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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

2014.07.03暁の夢

毎度、プロフィール風キャラの夢でありました

自分でも少し分かりにくいところがあるので、まずは舞台説明

奇怪な地下階を持つホテル。地上階と地下階との間には、土砂や廃材が散乱する迷路がある

前もって冒険してみたところでは、その妙なスペースは元々、駐車場として使われていたスペースらしく、廃材に混ざって車の部品も多数。外界とのルートを遮断されて密封された状態のスペースですが、隅っこの各所にカラクリ仕掛けのシャッターがあって、何かいじくれば、ホテル脇のハイウェイに出る、車専用のスロープにつながる事が分かりました

このプロローグも散々な思いをしたパートなので、この妙なホテルには金輪際近づくまい、と言う風に夢の中で決心していたのですが、何故か正体不明のツアー・パック企画の参加者として、再びホテルに舞い戻ってしまったのでした

まことに奇妙な本編は、此処からです

客としてホテルに入ってみると、見掛けは、何処にでもあるような5階か6階建ての箱型ビジネスホテルで、その平凡さが、「逆にアヤシイ」と思わせるものでした

支配人も従業員も、何処かピエロっぽい印象があり。ホテル業務にも、抜けがあり。最も信じられなかったのは、「カレーを用意したのに、カレーを食べるための皿やスプーンが無い」と言う落ち度があった事でした

ツアー・パックの他の参加者とともに(だいたい50人くらい居たと思う=ツアー・バス3台分?)、ぞろぞろと、カレー皿を取りに行くために団体を組み、エレベーターを探し回る事、一時間

そこへ、やっと地下階に行く途中らしい、大きな台車を幾つも押しているホテル従業員たち(台車に積んだ洗濯物を地下階で洗うと言っている…)と行き逢い。彼らホテル従業員たちは、カレー皿の置いてある場所は、地下76階、つまりエレベーターの「-76」というボタンで行ける部屋にある、と説明したのです

それで、この奇妙なホテルは、非常に大きい、そしてとんでもなく深い地下スペースを持っていると言う事が分かったのでした。エレベーター表示ボタンは、地下99階(-99)まである…

よせば良いのに、夢の中で余計な興味を持ったのが、運の尽きと言うべきか…

とにかく我々、ツアー・パック団体は、地下76階を訪れました。そこには、何故かカレー皿は無く、託児所になっていたのでした!パニックに陥るツアー・パック団体。皆、散り散りに逃げ散ってしまいました(何故そんな事が起きるのか良く分からないが、夢の中なので、何でもありなのかも…)

そこへやって来た、謎の禿げ頭の、黒縁の眼鏡の、中高年のオッサンと言った風の人物。自分はそのオッサンに招かれ、情操教育用らしい、幼児用の小さなテーブルに近づき、これまた幼児用の低い椅子に座り、オッサンの質問を受ける羽目になりました

オッサン、自己紹介して言うには、科学者だとの事。地下99階に科学者のスペースがあり、皆、そこで、色々楽しみにしていると(何を楽しみにしているかという部分は、ボンヤリとしていて、余り聞き取れなかった)

オッサン「君は、"宇宙とは何である"と思うかね?」

夢の中ながら、すごい深遠な質問。「宇宙とは"孤独"であると思う」と自分は答えました

オッサン、何かうなづいていたようでしたが、暫し、何かテレパシーでもやっているのか、曖昧な表情に。やがて、オッサンは、ツアー・パックの人々に手招きを始めました

三々五々残っていたツアー・パックの仲間たち、怪訝そうにオッサンを見て、暫し相談した後、オッサンの後に付いて行く事に決めたらしい。こんな地下深い所で一人になるのも不安な気分がしたので、自分は、仲間たちの後を付いて行きました

そして、オッサン含め、我々は、再びエレベーターに乗り、「-99」つまり、地下99階のフロアを訪れました(カレー皿がどうしたかは良く分かりません。空腹じゃ無かったので、何処かで知らないうちに食事を済ませていたのかも…)

地下99階に到着してみると、そこも他の階と同じような感じの雑然としたルームでしたが、奥の方が会議室になっているらしく、TV会議か何かのための、大きなモニターが中央にありました

振り返ってエレベーターの表示板を見ると、地下99階の表示板だけ特別になっていて、「∞F」という表示が、「-99F」の横に新しく加わっていました。そしてよーく見ると、その表示には、奇妙なところがある…

