忍者ブログ

制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

航海篇1ノ1

《物語と思考、歴史時空について~出航篇》

思考は言語によって構成される、という。

その論理に従えば、各国で長く語り継がれてきた物語にこそ、各国の国語の生み出してきた思考が表現されてきたのだ――とは言えないだろうか。

「物語と思考」というテーマは、当サイトが最も情熱を傾けるところである。

歴史の流れの中で、いにしえの物語群がどのように読み替えられていったのか、そして、その物語の読み替えを通じて、当時の人々はどのような思考を――歴史時空を――繰り出していったのか。

物語というのは、さながら思考の星雲(ネビュラ)のようなものである――であるから、この旅も、思想の核(コア)のようなものにたどり着くことは無く、星雲(ネビュラ)のような海を航海することになろうかと思う。

この航海は、想念がつむぎだす朧(おぼろ)な軌道を気ままに訪ねてゆくスタイルである。アストロラーベは万全な物では無く、迷路の中で立ち往生したり、フラフラとさ迷ったりしながらの航海であるが、気長にお楽しみいただけたら幸いである。

◆いにしえの物語と言語◆

中世の物語の前には、古代の物語がある。物語の歴史は、そのまま言語と思考の歴史でもあると言えよう。中世の物語と思考を考察するには、畢竟、いにしえの物語とその言語を知らねばならない。

いにしえの物語群には、言語発生に関する謎が秘められている。物語と、物語をつむぎだす言語とは、密接な関係にあるのだ。…言語があって物語が生まれたのか。それとも、物語をつむぎだす過程で、言語が創造され、確定されていったのか。そういう謎である。

言語発生の謎はさておくとしても、いにしえの物語と、その物語をつむぎだす特定の言語が、世界のある地域における主導権を握ったとき、その言語圏――あるいは、その祖語圏――が確立したのだということは、十分に言える事である。

世界史上、最も巨大な祖語圏として出現したのが、インド=ヨーロッパ祖語である。

インドのサンスクリット語が、その祖語の面影を最もよく伝えている。文字に関しては、エジプトのヒエログリフから表意機能を抜いて再編された古代フェニキア文字を祖としている。(ギリシャ文字が早期に成立した。梵字などインド系の文字が発達するのは、六世紀を過ぎてからである)

その次に勢力を持った祖語が、東アジア全域に影響を及ぼした古漢語である。この古漢語が印欧語と異なるのは、表意に長けた漢字を生み出した事により、周辺の民族の言葉に対して、深刻な文字ショックを波及したことにある。※

※次回は、「漢字の文字ショック」についての小さな寄り道である。

PR

神庭…現世(ウツシヨ)の境界

神庭&境内を含めて、あらゆる「庭」なるものの原形は「辻」であった。

辻は道々の交差点――八十道又(ヤソミチマタ)のターミナルポイントである。「道々の者」が流離うところ。そして、辻に関係の深い「庭」という言葉は、我々の始祖が描き出した時空概念を暗示している可能性がある。

「辻」は――「庭/神庭」は、境界の一種であり、境界とは、この世とあの世との境目であって、そこでは日常の生活空間とは異なる時空――渡らせの宇宙(そら)――が想定されていたという。

神々の荒らぶる幽世(カクリヨ)と、現身(うつそみ)の人々の生活する現世(ウツシヨ)とが、クロスオーバーする処。

「移世・映世・遷世(ウツリヨ)」という名称がふさわしい――血、貨幣、運命、祈り、呪い、言霊――あらゆるものが飛び交い、清浄と汚濁が共に渦巻き鳴り渡る、たまゆらの時空(ニワ)。

