見込んだ円買い・ドル売りが続く。反社会・地下経済=売春や麻薬取引等=をGDP成長に織り込んで水ぶくれさせた株価が、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻で行き詰まっていた。そこへ米国の利下げ観測と中国の景気後退の予兆を受けて、一気に弾け出したという流れ。信用経済の根幹にヒビが入る事態とのこと。適切な対策なしでは大恐慌フェーズへ移行する可能性あり)

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■重要インフラ被害に報告義務 サイバー防御で政府検討(時事通信2024.08.04)

政府は、民間の重要インフラ事業者がサイバー攻撃を受けて被害があった場合、政府に対する報告を義務化する方向で検討に入った。サイバー攻撃の兆候を捉えて事前に対処する「能動的サイバー防御」の導入に向けたもので、情報共有を迅速化して他企業への被害拡大を防ぐ狙いがある。複数の政府関係者が4日、明らかにした。被害を受けた事業者は、株価下落など企業価値の低下を懸念し、被害報告に消極的な場合が予想されるため、法的義務を明確にする。政府は8月上旬にサイバー防御導入に向けた課題を議論する有識者会議を開き、中間整理をまとめる方針で、報告義務化の在り方を盛り込む方向だ。

■物流円滑化や脱炭素支援を表明へ 首相、中央アジア5カ国と初会合(共同通信2024.08.03)

政府は、カザフスタンで今月開く中央アジア5カ国との初の首脳会合で、物流の円滑化と脱炭素、人材育成の3分野を柱とした経済支援策を打ち出す方向で調整に入った。岸田文雄首相が出席し、表明する。近接する中国やロシアへの依存を軽減し、豊富な天然資源を持つ中央アジアとの関係深化を狙う。関係者が3日、明らかにした。中央アジア5カ国はカザフスタンとウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン。首相は9~12日の日程でカザフ、ウズベクに加えモンゴルを訪れる。ロシアを経由せずに中央アジアと欧州をつなぐ物流網「カスピ海ルート」の利便性を高めるため、日本のデジタル技術を使いルート上の国で税関手続きの一元化を図る。ウクライナ侵攻を続けるロシアを迂回し物流を安定させる狙いがある。脱炭素を巡っては、温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に協力。日本の技術を活用して火力発電所の近代化を進め、天然ガスを利用した肥料やガソリンの生産・輸出も検討する。

(コメント:岸田首相の9日からの中央アジア訪問に、50社ほどが同行し、ビジネスフォーラムに参加する予定との事。中国の一帯一路が展開されていたエリアなので、今後にわたって要・注目)

■米失業者2割増の衝撃 7月雇用、FRBに大幅利下げ迫る(日本経済新聞2024.08.03)

米景気の悪化懸念が急速に高まっている。2日公表された7月の雇用統計では失業者が1年前の1.2倍に急増した。景気後退入りを示すシグナルが点灯し、株価は急落した。金融市場は米連邦準備理事会FRBに対し、次回の9月会合で0.5%の大幅利下げに踏み切るよう迫る。失業率は6月の4.1%から7月は4.3%に上昇した。

■米就業者7月11.4万人増、市場予想下回る 失業率も上昇(日本経済新聞2024.08.02)

米労働省が2日発表した7月の雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月から11万4000人増えた。市場予想は17万〜19万人増だった。失業率も予想に反して上昇した。過熱はすでに収まり、雇用には冷え込みの兆しが出ている。6月は20万6000人増から17万9000人増に、5月は21万8000人増から21万6000人増に修正された。失業率は4.3%。

■ウクライナ、8月から対外債務の支払いを一時停止(ロイター2024.08.01)
https://jp.reuters.com/world/ukraine/KMDNCWVLF5ICTNFQNVMKQH4WPM-2024-08-01/

ウクライナ政府は31日、200億ドルの外貨建て国債の再編計画の最終段階として、債務返済を一時的に停止することを可能にする法律を発動した。これに伴い8月から債務返済を停止する。ウクライナ政府は22日、200億ドルの外貨建て国債の再編について、民間債権者グループと基本合意に達したと発表していた。2022年に結ばれた2年間の債務猶予合意が期限切れとなる直前での合意となった。ウクライナはロシアによる侵攻を受けて財政が悪化し、同盟国からの資金と軍事支援に大きく依存する状況となっている。

■東証急落、歴代2番目の下落幅 終値2216円安、米景気減速で(共同通信2024.08.02)

2日の東京株式市場の日経平均株価(225種)は急落し、前日比2216円63銭安の3万5909円70銭で取引を終えた。下げ幅は、1987年の米株式相場の大暴落「ブラックマンデー」翌日に記録した3836円に次ぐ歴代2番目の大きさだった。円高の影響に加え、1日の米国市場は経済統計が低調で景気減速への懸念が広がって下落し、東京市場に流れが波及した。株式を保有する家計では金融資産が目減りするため個人消費の下振れにつながる恐れもある。外国為替市場の円高ドル安進行を受け、輸出関連株を中心に幅広い銘柄で売りが膨らみ、終日全面安の展開。平均株価への影響が大きい半導体関連株も軒並み売られ、相場を押し下げた。終値の下落率は5.8%。1日からの2日間で計3192円下げた。東証株価指数TOPIXは166.09ポイント安の2537.60。出来高概算約29億7千万株。海外投資家を中心に日本の金融政策の先行きに対し既に不透明感が出ていたところに、追い打ちで米国景気の後退への警戒感が強まり、売りが広がった。

(コメント:日銀の利上げは、ギリギリのタイミングだったことが、判明した形。スレスレのギリギリのところを秒読みレベルでターンした感じでしょうか)

■朝日新聞、3県で夕刊休止 静岡・山口・福岡、10月から

朝日新聞社は2日、静岡、山口、福岡の3県で10月1日から夕刊の発行を休止すると発表した。新聞用紙などの原材料高騰に加え、朝刊だけの購読希望者が増えていることなどが理由という。10月からの朝刊では地域面に夕刊の人気コラムなどを引き続き掲載する。同社によると3県での夕刊の発行部数は8月1日時点で約4万部。

(コメント:朝日新聞、北海道で4月から夕刊休止。このたび3県で一斉に夕刊休止。東京新聞は23区を除き、8月末に夕刊休止。毎日新聞は9月末、富山県の新聞配送を休止。ビジネスモデルが交代してゆく時代)

■経産省がアマゾンに改善勧告 販売手数料の情報開示が不十分(共同通信2024.08.02)

経済産業省は2日、販売手数料を巡る情報開示が不十分だったとしてアマゾンジャパン(東京)に対し、条件などを分かりやすく明示するよう求める勧告を出した。アプリ事業者への契約条件を期日までに日本語で掲載していなかったとして、米アップルにも改善を求める勧告を行った。経産省によると、アマゾンのECサイトに出品する際、事業者が商品カテゴリーを選択するが、手数料はアマゾン側が独自に分類して決定。アマゾンはこの仕組みを出品者に明確に説明していなかった。出品者の手数料はカテゴリーによって異なるため、想定よりも高い手数料を適用されていた恐れがある。また、アマゾン側が出品者の選択カテゴリーと異なる分類をした場合に、その理由などを明確に伝えていなかった。2023年3月と7月にカテゴリー内容を変更した際には事前通知を怠っていた。アマゾンジャパンは2日「販売事業者からの信頼も重要と考え、取引環境の透明性と公正性の向上に努めてきた。今後も法の趣旨に沿うよう取り組みを続けていく」とコメントした。

■新たな「日の丸航空機」が誕生? 成層圏を飛ぶ“異形機”を飛行艇メーカーが開発へ その任務とは
https://trafficnews.jp/post/134120(乗り物ニュース2024.08.02)
宇宙インフラ事業を展開するSpace Compass、新明和工業、三菱総合研究所の3社は2024年7月30日、HAPS高高度無人機によるリモートセンシングを活用し、海洋状況の網羅的な情報収集を行うサービスの開発・実証を推進すると発表しました。

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2024年7月後半の時事情勢メモ

公安調査庁>最近の内外情勢 2024年7月
https://www.moj.go.jp/psia/202407naigai_00001.html

■先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)搭載/Lバンド合成開口レーダ(PALSAR-3)の初観測画像を公開/観測幅200kmへ大幅拡大、世界最高レベルの解像度(分解能 3m)で観測
https://www.jaxa.jp/press/2024/07/20240731-1_j.html(JAXA2024.07.31)
2024年7月15日から17日(日本時間)にかけて初めての観測画像を取得

■三菱重、核融合炉の重要機器公開 世界初、実機量産化へ準備整う(共同通信2024.07.31)

三菱重工業と量子科学技術研究開発機構(千葉市)は31日、フランスで建設が進む国際熱核融合実験炉ITER向け重要機器の試作品を横浜市で報道陣に世界初公開した。高精度な組み立てや加工といった製造技術を確立し、実機を量産する準備を整えた。核融合は二酸化炭素を出さない発電技術として実用化が期待される。核融合発電は原子核同士をぶつけて融合させ、その際に発生したエネルギーを電力に変換する。試作したのは炉内で生じた不純物などを排出する機器の一部。超高温への耐久性が求められ、実験炉の機器で最も製造が難しいとされる。試作品の大きさは幅約0.3m、高さ1.5m。硬くて加工が難しい金属のタングステンなどを材料に使い、三菱重工神戸造船所(神戸市)が試作を担った。三菱重工は実験炉向けに実機を18基受注済みだ。ただ、ITER計画は新型コロナウイルス禍などの影響で遅れている。運転開始は従来計画の2025年から34年にずれ込む見通し。計画には日本や米欧、中国などが参加する。

■ハマス最高指導者殺害=イラン訪問中、イスラエルが暗殺か-ガザ停戦交渉への影響必至(時事通信2024.07.31)

パレスチナのイスラム組織ハマスは31日、最高指導者イスマイル・ハニヤ氏が、訪問先のイランの首都テヘランで殺害されたと発表した。「裏切り者のシオニスト(イスラエル)の襲撃を受けた」と主張し、敵対するイスラエルに暗殺されたと非難した。イスラエル側は公式には殺害への関与を認めていない。パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルとハマスの停戦や人質解放に向けた交渉への影響は必至だ。ハマス軍事部門は、ハニヤ氏の死が「戦いを新たな次元へと引き上げ、地域全体に大きな影響を及ぼす」と警告した。地元メディアによれば、イスラエル政府は31日に治安閣議を開き対応を協議する。ハニヤ氏は30日に行われたイランのペゼシュキアン大統領の就任宣誓式出席のため同国を訪れ、最高指導者ハメネイ師とも面会していた。イランのメディアは、テヘラン北部の施設に滞在していた31日未明、「上空からの飛来物」によって護衛役と共に殺害されたと伝えている。ハマスを支援してきたイランは3日間の服喪を発表。ハメネイ師は声明で「イラン本土で起きた悲痛な事件であり、報復は義務だ」と宣言した。イスラエルを取り巻く中東の軍事的緊張が、一段と激化する恐れもある。

■原発再稼働でも電力不足 自民・河野氏、新たな需要増で(共同通信2024.07.31)

自民党の河野太郎デジタル相は31日、エネルギー政策を巡り、データセンターや生成人工知能AIなど新たな電力需要が増えているとして「(原発を)再稼働しても足りない可能性がある」と述べた。視察先の茨城県那珂市で記者団の質問に答えた。河野氏は「ポスト岸田」候補の一人で、9月の総裁選出馬に意欲を示している。2021年総裁選では耐用年数が過ぎた原発は速やかに廃炉とし、新増設やリプレース(建て替え)は不要との公約を掲げていた。この日は「電力需要が今までのように減少一辺倒ではない」などと指摘した。

■日銀、追加利上げ決定 政策金利0.25%に-国債購入、月3兆円に段階縮小(時事通信2024.07.31)

日銀は31日、前日に続いて金融政策決定会合を開き、政策金利である短期金利(無担保コール翌日物レート)の誘導目標を「0~0.1%程度」から「0.25%程度」に引き上げることを決めた。声明文で「2%の『物価安定の目標』の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和度合いを調整することが適切であると判断した」と説明した。現在「月間6兆円程度」としている国債買い入れ額を2026年1~3月までに月間3兆円程度に段階的に縮小する計画も決定した。利上げは、3月のマイナス金利政策の解除に続き今年2回目。国債買い入れ減額の開始と併せて、金融政策の正常化が一段と進む。(中略)利上げに当たり日銀は、賃上げが中小企業にも波及しつつあり、賃金と物価の「好循環」が続いていると判断。物価高で個人消費には弱さがみられるが、賃上げや定額減税が下支えになると見込む。先行きの金融政策については、経済・物価が見通しに沿って推移すれば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」とした。国債買い入れの減額計画では、月間6兆円程度の購入額を8月から段階的に減らし、金融市場で長期金利がより自由な形で形成されるように促す。四半期ごとに4000億円程度ずつ減らしていく。25年6月の決定会合で中間評価を行い、26年4月以降の買い入れ方針を検討する。異例の大規模金融緩和の下で約600兆円に膨らんだ国債保有残高を本格的に圧縮する「量的引き締め」局面に移行する。日銀は、最新の景気予測「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」も公表。24年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く)上昇率の見通しを前年度比2.5%(4月時点は2.8%)に下方修正した。政府による電力・ガス料金の補助金再開などが影響する。25年度は2.1%(同1.9%)に引き上げ、26年度は1.9%(同1.9%)とした。