「∞」の前に、「±」の記号があったのですが、それはしきりに点滅していたのです。「+∞」か、「-∞」か、どちらなのか分からないと言った風の表示です。「どういうことだ?」と、疑わしい眼差しを向けてしまいました

やがて、フロアのリーダーらしき、白髪交じりの大柄な老人が現れ、これまた科学者だと自己紹介。他にも、男女も年齢も国籍もバラバラと言った風の科学者たちが、背景人物群として登場。何か説明をしていたようなのですが、記憶が薄かったのか、余り覚えていません

ただ、フロアの壁に、奇妙なイラスト解説板が掛かっていた事は良く覚えています。これが、地下99階の下に広がる謎のフロア、「∞階」の様子を描画したものだと言う話でした。ひどく奇妙な解説板でした

フロアの壁に掛かっていたイラスト解説板

この底は、冒険者たちのための、ゲーム的要素を凝らしたフロアです、と言う説明有り。-99階の底は、希望者のみ入れるスタイルになっている。チケット渡す形式で、希望者を募っているところ。元通り戻ってくる人は10名のうち7名程度、科学的努力により生還率は上昇しているが、云々かんぬん…という、良く分からない説明が続いていました

要点をまとめると
▼これから底のフロアに案内するが、無事に∞Fを通り抜けるためのルートを現した案内板が通路の各所にあるので、よく見ておいて欲しい(ただし、実際に入ったら余り役に立たない可能性はある)
▼∞のフロアを冒険している時、何が起こるかの説明は、このイラスト解説板に示した(複数人シルエットが空中に浮かんで、半ば団子状態に重なっている)
▼息が続く限り全速力で駆け抜けるのが一番安全、平均7分で全ルート通れる

通路の各所にも掛かっていたイラスト解説板

自分も何故か「特別招待」でチケットを渡され、何が何やら分からないうちに、∞フロアを駆け抜けるグループに混ざってしまいました。案内係の科学者に従って、階段&スロープを使って、目的のフロアに下りて行きました。説明係の人が話した通り、各所の壁に、あの奇妙なイラスト解説を含む案内板が掛かっている。下に行くにつれて、壁そのものが光っているため灯り必要なし…と言う事に気付き、ひどく不安になりました

スタート地点に、他の参加者たちと並んで、行く手を眺めてみる。そこは、トンネルになっていました。トンネルの中は、トンネル自体が輝いているかのように、ひどく明るい。明るすぎて目が眩み、その先が見通せないくらいです

他の参加者たちを観察すると、やる気満々の、如何にも冒険者と言った風の若者たちが多く、ウキウキした顔つき。「トンネルの先で何が起こるのか、全く怖くないのか?」と、思わず疑いの眼差しで見てしまいました

思わず、案内係を務めている若い科学者(どうやら助手らしい)に、「皆で全速力で走るわけで、互いにぶつかったりしませんか?」と確認。案内係はひどく奇妙な顔をして「ぶつかったりはしません…まあ…あえて言えば、重なると言うか…」と言いながら、案内板の方を見やりました。あの、奇妙な、複数人が団子状態で浮遊していると言うイラスト解説のある案内板です

すぐにスタートの合図が送られ、自分は足が遅いので最後尾に回って、皆の後を付いて行こうと思案。先頭の人は流石に快速で、見ると、もうトンネルの光の中に消えていました。走りながらトンネルを観察すると、やはり壁自体が、何やら訳の分からない方法で光っており「白熱している」と言っても良い感じです。そして、トンネルをグルリと取り巻くように、補強のスチール輪が設置されている…(SFの舞台みたい)

奇妙な事でしたが「白熱している」と理解した割には、余り熱くありません。スチールの輪の目印を一つずつ抜けていくたびに、強烈な光になって行くのは分かりましたが…

そして、(おそらく最後の目印らしい)補強スチール輪を抜けて行くと、いきなり「走ってる感覚」が無くなりました。ひどく濃密な空間で、空間そのものがものすごい抵抗を持っており、まるでプールの水の中を走っているような、重い浮遊感と圧力感がありました。慌てて辺りを見回すと、もう既にトンネルの内壁と言った光景では無く、無限に向かってずらりと並ぶ、正方形の輝くウィンドウの列。宇宙人のアーケード型の建物の中みたいな感じ

