2025年2月の時事情勢メモ
■ゼレンスキー氏、28日に訪米しトランプ氏と会談 鉱物資源協定署名へ(BBC2025.02.28)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c1kjjng2jn4o
アメリカのドナルド・トランプ大統領は26日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が28日にワシントンを訪問し、ウクライナの鉱物資源の共同開発に関する協定に署名する予定だと明らかにした。
ゼレンスキー氏は、この二国間協定は暫定的なものだとして、ロシアの新たな侵略行為を阻止することを目的としたアメリカによる安全保障の保証を含む、さらなる合意を望んでいると述べている。
しかし、トランプ氏は、アメリカが「それ以上(中略)非常に多く」のものを保証することはないとし、その責任はむしろ欧州側が負うべきだと強調した。
ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は、ゼレンスキー氏が長い間、強く望んできたことの一つだが、トランプ氏はその可能性を排除するような発言をしている。
トランプ氏は26日の閣議で、ウクライナの土地でレアアースを採掘するアメリカ人労働者の存在は、ウクライナにとっての「自動的な安全保障」を提供することになると述べた。
また、ウクライナ政府はNATO加盟というものを「忘れるべき」だと発言。この問題が戦争開始につながった主な要因の一つだとする、ロシア側の主張を繰り返した。
トランプ氏は、ウクライナとロシアの停戦はそう遠くない未来に実現すると示唆したうえで、「我々はロシアとウクライナと、人殺しを止めるための取引をするつもりだ」と記者団に述べた。
一方でゼレンスキー氏は、安全保障の保証なしに「停戦はなく、何も機能しないし、何も実現しない」、「私はNATOと共に歩む道か、それに近いものを見つけたい」と述べた。
NATO部隊がロシア国境に接近しすぎることを恐れるロシアは、ウクライナのNATO加盟に一貫して反対している。NATOは2008年当時、ウクライナが将来的に加盟する可能性があるとしていた。
トランプ氏は停戦協定の一環として、欧州の平和維持軍をウクライナに駐留させる可能性を示唆しているが、ロシアはこれに反対している。
ウクライナとアメリカの相違
ウクライナ政府は26日に正式に、アメリカとの鉱物取引の条件に合意した。ゼレンスキー氏はこの取引が成功するかどうかは、28日に予定しているトランプ氏との会談の結果次第だと述べた。
主な詳細はまだ公表されていないが、ウクライナのデニス・シュミハリ首相は、ウクライナ復興のための「投資ファンド」を想定しているとしている。
ゼレンスキー氏は昨年の時点で、鉱物をめぐる取引を結ぶ可能性を提示していた。アメリカがウクライナ支援を継続するための、明確な理由を提供する方法として示したものだった。
しかし、その内容をめぐる意見の相違がここ数週間、トランプ氏とゼレンスキー氏の関係を悪化させている。
アメリカは当初、天然資源の利用から得られるとされる5000億ドル(約74兆6600億円)の収益に対する権利を要求していたが、ウクライナ側はこれを拒否。報道によると、アメリカはこの要求を撤回したという。
また、この協定をめぐる両者の説明にも食い違いがみられる。トランプ氏はこの「非常に大きな合意」が、アメリカがウクライナへの資金援助を終えてからその「資金を取り戻す」機会になると、しきりに強調している。
ゼレンスキー氏はというと、これは「枠組み合意」で、これをもとに今後さらなる取引が結ばれることを期待しているとしている。
トランプ氏はウクライナでの戦争の早期終結を望み、ロシアと関係を再構築しようとしている。12日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話で協議すると、18日にはアメリカとロシアの高官がサウジアラビア・リヤドで、ウクライナでの戦争終結をめぐる協議を行った。ウクライナは招かれなかった。
ゼレンスキー大統領は、自国が協議の場に招かれなかったことを受け、アメリカはプーチン氏が「長年の孤立から抜け出す」のを支援したと非難。トランプ氏は「ロシアが作り出した偽情報の空間に生きている」とも述べた。
ウクライナは天然資源が豊富な国だ。同国政府は、世界の「重要な原材料」の5%があると推定している。ただ、こうした資源の一部へのアクセスは容易ではない。ロシアがウクライナに侵攻してからの3年間で、鉱床の一部はロシアに接収されている。ウクライナのユリア・スヴィリデンコ経済相によると、ロシアの占領地には現在も3500億ドル(約52兆2600億円)相当の資源が残っている。