(コメント:利上げには中村豊明、野口旭の両審議委員が反対。円相場は追加利上げ決定を受けて1ドル=151円台に急騰後、153円台に下落)

■日米韓、安全保障協力継続に合意 3カ国防衛相が覚書(共同通信2024.07.28)

木原稔防衛相とオースティン米国防長官、韓国の申源シク国防相は28日午前、防衛省で会談し、3カ国のハイレベル政策協議や共同訓練、北朝鮮の弾道ミサイル情報の即時共有などの安全保障協力を継続的に実施するため、協力枠組みを制度化する覚書に署名した。来年の会談を韓国で開催することでも一致した。会談後、合意内容を盛り込んだ声明を発表した。木原氏は会談後、覚書に関し記者団に「3カ国協力が国際情勢の変化の下でも揺るがない、より強固なものとなった」と意義を強調した。声明では、ロシアと北朝鮮の軍事的、経済的協力に重大な懸念を表明。核・ミサイル開発を進める北朝鮮の活動を非難した。インド太平洋海域での一方的な現状変更の試みに強く反対すると強調した。木原氏は会談で「朝鮮半島、インド太平洋、これを超えた地域の平和と安定にとって日米韓の連携は極めて重要だ」と指摘。オースティン氏は「自由で開かれたインド太平洋を守る力強いメッセージを打ち出す」と述べ、申氏は「北朝鮮の脅威に直面する中、協力強化は不可欠だ」と語った。

(コメント:オースティン米国防長官「日米韓3カ国の安全保障パートナーシップにおける前例のないステップ」。日本との個別の協議について、日本の自衛隊と米軍をよりよく連携させるために指揮命令系統を変更することで日米同盟を新たなレベルに引き上げることを目指すと説明)

■南鳥島でミサイル発射訓練実施へ 島内に射撃場整備で調整 陸自(時事通信2024.07.25)

陸上自衛隊が地対艦ミサイルの発射訓練を行う射撃場を東京・小笠原諸島の南鳥島に整備する計画を進めていることが25日、分かった。陸自トップの森下泰臣陸上幕僚長が同日の定例記者会見で明らかにした。2026年からの実施を目指して地元と調整しているという。南鳥島は本州の南東約2000キロにある日本最東端の島。海上自衛隊の基地があるほか、気象庁の職員が常駐する。一般の住民がおらず、船や航空機の航路からも外れているため選定したとみられる。計画では、島西側の自衛隊用地を舗装して「12式地対艦誘導弾」の発射車両が展開する射撃場を設ける。数十~数百キロ離れた洋上の標的に向け、火薬が抜かれ爆発しない練習弾の発射訓練を行う予定。国内に100キロを超える長射程のミサイルを撃てる演習場はなく、これまで自衛隊は米国やオーストラリアで訓練をしていた。森下陸幕長は「海外では回数や人数が限定される。国内に訓練場所があれば練度向上につながる」とメリットを強調。島がある小笠原村などに対しては「丁寧な説明で懸念払拭に努める。安全には万全を期す」と述べた。

■中国、ASEANに外交攻勢 米からの引きはがし狙い(時事通信2024.07.25)

中国の王毅共産党政治局員兼外相は25日ラオスの首都ビエンチャンを訪問し、27日までの日程で東南アジア諸国連合ASEAN関連の外相会議に出席する。東南アジアで中国と影響力を競う米国が11月の大統領選を巡って混乱。習近平政権は、この機に乗じてASEAN諸国に外交攻勢を掛け、米国からの引きはがしを図る。(中略)中国は近年、巨大経済圏構想「一帯一路」を通じた重要インフラ支援などで、東南アジアへの浸透を図ってきた。中国主導で同国からラオス、タイ、マレーシア、シンガポールを結ぶ壮大な鉄道計画を打ち出したほか、カンボジアとは軍事面の連携を強化。ミャンマーでは国軍と少数民族武装勢力の仲介に乗り出すなど、開発援助の枠を超えて地政学的影響力を強めている。東南アジアはもともと、米中の一方の陣営に肩入れするのではなく、中立を志向する国が多かった。だが、シンガポールの「ISEASユソフ・イサーク研究所」が4月に公表したASEAN加盟10カ国対象の調査では、米中いずれかとの同調を余儀なくされた場合は「中国を選ぶ」と50.5%が回答。初めて「米国」を上回った。中国による経済面の恩恵に加え、米国の親イスラエル姿勢が、イスラム教徒の多い域内諸国の反発を買ったとの見方もある。米国ではバイデン大統領が選挙戦撤退を表明し、政権のレームダック(死に体)化が進むとみられる。多国間の連携を軽視する姿勢が目立つトランプ前大統領の返り咲きも取り沙汰され、米国によるアジア関与の低下を予想する声が出ている。習政権にとっては、ASEANに「米国以外」の選択肢を提示する絶好の機会と映る。

■テレビ朝日、放送事故 損害「数億円規模」「報ステ」途中23日午後10時半からCM流せず
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2024/07/25/kiji/20240725s00041000063000c.html

テレビ朝日で23日午後10時半~深夜0時までの約1時間半、CMが放送できないトラブルが発生した。翌24日朝の「グッド!モーニング」でもCMが一部欠落した。23日夜の「報道ステーション」は約1時間20分の放送で一度もCMが流れなかった。同番組は通常「約50本のCMがある」(同局関係者)という。午後11時26分からの「世界の車窓から」の放送前に、画面に「機器の不具合によりコマーシャルが送出できない状況となっております」とのテロップとともに夜景が表示された。同局広報部は24日「機器の不具合によりCMが一時送出できない状況となっておりました」と説明。「詳しい原因は調査中」とした。また「グッド…」でのトラブルについても起きたことを認めた。民放で長時間CMが放送できない事態は「重大な放送事故」にあたる。放送法では「重大事故」が起きた際には、放送局が理由とともに総務相に報告することが定められている。キー局関係者は「トラブルがあった午後10時台は広告価格が最高クラス。スポンサーへの補償額は数億円規模に上る可能性がある」と指摘した。また、BS朝日でも23日午後10時6分~深夜0時までCMが放送されず、一部番組の放送も行われなかった。同局広報部も「原因は機器の不具合」とした上で「調査中」とコメントした。SNS上では、BS朝日とテレビ朝日の不具合の関連を疑う声も上がっている。

■イギリスは3年以内に戦争に備える必要ある 英陸軍トップが演説(BBC2024.07.24)
https://www.bbc.com/japanese/articles/ced35dggz0eo

イギリスは3年以内に戦争ができるよう準備しなければならないと、同国陸軍の新トップが23日に語った。6月に陸軍参謀総長に就任したローランド・ウォーカー陸軍大将は、「ますます不安定になる」世界におけるさまざまな脅威に対して警告を発した。一方で、戦争は不可避ではないと述べ、陸軍には紛争を避ける準備をするのに「十分なだけの時間」があるとした。そして、2027年までに陸軍の戦闘力を倍増させ、10年後までには3倍にすることが準備の核となるとした。ウォーカー大将は23日の就任後初の演説で、イギリスは「激動の枢軸」による危険に直面していると述べた。また、今後数年間にイギリスが直面する主要な脅威のひとつは、怒りに燃えるロシアだと強調した。(中略)「問題は戦争がどのように終わるかではない。ロシアは客観的、あるいは絶対的に今よりも弱い状態で、戦争から立ち上がるだろう。それでもなお非常に危険な存在であり、ウクライナを助けるために我々がしたことに対して、何らかの報復を欲している」ウォーカー氏はさらに、中国は台湾を奪うつもりであり、イランは核兵器を追求する可能性が高いと警告。これらの国々による脅威は、向こう3年以内に特に深刻なものとなる可能性があると指摘した。また、これらの国々はウクライナでの戦争以来、武器や技術を共有する「相互取引関係」を築いてきたと述べた。しかし、イギリスが戦争回避のための抑止戦略を支える、信頼できる陸上戦力を再確立すれば、戦争への道は「不可避」ではないと述べた。(中略)イギリスの労働党新政権は1週間前に、軍が直面する課題を「あらためて見直す」ため、防衛政策の「根源的かつ包括的な」再評価に着手した。

■仏、日本引き渡しに反対 反捕鯨の容疑者(時事通信2024.07.23)

反捕鯨団体シー・シェパードSSの創設者ポール・ワトソン容疑者73がデンマーク領グリーンランドの警察当局に拘束されたことを巡り、エリゼ宮(フランス大統領府)は23日、同容疑者が日本に引き渡されることに反対だと明らかにした。拘束は日本の国際手配に基づくものとされる。フランスは反捕鯨国。ワトソン容疑者の即時釈放をデンマークに働き掛けるようマクロン大統領に訴える請願書には、インターネット上で38万人超の署名が集まった。エリゼ宮は「大統領が状況を注視している。フランスはワトソン(容疑者)が日本に引き渡されないよう、デンマーク当局に働き掛ける」と表明。グリーンランドの裁判所は8月15日までに引き渡しの是非を判断するという。一方、フランスの俳優で動物愛護活動家のブリジット・バルドーさんは23日付のパリジャン紙で、かつてフランスに移住したワトソン容疑者を「助けなければならない」と強調。日本は「ギャングの国」だと主張した。

(コメント:フランスが、シー・シェパードの金主スポンサーの様子…)

■日本製鉄、中国宝山との合弁解消 現地生産能力7割削減(日本経済新聞2024.07.23)

日本製鉄は23日、鉄鋼最大手、中国宝武鋼鉄集団傘下の宝山鋼鉄との合弁事業から撤退すると発表した。高炉技術を供与して以来、半世紀に及ぶ宝山との協力関係を全面的に見直し、中国の鋼材生産能力を7割削減する。中国では主要顧客の日本車メーカーが現地EV(電気自動車)の台頭で苦戦しており、成長は困難と判断した。米中分断で逆風が吹く中国事業を縮小し、米国やインドに経営資源を集中する動きが加速する。

■日鉄、中国・宝山との合弁解消 自動車鋼板の現地生産から撤退(時事通信2024.07.23)

日本製鉄は23日、宝武鋼鉄集団(中国)傘下の宝山鋼鉄との合弁事業を解消し、自動車鋼板の現地生産から撤退すると発表した。これにより、中国での鋼材生産能力は7割減少する。日系自動車メーカーの現地生産に合わせて鋼材を供給するという当初の目的を達成したことや、合弁事業を取り巻く環境変化を踏まえ判断した。日鉄は保有する合弁会社の株式50%を宝山鋼鉄に譲渡する。売却額は17.58億元(約370億円)。

(コメント:合弁は鄧小平肝いりの件だったそうで、国家プロジェクト的にも大きな方針転換と思われる。中国国内で日本人が襲撃されたという騒動とも関係しているかなと思案。戦前のような暴動アゲインは困りますし、社会動乱・災厄リスクをできるだけ回避という点で、タイミング的にもギリギリの決断だったのかも)

■アマゾンが処方薬販売 薬局と連携(時事通信2024.07.23)

アマゾンジャパン(東京)は23日、処方薬を同社アプリ上で購入できるサービスを開始したと発表した。大手ドラッグストアや調剤薬局と連携し、服薬指導から配送まで完結できる。薬局に行く手間を省きたいニーズに応える。サービスは「Amazonファーマシー」。利用者は、医療機関で電子処方箋を取得し、控えの画像をアプリに登録。利用する薬局を選択した上で、服薬指導をビデオ通話形式で受けると、処方薬を購入できる。決済はアプリ上で行う。薬は自宅への配送の他、薬局店舗で受け取ることもできる。利用できる薬局は現在、ウエルシアホールディングスやアインホールディングスなど9社の計約2500店舗。今後、対象薬局を広げる方針という。

(コメント:流通事業の専門家が入ることで、薬剤供給に関する各種配送遅延などのトラブルが解決に向かうかも。マイナカードの個人確認機能も併用すれば、確実・安全も確保できそう。最初は色々あるかも知れませんが…)

■バイデン氏、米大統領選撤退=高齢不安が致命傷に-ハリス氏を後継指名(時事通信2024.07.22)

バイデン米大統領81は21日、2期目を目指した11月の大統領選から「撤退する」と表明した。民主党の後継候補としてハリス副大統領59を支持した。バイデン氏は6月下旬の大統領候補テレビ討論会で精彩を欠き、高齢不安が再燃。民主党幹部や支持層から撤退圧力が強まっていた。11月5日の投票日まで約3カ月半。現職大統領がこの時期に出馬を断念するのは異例で、内外が注視する米大統領選は重大な局面を迎えた。バイデン氏はSNSに書簡を載せ、自らの決断について「大統領を務められたことは、私の人生で最高の栄誉だ。再選を目指したが、私が身を引き、大統領としての残り任期の職務を全うすることがわが党と国家にとって最善だと信じる」と説明した。さらに、SNSで「カマラ(ハリス)氏を今年の党候補者として全面的に支持し、推薦したい。民主党よ、今こそ団結してトランプ(前大統領)を打ち負かす時だ」と呼び掛けた。ハリス氏は、バイデン氏による推薦を受けて「光栄だ。党指名を勝ち取る決意だ」と述べた。また「民主党と国を団結させ、トランプを打ち負かすため全力を尽くす」と強調した。バイデン氏は週内に国民に向けて、決断の詳細を明らかにする。同氏は21日現在、新型コロナウイルスに感染し、東部デラウェア州の自宅で自主隔離を続けている。バイデン氏はトランプ前大統領78と対決した6月27日の討論会で言葉に詰まり、意味の通らない発言を繰り返し、判断能力や健康面への懸念が拡大した。本人や家族は選挙戦継続を模索したが、党幹部や献金者らからの撤退論がやまず、2021年1月の就任以来付きまとっていた年齢問題を払拭できなかった。民主党は直ちに後継候補の指名手続きに着手する。党公認候補は全国党大会で正式指名されるのが通例。大会は8月19~22日に開催される。