目を凝らすと、先頭走者との距離がひどく縮まっていたのでビックリでした。他の参加者たちも、前後の距離が縮まって、皆で団子になっている感じ。それで、急に、あの案内板に描かれていた奇妙なイラスト解説を思い出したのでした。そのうち、濃密過ぎる空間が変化したのか、皆、空中に浮遊してしまいました。今まで走っていた勢いもあって、白熱の光と闇の中を浮遊しつつ、前進している形です

正直言って、夢の中ながら、「案内板の通りだ」とか思いながら、ポカンとしていました

一部の参加者は、身体が「重なっていました」。野外ライブやフェスティバルとかで良く見られるような、高揚するような一体感を感じているらしく、余り奇妙に思っていない様子です

自分は、疑念と恐怖を覚えました。この「∞」のフロアは、一体、何なのだと

そのうち、白熱の闇の方、自分は「サルガッソー空間」と名づけましたが、加速流体の吹き溜まりになっているような場所で、一人の傷付いた男が浮遊しているのを発見。男は意識が無いらしく、揺ら揺ら&フラフラと浮いていましたが、そのうち、何かの加速に乗ったらしく、自分に向かって、意識が無いままに衝突してくる気配だったので、自分は叫びながら身体の向きを変えて避けようとしました

すると、手が何かロープのようなものを探り当てました。プールの水の中でロープをつかんだような感じで、これで反動をつけて加速すれば、また走れると思いつき、そのようにしました(実際にちょっと速く進めた)

★ここでちょっと、科学者による解説

夢の中の科学者の説明によれば、この奇怪な冒険の一切は、「量子テレポート移動」の実験ではあったそうです。スチールの輪に見えたのは、何らかの量子変換装置であり、ひとつずつ通り抜けるたびに、人体が段階的に量子化されるとか何とか、良く分からない説明でした(難解な数式を示されたけど、意味が良く分からなかったです)

トンネル施設の全体は、量子移動のための高エネルギー加速装置であり、量子化した人体を、量子的加速軌道に乗せるための物だとか。自分は最後尾だったため加速が充分で無く、危うくサルガッソー空間に捕まるところではあったらしいです

「身体の向きを変えた」というところに、夢の中の科学者たちはえらく興味を示していました。「モニターの中で、急にスピンした単独粒子を見た」とか、どうとか。プールの中のロープをつかんだと思ったのですが、これが実は、加速のための高エネルギー流束だったらしく。その流れに上手く乗って、自分はえらく加速していたようです(光速の97%とか99%まで行ったとかと言う風に解説されましたが、濃密な空間に阻まれて余り進めなかったというのが実感だったという事もあり、ホントとは思えませんでした・汗)

一部の参加者たちは「身体が重なっている状態」でしたが、これが実は、量子的重なりの状態だったとか。どうも深い一体感や陶酔感を覚える性質のものらしく、そういった参加者は、冒険の前半の記憶はあるのですが、陶酔した後の、後半の記憶が無いという話

科学者たちは、後半の記憶を聞きたがっていました(単独の粒子状態で駆け抜けたのは、どうやら稀なケースだったらしい。そういう人たちは前にも居たけど、何かひどく衝撃を受けた様子で、出家したり巡礼に出たりとかして、何を見たのか、余り話したがらないのだとか)

★再び、自分の見た夢の内容を、自分目線で

反動による加速の後、自分は引き続き、「走るべく足を動かしていました」が、実感がありませんでした。空間がとても重いし、ノロノロとしか進めないので、果たして自分は「たった7分程度」で、全ルート踏破して、端まで到達できるのかと不安でした(量子的現象になってしまっているので、複数のルートを一気に通れる状態ではあるらしい…)

進んでいるうちに奇妙な白熱した空間がいきなり終わり、「虚無」と言ってよい闇の空間が始まりました(灯りが切れたのか?と言う風には思いました)。夢の中の科学者いわく「光速宇宙の外?=虚数空間」だそうですが、やはり良く分かりません。滑らかにつながってるので、何処で虚数になったのかも良く分からないのです