ウクライナはアメリカと協定を結ぶ前に、起爆せずに残っている地雷の問題を解決する必要があるとの声も上がっている。ウクライナの国土の4分の1は地雷で汚染され、主に戦争で荒廃した東部に集中しているとされる。
また、プーチン氏は、ロシアが占領しているウクライナの希少鉱物を含む、同国が権益をもっている希少鉱物をアメリカに供与することに前向きな姿勢を示している。イギリスのキア・スターマー首相は今週、トランプ氏とゼレンスキー氏とそれぞれ面会し、ウクライナでの戦争について協議する予定。スターマー氏は26日夜、ワシントンに到着した。
欧州連合(EU)のカヤ・カラス外務・安全保障政策上級代表は26日、BBCに対して、「どのようなものだろうと、ヨーロッパの地で取引が成立するにはヨーロッパの人間の同意が必要だ」と述べた。さらにカラス氏は鉱物資源の取引はウクライナ次第だが、どのような和平合意にも「ヨーロッパの人間の賛同が必要だ」と話した。カラス氏は同日、ワシントンでマルコ・ルビオ米国務長官と会談する予定だったが、急きょ中止された。欧米双方とも、スケジュールの都合によると説明している。
■アフリカの過剰債務議論 G20財務相会議、初日終了(時事通信2025.02.27)
南アフリカ・ケープタウンでの20カ国・地域G20財務相・中央銀行総裁会議は26日、初日の討議を終えた。世界経済の現状に加え、途上国の過剰債務問題が主要なテーマ。G20が合意している、支払い猶予などで返済を助ける「共通枠組み」の改善を求める意見が出たが、最大債権国の中国は債務再編による救済に消極的な姿勢。問題の解消が進むかは不透明だ。アフリカ諸国などの低所得国では過剰な債務の返済が滞って権益を押さえられる「債務のわな」が問題化している。議長国南アのラマポーザ大統領も開幕演説で、借り入れ返済コストが教育や医療などへの支出を「圧迫している」と訴えた。日本は会議で共通枠組みによる救済の迅速化に加え各国の債務の透明性を高める必要性を主張した。中国が貸し付け状況を他国と共有しないことが救済の障害になっているとの問題意識が背景にある。世界経済に関する議論では、斎藤洋明財務副大臣がロシアのウクライナ侵攻を「最も強い言葉で非難した」(財務省幹部)という。
■G20財務相会議、南アで開幕 主要国の閣僚不在、停滞も(共同通信2025.02.26)
日米欧の先進国に新興国を加えた20カ国・地域G20の財務相・中央銀行総裁会議が26日、南アフリカのケープタウンで開幕した。環境や国際課税といった主要議題で意見が対立する中、日米のほか、中国やインドなど主要国の閣僚も相次ぎ欠席した。議論の停滞は必至で、共同声明の採択は難航が予想される。第2次トランプ米政権発足後初の開催として注目されたが、ベセント米財務長官が事前に欠席する意向を示し、日本の加藤勝信財務相も国会審議のため欠席すると明らかにしていた。関税強化に動くトランプ政権と貿易問題で対立する中国とカナダの閣僚も出席を見送った。アフリカ諸国で初めてG20議長を務める南アは、今年のテーマに「団結、平等、持続可能性」を掲げる。ラマポーザ大統領は冒頭の演説で「多国間主義の崩壊は世界の成長と安定に対する脅威となっている」と述べ、各国に結束を訴えた。会議は2日間の日程で、初日に世界経済や発展途上国の債務問題などを討議。2日目は「デジタル課税」などが主要議題になる見通しだ。
(コメント:波乱含み。日・米・中・印の出席者が次々に欠席。欧州サイドはボロボロ?)
■ダイキンが砲弾製造撤退 防衛相「投資家の理解得たい」(日本経済新聞2025.02.28)
中谷元防衛相は28日の記者会見で投資家に防衛産業の重要性への理解を求めた。ダイキン工業が投資家からの圧力が要因となり白リン発煙弾と呼ばれる砲弾の製造から撤退する。「防衛産業の持つ社会的な意義と役割を投資家も含めた幅広い層に理解いただけるよう積極的に広報したい」と語った。中谷氏は「日本の防衛産業は、日本の平和と独立、自由、民主主義を守るために重要な役割を負っている」と強調した。防衛産業への投資について「産業の成長をより持続可能なものとし技術基盤の強化にも資する」と述べた。白リン発煙弾は国際的に禁止されてはいないが人にやけどを負わせる可能性がある。人道面を問題視した欧州の投資家が同社株を相次ぎ売却した。
■砲弾で株売られたダイキン ESGの圧力で事業撤退へ(日本経済新聞2025.02.26)
ダイキン工業が白リン発煙弾と呼ばれる砲弾の製造から撤退する。自衛隊の演習向けで売上高に占める割合は低いが、人道面を問題視した欧州の投資家が同社株を相次ぎ売却する要因になった。コマツも関連事業の受注終了を決めた。三菱重工業など通常の防衛関連企業を巡っても、欧州の投資家の一部資金が入りにくい構図にある。白リン発煙弾は化学物質を空気と反応させ、煙幕を張ることなどができる。