最もこの世ならざるものの出現を見るのも、「暁(アカトキ)」と「黄昏」。生と死の、昼と夜の交差する、ひと時の「間」…

  • 辻や辻-四辻が占の-市四辻-占正(まさ)しかれ-辻占の神/「本津草 地」
  • 百辻や-四辻が中の-一の辻-占正(まさ)しかれ-辻占の神/典拠不詳

その「時」と「道」が交差する時空(ニワ)こそが、古くは市の舞台であり、辻の神が幸わい、また男女が恋歌(相聞歌)を交わす歌垣でもあった。道が交差する、時が交わるということに、古代人はある種の不思議な力――宇宙創世に関わる力――の顕現を感じていたのではないだろうか。

(何故「新年」を「あらたま(新しい魂/玉)」の年というのか。これこそ、境界に発する宇宙創造の力を古代人が想定した証しではないのか。また、ここからは時空概念の発生において、“球”という立体幾何が重要な意味を持っていることが読み取れる)

「時」と「道」の交差する座標こそが、「辺境(スク)」であり「境界」である。「夜を越す事」、「境界」という概念は強い意味を持っていた…と想像される。更に言えば、「けじめ感覚」がそれだけ堅牢であり、このけじめに対する意識は、公私の別を問う「けじめ感覚」や、「和」というものに対する重要なファクターとなっているのではないか…と考えられるのである。

詩歌鑑賞:「鴉」エドガー・アラン・ポー

鴉/The Raven、エドガー・アラン・ポー/Edgar Allan Poe

嘗てもの寂しい真夜中に、人の忘れた古い科学を書きしるした、
数々の珍しい書物の上に眼を通し、心も弱く疲れはてて――
思わずもうとうととまどろみかけたその時に、ふと、こつこつと叩く音、
誰やらがそっとノックする音のよう、私の部屋の戸をひびかせて。
『ああ客か、』私は呟いた、『私の部屋の戸を叩くのは――
ただそれだけのこと、ほかにはない』

Once upon a midnight dreary, while I pondered, weak and weary,
Over many a quaint and curious volume of forgotten lore—
While I nodded, nearly napping, suddenly there came a tapping,
As of some one gently rapping, rapping at my chamber door.
“’Tis some visitor,” I muttered, “tapping at my chamber door—
Only this and nothing more.”

ああまざまざと思い起せば、それを身を切るような十二月、
消えかけた暖炉の薪は散らばって、床に幽霊のかたちを描いた。
しきりと私は朝を願った。――空しくもこれらの書物の助けを借りて
私の悲しみに終止符を打ちたいと望んでいた――今はないレノアへの悲しみに――
天使らがレノアと名づけた世に稀な光り輝くその乙女――
その名前も、この世には今はない。

Ah, distinctly I remember it was in the bleak December;
And each separate dying ember wrought its ghost upon the floor.
Eagerly I wished the morrow;—vainly I had sought to borrow
From my books surcease of sorrow—sorrow for the lost Lenore—
For the rare and radiant maiden whom the angels name Lenore—
Nameless here for evermore.

そして真紅のカーテンのそこはかとない悲しい絹ずれの音が、
私をおののかせた――いちども感じたことのない幻の恐怖で私を充たした。
それ故に、烈しい心臓の鼓動をしずめようと、今や私は繰り返した、
『私の部屋の戸を開かせたいと訪れた、どこぞの客ででもあるのだろう――
私の部屋の戸を開かせたいと、夜遅く訪れた、客ででもあるのだろう。――
まさにそうだ、ほかにはない』

And the silken, sad, uncertain rustling of each purple curtain
Thrilled me—filled me with fantastic terrors never felt before;
So that now, to still the beating of my heart, I stood repeating
“’Tis some visitor entreating entrance at my chamber door—
Some late visitor entreating entrance at my chamber door;—
This it is and nothing more.”