「白熱」と言うよりも「黒熱」と言う感じです。自分は「黒い光」だと解釈しました

その黒い光はやがて、紫の炎になりました。次に青、緑、黄緑…と、虹よろしく色が変化して行きました。そして遂には、トンネルの中(?)全体がまばゆい金色になりました。全体が金色になってくると、ようやく、エネルギーの流れっぽいと言うのか、そういう流れの模様が見えてくるようになりました

※後で考えてみたら、金色、というか黄色は、太陽のナトリウムの炎でもある…

奇妙な光だけの光景は、金色で終わりました。次第に金色が薄れ、次には見慣れた感じの星空が現れました。とは言え、どうやら相当に相対論的効果が掛かってるらしく、前方に向かって青っぽくなっているし、星の像は奇妙に歪んでいるしで、視野補正が大変でした

そのうち、重複パノラマというのか、青い地球の、それも断片化された像が次々に現れました。夢の中の科学者の推論によれば、どうやら複数の時代や量子的可能性をいっぺんに見ていたらしいのですが、頭が混乱して来るので、イメージのみの説明にとどめます

やがて、一番大きな像と見える地球のイメージが真ん前に現れ、互いに衝突するかのように、そのイメージと交差した、と言う風に思いました。すると、間も無くして、元通りのトンネルが始まりました。白熱はしているのですが、その白熱もだんだん弱まり、普通の蛍光灯のような光に変化して行きました

それと共に、「走ってる感じ」も、地に着いたかのようにシッカリとした物になって来ました。やがてゴールと見える、あの地下99階の、広い部屋に到着。案内係を務めていた若い科学者が手を振って「ストップ」の合図をしたので、ようやく走り終わったと言う次第です

しばらくして、後から次々に参加者が出てきました。互いに健闘を称え合って握手し、その後、めいめいが科学者たちの聞き込みを受けていました。やはり、無事戻って来たのは70%と言う程度だったそうです(そしてやはり、予想通り、後半を覚えておらず「宇宙との一体感を感じる、素晴らしい体験だった」と証言する人が殆どだった)。自分は出発した時は最後尾だったけど、思わぬ加速を受けてゴールをトップ通過した訳で、少し奇妙な気持ちになりました

長々と記録しましたが、この奇妙にリアルな夢を見た結果、量子テレポートという移動手段は、生身の人間には絶対に向かない、と結論しました(汗)

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四国訪問の記録

知人と、二泊三日で四国を(大急ぎという感じで)回りました:

  • 一日目=瀬戸内しまなみ海道、亀老山(展望台)、道後温泉
  • 二日目=内子、四万十川、桂浜、高知駅前
  • 三日目=祖谷エリア、大歩危、金刀比羅宮、善通寺、瀬戸大橋

雨天や暑熱が心配でしたが、幸い、穏やかな天候に恵まれました

一日目/先行業務を片付けてからの出発でしたので、一日目はその疲れが残っていて、余り記憶がハッキリしていません

瀬戸内しまなみ海道が通る島々は、「何となく平べったい小島の集まり」と言うイメージがあったので、高い山あり・深い谷ありの、面積広大な島々の群れにはビックリさせられました(多分、自分の地理感覚が、こじんまりとした物だと言う影響もあると思います)

なおかつ島々の間隔が、「これは、頑張って泳げば、肉体一つで渡れるんじゃ無いか?」と思える程の距離。海じゃなくて、大きな川を挟んでいるような感じです。瀬戸内海の海霧や潮流が強烈じゃ無ければ、「ミニ・ドーバー海峡みたいな感じ」だったのでは無いかと思います

「20世紀の土木技術の粋を集結すれば、島々を繋ぐ大きな橋を建設する事も夢では無い」と、当時の技術者たちが考えた…というのも納得の光景でした

亀老山は、そんな島々の一つにある山。高さ300メートルから400メートル。頂上に展望台。実にあっさりとした構造の展望台で、天井の無いスタジアムの階段を登って頂上に出る…というような感じです

※そう言えば、展望台の落下防止の鉄製ロープにズラズラと取り付けれられた南京錠は、あれは一体全体…、妙なデザインの南京錠もありましたし、恋愛維持のオマジナイか何かでしょうか(汗)

