忍者ブログ

制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

詩歌鑑賞:チュチェフ「沈黙」

◆チュチェフ(沈黙)

沈黙せよ、隠れよ、そして隠せ
自分の気持ちも夢も――
魂の深みでそれらは
夜の星のように黙々と
昇っては沈むことを繰り返しているがよい
それに見惚れ、沈黙せよ!

心はどうしたら自分を言い表すことができるのか?
他人にお前のことがどうして理解できようか?
お前の生きがいが他人にわかるだろうか?
心に思うことも口に出せば嘘になる
泉を掘り返しても、水をかき乱すだけだろう
ただ泉の水を飲み、沈黙せよ!

自分自身の中で生きることだけができればよい
お前の魂の中には まるまる一つの
神秘的で魔法のような思念の世界がある
その思念を外の騒音がかき消し
昼の光が追い散らしてしまう
それら思念の歌に耳を傾け、沈黙せよ!
PR

私製詩歌「刀身」

往古(いにしえ)のはるけき 天雲(あめぐも)に舞うたか、
青鈍(あおにび)色の 風切羽。

刃紋は 雲の形をうつして流れ、
刃先は 雷(いかづち)の光をうつして翻(ひるがえ)り――

今は 羽を休める鳥のように、
静(しずか)に 台(うてな)の上に眠れるもの。

内(うち)に秘めし玉鋼(たまはがね)が見るのは、
往古(いにしえ)の蹈鞴(たたら)の夢か、
それとも己の選(え)り抜いた
刀匠の、あるいは戦士の記憶。

一ツ目の姿せし鉄(くろがね)の神は
……黙して語らず……

熱く燃える火焔の闇より引き出され、
冷たく凍(こお)れる姿は、
いとも奇(くす)しく 水をまとい。

荒れ狂う往古(いにしえ)の夢に
心をかき乱すは 誰(た)ぞ。

あやしくも 神さびたる巨(おお)きな禍ツ霊(マガツヒ)が、
たしかに息衝き、渦巻いている ……

青鈍(あおにび)色の 風切羽。
刀身、遠き天雲(あめぐも)の生き物よ――

2019年9月のイラスト制作

《ファンアート絵》

◆2019.09.21公開

『アール・ブレイド ~メルビアンの老騎士と姫君~』(秋原かざや様・著)
https://ncode.syosetu.com/n7270bm/

意外に読みやすく、分かりやすかったです。

ハッピーエンド好きな読者としては少しモヤモヤが残りましたが、「ビターな大人展開」という意味では、納得できる結末であったと思います。

遠未来の宇宙戦闘用の巨大人型ロボット・アクション物だったらしい、と言う事は、最後の対決シーンを拝読するまでまったく気づかなかったのですけど…(滝汗)、スピードアクションの描写がシッカリしていて、ストーリーラインも絞られていて、楽しめました。

サイバー超人なハッカー・キャラが面白かったです。姿かたちや所作の描写が妙に鮮烈で、記憶に残りました。「おおぅ、こういう不可思議な外見も場合によってはアリなのか!」と、ビックリしました。

*****

◆2019.09.22公開

普通より長い「ダッシュ記号(――――)」が多く出て来る影響なのか、独特なリズム感が個性的だなと思いました。

才能豊かな調香師ドーラ嬢18歳、謎の香り成分を突き止める探偵みたいなことをやってますね。ビックリな大活躍。作業部屋でのアレコレ、じーっと注目。

「香り」を重要な小道具とする現場訪問ミステリ物の一品として、楽しませて頂きました。
※2019/09/06「祝福あれ、少女よ(https://ncode.syosetu.com/n5413fn/17/)」話まで読了した時点での感想。

特に、ドーラ嬢が作業室の中で、香りの正体を突き止めようと様々な実験作業をしているシーンが印象に残りました。湯煎鍋の中を注意深くかき回すところ、神秘的な魔女みたいでした。

この世界の中では、調香師は、薬剤師や医師、弁護士と同じくらい高い地位を得ているようで…ビックリ&面白く思いました。正装の方も、白衣に黄色のアザミのピンバッジ、想像してみて、お、オシャレ~と思いました(丈の長いタイプのコックコート風だったら、更に萌える)。

「第一調香師のみが着けられる」と言う誇りのピンバッジは、スコットランド・アザミの紋章の、レトロ風な感じ(盾にアザミのモチーフを描くタイプ)のブローチやピンバッジに似ているのかなと思いました。