(コメント:複眼的な見方を要求する記事。欧州は製造業の軽視がつづき、製造業の衰退が著しい。よって自前で砲弾製造は困難であるとの指摘あり※宇露戦争で欧州製造の砲弾をほとんど見かけなかった理由がコレ。欧州は自前で砲弾を製造できないのに、日本サイドの防衛産業に首を突っ込んで金融方面で金儲けしようとした節あり)
■幕引き急ぐ中国、摘発へ圧力「一帯一路」隠れみの-ミャンマー拠点犯罪(時事通信2025.02.25)
中国の習近平政権は、タイとの国境に近いミャンマー東部ミャワディの詐欺拠点の摘発を巡り、関係国への圧力を強め、幕引きを急いでいる。拠点の多くは中国系犯罪組織が運営し、強制的に加担させられている外国人も中国人が多い。一部は、習国家主席肝煎りの巨大経済圏構想「一帯一路」を隠れみのにして同地に入り込んだとみられ、習政権の体面を汚しかねない状況だ。
中国では1月、俳優の王星氏がタイで拉致されてミャンマーに連れて行かれ、特殊詐欺の実行を強要された事件を機に問題への注目が高まった。王毅共産党政治局員兼外相は同月中旬、東南アジア10カ国の大使らを呼び出し、取り締まり強化を要請。続いて公安省の劉忠義次官補がタイ入りし、国境地帯を視察するなどして関係当局にハッパを掛けた。
劉氏の行動には「タイの主権を軽視している」と批判も出たが、俳優の事件以降、観光収入の主力である中国人の渡航自粛が続き、タイ側としても全面的に協力せざるを得ない。
今月20日にはミャワディの拠点にいた中国人の送還が始まり、第1陣として200人が帰国。国営メディアは全員を「容疑者」と報じ、中国外務省は「タイ、ミャンマーとの協力で多くの拠点が排除された」(報道官)と成果を誇示した。
もともとミャワディは、中国資本が現地の武装勢力と組み、カジノやホテル建設を進めてきた地域だ。大規模な犯罪拠点となった同地のシュエコッコは、2017年ごろから中国系企業「亜太国際控股集団」が150億ドル(約2兆2000億円)規模の開発に着手。当時は新華社通信も「一帯一路における重要な経済回廊」に貢献する事業と紹介していた。
ただ実態は、開発計画の陰で人身売買や詐欺が横行。報道によると、中国公安省は1月、ミャワディだけで36の中国系詐欺集団があり、10万人以上が活動しているとタイ当局に報告した。
シンクタンク「米平和研究所」は、中国との政治的結び付きが強い東南アジアの国では、中国人の犯罪行為が放置される傾向があると指摘する。詐欺拠点はラオスやカンボジアにも存在するとされ、ミャワディの組織を一掃しても、同様の犯罪が場所を変えて続く可能性がある。
(コメント:不法な人身売買ビジネス・特殊詐欺ビジネスに関わる業者たちを取り締まり、逮捕し、不法ビジネス拠点を壊滅させることに関しては、日中協力は可能。中国サイドは全面的に協力する態勢)
■環境団体「グリンピース」が破産の危機、石油大手が450億円求める裁判で(フォーブス2025.02.25)
https://forbesjapan.com/articles/detail/77370
米国の石油大手が環境保護団体のグリーンピースを名誉毀損で訴えた裁判の審理が米国時間2月24日に始まった。グリーンピースは、この訴訟が同団体の財政を破綻させる可能性があると述べている。
ダラスに本拠を置くエネルギー大手のエナジー・トランスファーがグリーンピースを訴えた裁判について、陪審員の選定が24日に開始された。この裁判は、5週間続く予定とされている。
石油パイプラインのダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)を運営するエナジー・トランスファーは、このプロジェクトに対する抗議活動によって3億ドル(約450億円)の損害を被ったと主張して、2019年にグリーンピースを提訴していた。
エナジー・トランスファーは、昨年3月にその訴訟を修正し、グリーンピースが「違法かつ暴力的な計画」を主導し、同社に「財務的損害」と「従業員への身体的危害」をもたらし、DAPLの建設を妨害するとともに名誉を毀損したと主張している。
グリーンピースは、これらの主張を否定し、同団体の取り組みが言論の自由を保障する米国憲法修正第1条によって保護されるべきだと主張している。また、エナジー・トランスファーを含む石油大手が、「批判を封じ込め、自社の活動を秘密にするために法制度を悪用している」と非難している。
アムステルダムに本部を置くグリーンピースは、この裁判でエナジー・トランスファー側に有利な判決が下された場合に、同団体が財政難に陥り、50年以上に及ぶ活動に幕を閉じる可能性があると述べている。エナジー・トランスファーが求める賠償金の3億ドル(約450億円)は、グリンピースの年間予算の10倍以上とされる。