■次期戦闘機、開発推進で一致 日英伊防衛相、年内に国際機関(共同通信2024.07.23)

木原稔防衛相は23日(日本時間同)、英ロンドンで英国のヒーリー、イタリアのクロセット両国防相と会談し、3カ国で進める次期戦闘機の共同開発を推進する方針で一致した。開発管理を担う国際機関「GIGO(ジャイゴ)」を2024年中に設立し、35年に予定する初号機の配備へ向けて引き続き連携すると確認した。木原、ヒーリー両氏は個別会談も実施。自衛隊が他国の艦艇や航空機を守る「武器等防護」を英軍に適用すると確認した。武器等防護を適用するのは米国、オーストラリアに続き3カ国目。木原氏は日英伊防衛相会談で、英国の労働党政権発足を踏まえ「次期戦闘機の共同開発を共に成功へと導いていきたい」と呼びかけた。次期戦闘機を巡っては、英メディアが新政権の防衛政策見直し対象になる可能性を報道。一方、スターマー首相は「開発は重要で、かなり進んでいる」と述べたと報じられていた。日英伊防衛相会談は昨年12月に東京で開き、GIGOを英国に設立するための条約に署名して以来。今回の会談では、GIGOへの要員派遣や資金拠出などの準備状況を確認した。

■英国で戦闘機開発の重要性提起へ 木原防衛相、22日に出発(共同通信2024.07.21)

木原稔防衛相は22日、英国に向け出発する。同国で5日に労働党政権が発足したのを踏まえ、日英とイタリアの3カ国で進める次期戦闘機の共同開発を成功させる重要性を改めて提起。23日に予定する日英伊防衛相会談では開発管理を担う国際機関「GIGO」を早期に設立し、2035年の初号機配備へ連携を確認したい考えだ。ただ英紙タイムズなどは19日、次期戦闘機開発が労働党政権の防衛政策の見直し対象になる可能性があると報じた。開発費への懸念が英政府内で浮上しているという。木原氏は5日の会見で、労働党政権発足による戦闘機開発への影響を問われ「事業の重要性は何ら変わらない。着実に推進していく」と述べた。

■エボラ実験施設、稼働へ審査 危険病原体研究で国内初、厚労省(共同通信2024.07.20)

エボラウイルスなど致死率の高い病原体を使った研究を実施するため、長崎大が整備を進める高度な安全機能を備えたバイオセーフティーレベルBSL4施設について、厚生労働省が稼働に向けた審査に着手したことが20日、政府関係者への取材で分かった。感染症法に基づき厚労相が指定すれば、最も危険度の高い病原体を研究で扱える日本初の施設となる。BSL4施設はエボラ出血熱のほか、ラッサ熱や南米出血熱などの致死率が高い感染症の病原体を扱うため、世界保健機関WHOの指針に基づく病原体の封じ込め対策が施される。現在国内で稼働中の施設は国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)のみで、地元自治体との取り決めで診断や治療に特化している。新型コロナウイルスの流行で感染症研究の重要性が再認識されており、基礎研究や治療薬の開発が担える施設の必要性が指摘されていた。政府関係者によると、長崎大は6月に厚労省に関係書類を提出。厚労省は施設基準や訓練の実施状況、運用規則などの確認と、現地調査を進めている。

■19年ぶり「八坂礼拝講」 八坂神社と延暦寺、神仏習合の儀式(産経新聞2024.07.20)
https://www.sankei.com/article/20240720-QDJKPD7XHRK25GX4IGAB3N3OOI/

祇園祭を開催中の八坂神社(京都市東山区)は20日、天台宗総本山延暦寺(大津市)と合同で国家安寧と疫病退散を祈る神仏習合の儀式「八坂礼拝講」を同神社本殿で営んだ。両者による儀式は平成17年以来19年ぶり。式には大樹孝啓(おおきこうけい)天台座主100が参列し、世界平和を祈る祭文(さいもん)を読み上げた。続いて僧侶が独特の節回しで法華経の問答を行い、神職と僧侶がともに疫病退散などを祈った。八坂神社はかつて「祇園感神院(かんしんいん)」「祇園社」と呼ばれ、延暦寺の末寺として天台宗と深い関係があった。平安後期の文献には、祇園社で「法華八講」と呼ばれる神仏習合の儀式を営んだとの記録が残っている。江戸時代まで行われていたが、明治の神仏分離政策で途絶えた。八坂神社の野村明義宮司65は「令和の疫病に対抗できるような祭りにしたいという思いで仏様とのご縁をいただいた。今後もこの祈りの形を整えていきたい」と話した。

■日本製鉄、助言役にポンペオ氏 USスチール買収計画前進狙う(共同通信2024.07.20)

日本製鉄は20日、トランプ前米政権で国務長官を務めたポンペオ氏を、米鉄鋼大手USスチール買収に向けたアドバイザーに起用したと明らかにした。11月の米大統領選を控えて買収が政治問題化する中、計画前進に向けて態勢を強化する。日鉄はポンペオ氏起用の理由について「(共和党と民主党の)両陣営から尊敬されている。米国の地政学上や安全保障上の課題について、他に類を見ない洞察力を持っている」とした上で「米国の経済と安全保障を強くしていくために、連携して対応することを楽しみにしている」とコメントした。

■日本製鉄、ポンペオ氏をアドバイザーに起用-USスチール買収に向け(ブルームバーグ2024.07.20)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-19/SGVVEKT0G1KW00?srnd=cojp-v2

日本製鉄はUSスチール買収案の完了に向け、ポンペオ元米国務長官を起用した。この買収を巡っては、トランプ前大統領とバイデン現大統領の両方が反対している。匿名を条件に語った複数の関係者によると、トランプ政権で国務長官を務めたポンペオ氏は、この買収案を巡り日本製鉄のアドバイザーを務める。買収案は国家安全保障の観点から審査が進められているほか、全米鉄鋼労働組合USWの反対に直面しており、その行方は不透明だ。日鉄は文書でこの起用を確認し、ポンペオ氏のこれまでの実績を称賛した。同社の発表文の中でポンペオ氏は、米国は同盟国と提携することで製造業の基盤を拡大すべきだと主張。「米国の象徴的な企業を再生させるだけでなく、米国のサプライチェーンを強化し、米国の雇用を守るために最善の道を提供する取引のために働けることを誇りに思う」と述べた。ポンペオ氏起用のニュースを受けて、USスチール株価はそれまでの下げから切り返し、一時1.5%上昇。その後は上げ幅を削っている。日鉄はこの買収を中国への対抗策と位置づけており、USスチール買収で、市場を支配しようとする中国企業に対抗できるだけの規模を持つことになると主張している。今週の共和党全国大会で演説したポンペオ氏は、11月にトランプ氏が勝利した場合、第2次トランプ政権への復帰が有力視されている。ポンペオ氏は買収には触れなかったが、中国には言及。「中国共産党は今日に至るまで米国にとって国外からの最大の脅威となっているが、トランプ大統領の下で、われわれはかつてないほど立ち向かった」と語った。

■墜落の海自ヘリ、海底で発見 鳥島沖、無人探査で(時事通信2024.07.20)

伊豆諸島の鳥島沖で4月、海上自衛隊の哨戒ヘリコプター2機が墜落した事故で、現場海域の海底でうち1機の主要部が見つかっていたことが20日、関係者の話で分かった。防衛省の依頼で捜索していた海洋研究開発機構(神奈川県)の深海調査用無人探査機「ディープ・トウ」が発見した。関係者によると、無人探査機で海底を探していたところ、ヘリとみられるものを発見。事故機と機体番号が一致したという。近くにはもう1機の機体とみられる物体も見つかっており、確認を進めている。事故は4月20日夜、鳥島の東方約280キロの海域で発生。潜水艦を捜索する訓練中だった哨戒ヘリ「SH60K」2機が空中で衝突して墜落し、乗っていた8人全員が殉職した。海自は今月、搭乗員の見張りが不十分で、機体の飛ぶ高さを分けて危険を回避する高度セパレーションも徹底されなかったことが原因とする調査結果を公表している。

■中国の産業支援策巡る「透明性欠如」、過剰生産の要因に=WTO(ロイター2024.07.18)
https://jp.reuters.com/markets/commodities/3H743W44LRKRBBVUM26JM74EQQ-2024-07-17/

世界貿易機関WTOは17日「全体的な透明性の欠如」のため、中国政府による電気自動車EVやアルミニウム・鉄鋼生産など主要産業分野への支援策について明確な情報を得ることができなかったと発表した。報告書で、中国は2021-2024年の審査期間中に産業界に財政的支援やその他のインセンティブを実施したと指摘。ただ中国政府はWTOが支援策を明確に把握するための十分な情報を提供しなかったとした。「中国政府の支援に関する全体的な透明性の欠如」は、半導体や造船を含めた様々な分野の過剰生産問題につながっている可能性があると言及。特に、主要産業への株式投資に公的資金を使用しているとされる中国政府系ファンドの規模を把握できないとした。173ページに及ぶ今回の報告書は中国に対する貿易政策審査の一環として発表された。これはWTOに加盟する全166カ国に対し数年ごとに実施される審査で、中国に対する前回の審査は21年だった。米国、オーストラリア、英国、欧州連合EUを含む西側諸国はこの機会に中国の産業政策を批判。米国のデビッド・ビスビー在ジュネーブ代理公使は他国に損害を与える「略奪的な」産業慣行を行っているとして中国政府を非難し「この支配という目標を支援するために中国国家の全力が投入されている」とした。一方、中国政府は審査の一環としてWTOに提出した文書で、WTOの規則と01年に加盟した際に合意したコミットメントの双方を順守していると主張。産業への補助金や開発促進に関する協議には前向きだが、そのような協議は「国家介入または産業政策に関する一般論やマクロ的な議論を避けるために明確に定義されるべき」とした。

■中国政府の産業補助金「透明性の欠如」を指摘-WTO報告書
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-18/SGRYJ2DWLU6800

(前略)WTOは、中国国有企業のプレゼンスの広がりにより、政府支援の全体像を把握することが困難になっていると指摘した。また、中国政府が産業への投資目的で設立した基金について、全体的な資金提供に関する情報を提供していないと批判した。報告書は「こうした基金が提供するインセンティブはほとんどの場合WTOに通知されていない」としており、基金の資金規模が1兆9000億元~6兆5000億元(約40兆~140兆円)と推定されるとしている。「中国経済の重要性、および個々の企業に対する政府の支援の大きさを考えると、中国の支援策は世界市場、川下の産業、個々のバリューチェーンに影響を及ぼす可能性がある」と報告書は述べた。一方で、「中国の支援による影響は、関連データが一般に公開されていないため、一般的に数値化することはできない」とした。さらに「中国政府の支援に関する全般的な透明性の欠如は、一部の部門で過剰生産と認識されているものについての議論にもつながる可能性がある」と付け加えている。イタリアで17日まで開催された先進7カ国G7の貿易相会合でも、過剰生産に対する共同の取り組みを改めて表明したが、中国やその他の国を名指しするまでには至らなかった。各国は共同声明で「われわれは、過剰生産能力の原因となっている国々に対し、この問題を根本から解決するための外交努力を支援する。また、発展途上国や新興市場国との関わりを深め、こうした慣行に対する共通の懸念について協議する」とした。(中略)
中国の反応:中国政府はWTOの指摘に反発し、自国の報告書の中で、産業補助金は、発展途上国が経済を近代化し生活水準を向上させる上で「重要な政策手段だ」と主張した。中国政府はこうした補助金の問題についてWTOで議論する意欲があるとしつつ、非常に限定的な議論を求めた。中国は17日に発表したWTOに対する反応で「国家介入や産業政策に関する一般的、マクロな議論を防ぐため、このような議論の方向性、目的、形式、付託条項は、明確に定義されるべきだ」とした。「議論は、加盟国の経済システムや発展モデルには決して触れるべきではない」ともある。中国側の報告書は、「一部の国は他国との関係断絶を提唱し、経済や貿易問題を政治問題化および武器化したり、安全保障の概念を過剰に拡大しようとしている」と主張し、米国などを暗に批判した。中国政府は今週、3月に米国のEV補助金に対しWTOに提訴した問題で、両国が合意に至らなかったため、WTOに仲裁パネルの設置を要請した。

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■厚労相、中国高官と会談=医療・介護で協力推進(時事通信2024.07.19)

中国・北京を訪問した武見敬三厚生労働相が19日、中国衛生当局トップの雷海潮・国家衛生健康委員会主任と会談した。両氏は医療や介護分野での協力推進で一致。日中共通の課題である高齢化対策についても意見交換した。会談後の記者会見で武見氏は、新型コロナウイルスのような感染症の大規模流行を念頭に「ワクチンや医薬品開発は、もはや一国だけで完結しない時代。ぜひ中国とも協力したい」と強調した。