時は6月、湿気が多い季節という事もあって、距離のある部分はモヤに煙っていましたが、瀬戸内海の全体の印象は、「たなびく雲&かすむ島々」と言う感じです

一日目は、道後温泉の近辺の、或る旅館に泊まりました

夏目漱石『坊ちゃん』の舞台にもなった明治時代の建築、道後温泉本館は、みやげ物店などが並ぶ温泉タイプ繁華街の真ん中の広場に、主人のように「デン」と座っている感じです。
道後温泉・本館
「ほぼ夏至」と言うタイミングでしたので、夕方6時頃になってもまだ明るく、ケータイでも割とクリアな写真が撮れました

鷺伝説のあるお土地柄の故か、屋根の上には白鷺の作り物があり、「お神輿っぽいな」と思ったのもご愛敬。近所の別の一角には「からくり時計」があり、『坊ちゃん』を題材にしたショータイムを楽しませて頂きました

道後温泉からくり時計普段の様子道後温泉からくり時計ショータイム

(個人情報の都合で、撮影写真から人々の姿の部分は可能な限り削除しましたが、ショータイムを楽しみにしていた人々で、時計前の広場はごった返していました。ショータイムが始まったと同時に、あちこちからiPadやスマートフォンが湧き出て来たのは、流石に「現代だな」とシミジミです)

四国は、都市部分では市電が現役のようです市電

撮影したのは翌朝の道後温泉の近辺の、大きな交差点の朝の光景(地元の人なら、此処が何処の辺りかは、パッと分かるかも知れません)。此処で出逢った市電は、レトロな感じがなかなか素敵でした。二日目は、高知駅前の三志士の銅像と市電を見物しました。こちらの市電の方は、車両の種類が割と豊富だったので驚きました

二日目/四国の西南部をぐるりと回りました。結構な移動量だったと思います

江戸後期から明治初期、和ろうそくで繁栄した内子の町を訪問。和ろうそくは初めて触りましたが、薄くロウを塗った和紙と言う感覚があり、成る程、華麗な絵ろうそくも可能であると納得しました

昔は電気が無かったから、この和ろうそくは、安価なパラフィン製品が出現するまでは、天下を制した商品だったと思います

ただ、とても高価な品なので、お城や神社仏閣、豪商などのお金持ちが、メインの顧客だったか…と、想像です。通りに出ていたろうそくをザッと見ただけでも、小さいものでも3000円はかたく、大きなものになると1万円以上の物もあり。江戸時代はもっと高価だった筈で、日常的に使うにはちょっと苦しいし、やはり特別な時に使われる品という感じだったかも

和ろうそくの生産・流通を手がけた本芳我、中芳我…云々の家がとても立派で、「ナントカ芳我」系統の家が、この辺りでは地元の名家だったかと、シミジミです(うろ覚えですが、うち一つの家のご主人は、何処かの銀行の頭取だったとか)

四万十川や桂浜(竜馬の銅像がある)の方は、多くの情報がありますので、大部分は省略

四万十川の方では、平成17年9月6日、台風14号に襲われた時、川の水位が大幅に上昇したという記録が近くの崖に刻まれていて、「あんなところまで、水が…」と驚きました。辺り一帯の家は、全て飲み込まれていたようです

川岸も注意深く観察してみると、最近の豪雨でやられた傷痕が残っていたり(川下へ向かって、岸辺の樹木が一斉に折れたり倒れたりしている…)。最近の異常気象には、目を見張らされるものがあります

二日目の旅館では、「よさこい踊り」を見せて頂きました

江戸時代の頃、お坊さんが近くの娘さんにかんざしを贈り…という話があったとかで、高知県バージョンのよさこい踊り「土佐の高知のはりまや橋で、坊さんかんざし買うを見た」は、そこから派生したとか。話題になった二人の心境を考えると、何となく妙な気分にもなって来ますが(ニガワライ)

そういえば、近所にはラブホテルが多かったです(汗)

からくり時計が、高知駅に程近い「はりまや橋」の近くのビルにあり、此処でもショータイムを楽しませて頂きました(ちなみに今回は、何故か時間の都合で、神社仏閣よりも、「からくり時計」に縁がありました)。こちらの「からくり仕掛け」は、高知城、坂本竜馬、はりまや橋の二人、よさこい踊り五人娘、の四種類でした

普段の様子はりまや橋からくり時計ショータイムの様子

※「はりまや橋」は、交通量の多い現代的な大きな交差点にありました。江戸時代よりもずっと昔から、交通量の多い、繁華街と言って良いストリートだったのでは無いかと思います。交通の要衝は、時代の変遷に伴って激しく変化するので、昔の面影が無くなってしまう事の方が多いと思いますし、「こんな物だろうな」という感じです(東京・日本橋の界隈とか)