エナジー・トランスファーが運営するパイプラインのDAPLは、ノースダコタ州からイリノイ州にかけての約1800キロメートルを結ぶパイプラインで、ルート内に先住民が飲料水源として使用する湖が含まれていることを非難されていた。
先住民は2016年9月にパイプラインの建設を阻止しようと訴訟を起こしたが、失敗に終わった。この訴訟を受けて、環境保護活動家らによる抗議活動が発生し、2016年から2017年にかけて数百人が逮捕されていた。
エナジー・トランスファーは、グリーンピースを含む環境団体が、同社のプロジェクトに関する誤った情報を拡散したことで、少なくとも3億ドル(約450億円)の損害を被ったと主張している。
(コメント:いろいろ激動期の様子。カネの流れを考えると裏サイドでよからぬビジネスに使われていたとしても不思議では無いような気がします)
■ウクライナ侵攻3年に合わせたG7共同声明、米国が「ロシアの侵略」言及に反対(CNN2025.02.21)
https://www.cnn.co.jp/usa/35229686.html
ロシアによるウクライナへの全面侵攻から24日で丸3年を迎えるに当たり、 主要7カ国G7は共同声明の準備を進めている。そうした中、米国が文書に「ロシアの侵略」の語を盛り込むのを拒んでいることが分かった。
事情に詳しい西側の当局者2人が明らかにした。それによると文言を巡る対立は、米政府の紛争への見方が大きく変化したことを反映している。米国のトランプ大統領は戦争の責任がウクライナにあるとの認識を示し、同国のゼレンスキー大統領を「独裁者」になぞらえている。
この姿勢は、米国のバイデン前政権やG7の他の国々とは著しく対照的なものとなる。
G7は来週、ウクライナ侵攻から3年に合わせてオンラインで会合を開く予定。しかし戦争が4年目に入る中で、ロシアへの非難に対して米国が抵抗を示す状況は西側が決意を固める上での脅威となっている。
「ロシアの侵略」の文言は、紛争開始当時のG7の声明で既に使用されている。それによって当該の紛争は「違法な侵略戦争」と定義され、G7各国はウクライナ政府への支援の主導に動いてきた。
現在、米国の特使らは文書の中で戦争をどのように位置づけるのかを巡り懸念を表明している。当局者らが明らかにした。トランプ氏は、ロシアのG7への復帰を認めることも示唆している。ロシアは14年のクリミア併合後、当時のG8から除外された。
米国以外のG7各国は、声明が戦争の責任に関して軟化した内容となればそれはロシアにとっての勝利を意味するとしている。当局者の一人によると「協議はなお継続中」だが、「戦争の責任の所在が曖昧になる懸念は大いにある」状況だという。
協議については英紙フィナンシャル・タイムズが最初に報じた。
ホワイトハウスにコメントを求めたが、返答はなかった。しかし20日の記者会見でウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)はトランプ氏が依然としてゼレンスキー氏に腹を立てていると明かした。
トランプ氏は19日、ソーシャルメディアへの投稿でゼレンスキー氏への不満を吐露。「考えてもみて欲しい。ボロディミル・ゼレンスキーという、そこそこ成功した程度のコメディアンがアメリカ合衆国を言いくるめて3500億ドル=約52兆円払わせ、勝ち目のない戦争に突き進んだ」と主張していた。
米政府は先ごろ、ウクライナへの過去の援助の見返りとして同国のレアアース希土類鉱物の50%の所有権を取得することを提案したが、ウクライナは将来の援助の保証はないとの理由でこれを拒否。米国側の怒りを買う事態にもなっていた。
■米軍、旧B29出撃基地を再整備 中国にらみ次世代戦力拠点に(時事通信2025.02.21)
米軍が太平洋の米自治領北マリアナ諸島にあるテニアン島の基地を再整備したことが明らかになった。テニアン島は第2次大戦中、日本を空襲したB29爆撃機の基地となり広島と長崎に原爆を投下した爆撃機もここから出撃したが戦後はほとんど使用されていなかった。再整備はインド太平洋で対立する中国をにらんだものとみられる。軍事メディア「ウォーゾーン」は19日、衛星画像を分析した結果2023年12月には荒れ果てていたテニアン島の基地が今年1月までに再整備されたと報じた。
■パナマ運河、米南方軍とサイバーセキュリティ協力(LogisticsToday2025.02.21)
https://www.logi-today.com/731259