中国は政府管轄下にない違法病院や違法研究所を排除する動きになるか?との推測あり。その手の違法施設は米欧の人身売買・臓器売買・人体実験ルート関連ヤミ業者がスポンサーであることが多い。

目下の動きを見る限りでは、中国の中央部(中南海)の意思としては、米欧から延びてきている闇ルートを焼く、切り捨てる方向にあるらしい、という傾向が窺える。習近平の派閥は、問題の闇ルートで稼ぐ派閥勢力とは、対立する側であることが考えられる。なお、かつて江沢民が率いた上海派閥は、米欧の闇ルートとガッツリ手を結んでいる気配はあった。台湾を押さえた蔣介石の派閥は、米の闇ルートと関係が深かったことが指摘されている。

中国経済において大不況がつづき、地方軍閥は反乱資金が不足しているという指摘がある。特にフィリピン前大統領ドゥテルテ氏が麻薬組織をメインに厳しく取り締まった影響が大きいらしいとの指摘がある。⇒フィリピンで非合法病院の摘発

■犯罪者らに整形手術を提供,フィリピンで非合法病院の摘発相次ぐ
https://bbc.com/japanese/articles/c0w4deqr23go(BBC-2024.07.11)

フィリピンで非合法病院が、逃亡者や詐欺グループの構成員らに整形手術を提供し、逮捕を逃れる手助けをしていた。当局が明らかにした。警察の報道官はBBCに対し、首都マニラの南郊パサイ市にある非合法病院を5月に家宅捜索したと説明。さらに、同種の2施設が「今後数週間のうちに」閉鎖される可能性があると述べた。2カ月前のパサイ市の非合法病院の捜索では、植毛や歯のインプラントの器具、肌を白くする点滴などを押収したという。フィリピンの大統領組織犯罪対策委員会(PAOCC)のウィンストン・ジョン・カシオ報道官は、「こうした器具からまったく新しい人間を作り出すことができる」と語った。当局によると、現在監視下にある二つの非合法病院は、パサイ市の非合法病院の4倍の規模があるとされる。こうした病院の顧客には、フィリピンで違法に働いているオンラインカジノの関係者も含まれていると、カシオ氏は言う。フィリピンで「POGO」と呼ばれるオンラインカジノは、賭博が違法である中国の利用者にサービスを提供している。しかし警察は、電話詐欺や人身売買といった犯罪行為の隠れみのとして、POGOが使われてきたと指摘している。パサイ市での家宅捜索の際には、3人の医師(ヴェトナム人2人、中国人1人)と中国人薬剤師1人、ヴェトナム人看護師1人が逮捕された。全員、フィリピンでの就労資格は持っていなかった。当局は、広さ約400平方メートルのこの施設で血液透析装置も発見しており、整形手術以外にもさまざまな医療行為が行われていたことがうかがえる。「外見は普通のクリニックのようだが、中に入ると、その技術の高さに驚かされる」とカシオ氏は話した。「これらPOGO病院は、身分証明書の提示を求めない。患者は逃亡者かもしれないし、フィリピンの不法滞在者かもしれない」パサイ市の非合法病院の存在を当局が知ったのは、情報提供によってだった。POGOは、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の政権下で繁栄した。ドゥテルテ氏は2022年までの6年間の任期中、中国との友好関係を築くことに努めた。しかし、後任で現職のフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は、POGOが犯罪に関係しているとして取り締まりを強化した。「マルコス大統領は、フィリピンが『詐欺の拠点』とみられることを望んでいない。詐欺組織が世界中の大勢の人々標的にしていることを理由に、それらの組織を追及するよう指示を出している」と、カシオ氏は語った。フィリピンの入国管理局は2022年12月、自分だと気づかれないために整形手術を受けたとされる中国人マフィアの容疑者を逮捕した。このようなケースこそ、非合法病院が関連している可能性があるとカシオ氏は述べた。

日台合同軍事訓練に関して、中国は適度に文句付けやすい立場=文句をつける以上、日台の代わりに対ロ南下防止政策を遂行しなければならなくなるため、中国が北朝鮮に代わって対ロの役割をする未来がありえる。目下、本当にそうなるかは分からないので、推測のみ。ただ、日本の大臣が繰り返し訪中して中南海メンバーと会談していることからして、中南海~習近平は、日本と手打ちする意思がある様子。⇒中比「緊張緩和する必要性を認識」中韓「政治的解決へ」

■中比、南シナ海補給で仮協定「緊張緩和する必要性を認識」(共同通信2024.07.21)

フィリピン外務省は21日、南シナ海のアユンギン礁にある同国軍拠点への補給活動を巡り、中国と仮協定に合意したと発表した。仮協定の詳しい内容は明らかにしていないが「双方は南シナ海の状況を緩和する必要性を認識している」とし、相違点は対話で解決すると強調した。アユンギン礁では6月17日、フィリピン軍拠点へ補給任務中だった軍のゴムボートを中国側が刃物で突き刺して破裂させ、緊張が高まった。両国は7月2日にマニラで外務次官協議を行い、緊張緩和に向けた決意を確認したと発表していた。

■関係改善促進で合意-北朝鮮問題も議論-中韓外相(時事通信2024.07.26)

中国の王毅共産党政治局員兼外相は26日、東南アジア諸国連合ASEAN関連の外相会議に出席するため訪問しているラオスの首都ビエンチャンで、韓国の趙兌烈外相と会談した。両外相は、冷え込んだ両国関係の改善を進めることで合意した。中国外務省の発表によると、王氏は「中韓は離れることのできない隣国であり、相互理解に基づいた正しい付き合いをすべきだ」と指摘。尹錫悦政権が進める日本や米国との安全保障協力を念頭に、中韓関係への「外部からの干渉」を排除しなければならないと主張した。趙氏は「韓国は中国との関係強化を非常に重視している」と応じた。ミサイル発射を繰り返す北朝鮮に関しては、王氏は「中国は(朝鮮)半島での争いや混乱を望んでいない」と述べ、関係国が政治的解決へ向けて役割を果たすべきだと強調した。

■中国とフィリピン外相、協議継続 緊張緩和へ一致、暫定合意も順守(共同通信2024.07.27)

中国の王毅外相は26日、訪問先のラオスの首都ビエンチャンでフィリピンのマナロ外相と会談し、南シナ海の緊張緩和に向け協議を継続していく考えで一致した。アユンギン礁にあるフィリピン軍拠点への補給活動を巡り、両国が今月発表した暫定合意の順守も確認した。中国外務省が27日発表した。ただ双方は、南シナ海での領有権主張を崩していない。暫定合意の詳しい内容も公表されておらず、緊張緩和につながるかどうかは見通せていない。会談で王氏は「フィリピンが約束を履行し、ほごにしないことが重要だ」と指摘。両国関係の安定化に向け「対話と協議が正しい道だ」と強調した。

米欧の闇ルートは意外に中国大陸全体に浸透している。歴史上、戦前の租界や、列強の中国分割があり、その方面のルート活用。米欧の闇ルートが起こす不法と混乱により、地元社会が安定しないエリアが多く、地方軍閥の方でも、反乱を起こして易姓革命するよりは、勢力圏ごとに分裂したほうが安定しやすい可能性はある。

北京~旧満洲~山東半島を確保し、世界支配を主張する陰謀論勢力~騒乱勢力を抑え込めば、中南海の中央政府としての体裁は続くか。

ただ、この状態(日中韓台の間で、東アジア~東南アジアにおける権益と治安維持のための手打ちが完了した状態)になると、アメリカ側の権益が不安定になり、パワーバランスが崩れる可能性がある。日米同盟はいっそう堅持の必要が出てくる。日本がアメリカとの交渉窓口になる形が考えられる。

アメリカ側も、政局分裂が激烈なため国土分割の羽目になりそうではあるが(テキサス州が国家として独立する等)、現代科学技術を維持するためにはヒューストンやニューオーリンズを取り込む必要あり?

※国家として生き延びる方策を論理的に考えると、両広は中国北部が余計な軍事挑発に走れば即行で日米と手打ち、北京周りは満洲と共に手打ち、韓国は日本と経済関係復活、台湾は日本に企業進出、アメリカは日米同盟の堅持。

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■世界各地でシステム障害 航空便、放送に影響広がる-MSクラウドに不具合(時事通信2024.07.20)

米マイクロソフトMSのクラウドサービスや基本ソフトOS「ウィンドウズ」搭載端末で18日、システム障害が一時発生した。米国だけでなく、日本を含む世界各地の航空会社で運航停止や遅延、欠航などが生じた。証券取引所や銀行、放送局のシステムにも影響が広がった。国際的なサイバーセキュリティーを担う米IT企業クラウドストライクのソフトウエア更新が引き金となった。当初はサイバー攻撃が原因との見方もあった。クラウドストライクは、クラウドサービスを利用する企業向けにサイバー攻撃などの脅威検知技術を提供している。世界に顧客企業を抱えており、広範な障害につながったようだ。同社のカーツ最高経営責任者CEO)は「問題を特定し、修正プログラムを展開している」と説明した。
米フロンティア航空は18日午後5時ごろ、X旧ツイッターに「われわれのシステムが、MSの障害の影響を受けている」と投稿。数時間後に復旧したが、CNNテレビ電子版は19日早朝、米大手航空各社が全ての便の運航を見合わせたと報じた。その後、一部の便で運航を再開させたものの、既に2000便以上が欠航となった。ドイツなど欧州各地に加え、オーストラリアやニュージーランドでも航空便の遅延などが発生。英国では、ロンドン証券取引所のシステムに不具合が生じたほか、放送局スカイニューズの中継が中断された。26日開幕のパリ五輪のITシステムにも限定的ながら影響があったという。ソフトウエア群「マイクロソフト365」でも障害が発生。X上では、ウィンドウズ搭載のパソコンで、青い画面が表示されて動作が停止する現象も報告されている。

■基地局使わず衛星通信-秋にも法整備、スマホの空白地帯を解消(日本経済新聞2024.06.25)

総務省はスマートフォンを人工衛星との直接通信で使うサービスの法令整備に乗り出す。地上の設備がなくても音声や文字情報のやりとりが可能になる。今秋にも新たな免許制度をつくり、年内をめどに通信会社からの申請受け付けを始める。地上の基地局を使わずに通信できる利点をいかし、山間部や離島、被災地など通信の空白地帯の解消につなげる。

■日台海保が合同訓練 中国念頭、房総半島南方で(時事通信2024.07.19)

海上保安庁と台湾海巡署(海保に相当)が18日に千葉県・房総半島南方の海上で合同訓練を行っていたことが分かった。台湾政府筋が19日、明らかにした。日台は双方の窓口機関が結んだ海難救助に関する覚書に基づき、非公開で合同訓練を行ってきたが、実施が明らかになったのは初めて。同筋によると、台湾海巡署の巡視船「巡護9号」が、海保巡視船と捜索や救助、通信などの訓練を実施した。東・南シナ海では中国が威圧的行動を活発化させており、日台双方は警戒を強めている。

(コメント:断交後、初の合同訓練。国家防衛・安全保障のうえで高く評価できる業績)

■トランプ氏、台湾は対中防衛費「払うべきだ」(AFP2024.07.18)
https://www.afpbb.com/articles/-/3529526

ドナルド・トランプ前米大統領は16日に公開された米ビジネス誌とのインタビューで、台湾は米国に対中防衛費を支払うべきだとの考えを示した。トランプ氏はブルームバーグ・ビジネスウィーク誌とのインタビューで、11月の大統領選で再選された場合、中国から台湾を守るかと質問された。これに対し「私は台湾の人々をよく知っているし、とても尊敬している」としながら「台湾はわが国に防衛費を支払うべきだと思う」「われわれは保険会社と変わらない。台湾は何もしてくれない」などと述べた。また米国の半導体部門への投資を促す「CHIPS・科学法」の主要な受益者が台湾企業である点にも言及。「彼らはわが国の半導体産業のほぼ100%を奪った」と非難した。このトランプ氏の発言に対し、台湾の卓栄泰行政院長(首相)は17日、近年、台湾は防衛予算を着実に増やしてきたと説明。「自らを防衛し、安全保障を確保するためわれわれはさらに大きな責任を負っていきたい」と述べた。米国は台湾を国家として承認していないが、重要な同盟関係にあると同時に兵器の主要な供給元でもある。米議会が4月に可決した予算案には、ウクライナやイスラエルに加え、台湾向けの軍事支援も盛り込まれている。

■力による現状変更認めず 気候変動など7分野で協力-首脳宣言採択し閉幕・島サミット(時事通信2024.07.18)

日本と太平洋島嶼国・地域による首脳会議「太平洋・島サミット」は18日、東京都内のホテルで全体会合を開き、気候変動など7分野の協力項目を盛り込んだ首脳宣言と共同行動計画を採択して閉幕した。宣言には、南太平洋地域で活動を活発化させる中国を念頭に「武力の行使または威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対する」と明記した。岸田文雄首相は共同記者発表で「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けた島嶼国との連携の重要性は高まっている」と強調。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関する情報共有を進めると述べた。共同議長を務めるクック諸島のブラウン首相は引き続き丁寧な説明を求め、「(今後の島)サミットで定期的に議題として取り上げていく」と指摘した。岸田首相は気候変動問題を「島嶼国存続に関わる唯一最大の脅威」と位置付け、防災能力の強化、脱炭素への協力を進めると表明。日本の気象衛星「ひまわり」の観測データを活用した気象能力強化、災害復興関連機材やインフラ整備を行う。防災分野での人材育成支援も強化する。首相はサイバーセキュリティーを含むデジタル人材育成、海底ケーブル敷設などの支援を言明。「今後3年間で6500人以上の人的交流・人材育成」に取り組む方針を明らかにした。
■自衛隊の寄港で島嶼国と防衛協力を強化(共同通信2024.07.18)日本と太平洋島嶼国は18日に発表した共同行動計画で、自衛隊の航空機や艦船の寄港を通じた防衛協力の強化を明記した。海上保安機関による交流促進も盛り込んだ。