やがておののく魂も次第に元気を取り戻し、ためらうこともなくなって、
『そこの人よ、』私は言った、『どこのかたか、取り敢えずお詫びを言おう。
どうやら私はまどろんでいた、あなたはそっとノックをした、
ごくかすかにやって来て、ごくかすかに私の部屋の戸を叩いた、
そのために私の耳には入らなかった』――こう言って私は広く戸を開いた。――
そこにあるのは闇ばかり、ほかにはない。

Presently my soul grew stronger; hesitating then no longer,
“Sir,” said I, “or Madam, truly your forgiveness I implore;
But the fact is I was napping, and so gently you came rapping,
And so faintly you came tapping, tapping at my chamber door,
That I scarce was sure I heard you”—here I opened wide the door;—
Darkness there and nothing more.

この暗闇を覗き込み、長く私は立っていた、いぶかりながら、恐れながら、
疑いながら、また人の見たこともない不思議な夢を夢みながら。
しかし、沈黙は解けなかった、この静寂に何のしるしもなかった、
ただ一つ言葉がそこにささやかれた、その言葉は『レノア?』
ささやいたのは私だった、木霊が同じ言葉を返して来た、『レノア!』
木霊ばかり、ほかにはない。

Deep into that darkness peering, long I stood there wondering, fearing,
Doubting, dreaming dreams no mortal ever dared to dream before;
But the silence was unbroken, and the stillness gave no token,
And the only word there spoken was the whispered word, “Lenore?”
This I whispered, and an echo murmured back the word, “Lenore!”—
Merely this and nothing more.

部屋の中に私は戻り、魂は身の裡に焔となって燃えさかった、
すると再び私は聞いた、前よりもやや高らかにこつこつと叩く音。
『確かに』私は言った、『確かにこの物音は格子窓からひびく音、
ともあれ何であるかをこの眼に見て、この不思議を明かしてみよう――
せめて、ひと時私の心を休めさせて、この不思議を明かしてみよう。――
恐らくは風、ほかにはない!』

Back into the chamber turning, all my soul within me burning,
Soon again I heard a tapping somewhat louder than before.
“Surely,” said I, “surely that is something at my window lattice;
Let me see, then, what thereat is, and this mystery explore—
Let my heart be still a moment and this mystery explore;—
’Tis the wind and nothing more!”

ここの私は鎧戸を明け放った、その時早く羽ばたく羽音、
躍り出たのは、古えの聖(ひじり)の御世のいかめしい一羽の鴉。
お辞儀の一つするでなし、一瞬も飛びやめず、とどまらずに、
王侯貴女の物腰して、私の部屋の戸の上におり立った――
私の部屋の戸の上の、パラスの像へとおり立った――
悠然と座を占めて、動きもしない。

Open here I flung the shutter, when, with many a flirt and flutter,
In there stepped a stately Raven of the saintly days of yore;
Not the least obeisance made he; not a minute stopped or stayed he;
But, with mien of lord or lady, perched above my chamber door—
Perched upon a bust of Pallas just above my chamber door—
Perched, and sat, and nothing more.

その時黒檀のこの鳥は、重々しくいかめしげな表情を
その顔に浮べて、私の沈んだ気分を微笑へといざなった。
『お前のとさかは剃ったように短いが』私は言った、『お前は臆病者の、
薄気味悪い、夜の岸からさ迷い出た古えの鴉ではない――
語れ、夜の領する冥府の岸にお前の王侯の名を何と言うのか!』
鴉は答えた、『もはやない』

Then this ebony bird beguiling my sad fancy into smiling,
By the grave and stern decorum of the countenance it wore,
“Though thy crest be shorn and shaven, thou,” I said, “art sure no craven,
Ghastly grim and ancient Raven wandering from the Nightly shore—
Tell me what thy lordly name is on the Night’s Plutonian shore!”
Quoth the Raven “Nevermore.”

私はまったく肝をつぶした、見苦しい鳥がかくも鮮かに口を利くのに、
たとえその答に意味がなく――関り合いもないとしても。
それというのも、これにまさる不思議があったろうか、如何なる人も、
嘗て彼の部屋の戸の上に、このような鳥を見ただろうか――
鳥か獣か、彼の部屋の戸の上の彫(え)られた像に足を据えて、
しかも名乗りは『もはやない』

Much I marvelled this ungainly fowl to hear discourse so plainly,
Though its answer little meaning—little relevancy bore;
For we cannot help agreeing that no living human being
Ever yet was blessed with seeing bird above his chamber door—
Bird or beast upon the sculptured bust above his chamber door,
With such name as “Nevermore.”