パナマ運河庁は20日、米国南方軍(USSOUTHCOM)との間でサイバーセキュリティ協力に関する新たな枠組みを構築すると発表した。これにより、運河のデジタル防御を強化し、サイバー脅威に対応することで、重要インフラの運用継続を確保する。この協力は、サイバーセキュリティ研修、サプライチェーンの安全確保、情報共有、技術支援といった分野を強化することを目的としている。USSOUTHCOMは、31か国にわたる地域の安全保障を担当しており、パナマ運河庁と連携しながらサイバーセキュリティの共同対策を最適化する。これにより、両組織は知見の交換や最善策の共有を進め、従来からの協力関係をさらに深化させる。この枠組みは、既存の協定を置き換えるものではなく、今後の他組織との提携を視野に入れた補完的な取り組みとなる。
■国交相、陥没現場を初視察 上下水道の老朽化対策検討(共同通信2025.02.15)
中野洋昌国土交通相は15日、下水道管の腐食が原因とみられる埼玉県八潮市の道路陥没事故の現場を初めて視察した。上下水道管の老朽化は全国的に進んでおり、対策の検討につなげたい考えだ。視察後、報道陣の取材に「国民の安心、安全を確保するため、必要な対策をしっかりと実施する」と述べた。埼玉県の大野元裕知事との意見交換も実施した。大野氏は事故の復旧に向けた技術・財政支援や、老朽化対策を全国的に進めるための予算の確保などを国に求める要望書を中野氏に渡した。国交省は事故現場と同様の大型下水道管を管理する7都府県に緊急点検を要請。埼玉県の3カ所で腐食などの異常が確認された。補修が必要な地下空洞は埼玉と奈良で各2カ所、東京と神奈川で各1カ所の計6カ所あった。国交省は対策を検討する有識者委員会の初会合を21日に開く。
■タイ国境、16歳の邦人保護 初の人身売買被害者と当局(共同通信2025.02.14)
タイ当局が2月中旬、北西部メソトのミャンマー国境付近で16歳の日本人少年を保護していたことが14日、複数の地元当局者への取材で分かった。当局は少年がミャンマーに連れ去られ、犯罪組織の拠点で特殊詐欺に従事させられていたとみて調べている。当局者によると、タイの国軍と警察は少年を日本人としては初めて「人身売買被害者」と判断した。内戦状態が続くミャンマーでは、国境地域に中国の犯罪組織が拠点を築き、偽の求人でタイに呼び寄せた外国人を拉致して特殊詐欺に従事させているとされる。この中に日本人が含まれる実態が明らかになった。当局者によると、少年は12日に保護された。
■対中国投資、33年ぶり低水準 24年、外資離れ鮮明89%減(共同通信2025.02.14)
中国国家外貨管理局が14日公表した2024年の国際収支統計によると、外資企業による直接投資は前年比89%減の45億ドル(約7千億円)だった。1991年以来33年ぶりの低水準。中国の景気低迷や地政学的リスクの高まりを受け外資企業の投資意欲は引き続き減退している。トランプ米政権による関税強化で、今後も中国からの撤退が増える可能性がある。国際収支上の直接投資は新規投資による資金流入から資金回収による流出を差し引いた金額。外資企業の直接投資は21年の3441億ドルをピークに22年は1902億ドル、23年は427億ドルと急減している。米国が主導する半導体などの先端技術の対中輸出規制が続くほか長引く不動産不況で中国市場の成長力に陰りがみられることを背景に、外資企業の新規投資の落ち込みや事業縮小、撤退が相次いでいる。 24年は日本企業でも日産自動車やホンダが一部の工場閉鎖や生産縮小の方針を発表したほか日本製鉄が中国鉄鋼大手、宝山鋼鉄との合弁事業の解消を明らかにしている。
(コメント:カネが逃げ出すとはこういう事か、と震える。あえて中国に拠点を残す選択もあるけど、かつての頃よりは、細々という方式になるのではと思案)
■サイバー犯罪集団「8Base」摘発、警察庁が貢献 イセトー被害か(朝日新聞2025.02.12)
日本の警察庁や欧州警察機構ユーロポールなどが参加する国際共同捜査でランサムウェアを使ったサイバー犯罪集団を主導するロシア人の男4人を逮捕した。警察庁が12日に発表した。同集団は「8Base」でランサムウェアは別のサイバー犯罪集団「フォボス」が開発したものの一種。国内でも2020年以降8Baseやフォボスによる被害が29都道府県で約90件確認されているという。国際共同捜査で昨年11月「フォボス」の首謀者とされる男を逮捕した。今回の摘発はその一環で、4人はタイに滞在中、現地警察に逮捕された。国内では昨年5月、自治体や企業の印刷・発送業務を担う「イセトー」京都市がランサムウェアの被害に遭い、委託していた愛知県豊田市や和歌山市などの個人情報が流出。攻撃は8Baseによるものとみられている。今回逮捕された4人の間でやり取りされていた暗号資産について警察庁のサイバー特別捜査部が追跡したところ4人のうち2人を特定したという。国際共同捜査により8Baseに関連する27のサーバーが封鎖された。