外務省>第10回太平洋・島サミット(PALM10)令和6年7月16~18日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/ocn/pagew_000001_00252.html

■建国80年に「改革任務完成」国家安全重視-中国共産党(時事通信2024.07.18)

中国共産党は18日、第20期中央委員会第3回総会(3中総会)のコミュニケを公表し、「2029年の建国80年までに改革任務を完成させる」との新たな目標を設定した。また、欧米と異なる独自の発展様式「中国式現代化」について「国家安全が重要な基礎だ」と明記。「秦剛前外相の中央委員の辞職願を受理した」とも発表した。

■米との核管理協議「停止」台湾への武器売却に反発-中国(時事通信2024.07.17)

中国外務省の林剣副報道局長は17日の記者会見で、核軍備管理と不拡散を巡る米国との協議について、暫定的に停止することを決めたと発表した。米国が台湾への武器売却を続け、中国の核心的利益を損ねているためだと説明。「責任は完全に米側にある」と批判した。米中は昨年11月、ワシントンで核軍備管理に関する実務者協議を行ったが、その後の交渉は停滞していた。林氏は軍備管理に関する「意思疎通の継続」を望むと述べた上で、協議再開には米側が「対話に必要な条件」をつくり出す必要があると主張した。

■5千億円のウクライナ支援へ 日本が年内実施で最終調整(共同通信2024.07.17)

先進7カ国G7で合意したロシアの凍結資産を活用するウクライナ支援で、日本が33億ドル(約5200億円)を拠出する方向で最終調整に入ったことが16日、分かった。総額500億ドル規模の支援の6%強に当たる。年内の支援実施に向けて詰めの制度設計を急ぐ。外交筋が明らかにした。今月下旬にブラジル・リオデジャネイロで開く20カ国・地域G20財務相・中央銀行総裁会議に合わせてG7で協議し、大筋合意する見通しだ。ロシアの凍結資産を使った異例の枠組みが実現に向けて前進する。ロシアの凍結資産活用に向けて主導的な役割を担ってきた米国と欧州連合EUが500億ドルのうち200億ドルずつ拠出する。残る100億ドルを日本と英国、カナダの3カ国で分担する。G7はロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援金を融資の形とし、ロシアの凍結資産から生じる運用益を返済に充てることを決めた。

(コメント:外交記録チェック注意深く読む必要のある記事。ウクライナは「ロシア資産をすべて寄越せ」。G7とEUが凍結したロシア中央銀行の資産2600億~2800億ユーロ≒43兆7000億~47兆円。このうち3分の2ほどがEU各国の管理下。米は元本没収を主張したが国際法上の懸念あり、EUと日本が難色を示す。EUの消極姿勢は、サウジ「ロシア資産押収なら欧州債を売却する」の脅しが理由とも。決定-折衷案=凍結資産を原資とし創設した基金にいったん資金を貸付け、その基金から上がる運用益をウクライナ復興や軍事支援の費用として拠出。年間運用益30億ユーロ≒5000億円。日本からは国際協力機構JICA円借款。他国とは違い、復興費用に充てることを主目的とし軍事支援には使われないようにする。なお残100億ドル分を日・英・カナダ3カ国で分担=日本が英国とカナダを説得して、万が一に備え囲い込み対策した可能性あり。水面下ハイリスク成分が有るのかも知れない)

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(ナルホド…後学のためメモ)

https://x.com/kanekoiroha/status/1814141775558181066/歌猫いろは
国会議員とかがSNSとかで地元のいろんなものをアピールする意味がよくわかった
https://x.com/kokkai_kengaku/status/1814143225919393904/よもやま
普通に名産振興ですよ。骨の髄まで沁みてます。淡路の玉ねぎもそう。貰ったら後でこういうことになるから、普通に自分やスタッフの分も買います。だから収支報告に載せてるんです。叩かれるけど。
https://x.com/kanekoiroha/status/1814143790602752342/歌猫いろは
もちろん、そこは大前提で。やはりいただいたものはしっかりアピールするというのは義務でもあるのだろうなと。
https://x.com/kokkai_kengaku/status/1814145111967863264/よもやま
たとえば、ポスター貼りしていて差し入れがあったとして、そういったこと含めて、もうほとんど脊髄反射で。義務というか、相手側の了解がいただければ、多分、多くの議員はDNAに刻まれているレベルではないかと。

2024年7月前半の時事情勢メモ

■ルーマニア駐露公使が北方領土入域 国後島と色丹島を観光 欧米の公人訪問は異例(共同通信2024.07.18)

欧州連合EU加盟国ルーマニアの駐ロシア公使がロシアの実効支配下にある北方領土の国後島と色丹島を観光で訪問したと、ロシアメディアが17日までに報じた。日本政府はロシアの管轄権を前提とした北方領土入りは受け入れられないとの立場で、EU加盟国外交官の訪問は異例。報道によると、現地入りしたのはリリアナ・ブルダ公使。北方領土入域に必要なロシア当局の許可を得て、2島を非公式に訪れたという。ロシア極東のメディアは島で温泉に入ったり、ホテル前で記念撮影したりする公使とみられる人物の動画や写真をネット上に公開した。北方領土には商用目的の中国人や韓国人のほか、北朝鮮労働者や観光目的の欧米人が入域した事例は過去にも多数あるが、欧米の公人訪問が明らかになるのは珍しい。

■元CIAの北朝鮮専門家起訴 韓国政府「代理人」で活動か 米(時事通信2024.07.17)

ロイター通信は16日、ブランド品などの見返りに韓国政府の「代理人」として情報提供したとして、米連邦検察が元中央情報局CIA分析官で北朝鮮専門家のスミ・テリー氏を起訴したと報じた。テリー氏は2013年ごろから韓国情報機関に対し、非公開の米政府の情報を提供していたとされる。見返りとして、ブランド品のバッグやコートのほか、同氏が運営する政策プログラムに3万7000ドル(約580万円)を超える資金提供を受けていた。届け出をせずに韓国政府の「代理人」として活動し「外国代理人登録法FARA」に違反した可能性がある。弁護士は取材に対し、「事実が明らかになれば、政府が重大な過ちを犯したことが分かる」と述べ、起訴内容を否定した。

(コメント:アメリカ上層部、静かなる大変動。特亜系パージ…2024.07.07東京都知事選3位の方の奇行も、このあたりの事情が絡んでいるかと想像。オカルト的な「風」もあるのかも知れませんが)

■中国の成長率、4.7%に減速 4~6月、不動産の低迷響く(共同通信2024.07.15)

中国国家統計局が15日発表した24年4~6月期の国内総生産(GDP速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比4.7%増となった。1~3月期の5.3%から0.6ポイント減速した。景気全体への影響が大きい不動産市況の低迷が響き、消費も振るわなかった。成長率は政府の通年目標である「5.0%前後」も下回った。中国共産党は15~18日の日程で、中長期の経済政策を討議する重要会議、第20期中央委員会第3回総会(3中総会)を開催。不動産に依存してきた成長モデルからの脱却を打ち出せるかが焦点となる。国家統計局は通常、記者会見を開くが、今回はウェブサイト上でのみ公表した。

(コメント:地元情報によれば、中国国内の銀行口座オンライン決済「1日の利用限度額500元≒1万円」に絞られているとのこと。経済が上向くには活発な経済活動が必要で、中国経済が上昇するのは、どう考えても難しい状況。「生産や輸出が牽引したものの消費がさえなかった」評は必然。ほぼほぼ外需頼みであるが、コロナ禍~宇露戦争~紅海海賊などでサプライチェーン混乱が続いている。世界第一位のコンテナ取扱量で知られる寧波海運は、沿岸部運賃の低迷が響き、2024年上期赤字となった。中国も欧米も製造業界の衰退でエネルギー需要減が大きいのに、中東の石油価格は上昇している。混乱していびつになった流通が引き起こした現象。日本政府はG7、NATO等あらゆる外交ルート、太平洋島嶼国サミットなどを通じて、サプライチェーンを正常化しようとしている。破壊されたものを再び立ち上げて稼働させるのは、大変な時間と努力が要る仕事。中国は今まで「ただ乗り・横取り」状態だったから、グローバル供給網の創設や再生に関して経験が浅く、あまり対応できないと思われる)

■ロシアが米政権非難、トランプ氏銃撃の「雰囲気作った」(ロイター2024.07.15)
https://jp.reuters.com/world/us/ZGOEVCZKSFJATMNAUX2YGJQBW4-2024-07-15/

ロシア大統領府は14日、前日に起きたトランプ前米大統領の暗殺未遂事件について米政権に責任があるとは考えていないとした上で、攻撃を引き起こす雰囲気を作ったと非難した。トランプ氏は米ペンシルベニア州で開かれた集会で右耳に銃撃を受けた。現在、暗殺未遂事件として捜査が行われている。ロシア大統領府のペスコフ報道官は「トランプ氏を暗殺しようとする企てが現当局によって組織されたとは考えていない」と記者団に述べた。その上で「米国が現在局面している状況はトランプ候補を取り巻く雰囲気が引き起こした」と指摘した。ロシアは政治闘争の過程におけるいかなる暴力も非難すると述べた。ペスコフ氏はバイデン大統領に攻撃の責任があると直ちに非難した一部の米共和党議員らに同調し、法的手段などを例に挙げ「トランプ候補を政治の舞台から排除しようとする数々の試みで、彼の命が危険にさらされていたことは外部の観察者にとっても明らかだった」と述べた。

■トランプ氏暗殺未遂、世界にも衝撃「政治的暴力」非難相次ぐ(時事通信2024.07.15)

トランプ前米大統領暗殺未遂事件は世界各国にも衝撃を与え、国境を越えて非難の声が相次いだ。スターマー英首相は「集会での衝撃的な光景に愕然としている」と表明し、フランスのマクロン大統領は「われわれの民主主義にとって悲劇だ」と批判。イタリアのメローニ首相は11月の米大統領選が迫る中「憎しみや暴力ではなく、対話と責任が優先されるよう望む」と述べた。グテレス国連事務総長も声明を出し「政治的暴力を明確に非難する」と強調。台湾の頼清徳総統も「私たちの民主主義では、いかなる形であれ政治的暴力は許されない」と主張した。インドのモディ首相は「友人への攻撃」だとして糾弾。ウクライナのゼレンスキー大統領は「トランプ氏が無事だと聞き安堵した」と述べ「暴力がはびこってはならない」と訴えた。南米でトランプ氏に例えられるアルゼンチンのミレイ大統領は「卑劣な暗殺未遂の被害者となった」と指摘。トランプ氏と11日に会談したばかりのハンガリーのオルバン首相は「この暗黒の時間」にトランプ氏に祈りをささげるとX旧ツイッターに投稿した。オーストラリアのアルバニージー首相は臨時に記者会見し「これは米豪両国民が共有している民主的価値に対する言い訳のできない攻撃だ」と非難した。

■不祥事続出、政権に危機感 防衛増税への影響懸念-防衛省処分(時事通信2024.07.13)

防衛省は12日、安全保障に関する「特定秘密」の不適切管理や海上自衛隊での手当不正受給などで関係者を処分した。岸田文雄首相は木原稔防衛相の交代を否定し、組織立て直しに当たらせる考えだが、政権内の危機感は強い。政府・与党内からは、防衛費増額のための増税議論に影響しかねないとの懸念が出ている。「わが国の防衛に一分の隙も許されない状況だ。防衛相は信頼回復に全力で当たってほしい」。首相は11日(日本時間12日)訪問先の米国で記者団にこう述べた。自民内では、処分発表を前に2017年の南スーダン国連平和維持活動PKO日報問題と深刻さは同等だとして「木原氏の責任問題になる」(幹部)との見方も出ていた。政府高官は相次ぐ不祥事に「報告を受けたと思ったらまた別の問題が出てくる」と嘆息する。防衛増税の開始時期は秋から与党内の議論が本格化する見通しだ。海自では隊員が川崎重工業から金品や飲食の提供を不正に受けた疑惑もあり、国民の反発は必至。公明党の佐藤茂樹外交安全保障調査会長は12日の党会合で「負担をお願いする中での不祥事は国民の信頼を失う」と批判した。林芳正官房長官は記者会見で「安定的な財源確保は重要だ。徹底した行財政改革に取り組む」と政府方針への理解を求めたものの、首相官邸内でも「判断に影響するかもしれない」(幹部)との声が出始めている。特定秘密のずさんな管理も懸念材料だ。今回の訪米でも、首相は北大西洋条約機構NATOのストルテンベルグ事務総長に「秘匿情報共有体制を強化する」と伝えたが、米国や同志国との連携に影響しかねない。立憲民主党の泉健太代表は12日の会見で「首相は防衛増税撤回を考えるべきだ。予算が適切なものか検証が必要だ」と強調。「防衛予算総点検国会だ」と述べ、秋に想定される臨時国会で徹底追及する考えを示した。政府関係者は「防衛省には問題を一掃してもらわないといけない」と苦虫をかみつぶしたような顔で語った。

