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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

私製詩歌「神の火」

空に遍(あまね)く 押し寄せ群れて、
黒く闇(くら)めく 雲の八重波(やえなみ)、
重く乱れる 異界(よみ)の空気が、
閃光(ひかり)に裂かれて 震えだす。

しきりにひらめく 天地の梯子、
遥けき虚空(そら)も ものとせず。
あれは異界(よみ)の 天(あま)ツ御柱(みはしら)、
果てにあるのは 地球(ホシ)なのか。

山に野に 灰陽炎(はい-かげろう)は 舞い狂い、
歪みて 澄みて 見えもせず、
ただ轟々と 鳴り渡る。

世界は激動(シャクジ)の波目(ナメ)に 呑まれて、
怒濤に消えて 色目なし。
ああなお暗い 昼下がり、
草木岩根が 喚き居て、
残れる震(ナヰ)も 消えぬ間に、
またも沸き立つ 禍ツ霊(マガツヒ)よ。

烈(はげ)しき揺れに 皹(ひび)割れて、
口を開けゆく 彼(か)の山に、
神の血潮の かたちして、
火霊色(かぐつち-いろ)こそ 浸(し)み透(とお)れ。

我や先、人や先、
目はかすみ、息は詰み、
誰(たれ)とも知れぬ 手を追うて、
時をも知れず 駆け抜ける。

灰神楽、灰神楽、
あつく覆える 坂の上、
焼けて爛れて 神崩れ、
いつとも知れぬ 雨ごとに、
山を枯らしぬ――
川を枯らしぬ――
我が 愛(は)しきひと 埋(うず)めらる。

いつしかも 陽はまた 雲間に輝いて、
はや遠白(とおしろ)く 傾(かたぶ)きぬ。
雲間より 斜めに陽は洩れ、
遠く消え行く 暗き異界(よみ)。

うら麗(ぐは)し 山――
うら悲(がな)し 春――
うら恋(ごい)し 君――
雪な踏みそね ……

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時代パラダイムシフト・考

米流時評(2009.9.19)
日本のパラダイム・シフト 保守vsリベラルの対立構造からの脱却
丸山光三或問集(2009.9.24)
米流時評さんに答えて
「保守」という、「進歩」と対になった政治思想パラダイムこそをシフトして行かねば政治勢力としての「保守」の再構築はできないと思っています。また、名を捨てて実をとるという 政治の基本を思い出してもらうことでもあります。保守派を自認する方々に わが真意を汲み取っていただきたいものです。
コメント by 丸山光三 さんS氏のような保守原理主義にはあきあきしました。ああいう言論が、麻生総理の足をひっぱったのです。麻生総理の党内基盤が弱いとはいえ、日本国総理の権限で堂々と左右を斬ってしまえばよかったなあと思います。

安倍元総理も、総理在任中は中道の言動を維持しつつ重要な保守的法案を通しました。あれでいいのです。

惜しむらくは安倍、麻生両氏とも 自民党という鵺(ぬえ)のような党にいて、それを基盤にして 政権運営をしなければならなかったということですね。

さて中道右派という政治路線が どれだけ保守を取り込めるか、保守とリベラルという構造からの脱却、すなわちパラダイム・シフトが達成できるのか、祖国の行方を外から祈る気持ちで見守るばかりです。
コメント by よもぎねこ さん
ワタシは一応小泉改革賛成派なんですけどね。しかし一部の小泉改革派には驚きました。改革原理主義と言うか・・・この不況の最中に、麻生首相が緊縮財政路線を中止した事を批難するのですから。

リーマンショック以来、ヨーロッパ諸国もアメリカも死にもの狂いで財政出動をしているのに、そんな事は毛筋も興味が無いようです。

そうかと思うと 麻生総理がリーマンショックで株価が急降下する最中に、郵貯銀行の株放出を延期した事でも批難を続けました。あんな時に大量の株を市場に出したら、大恐慌になるわい!!!

竹中平蔵氏だって、麻生総理の財政出動を基本的には賛成していてたのです。経済問題に興味を持つ人は それなりに現実的思考をする人かと思っていたら、それは全くの間違いでした。
Res. by 丸山光三 さん
To よもさま、
いわゆる「改革」の前提はなんでしょう。国が破綻する云々でしょうか?三橋貴明氏が根底的にその嘘の根拠を叩いていますね。

この政権にはいわゆる「郵政改革」見直し、できれば清算、総括「だけ」をしてもらい、あとはなーーーにもしないで欲しいと願っています。

その清算の過程で 小泉一味がやらかそうとしていた事がすべて明るみにでて法的な処分をきちんと受けることを期待します。
コメント by 風来坊 さん
鳩山新草履、もとい新総理が先ほどの記者会見で述べた第一声は「今回の衆院選で勝利したのは民主党ではない。勝利したのは国民の皆様である」というものでした。

私にはそれ以上TVを見続ける忍耐力がなかったので、その後で彼が何を喋ったかは知りませんが、彼の言葉を補足するとすれば「勝利したのは反日日本人である」ということでしょうね。

確かに鳩山政権には ヒチコックの「The Birds」の比ではない怖さ・不気味さを感じますが、所詮は無能鳩山のこと、いずれ自滅するでしょう。

問題は実力者・小沢の出方です。先般の「豹変するのか小沢一郎」に書いておられたように、小沢の豹変が期待出来るのなら 悲観することはないのですがねえ?