三日目/雨の予報があって心配しましたが、幸い「時たまのパラパラ降り」程度でした

祖谷エリア・大歩危は、いろいろ情報がありますので省略

金刀比羅宮も省略(時間の都合で、やはり階段がハイライトでした。道連れの方々は、こういう場所だという事もあって、お年を召した方が多かったのですが、皆さん健脚で驚き)

善通寺は弘法大師・空海の生誕地を抱えるお寺。四国八十八ヶ所、第75番の札所だそうで、白装束の方々が次々に訪れていました。今年は、ちょっとした記念の年ではあるそうです(=後で調べてみたら、四国霊場開創1200年だったようです。空海誕生は1200年より少し前?のようです)

※四国巡礼と聞くと、やはり、話題になっていた「あの方(=四国巡礼に出ると宣言していた、少し前の首相)」を思い出します。首相としての資質には少し疑問符が付く(?)ようですが、東日本大震災という奇禍に遭遇した首相だった訳で、やはり、彼・個人的には、真面目な意味で、色々と思うところがあったのだろうと言う風に思います

四国巡りの後は、瀬戸大橋であります(淡路島方面は、時間の都合で抜き)。今のところ、世界最長のブリッジだそうです。阪神淡路大震災の衝撃にも耐えたと言う話ですから、まだ当分はもつのであろうと思案です

近頃、笹子トンネルの崩落などのインフラ危機が叫ばれております。公共施設には巨大なものが多く、修理・維持費も膨大な額になるという事で、これもまた税金から充当される可能性が多そうです。高齢化社会にインフラ老化社会も加わって、近未来の日本は、なかなか大変な事になりそうですが、まあそれなりに、何とかして乗り切るしか無いという事で…

詩歌鑑賞:ヘルダーリン「生の行路」「眺望」

生の行路(ドイツ詩人ヘルダーリン・作/手塚富雄・訳)

もっと偉大なことを求めておまえも昇ろうとした、しかし愛は
私たちすべてを引きもどす。悩みはもっとつよい力で私たちの軌道を下にたわめる。
だが私たちの生の虹が
ふたたび大地に戻るのは意味のないことではない。
昇るにせよ、下るにせよ、物言わぬ自然が
未来の日々を思念のうちに孕んでいる聖なる夜にも、
またはひびきの絶えた冥府にも、
愛のいぶきは吹きかよっているのではないか。
このことをわたしはようやく知った、この世の師たちとはちがって、
万物をたもつおんみら 天上の神々は
わたしの知るかぎり 心して
わたしをみちびいて平坦な道をいかせはしなかったのだ。
天上の神々はいう、人間はすべてのことを試みよ、
そして強い滋養をうけて すべてのことに感謝することを学べ、
そして知れ、自分の望むところを目指して
敢為に出発するおのが自由を と。

Die Aussicht / Friedrich Hölderlin

Wenn in die Ferne geht der Menschen wohnend Leben,
Wo in die Ferne sich erglänzt die Zeit der Reben,
Ist auch dabei des Sommers leer Gefilde,
Der Wald erscheint mit seinem dunklen Bilde.

Daß die Natur ergänzt das Bild der Zeiten,
Daß die verweilt, sie schnell vorübergleiten,
Ist aus Vollkommenheit, des Himmels Höhe glänzet
Den Menschen dann, wie Bäume Blüt umkränzet.

「眺望」

人の住む生の世界が遠ざかり
葡萄の時の輝きもはるかになれば
夏の野はうつろに拡がり
森は黒々とかたちをあらわしている。

自然が季節のかたちを補完し
とどまり そして過ぎ去るのは
完全性の故なのだ、天の高みはひとに
輝く 木を花が囲み咲くように。

『ヘルダーリン詩集』川村二郎・訳/岩波文庫

人間の住み慣れた生活が遠くへ去るとき、
葡萄の季節が遠くに輝く場所、
そこには夏の何もない広野がある、
森はその暗い姿で現れる。

自然が時の姿を補い、
自然が留まり、時が素早く通り過ぎて行くのは、
完全さに由来する、天の高みはその時
人間に向って輝く、木々の回りを花が飾るように。
(高木昌史・訳?)