■立民、共産共闘で板挟み 決別迫る連合・国民(時事通信2024.07.13)

次期衆院選を巡り、立憲民主党内で共産党との共闘路線の是非が焦点となっている。東京都知事選で立民が支援した蓮舫前参院議員が敗北し、連合や国民民主党は共産との「決別」を改めて要求。ただ、立民内には「共産と手を切れば得をするのは自民党だ」(党幹部)といった声も根強く、泉健太代表は板挟みとなっている。「立民が全国的に連携しているのは国民だ。国民とは連立政権の可能性がある」。泉氏は12日の記者会見でこう強調。同時に「共産と政権を共にすることは否定している」とも主張した。都知事選の結果を受け、連合の芳野友子会長は11日、泉氏と会談。「共産が前面に出過ぎ、逃げた票があったのではないか」と関係見直しを迫った。これに対し、泉氏は「教訓をどう生かすか党の中で話し合う」と明言を避けた。国民も連合に同調する。玉木雄一郎代表は9日の会見で「『立憲共産党』路線は終焉を迎えた。見直さないと、厳しい次の衆院選になる」と断じた。それにもかかわらず、泉氏が煮え切らないのは、衆院小選挙区で「共産票」を頼りにする議員が党内に一定数いるためだ。都知事選を仕切った都連幹部は「東京で共産の支持率は高い。その支援がなければ結果はもっと厳しかった」と指摘。都連会長を務める長妻昭政調会長は11日の会見で、共産との共闘撤回を求める意見に対し「私自身はそういう考えではない」と反論した。一方、共産は共闘継続へ圧力を強める。小池晃書記局長は11日、芳野氏の発言を受けて急きょ会見し「何を根拠に票が逃げたと言っているのか」と猛反発。都議補欠選挙で自民が議席減となったことに触れ「共闘の力が発揮されたことは間違いない」と述べ、立民に選挙協力を進めるよう呼び掛けた。

■ネパールで政権交代へ 首相、与党分裂で不信任(共同通信2024.07.12)

ネパールのダハル首相は12日、下院で行われた信任投票で過半数を獲得できず、政権交代が確定的となった。ダハル氏率いる第3党のネパール共産党毛沢東主義派(毛派)と連立を組む第2党の統一共産党UMLが離反したため。UMLは、第1党で野党のネパール会議派NCPと新たに連立を組む。次回下院選が行われる2027年までの間、首相を両党から交互に選ぶことで合意しており、UMLのオリ元首相が近く、首相に返り咲くとみられている。

(コメント:流言飛語によって国体が流動化しやすくなり。マルクス主義は流言飛語や言いがかりを通しての国体弱体化を仕掛けるのが得意で、国体を切り刻んで大儲けする流れ)

■防衛省不祥事、12日に大量処分 特定秘密、手当不正受給などで(共同通信2024.07.11)

防衛省・自衛隊の不祥事問題で、同省は12日、関係者の処分や調査結果を公表する。特定秘密の不適切運用やパワハラ、海自の潜水手当不正受給、自衛隊施設内での不正飲食の計4項目が対象で、処分者は幹部を含め大量になる見通し。防衛費の大幅増により防衛省・自衛隊の組織や任務が拡大する中で不祥事が頻発しており、信頼回復に向け厳しい視線が向けられることになる。防衛省は4月、陸自部隊の幹部が有事の際の活動に関する特定秘密を、知り得る立場にない隊員に伝えたのに加え、海自の護衛艦「いなづま」で「適性評価」を経ていない隊員が特定秘密を扱う業務に当たっていたと公表。幹部自衛官計5人を懲戒処分にするとともに、防衛省・自衛隊を対象に特定秘密の取り扱い状況の調査を開始した。その結果、陸海空3自衛隊の運用を担う統合幕僚監部や空自などでも、特定秘密の不適切な運用が確認された。特に海自では、いなづま以外の護衛艦でも常態化しており、海自トップの酒井良海上幕僚長は引責辞任する意向を示している。

■自衛隊幹部ら218人処分 特定秘密や不正受給、海幕長更迭-「背広組」パワハラも・防衛省(時事通信2024.07.12)

防衛省は12日、安全保障に絡む「特定秘密」のずさんな管理や海上自衛隊員による潜水手当の不正受給などがあったとして、懲戒免職11人、停職83人を含む計218人(延べ220人)の処分を公表した。「背広組」と呼ばれる防衛官僚の幹部によるパワハラも初めて認定。異例の規模で、防衛省・自衛隊は信頼回復に向け、抜本的な規律見直しが迫られる。木原稔防衛相は閣議後記者会見で陳謝し「信頼回復に率先して取り組む」と強調。海自トップの酒井良海上幕僚長を19日付で交代させたとし、「新しい体制で立て直す必要がある」と述べた。酒井海幕長も臨時会見。不正受給や幹部の不正飲食などで潜水士11人の懲戒免職など最多の181人が処分されたことについて「不祥事の根底には組織のガバナンス欠落がある。職責を果たせず、責任を問われるのは当然だ」と頭を下げた。

(コメント:万事、塞翁が馬。戦前の歴史パターンを考えてみると、早々に不祥事が発覚して、逆にラッキーだったかも知れないと思案してみる。いわゆる「有害な味方」成分が、あぶり出された可能性?)

■中国軍機56機が中間線越え 過去最多、強まる威嚇-台湾(時事通信2024.07.11)

台湾国防部(国防省)は11日、台湾周辺で同日午前6時までの24時間に中国の軍用機延べ66機が活動し、このうち延べ56機が台湾海峡の中間線を越えるなどして台湾側に飛来したと発表した。台湾メディアによると、中間線を越えた中国軍機の数は過去最多。台湾を自国の領土と主張する中国の軍事的威嚇が強まっている。国防部は発表で「(中国軍の)動向は綿密に把握している」と強調。通常は公開しない台湾軍が捉えた中国軍戦闘機の写真を公開した。台湾周辺と西太平洋ではここ数日、中国軍の活動が活発化している。日本の防衛省や台湾国防部によると、中国空母「山東」は9日に沖縄県宮古島南方で発着艦訓練を実施。10日午前には中国軍機延べ36機が西太平洋へ向かい山東と訓練した。台湾の中央通信社は、11日に発表された中国軍機の動向が「山東との訓練が続いていることを示している」と報じた。台湾国防部系のシンクタンク「国防安全研究院国防戦略・資源研究所」の蘇紫雲所長は、時事通信に「(中国は)米国の新駐台代表の台湾支持発言などに政治的不満を示した」と指摘した。

■海自護衛艦が中国領海を航行 日本に「深刻な懸念」伝達(共同通信2024.07.11)

海上自衛隊の護衛艦「すずつき」が今月4日、中国浙江省沖の中国領海を一時航行したことが10日分かった。自衛隊の艦船が中国領海を航行するのは極めて異例。中国側から退去勧告を受けていたという。周辺では中国軍の実弾射撃訓練が予告されていた。中国政府は日本側に深刻な懸念を伝達。日本政府は経緯を調べると外交・防衛ルートで伝えた。防衛省は艦長に聞き取りを実施するなど調査を始めた。外交筋が明らかにした。国連海洋法条約では沿岸国の安全を害する行為を行わない限り、領海を航行できる「無害通航権」が認められている。すずつきの航行も国際法違反に当たらない可能性が高いとみられる。意図的な航行かどうかは不明。日本政府関係者は「少なくとも法的問題はない」としている。防衛省は取材に「自衛隊の運用に関する事柄なので、答えを差し控える」とコメントした。中国政府は海自艦による「意図的な挑発」(中国筋)の可能性も否定できないとして内部で詳しく情報収集・分析を進めている。

■中国、海自艦の領海航行に申し入れ「違法行為」と調査要求(時事通信2024.07.11)

中国外務省の林剣副報道局長は11日の記者会見で、海上自衛隊の護衛艦が中国領海を一時航行したとの一部報道に関し「日本艦艇の違法行為に厳正な申し入れを行った」と明らかにした。日本から「技術的なミス」と説明を受けたといい、徹底的な調査と再発防止を求めた。

(コメント:かなり怪しい筋だけど、偶然このタイミングで日本の海自艦が接近したために、新たな密輸ルート設置を妨害できた可能性ありとのこと。現在、中国国内の経済事情がかなり苦しく、多少の動乱チャンスがあれば不正に飛びつく類は多い様子)

■戦闘機の国際共同開発強化へ 三菱重工「日本航空機産業振興株式会社」の事業開始
(Jディフェンスニュース2024.07.11)https://j-defense.ikaros.jp/docs/mod/000933.html

三菱重工業は、7月10日、一般社団法人日本航空宇宙工業会(以下、日本航空宇宙工業会)との共同出資による「日本航空機産業振興株式会社」の事業を開始することを公表した。日本航空機産業振興(株)は、戦闘機の国際共同開発における我が国航空機産業のサプライチェーン強化などを目的とし、航空機産業全体の発展および強化を目指していくという。

■塩野義製薬、本社を大阪駅前に 「薬の街」道修町から(日本経済新聞2024.07.10)

塩野義製薬は2025年夏をめどに大阪市中央区道修町(どしょうまち)にある本社をJR大阪駅(同市北区)前の大型再開発地区に移転する。創業の地で150年近く本社を置いていた道修町から離れる。新本社には大阪市周辺に分散していた開発機能も集約する。経営と開発の連携を強め、感染症薬などをいち早く市場に投入する体制を整える。

(コメント:意味深かつ象徴的な変化であるかと思案。それにしても、道修町=どしょうまち、変わった読み方をする地名だなと感心。ジェネリック薬価問題など、製薬業界は色々と厳しい状況ということを小耳に挟むようになり。ますますのご発展を祈るのであります)

■日比2プラス2、安保協力拡大 中国念頭、円滑化協定に署名(時事通信2024.07.08)

日本、フィリピン両政府は8日(日本時間同)、外務・防衛担当閣僚協議2プラス2をマニラで開いた。自衛隊と比軍による共同訓練の促進など安全保障分野の協力拡大で一致。東・南シナ海で威圧的行動を繰り返す中国をにらんだ連携強化を確認する。これに先立ち、両政府は自衛隊と比軍の相互往来を容易にする「円滑化協定RAA」に署名した。日比2プラス2は、2022年4月に東京で開いて以来2回目となる。日本側は上川陽子外相と木原稔防衛相、フィリピン側はマナロ外相とテオドロ国防相が出席。フィリピンが中国と領有権を争う南シナ海の情勢について議論し、一方的な現状変更の試みに懸念を共有する。防衛装備品の協力に関しても意見を交わす見通しだ。
【補足】外務省>日・フィリピン部隊間協力円滑化協定の署名(2024.07.08)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sea2/ph/pageit_000001_00810.html

■自民「大惨敗」に危機感広がる 東京都議補選、総裁選に影響も(共同通信2024.07.08)

東京都議補欠選挙で、擁立した8選挙区を2勝6敗と負け越した結果を受け8日、自民党内には危機感が広がった。平沢勝栄元復興相(衆院東京17区)は取材に「大惨敗だ。党の土台の抜本的な変革が必要だ」と語った。岸田文雄首相のさらなる求心力低下につながりかねず、9月の総裁選に影響を与えそうだ。自民都連関係者は「想定した中でも悪い結果だ」と深刻に受け止めた。無党派層が多い大都市部での敗北に「次期衆院選では全国的に大きな影響が出るだろう。日常の活動をよほど頑張らないと勝てない」と懸念した。立憲民主党の大串博志選対委員長は8日、自民に代わる選択肢を示すのが野党第1党の役割だと強調した。

(コメント:なにげに、ダメージは大きい様子。苦境をどう乗り越えるか、老舗の政党ならではの、手腕の見せどころかと思案。脇の甘かった議員が多いのは、やはり与党ならではの気の緩みが広がっているのだろうと思われるところ)

■2024.07.07東京都知事選の投票率:60.62%(前回より5.62ポイント上昇)
開票結果(上位10名、%):小池百合子43.0、石丸伸二24.4、蓮舫18.8、田母神俊雄3.9、安野貴博2.2、内海聡1.8、ひまそらあかね1.6、石丸幸人1.4、桜井誠1.2、清水国明0.5

■都知事選の警備「最新AI」投入…聴衆の不審行動を検知する「異常行動検知システム」を初運用 安倍元首相銃撃を教訓に(FNN2024.07.08)
https://www.fnn.jp/articles/-/725453