 >政治の王道とは左右を切り捨て中道を行くことである。
お説の通りで、「保守」という言葉にはネガティブなイメージがつきまとっています。

「一人の人間を他の人間と区別し得るものはその人の過去以外の何ものでもない」のと同様に、「日本を日本たらしめているものは日本の歴史であり伝統である」というのが「保守」という言葉が持つポジティブな意味合いなのでしょうが、その意味での保守回帰は期待出来そうもありません。
また、自民党の面々が盛んに「解党的出直し」という言葉を口にしていますが、あれも胡散臭い。「解党的出直し」というのは、「解党して出直す」のではなく「解党しないで出直す」ということ。本来の保守とはほど遠い輩が「解党しないで出直し」したところで、中身が変わる筈がありません。

“急がば回れ”で、私は「解党して出直す」のが「打倒民主」の一番の近道だと信じています。
Res. by 丸山光三 さん
To うたさま、
自民党は政権与党ゆえに 有象無象がよってたかっていたわけで、これで自然と分解消滅するのもいいかもしれませんね。

また戦後レジームがあってこその党存立基盤があったわけで、それを否定しようとした安倍元総理は米日の構造的支配層に斬られた、と見るべきでしょうか。

これからは 保守を名のらない保守を目指すべきかと思い、こんなエントリーをアップしてみました。
コメント by 相模 さん
 >しかしドイツにはナチスという極右がかってあり・・・

横から失礼します。おいちゃんが、[三島明のホームページ]さんで、ナチを右翼として説明されておりました。「社会主義」のナチを右翼と規定するのがドイツの考え方なのでしょうか。(戦争=右翼?)また「ナチ=右翼」を基準として、中道右派という言葉になったのでしょうか。

確かに言葉はドレスと同じで 手垢が着けば取りかえる。日本のドレスは取替え時期なのか。私は「保守」という言葉が いまだ市民権を得たと思えない日本で、「自分探し」をするほど日本人は成熟していないように思えます。
Res. by 丸山光三 さん
 >> しかしドイツにはナチスという極右がかってあり・・・

いい例なのでちょっと説明しましょう。
ナチスは「Nationalsozialismus」(国家社会主義)の略称です。
正確には「Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei」
(ドイツ国家社会主義労働者党、略称はNSDAP)ですが
名前だけ見ると左翼政党ですね。

実はその前身の「Deutsche Arbeiterpartei」(ドイツ労働者党、略称DAP)はれっきとした左翼政党でしたが、ヒットラーがのっとってしまい、名前は左翼、実質右翼の運営を行いました。「国家」が「社会主義」に被されてあるところが肝です。

これは ヒットラーを支持したのが労働者階級や下層中流階級だったことの説明にもなっています。つまり第一次大戦に負け打ちひしがれているドイツ国民意識を高揚し、同時に労働者の階級意識を利用してもいるのです。

まことに巧妙な手腕でした。ナチスの総選挙による政権獲得はまさに革命を待望する国民の要求をくみ上げた右翼革命でした。

PS:「民主」党が仮の名、その実 旧社会党(全部ではないにしても)ということもここでは考えたほうがいいのではないでしょうか?

いずれにせよ 保守かリベラルかという選択肢では米英式のパラダイムから永遠に抜け出せません。

ドイツや北欧の高福祉高負担は無理にしても中福祉中負担のこれまでの、つまり小泉以前の日本方式がやはり国情にあっていると思います。いわゆる小泉「改革」は 自民党ばかりではなく、この日本的「保守」を壊してしまった似非「保守」でした。

その目的は「規制緩和」という外資を防ぐ堤防をはずし外資に市場を開放し 国の資産を食い荒らさせるというものでした。売国奴と罵られる所以です。

いま行き過ぎた市場原理主義を止め、保守本流に回帰するためには、声たからかに保守を叫ぶより 中道を唱えながら実際の保守運営(中福祉・中負担)をしてゆくべきだと思います。

なぜなら 小泉の輩を保守と思い込み信仰している人々がまだまだいるからです。あれはアメリカの国情にあった保守であってわが国には相応しいものではないこと いまや明瞭ではないでしょうか?

私製詩歌「神々の身土」

日の影の ゆりくる きしべ
色無き空に 終わりの星を抱いて たてるもの
はるかに あおぐや 神々の身土を

空の裂け目より カムナビは たたり
幾条もの ひらめく いかづちを まとい
聞けるや 鳴りて響(とよめ)く 雲の音(ね)を

はるけき 神々の身土
海と山の間に やちまたは うねり
風と光に 川は さやげり

果てしなくも 崩れゆく
在りし月日を 偲ぶとき
うつろひの 波目は震え

地の底に とどろく水の音(ね)を聞けば
たぎりおつ かなしみ うずき

うつしよの 裂け目を さまようもの
名も無き神々の名の下に
うましもの――

あきらけく
さやけく
けやけし――

思いは まだ なさざるに のたうち
神々は柱のかたちして 荒び
歌をとどろかす
火を噴く山並みの 如くに

形霊(カタチ)と――形代(カタシロ)
たれにも 形得(かたえ)ず かなしみ――

滝の音(ね)
ほろびにいたる 誘水(イザナミ)
裂け目より出ずる
黄泉の底の 水の声――

因果の蔓(かげ)は 雲にからまり
無限の苦さが にじむとき

しんとして 御中(みなか)に けむれ
雲の影に
ひそやかに 化(け)もちて たてるもの

天の原 ふり放(さ)け見れば
その果てに――

緑なす 花綵(はなづな)の 現(うつ)しき島々――

さ青(を)なる 誘生(イザナキ)が花
神々の身土よ