(コメント:https://x.com/NPA_KOHO/status/1889509875836919815・日本を含む各国の捜査機関が連携して国際共同捜査を進めた結果、関係国捜査機関がランサムウェアグループ「8Base」の一員とみられる被疑者4名を検挙し関連犯罪インフラのテイクダウン)
■路上で声掛け、海外売春あっせん 容疑でスカウトの男逮捕-警視庁(時事通信2025.02.12)
路上で声を掛けた女性に米国での売春をあっせんしたとして、警視庁保安課は12日までに、職業安定法違反(有害業務紹介)容疑で、韓国籍のスカウト鄭英和容疑者40=大阪市生野区田島=を逮捕した。容疑を否認している。逮捕容疑は2023年2月ごろ大阪府内の路上で20代女性に声を掛けて勧誘しブローカーの男54を通じ米ワシントンの風俗店を紹介した疑い。男は24年4月、同法違反容疑で逮捕され、その後、起訴された。同課によると、鄭容疑者は路上で「おきれいですね」と女性に声を掛け「キャバクラでもAVでも何でも紹介できる」と勧誘。「海外に行きたい」と話した女性に対し「海外への出稼ぎも紹介できる」と言って男を紹介した。
■タイ、監禁の200人超を保護 ミャンマー特殊詐欺拠点(共同通信2025.02.12)
タイ当局は12日、北西部ポップラで、国境を接するミャンマーに拠点を築く特殊詐欺組織に監禁されていたとみられる外国人ら200人超を保護した。2月初旬に国境での対策を本格化して以来最大規模。日本人が含まれているかどうかは不明。タイの市民団体などによると内戦状態のミャンマーのタイ国境地帯では、中国の犯罪組織が流入して多数の外国人を拉致、監禁している。特殊詐欺に従事させており、日本人が巻き込まれているとの情報もある。
■市販薬、コンビニで購入可能に 乱用対策で若年者に制限(共同通信2025.02.11)
政府は12日、薬剤師らからオンラインで説明を受けるのを条件に一般用医薬品(市販薬)をコンビニエンスストアでも購入可能にする医薬品医療機器法などの改正案を、閣議決定。社会問題となっている市販薬の乱用対策では若年者への購入制限を設ける。市販薬は薬剤師や登録販売者による販売が義務付けられている。改正案では、パソコンやスマートフォンを使って薬剤師らから服薬の説明を受けるなどすれば薬局が委託したコンビニで薬が買える。当面は薬局と委託先のコンビニは同一都道府県内とする。「乱用の恐れのある医薬品」に指定されている、せき止めやかぜ薬などについては、若年者への販売を小容量製品1個に制限する。
■インフルエンザ治療薬の返品増1月最終週、供給上回る(日本経済新聞2025.02.10)
インフルエンザ感染者数が減少した1月下旬以降、医療機関や薬局から医薬品卸への治療薬の返品が増えている。厚生労働省によると1月27日-2月2日時点では返品の方が供給よりも4万人分多かった。薬の返品は医療資源の無駄につながりかねない。流通の適正化に向けた対策が求められる。厚労省はメーカーへの聞き取り調査をもとにインフル治療薬の流通状況を毎週公表している。
(コメント:薬の供給不足が起きているとの騒動は何だったのか?医療関係の足元=財務規律などが、ユルユル過ぎる気配。おそらく過剰生産を整理し始めたら「供給不足」デマ騒ぎが…という図式。危険ドラッグ問題など、売薬で不正に利益を得るルートがある模様。供給の適正化に伴い不正に手を出せる余剰分が減ったという状況を、供給不足と騒いだ可能性あり)
■北朝鮮、米原潜寄港を非難「挑発者懲らしめる」と警告(時事通信2025.02.11)
北朝鮮国防省報道官は11日、談話を発表し、米海軍の攻撃型原子力潜水艦「アレクサンドリア」が10日に韓国南東部の釜山に寄港したことを非難した。「(北朝鮮軍は)抑止行動を実行し、挑発者を懲らしめる権利をためらいなく行使するだろう」と警告した。朝鮮中央通信が伝えた。報道官は、米国が北朝鮮の「安全保障上の懸念を露骨に無視している」と主張。「これ以上の(情勢)不安定化を招く挑発行為を中止」するよう要求した。
■中国、尖閣諸島周辺の設置ブイを撤去 日中関係考慮か(日本経済新聞2025.02.11)
中国が2023年7月に沖縄県・尖閣諸島周辺に設置したブイを現場の海域から撤去したことが11日、分かった。日中両政府が明らかにした。改善基調にある日中関係を踏まえた可能性がある。日本の海上保安庁は11日、ホームページ上の航行警報で「台湾北東にあるブイがなくなった」と公表した。日本政府関係者によると「台湾北東」は尖閣周辺を指す。
■サントリーニ島に非常事態 エーゲ海の地震活動続く-ギリシャ(時事通信2025.02.07)