今回の都知事選挙の期間中、聴衆の不審な行動を「AI(人工知能)」で検知する新しいシステムを、警視庁が選挙警備として初めて運用したことが分かり、演説会場で活用された様子をFNNのカメラがとらえた。(中略)演説現場では厳重な警備が行われ、演説開始1時間前には、すでにずらりとバリケードが設置され奥の方まで伸びていた。さらに、あたりにはたくさんのSPや警察官の姿があった。選挙期間中の小池都知事の演説現場での警備の様子を見ると、演説場所の周りだけでなく、聴衆のブースもパイプ柵などで囲まれ、中に入るには、手荷物検査や金属探知機によるチェックが必要となっていた。さらに、安倍元首相の銃撃事件の教訓を生かし、演説する人の背後に人が入り込まないよう警備態勢を構築していた。その一方で、批判の横断幕を掲げる人があちこちに現れ、中にはデパートのエレベーターを使い、批判的なビラを掲げている人の姿も見受けられた。今回の都知事選で、身に危険が及ぶような不測の事態を防止する手立てとして、新たな対策が行われていたことが明らかになった。小池候補の演説中に、聴衆のエリアのすぐ横の高い位置にカメラが設置されていた。危険な動きがあった場合、AIで素早く察知する機能だという。聴衆の一団の中に、拳銃を取り出そうとする行動や落ち着きのない不審な行動を示す人物がいた場合、AIカメラが検知し、アラートを出すようになっているという。このほかにも小池都知事が船の上で演説した際は、ドローンを使用した警備や警護が行われたといい、小池都知事も「ドローンが飛んでいる」と認識していた。今回の選挙警備でAIカメラを初めて運用した警視庁は、「こうした新しい技術は、警護・警備を高度化するにあたって、非常に有用なものだと思う。こればかりに頼ることなく、緊張感を持って今後も警護警備に万全を期していきたい」としている。

■石丸伸二氏の敗訴確定 市長選ポスター代不払い-最高裁(時事通信2024.07.08)

7日投開票の東京都知事選に立候補し、次点となった前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏41が、2020年8月の同市長選でポスターやビラの製作を委託した印刷業者から代金の支払いを求められた訴訟で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は8日までに、同氏側の上告を退ける決定をした。5日付。同氏に72万円余りの支払いを命じた二審広島高裁判決が確定した。一審広島地裁や二審の判決によると、石丸氏は市長選への立候補を表明した20年7月、印刷業の「中本本店」(広島市)と掲示用ポスターや選挙運動用ビラなどの製作に関する契約を締結。同社は履行後に費用見積もりを伝え、安芸高田市が公費負担分の約34万円を支払ったが、石丸氏は残額72万円余りの請求に応じなかった。石丸氏は公費負担分のみ支払うとの合意があったなどと主張したが、地裁は同社が公費負担額を具体的に把握しておらず、合意はなかったと認定。同氏に支払い義務があり、請求額にも相当の理由はあると判断した。高裁も地裁判決を支持し、同氏側の控訴を棄却した。

石丸伸二氏の問題>安芸高田市:県境付近にやや小さめの銀山。石見銀山と同時代、鉛も産出、この鉛が石見銀山「灰吹法」に利用され、石見銀山の繁栄を支えたと言われている。安芸高田市には世界遺産登録された石見銀山に繋がる歴史的なものがかなり遺されている。日本商社は、この世界遺産登録制度をはじめこの手の様々な制度を活用したグローバルビジネスでも利益を上げている。日本国内に世界遺産登録及び保護に関する財界系の伝手があるが、そのうち石見銀山の財界系の伝手をなりすましたらしい?背後にドトールの動きがあったとの推測※ドトール創業者名誉会長鳥羽氏は7.7東京都知事選に際し石丸伸二氏の後援に関わる。安倍元首相とゴルフ仲間で親交があったとのことだが「石丸さんは馴れ合いも妥協もない。談合や金で歪められた政界で、清廉な川を泳ぐ鮎のような青年だと思った。彼が勝ては政治が変わる。振り返ると、安倍さんも公私混同しすぎたしね」コメントあり、安倍氏をけなして石丸氏を持ち上げようとしていたとのこと

■フランス総選挙、左派が逆転勝利 極右失速で第3勢力、政治混乱も(共同詰真2024.07.08)

フランス国民議会(下院577議席)総選挙の決選投票は7日即日開票され、フィガロ紙が伝えた暫定最終結果によると左派連合が勝利し、第1勢力となった。マクロン大統領の中道与党連合は議席を大幅に減らし2位。反移民、反EUの極右政党、国民連合は事前予測で第1勢力となる勢いだったが失速、第3勢力にとどまった。与党連合と左派連合による候補者一本化の「極右包囲網」が奏功し、逆転した。どの勢力も過半数の289議席に届かず法案を可決できない「統治不能」状態に陥る恐れが高く、今月下旬開幕のパリ五輪を前に政治が混乱しそうだ。経済や外交、EUとの関係にも影響が出る可能性がある。投票率は約66%で、決選投票では約71%だった1997年以降で最高となった。与党連合のアタル首相は7日、辞表を8日朝にマクロン氏に提出すると明らかにした。連立交渉が本格化するが、難航するとみられる。仏メディアによると大統領府は、マクロン氏が「新たな国民議会が構成されるのを待って必要な決定を下す」とのコメントを出した。

■防衛省幹部をパワハラで処分へ 特定秘密、海自以外もずさん運用か(時事通信2024.07.07)

防衛省のハラスメントに関する内部調査で、政策立案や予算編成を担う「背広組」の管理職が部下にパワハラなどをした事案が多数確認されたことが7日、政府関係者への取材で分かった。同省は近く調査結果を公表し、幹部を含む複数を懲戒処分にする方針。海上自衛隊で発覚した安全保障に関する「特定秘密」のずさんな管理が、統合幕僚監部や航空自衛隊でも行われていた疑いが強いことも判明した。同省はこれについても処分を検討している。(中略)特定秘密を巡っては、海自の護衛艦で身辺などを調べる「適性評価」を経ていない無資格の隊員を特定秘密を扱う業務に従事させ、陸自では幹部が訓示で特定秘密の内容に触れていたと4月に公表。同省が対象を組織全体に広げて調査した結果、海自の複数の艦艇で無資格の隊員を秘密に触れさせる不適切な運用が常態化していたことが判明した。海自トップの酒井良海上幕僚長は引責辞任の意向を示しているという。統幕や空自、内部部局でも同様の運用を行っていたとみられ、同省が処分に向け確認を進めている。外部への漏えいはないとみられるが、防衛省・自衛隊全体で特定秘密保護法の順守が徹底されていなかった実態が明らかになった。

■農水省、フリマの種苗不正取引で規制強化へ(共同通信2024.07.06)

ブドウやイチゴなど品種登録された種苗がフリマサイトで不正に取引されるケースを防ぐため、農林水産省が規制強化を検討していることが6日分かった。種苗法の改正も視野に入れる。

■イラン大統領選、改革派ペゼシュキアン氏勝利 保守強硬派下す(時事通信2024.07.06)

イラン内務省は6日、5日に行われた大統領選の決選投票で、国際社会との対話を重視する改革派のペゼシュキアン元保健相69が保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長58を破って勝利したと発表した。大統領の任期は4年。イランで穏健・改革派の大統領は「文明間対話」を掲げ欧米との融和を模索した改革派ハタミ政権1997-2005、欧米などと核合意を結んだ保守穏健派ロウハニ政権2013-2021以来となる。新政権で国際協調重視に傾斜すれば、イランの外交姿勢に変化をもたらし、中東情勢や国際社会との関係にも影響を与えるとみられる。

■日英の安保協力推進 岸田氏、新首相と電話会談(時事通信2024.07.06)

岸田文雄首相は6日、英国のスターマー新首相と電話会談した。両首相は欧州・大西洋地域とインド太平洋地域の安全保障は不可分で、緊密に連携していくことで一致。日英にイタリアを加えた3カ国による次期戦闘機開発の協力も確認した。ロシアの侵攻を受けるウクライナ、中東、東アジアの情勢についても意見を交わし、連携して対応することを申し合わせた。岸田氏はスターマー氏の首相就任に祝意を伝え、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化のため緊密に連携したい」と表明。スターマー氏は「日英関係を一層緊密にしていきたい」と応じた。

■外交は基本的に路線踏襲 労働党政権、日本重視も継続-英総選挙(時事通信2024.07.06)

英総選挙で勝利した労働党は、保守党政権時代に離脱した欧州連合EUとの関係強化を目指すなど、外交政策で一定の独自色を打ち出していく方針だ。ただ、ウクライナ支援や国防、アジア戦略といった課題では前政権の路線を基本的に踏襲。新政権でも、対日関係を重視する流れが続くとみられる。労働党の「影の外相」を務め、新外相就任が有力視されるラミー氏は選挙前の記者会見で、14年間の保守党政権で英外交が「後退した」と批判。EUとの関係や気候変動対策などの重要課題で「根本的リセット」が必要だと強調した。労働党が特に重点を置くのが、離脱でぎくしゃくしたEUとの関係改善。独仏など欧州の同盟国との関係を再構築し、ウクライナに侵攻するロシアを含む「共通の脅威」に対処するため、新安全保障協定を結んで防衛協力の強化を図る考えだ。EU外相理事会への定期参加も画策するなど、「欧州との関係緊密化」(ガーディアン紙)を志向。EUと距離を置いてきた前政権の方針を転換することになりそうだ。一方、防衛分野では米英オーストラリアによる安保枠組み「AUKUSオーカス」を支持。核抑止体制の継続や北大西洋条約機構NATOへの積極関与も表明するなど、従来の取り組みを維持する姿勢だ。国防費増額についても、マニフェスト(政権公約)で保守党と同様、対国内総生産GDP比2.5%を目標に設定した。アジアに関しては、保守党政権の「インド太平洋地域への傾斜」構想に倣い、日本との関係強化に力を入れるとみられている。英王立国際問題研究所(チャタムハウス)「世界の中の英国」部のオリビア・オサリバン部長によると、労働党は当初、保守党の構想に批判的だったが、覇権主義的な動きを強める中国を警戒し方針を修正。同部長は「労働党はインド太平洋地域の重要性を認識し、強い関心を持っている。構想は原則として維持される」と分析した。

■ハンガリー首相、訪ロか ウクライナと「仲介」(時事通信2024.07.05)

複数の欧米メディアは4日、ハンガリーのオルバン首相が5日にもモスクワを訪れ、ロシアのプーチン大統領と会談すると伝えた。両政府は報道について否定も肯定もしていない。ハンガリーは欧州連合EU加盟国だが対ロ融和姿勢が目立つ。オルバン氏は2日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)をロシアによる侵攻開始後初めて訪れ、ゼレンスキー大統領と会談したばかり。当事国双方と首脳会談を行い、仲介者の役割をアピールする狙いがありそうだ。

(コメント:これとは別に、インドのモディ首相が7/8~7/9ロシアを公式訪問、プーチン大統領と会談するとの報道あり。両首脳は二国間関係のさらなる発展や、国際情勢について協議する予定。裏事情が、色々動き始めた気配…)

■モディ首相がロシア訪問、プーチン大統領と両国間関係の強化を確認(ジェトロ2024.07.11)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/07/48f0b224242e8379.html

インドのナレンドラ・モディ首相は7月8日から9日にかけてモスクワを訪問し、第22回ロシア・インド首脳会議に参加、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談した。訪問の結果、両国首脳による共同声明が発表され、両国間の経済分野を含めた協力関係を強化していくことで一致した。採択された共同声明は81の項目により構成されており、その中には経済面での関係強化も盛り込まれた。2030年までに相互の貿易額を1000億ドルに増やすという新たな目標が設定されたほか、関連機関にはユーラシア経済連合EAEUとインド間の自由貿易協定FTA締結に向けた協議を進めるよう指示が出された。共同声明のほかにも9つの文書が署名された。そのうちの1つである「2024年から2029年までのロシア連邦極東における貿易-経済-投資分野でのロシアとインドの協力プログラム」では、共同投資プロジェクトや新分野での協力の模索、さらにはロシア極東・北極圏地域とインドとの貿易額を増やすことが目標に据えられた。ロシアのアレクセイ・チェクンコフ極東・北極圏発展相は、「(インドとの)貿易額は高い伸びを示しており、とりわけ極東と北極圏における相互協力のさらなる拡大の可能性は非常に大きい」「両国間の協力関係がそれぞれの繁栄に貢献することを確信している」として両国間の関係強化に期待感を示した「タス通信」7月10日。ロシアのアレクサンドル・ノワク副首相は、インドと長期的な石油供給に関する協定を締結する可能性を検討していると明らかにした。ノワク副首相は、ロシアからの石油供給における長期的な協力関係については「ロシアもインドも興味を持っている」と述べた「タス通信」7月9日。

■岸田総理「水道管耐震化」全国緊急点検を指示へ、秋にも予算措置へ
https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/wbs/newsl/post_299480(テレ東BIZ-2024.07.05)

能登半島地震で、断水が長期化した要因の一つに水道管の老朽化があったことを踏まえ、政府が、避難所となる全国の重要施設などの水道管の耐震化について、緊急点検を行う方針を固めたことがテレビ東京の取材で分かりました。2024年1月に発生した能登半島地震では、水道管の老朽化が進んでいたために、最大で14万戸が断水したうえ、断水が長期化しました。こうしたことを教訓として、岸田総理大臣は8日に愛知県内で人工衛星とAIを活用して水道管を点検する先進的な取り組みを視察したうえで、万一の際に避難所となる学校の体育館など全国の重要施設で水道管の耐震化の状況を緊急点検し、10月までに完了させるよう指示を出す方針です。点検結果を踏まえて、政府は秋にも想定される経済対策で、状況の改善に向けた予算措置を検討するとともに、現在、全国の自治体で7割に留まっている水道の耐震化計画について、すべての自治体で今年度中に策定することを目指します。また、8月中をめどに水道などのインフラ整備に関連する水循環基本計画を改定し、上下水道の耐震化の強化策を盛り込み、来年度予算にも反映する方針です。

(コメント:全国の自治体の水道管担当者は当分、激務になって大変そうだなと想像。AIと人工衛星の活用には、注目したいところ)