しかし鴉は、静かな像の上に寂しくとまり、ただ一言を口にしたばかり、
まるでこの一言に魂がすっかり迸(ほとばし)り出たかのように。
そのあとは一つの息も洩らさなかった――一いち枚の羽もふるわさなかった――
遂に私はやっとのことで呟いた、『ほかの友達は早く既に飛び去った――
明日になれば、これも私を去るだろう、「望み」が既に飛び去ったように』
その時鳥はまた、『もはやない』

But the Raven, sitting lonely on the placid bust, spoke only
That one word, as if his soul in that one word he did outpour.
Nothing farther then he uttered—not a feather then he fluttered—
Till I scarcely more than muttered “Other friends have flown before—
On the morrow he will leave me, as my Hopes have flown before.”
Then the bird said “Nevermore.”

沈黙を破っていみじくも発せられたこの答に驚きあきれ、
『まさにこの言葉は』私は言った、『どこやらの不幸な主人に教えられ、今も尚
貯えとなって残ったものか、その主人は無慈悲な「悪運」にあとを追われ、
身のやり場もなかった人、遂にその人の歌がただ一つの繰り返し句を持つ迄に――
遂にその人の「望み」は絶えて挽歌(ひきうた)がただ一つの繰り返し句を持つ迄に、
即ち――「もはや――もはやない」』

Startled at the stillness broken by reply so aptly spoken,
“Doubtless,” said I, “what it utters is its only stock and store
Caught from some unhappy master whom unmerciful Disaster
Followed fast and followed faster till his songs one burden bore—
Till the dirges of his Hope that melancholy burden bore
Of ‘Never—nevermore’.”

しかし鴉は尚も私の沈んだ気分を微笑へといざない、
私は直ちにクッションのついた長椅子を、鳥の、像の、戸の方へと廻して、
そのビロードに身を沈め、さて想いの中に想いをつなぎ、
かえりみた、この古えの不吉な鳥の嗄(しわが)れ声の意味するものを――
この古えの、薄気味悪く、見苦しく、物凄く、また不吉な鳥の、
その嗄(しわが)れ声は『もはやない』

But the Raven still beguiling all my fancy into smiling,
Straight I wheeled a cushioned seat in front of bird, and bust and door;
Then, upon the velvet sinking, I betook myself to linking
Fancy unto fancy, thinking what this ominous bird of yore—
What this grim, ungainly, ghastly, gaunt, and ominous bird of yore
Meant in croaking “Nevermore.”

こうして私は坐し、推量に耽った、この鳥に一語も洩らすことはなかったが、
その火のような両眼は、今や私の胸のただ中に燃えあがった。
こうして私は坐し、予測に耽った、頭をゆったりと凭れさせた、
ランプの灯のほほえみかけるクッションのビロードの裏地に、
しかしランプの灯のほほえみかける菫色のビロードの裏地に、
彼女の凭れることは、ああ もはやない!

This I sat engaged in guessing, but no syllable expressing
To the fowl whose fiery eyes now burned into my bosom’s core;
This and more I sat divining, with my head at ease reclining
On the cushion’s velvet lining that the lamp-light gloated o’er,
But whose velvet-violet lining with the lamp-light gloating o’er,
She shall press, ah, nevermore!