ギリシャ政府は6日、周辺で地震活動が活発化しているエーゲ海の世界的な観光地サントリーニ島に非常事態を発令した。期間は3月初旬まで。地元メディアが伝えた。欧州地中海地震学センターによると1月28日から今月7日までに1000回以上の地震を観測。既に1万人以上がサントリーニ島から退避する事態となっている。ギリシャのミツォタキス首相は7日サントリーニ島を視察。「情勢を注視している」と述べ住民らに予防的対策と平静を保つよう呼び掛けた。
■香港がWTOに米国提訴 追加関税、中国と同一視に反発(日本経済新聞2025.02.07)
香港政府は7日、世界貿易機関WTOに米国を提訴したと発表した。トランプ米政権が4日に香港を含めた中国からのすべての輸入品に10%の追加関税を課したことに反発した。とりわけ中国と同じように扱われたことを問題視している。香港政府は7日の声明で「米国のやり方はWTOのルールに著しく反している」と非難した。中国政府は4日にWTOへの提訴を発表していた。
■中国がWTOにトランプ関税提訴、小口貨物免税停止「保護主義」(ロイター2025.02.06)
https://jp.reuters.com/world/us/IASXTURKIFMFBAFMTPTM4LECRQ-2025-02-06/
中国は5日、トランプ米大統領による新たな10%関税発動と小口貨物に対する免税措置取り消しは「保護主義」だとして世界貿易機関WTOに提訴した。トランプ氏はこれまでに関税強化策の一環で中国などからの800ドル未満の小口輸入品に対する関税免除措置デミニミス・ルールの停止を決定。10%の対中追加関税も4日発動した。この免税措置は「SFEINシーイン」や「Temuテム」アマゾンなどの電子商取引EC企業が広く利用しているため荷主や小売業者の間では混乱が広がっている。税関・国境警備当局によると、中国と香港からの小口貨物は全て到着前に書類による通関手続きが必要となり、この書類のない一部貨物は送り返される可能性がある。WTOによると中国は関税に関する米国との協議要請書を提出。中国はこの中で合成麻薬フェンタニルの米国への流入を阻止することを目的とした新たな関税は「中国に関する根拠のない虚偽の主張に基づいて課せられている」と主張。中国産品にのみ適用される差別的なものであり米国のWTOに対する義務に反しているとした。ただ今回の提訴は2020年にWTOが第1次トランプ政権の対中関税を貿易ルール違反と認定したのと同じような裁定につながる可能性があるものの中国にとって救済となる可能性は低そうだ。これは紛争処理の最終審に当たるWTO上級委員会が米国の委員補充拒否でここ数年機能不全に陥っているためで20年の案件も最終的な判断は下されていない。
中国小包の受け取り継続/一方、米郵政公社USPSは5日、一時停止するとしていた中国と香港の郵政事業者からの小包受け取りを継続すると発表。4日から一時停止措置を実施するとしたが、政権の措置と関連した対応かどうかについては明確にしていなかった。越境ECデータプロバイダーであるハリケーン・コマースの共同創業者マーティン・パーマー氏は「われわれは今パニックに陥っている。何が起こるのか分からない。2週間後には元に戻っているかもしれない」と語った。USPSは声明で、税関・国境警備局と連携し「荷物の配達の混乱を最小限に抑えるため新たな対中関税に関する効率的な徴収メカニズムを導入する」とした。
米中首脳会談予定なし/事情に詳しい関係筋によると5日時点でもトランプ大統領と中国の習近平国家主席との電話会談は予定されていない。トランプ氏は4日、米中間の貿易戦争が激化する中、習氏との会談を急いでいないと述べた。
製造業の米国回帰が主目的/ベッセント米財務長官は5日、就任後初のメディアインタビューで、トランプ氏の関税計画は主に製造業を米国に戻すことを主な目的としていると述べ医療用品や造船業を対象分野として挙げた。
(コメント:違法薬物は中国から輸出される少額の輸入小包に混ざって入って来るという報告が過去にあり。安価な衣料品や小物が中心とのことだけど、その中に健康サプリも。違法薬物が、関税ナシで、大量にアメリカへ運び込まれる。制度悪用ハックではある)
■日鉄とUSスチール、買収巡る裁判開始(日本経済新聞2025.02.05)
日本製鉄のUSスチール買収計画にバイデン前大統領が中止命令を出したことを巡り、両社が中止命令の無効などを求めてバイデン氏などを訴えた裁判が3日始まった。両社は同日、原告準備書面を共同提出したと発表した。書面ではバイデン氏が政治的理由から米当局に見せかけの審査を行わせた経緯を詳述した。書面はコロンビア特別区の連邦控訴裁判所に提出した。