■ウナギの人工稚魚を大量生産 水産庁、民間に技術提供(日本経済新聞2024.07.04)

天然資源に依存していたニホンウナギの稚魚を人工的に大量生産する技術を、水産庁の研究機関が4日発表した。人工稚魚の生産コストは2016年度時点で1匹4万円以上していたのに対し、生産効率を高めて1800円まで下げた。今後、都道府県や民間企業へ技術を普及し、量産化を目指す。水産庁の研究機関、水産研究・教育機構(横浜市)を中心とする研究グループが大量生産システムを構築した。

(コメント:シラスウナギ界隈は反社会的勢力の資金源の有力なひとつ、との指摘あり。違法操業でウナギを一斉捕獲する、別により分けて高価なヤミ値を付ける、等。水産庁の技術提供は、これら闇ルートの価値を押し下げる見込み。闇ルートを壊滅して反社会的勢力の排除が進むと、地道に漁業資源を保護しつつ頑張っている漁業関係者へ正当な報酬が行くようになる。良き、と思われる)

■中国、カザフスタンのBRICS加盟支持 習主席が表明(ロイター2024.07.03)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/4FO77SHIRNNOJOMGU5AC7BRJ7I-2024-07-03/

中国の習近平国家主席は、中国などの主要新興国を中心とする「BRICS」にカザフスタンが加盟することに支持を表明した。中国国営メディアが3日報じた。習主席は、上海協力機構SCO首脳会議の開催地カザフスタンの首都アスタナでトカエフ大統領と会談。会談後の共同会見で、カザフスタンが「国際舞台で新興国の役割を果たし、グローバル・ガバナンスに相応の貢献をする」ことに期待を示し、カザフのBRICS加盟を支持した。会談では二国間貿易を早期に倍増させることでも合意したという。BRICSを構成するブラジル、ロシア、インド、南アフリカの中で中国とロシアが構成国の拡大に意欲的。昨年8月にサウジアラビア、イラン、エチオピア、エジプト、アラブ首長国連邦UAEの加盟で合意した。

■中国、朝鮮半島情勢を警戒 ロシアと首脳会談(日本経済新聞2024.07.04)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM020A10S4A700C2000000/

中国がロシアと北朝鮮の軍事協力をめぐり、日米韓が結束を強め朝鮮半島情勢が不安定になる構図を警戒している。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とロシアのプーチン大統領は3日、訪問先のカザフスタンで会談し、経済や貿易面での協力拡大を確認した。ロシア大統領府によると、プーチン氏は会談の冒頭で「中国との包括的パートナーシップと戦略的協力関係は、その歴史の中で最良の時期を迎えている」

■中国とロシア、対米結束確認へ カザフで首脳会談(共同通信2024.07.03)

ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席は3日、上海協力機構SCO首脳会議が開催されるカザフスタンの首都アスタナで会談した。中ロ首脳会談は5月に北京で行われて以来。両首脳はSCO加盟国との協力関係強化や、対立を深める米国の「一極支配」に対抗する強固な結束をあらためて確認する見通し。プーチン氏は3日、トルコのエルドアン大統領と会談。昨年9月以来となる会談の冒頭でエルドアン氏は、プーチン氏に近い将来のトルコ訪問を招請した。2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、トルコは同年3~4月にかけて両国の停戦協議の仲介役となった。プーチン氏はこの時の停戦合意案が「交渉の基礎になる」と今年5月に発言。会談ではウクライナ問題も協議テーマになる。トルコ仲介の停戦合意案ではウクライナの北大西洋条約機構NATO加盟断念を意味する「ウクライナの恒久的な中立化」などが盛り込まれていたとされる。

■サイバー攻撃集団の通信一部遮断 日米欧捜査当局が連携(日本経済新聞2024.07.03)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE029V20S4A700C2000000/

欧州刑事警察機構ユーロポールなどは3日、複数のサイバー攻撃集団が悪用したとみられる約700のIPアドレス(インターネット上の住所)を特定し、大半の通信を遮断したと発表した。各国当局による国際共同捜査によるもので警察庁も支援した。サイバー攻撃の実態解明や抑止につながる効果があるとしている。警察庁によると犯罪組織の一部は、サイバー攻撃の対処訓練で使われるツール「コバルトストライク」を不正改造した海賊版を使用。被害者のシステムに侵入して海賊版の機能を発動させ、ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)などの被害を発生させていた。海賊版は「Conti、コンティ」や「RYUK、リューク」、「Trickbot、トリックボット」と呼ばれる攻撃集団に使われていた疑いがある。海賊版を通じたランサムウエア被害は日本でも2020年以降に6件確認されている。共同捜査は英国家犯罪対策庁NCAが主導して2021年に始まり、米連邦捜査局FBIやオーストラリア、ドイツなど計7カ国の捜査当局が参加。警察庁も連携した。27カ国の計690のIPアドレスを特定、少なくとも593アドレスの通信を遮断した。警察庁担当者は「サイバー空間の安全確保を図るため、国内外の関係機関との連携を推進する」としている。サイバー攻撃に対する国際共同捜査ではこれまで、被害規模が最大級とされたランサムウエア集団「ロックビット」を巡り、ロシア人の首謀者を絞り込んだ。別の攻撃集団「ラグナロッカー」の中枢メンバーを逮捕するといった成果を上げている。

■防衛省が国産クラウド導入 さくらインターネットと7.5億円規模の契約(ITmedia2024.07.01)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2407/01/news164.html

さくらインターネットは、防衛省が約7億5000万円でクラウドサービス「さくらのクラウド」を導入すると発表した。防衛装備庁が実施する、防衛産業に関するサプライチェーンの調査基盤として採用が決まったという。さくらのクラウドは2021年、政府のクラウドサービス認定制度「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度」ISMAPのリスト入り。政府調達の対象になった他、23年には日本政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」にも条件付きで採択された。24年7月時点で、ガバメントクラウド中唯一の国産サービスになっている。

■中国IT企業、反日感情あおる投稿規制(共同通信2024.07.01)

中国江蘇省蘇州で日本人母子が中国人の男に刃物で切り付けられた事件に絡み、通信アプリ、微信(ウィーチャット)を手がける企業など中国のIT各社は1日までに、反日感情をあおるような投稿を規制する方針を明らかにした。

(コメント:戦前のような暴動事件アゲインは、大変困る…)

■沖縄・来間島、再エネ蓄電で電力自活-コストの壁に挑む(日本経済新聞2024.07.02)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC26E2K0W4A620C2000000/

沖縄県の宮古島と橋でつながる人口150人ほどの小島で、電力を自活する「マイクログリッド」の試みが進んでいる。2022年から5年間の実証実験は折り返し地点にさしかかり、日中は太陽光発電で100%まかなえるようになった。夜間も含めた完全自立に向け、蓄電池などのコストの壁をどう乗り越えるか知恵を絞っている。

(コメント:新しい時代のエネルギー安全保障、災害レジリエンスにつながる重要な試み。いずれは、ここでの成果が、日本全域に応用される見込み。注目と期待)

■感染症行動計画、政府が閣議決定=初の抜本改定、平時の備え強化(時事通信2024.07.02)

政府は2日、コロナ禍の教訓を踏まえ、新たな感染症流行に備えた「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」を閣議決定した。平時からワクチンなどの研究開発を進め、医療の逼迫時には、科学的知見が不十分な段階でも緊急事態宣言などの措置に踏み切るとした。国民生活などへの影響も考慮し「柔軟かつ機動的に」運用する。2013年の計画策定後、初めての抜本的改定となった。計画では新たに「ワクチン」や「検査」など7項目を追加し計13項目とした。平時からワクチンの研究開発を推進し、検査体制の整備や人材確保を行う。医療提供体制の整備やマスクといった必要物資の備蓄なども強化することを盛り込んだ。また、国が必要に応じて地方自治体などに総合調整・指示を行うと明記。計画は毎年度点検し、約6年ごとに改定する。

■最高裁判決、トランプ氏に追い風 大統領選介入の裁判に遅れ-米(時事通信2024.07.02)

米連邦最高裁は1日、2020年大統領選の結果を覆そうとした事件で起訴されたトランプ前大統領78について、在職中の公的行為に関する不起訴特権を認め、同氏の行為の公私を見極めるよう下級審の地裁に差し戻した。これにより、11月の大統領選前に同事件でトランプ氏の刑事責任が明らかになる可能性はほぼなくなった。返り咲きを目指す同氏には大きな弾みとなる。
◇大勝利/「きょうの歴史的判断は、私に対するバイデン(大統領)の魔女狩りを全て終わらせるだろう」。トランプ氏は判決を受け、SNSで「大勝利」と喜んだ。地裁は起訴事実を改めて精査するが、大統領の行為に関する公私の区別は難しい。前代未聞の選挙転覆事件の公判は、大統領選後にずれ込む公算が大きい。トランプ氏としては、大統領選に勝てば起訴自体を取り下げることができるため、本選前の判決回避はベストシナリオだった。スミス特別検察官は昨年、大統領選の敗北を受け入れず、バイデン氏の当選を認めないよう各所に圧力をかけるなどの不正を画策したとしてトランプ氏を起訴。選挙に不正があったと虚偽を吹聴し、21年1月の連邦議会襲撃事件を招いたと指摘した。これに対し、トランプ氏は「在任中の行為は弾劾裁判で有罪にならない限り刑事責任を免れる」と主張し提訴。一、二審は敗訴したが、最高裁は公的行為に限り免責を認めた。
◇判断は国民に/9人の判事のうち、賛成6、反対3で党派色が分かれた。リベラル系のソトマイヨール判事は、仮に大統領が政敵を暗殺しても罪に問われなくなると警告。「大統領は今や、法を超越する王となった」と厳しい反対意見を付した。バイデン氏はホワイトハウスで緊急演説し、判決を「危険な前例になる」と非難。「トランプが権力維持のため暴力に訴えても許容するのか、国民は決めなければならない」と有権者に迫った。だがバイデン氏は今、選挙戦最大の危機を迎えている。先のテレビ討論会で言葉に詰まるなどの失態を演じ、高齢不安はピークに。本人や周辺は否定するが、撤退を求める声はやまない。前任者の脅威を語るその足元は揺らいでいる。

■スリランカの経済再建に協力 上川氏が外相会談で伝達(朝日新聞2024.07.02)
https://www.asahi.com/articles/ASS723JMHS72UTFK006M.html

上川陽子外相は2日、スリランカのサブリー外相と東京都内で会談し、債務不履行(デフォルト)に陥った同国の経済再建に協力する方針を伝えた。スリランカはインド洋のシーレーン(海上交通路)にあり、海洋分野での協力を強化する方針も確認した。スリランカは6月末、日本がフランス、インドと共同議長を務める債権国会合で、返済期限の延長などの債務再編条件で最終合意したばかり。上川氏は会談後の共同記者発表で「これまでの債務問題に対する取り組みを高く評価する。透明性が高く、公平な債務編成の実施を期待する」と述べた。サブリー氏は「日本は共同議長として重要な役割を果たし、スリランカを支えてくれた」と謝意を述べた。日本政府は今後、スリランカ側と再発防止の合意を交わしたうえで、停止している円借款事業の再開など支援の方向性を協議する。サブリー氏は記者発表で「日本の投資をぜひ再開していただきたい」と求めた。スリランカは2000年代半ばごろから他国などから借金して経済開発を進めてきたが、コロナ禍で産業が低迷。22年4月、大半の対外債務の返済停止を発表し、事実上のデフォルトとなった。

(コメント:シーレーンの重要拠点スリランカを、シッカリ囲い込んだ、と言える。それにしても、中国はいわゆる「債務の罠」でもってスリランカをギュウギュウにしていた筈だけど、債務再編では、ほぼほぼ日本がリードする形。中国の存在感は、とても薄くなったような…?)

■上川氏、債務再編の協定署名評価 日スリランカ外相会談(共同通信2024.07.02)

上川陽子外相は2日、スリランカのサブリ外相と東京都内で会談し、同国による、日本を含む債権国との債務再編に向けた協定署名を評価した。スリランカは中国などから借り入れた多額の資金返済に窮し、2022年に事実上のデフォルト(債務不履行)状態に陥った。両氏は、人材育成支援の協力も確認した。スリランカがインド洋のシーレーン(海上交通路)の要衝に当たることを踏まえ「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、海洋分野での協力を一層強化する方針も申し合わせた。サブリ氏は会談後の共同記者発表で、債務再編や財政再建への支援に感謝を表明し、日本からの投資に期待を示した。

■国の税収、72.1兆円に 4年連続で過去最高-23年度(時事通信2024.07.01)

国の2023年度税収が約72.1兆円となることが1日、分かった。22年度(71.1兆円)を上回り、4年連続で過去最高を更新する。好調な企業収益を背景に、法人税と所得税が堅調に推移したもようだ。財務省が近く発表する。年度税収は3月期決算企業が納める法人税額などを含み、4月~翌年5月分を計上する。23年度税収は当初予算段階で69.4兆円と想定した。昨年11月の補正予算時に69.6兆円に上方修正。さらに約2.5兆円上振れすることになる。円安進行などで輸出企業を中心に好業績が相次ぎ、法人税の5月納付分が大きく伸びる。政府は24年度税収について、定額減税により所得税で2.3兆円の減収を見込むが、23年度当初予算段階を上回る69.6兆円と試算している。