その時空気は一層濃くなり、眼に見えぬ釣り香炉の香は立ちこめるかと思われた、
香炉を手に手に揺すりながら、熾天使たちの足取は花むしろの床に涼しく響いた。
『馬鹿者め』私は叫んだ『神はお前に与え給うた――これら天使の手によって、
安息を――お前のレノアの思い出を埋めるべきひとときの安息を、忘れ薬を。
飲め、おおこの情け深い忘れ薬を飲み干して、今はないレノアのことを忘れ去れ!』
鴉は答えた、『もはやない』

Then, methought, the air grew denser, perfumed from an unseen censer
Swung by Seraphim whose foot-falls tinkled on the tufted floor.
“Wretch,” I cried, “thy God hath lent thee—by these angels he hath sent thee
Respite—respite and nepenthe from thy memories of Lenore;
Quaff, oh quaff this kind nepenthe and forget this lost Lenore!”
Quoth the Raven “Nevermore.”

『予言者め!』私は言った、『悪なる者! ――鳥か魔神か、ともかくも予言者よ! ――
大魔王に送られたか、嵐によってここな岸辺に吹き寄せられたか、
ひとり空しく、しかも臆する色なく、この荒涼の呪縛の国に――
「恐怖」によって魅入られたこの家に――心から願う、どうか私に教えてくれ――
果して――果してギレアデに痛手をいやす乳香があるかどうかを――この私に教えてくれ!』
鴉は答えた、『もはやない』

“Prophet!” said I, “thing of evil!—prophet still, if bird or devil!—
Whether Tempter sent, or whether tempest tossed thee here ashore,
Desolate yet all undaunted, on this desert land enchanted—
On this home by Horror haunted—tell me truly, I implore—
Is there—is there balm in Gilead?—tell me—tell me, I implore!”
Quoth the Raven “Nevermore.”

『予言者め!』私は言った、『悪なる者! ――鳥か魔神か、ともかくも予言者よ! ――
我等の上に穹窿をなす天に誓って――我々の共にあがめる神に誓って――
悲しみの重荷に悩むこの魂に教えてくれ、かの遠いエデンの苑に、
天使らがレノアと名づけた清い乙女を、わが魂の抱く日が来るかどうかを――
天使らがレノアと名づけた世に稀な光かがやくその乙女を』
鴉は答えた、『もはやない』

“Prophet!” said I, “thing of evil!—prophet still, if bird or devil!
By that Heaven that bends above us—by that God we both adore—
Tell this soul with sorrow laden if, within the distant Aidenn,
It shall clasp a sainted maiden whom the angels name Lenore—
Clasp a rare and radiant maiden whom the angels name Lenore.”
Quoth the Raven “Nevermore.”

『よしその言葉を別れの合図としよう、鳥よそれとも悪魔か!』踊り上って私は叫んだ――
『お前は嵐の中に帰って行け、夜の領する冥府の岸へと帰って行け!
お前の魂が語った偽りを証拠立てる黒い羽のただ一枚も残すな!
私の孤独に手を触れずに行け! ――私の戸の上の像を離れよ!
この心からお前の嘴を抜き去り、私の戸からお前のその姿を消してしまえ!』
鴉は答えた、『もはやない』

“Be that word our sign of parting, bird or fiend!” I shrieked, upstarting—
“Get thee back into the tempest and the Night’s Plutonian shore!
Leave no black plume as a token of that lie thy soul hath spoken!
Leave my loneliness unbroken!—quit the bust above my door!
Take thy beak from out my heart, and take thy form from off my door!”
Quoth the Raven “Nevermore.”

そして鴉は決して羽ばたかず、尚もうずくまる、尚もうずくまる、
私の部屋の戸の真上の、色蒼ざめたパラスの像のその上に。
そしてその両眼は夢みつつある魔神の姿をさながらに、
そしてランプの灯は流れるように床の上にこの鳥の影を落す。
そして床の上に漂いつつ横たわるその陰から、私の魂の遂に
逃れ出ることは――もはやない!

And the Raven, never flitting, still is sitting, still is sitting
On the pallid bust of Pallas just above my chamber door;
And his eyes have all the seeming of a demon’s that is dreaming,
And the lamp-light o’er him streaming throws his shadow on the floor;
And my soul from out that shadow that lies floating on the floor
Shall be lifted—nevermore!