詩歌鑑賞:古代ギリシア
古代ギリシア(スパルタ)詩人アルクマン(断片のみ/呉茂一・訳)
眠るは山の嶺、かひの峡間(はざま)
またつづく尾根、たぎつ瀬々、
また地を爬(は)ふものは
か黒の土の育(はぐく)む限り、
山に臥すけだもの、蜜蜂の族、
また紫の潮の奥処(おくど)にひそむ 異形のたぐひ、
眠るは翅ながの 鳥のうから。
〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)
古代ギリシア(スパルタ)詩人アルクマン(断片のみ/呉茂一・訳)
眠るは山の嶺、かひの峡間(はざま)
またつづく尾根、たぎつ瀬々、
また地を爬(は)ふものは
か黒の土の育(はぐく)む限り、
山に臥すけだもの、蜜蜂の族、
また紫の潮の奥処(おくど)にひそむ 異形のたぐひ、
眠るは翅ながの 鳥のうから。
〝青銅華炎の章・上古〟のシリーズの続編になります。資料を読み読み、マイペースで少しずつ書いていこうと思います。歴史専門という訳では無いので、ちぐはぐで少し変わった語りになるかなと思いますが、どうぞ淡くご期待くださいまし*^^*
【天を恐れよ・・・文字と呪術の帝国】
〈上古諸州〉が滅び、〈前シナ文明〉が台頭し、その申し子として急速に大きくなったのが、「商」です。
遂に中原に覇を唱えた、青銅の文明。その「商」が最後に放った光芒が、文字と呪術の帝国、「殷」であります。
〈上古諸州〉の滅亡と引き換えに成し遂げられた、〈前シナ文明〉…それは、文字と呪術の大規模な組織化を成し遂げた文明であります。
古代人の思考で重要なものに、「感染呪術(見立ての呪術)」があります。これは例えば、ターゲットに見立てた呪いの藁人形を、五寸釘で打つ時に見られる思考です。こうした呪術が、〈前シナ文明〉を彩った青銅の霊威と共に、統治・戦争の武器として用いられていたのです。
…(怖くない藁人形・ほんわか参照資料)丑の刻参り~避けてはいけない歴史の一つ
検索中、幾つかのシャレでもないサイトに次々行き当たり、本物の恐怖を感じてしまいました。悪いオーラ?に当たったのか、ちょっと頭痛&腹痛に悩まされましたし…げに恐ろしきは「生きている人間」かな、というところです…> <;;;;;;
…古代国家の文字とは、実に、呪術の道具でありました…
原初の文字がどこでどのように生み出されたのかは不明ですが、初代五諸族の時代から、その言葉は、単音節語であります。表意文字の一字が一音節から成るという斉一性…、その徹底した斉一性が、言語による思惟分節と、その後の過程に―呪術的思考にも―影響しなかった筈はありません。
…(付記)この辺り、単音節に対する捉え方については、アムゼルさまに分かりやすいお話を頂きました。1文字に1音節を割り当てて会話するのが基本だということですが、実際は、誤解を避けるために、2文字をひとつの語彙として双音節を割り当てる…というやり方で会話するのが非常に多いそうです。
その節は、どうもありがとうございます^^…(参照)秦帝国の謎の文字(2009.1.17エントリ)
敗残の呪術師は男女を問わず、すべて惨殺されるという運命です。「道」という文字は、異族の強大な王ないしは呪術師を斬首したものを携えて、道を祓った…という、血なまぐさい首祭りの風習から生まれてきたものだ、と言われています。
実に、文字と呪術を伴う戦乱の中で、〈上古諸州〉は滅んだのであります…
続きは次回(内容と文字量の都合で、妙なタイミングで分割しています)。
からだ/谷川俊太郎
からだ――うちなる暗がり
それが私
ただひとりの
そよぐ繊毛の林
うごめく胃壁の井戸
ほとばしる血液の運河
からだ――闇に浮かぶ未知の惑星
それがあなた
私にほほえむ
*
いのちはひそんでいる
たったひとつの分子にも
だがみつめてもみつめても
秘密は見えない
見いだすのはいつも私たち自身の
驚きと畏れの――よろこび
*
そんなにも小さなかたちの
そんなにもかすかな動き
その爆発の巨大なとどろきを
誰ひとり聞きとることができない
いのちの静けさは深い
死の沈黙よりも
*
とおくけだものにつらなるもの
さらにとおく海と稲妻に
星くずにつらなるもの
くりかえす死のはての今日に
よみがえりやまぬもの
からだ