(コメント:戦いのゴングは鳴った、というところ。いずれにしても納得の結論が出るよう祈るのみ。アメリカ製鉄の技術は相当に遅れていて「中国の過剰生産とバトルしても割に合わない=製鉄の競争力が維持できない」との話あり)
■FBI捜査官が米政権を集団提訴 トランプ氏による「粛清は違法」(共同通信2025.02.05)
トランプ米大統領の機密文書持ち出し事件や議会襲撃事件の捜査に携わった連邦捜査局FBIの捜査官のリストを司法省が作成するのは違法だとして現職捜査官らが4日、即時停止を求めて首都ワシントンの連邦地裁に集団提訴した。トランプ氏が「粛清」を狙っていると批判した。トランプ氏は司法省やFBIへの不信感が強く、両組織の幹部を解雇するなど思い通りに動かすことを目的として改革を進めている。訴状によるとトランプ氏は司法省に対し両事件に関与した捜査官の審査と粛清を命令。捜査官は2日、具体的役割に関する調査票の記入を求められ情報は上層部に送られると伝えられた。捜査官らは「リスト作成は報復的だ。捜査官や職員を威嚇し今後トランプ氏らの不正行為の報告を思いとどまらせることが目的だ」と指摘。司法省は1月下旬、議会襲撃事件でトランプ氏の捜査を担当した元特別検察官のチームで働いていた検察官らを解雇した。
(コメント:報道されていないけど、警察・司法の汚職が進んでいたのだろうかと想像)
■スカパーJSAT、宇宙安保に重心 地上監視へ27年に衛星網(日本経済新聞2025.02.05)
スカパーJSATホールディングスは2027年に低軌道の地球観測衛星を10基打ち上げる。安全保障分野での監視需要を見込み、衛星画像を防衛省などに販売する。政府は地上を観測・監視できる衛星通信の開発・利用を拡大する宇宙安保構想を掲げる。地政学リスクの高まりを受け、安保に重心を置いた自前の観測網を整える。地上150-2000キロメートル程度の上空を周回する低軌道の小型衛星を打ち上げる。
■NHKが日本IBMを提訴 システム開発で54億円請求(共同通信2024.02.04)
NHKは4日、システム開発の業務委託契約の解除を余儀なくされたとして日本IBMに支払い済みの代金の返還と損害賠償など計約54億7千万円を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。提訴は3日付。NHKによると2022年12月、受信料関連の業務全般を担う「営業基幹システム」を刷新するため27年3月を納期とする新システム開発の業務委託契約を日本IBMと締結。同社は1年2カ月以上にわたり開発を進めてきたが昨年3月にNHKに対し大幅な開発方式の見直しが必要であると伝え同5月には1年6カ月以上の納期延長が必要と申し入れた。NHKは事業継続に甚大な支障が生じるとして昨年8月に契約を解除。支払い済みの代金は約31億円に上った。NHKは日本IBMに返還を求めたが、その後も返還されず提訴に至ったという。システムの刷新は01年以来で計約80億円の予算を投じる計画だった。日本IBMは取材に「このような形になり非常に残念。訴状が届いていないので現時点では詳細なコメントは差し控える」とした。
(コメント:プロジェクトマネジメント失敗…の事例とかになるでしょうか。随分と大きなところが、スゴイ事になったなという驚き)
■再エネ支援、26年度に初の削減 輸入バイオマス対象外に(日本経済新聞2025.02.03)
経済産業省は再生可能エネルギー支援の範囲を初めて縮小する。26年度から輸入木材などを使うバイオマス発電を対象から外す。輸入価格の高騰で新規参入が途絶え、将来的な発電コストも太陽光の4倍近くに高止まりするのが背景にある。バイオマス発電は木材やアブラヤシから採れるパーム油を燃やしたり、生ごみから発生するガスを利用したりして電気をつくる。
(コメント:民主党政権時代の「マイナス置き土産」が、この物価上昇の中で、解決の方向に向かったという形でしょうか。「理想・理論」だけの法律はマイナス効果が大きいのが現実)
■トランプ関税、自動車業界に打撃 日系「想定せず」困惑 米国勢も深刻(時事通信2025.02.02)
トランプ米大統領が決定したメキシコとカナダに対する25%の関税は、両国を供給網に組み込んできた自動車業界への影響が甚大だ。日系メーカーは「北米の中で関税がかかる事態は想定してこなかった」関係者と困惑。供給網で両国により依存している米国勢も深刻な状況に追い込まれている。野村証券の試算ではメキシコとカナダからの輸入品に25%、中国に10%の追加関税が導入された場合、米ゼネラル・モーターズGMの2025年12月期の営業利益が約8割も下押しされる。影響が大きい順に米クライスラーを傘下に持つステランティス、マツダ、米フォード・モーター、ホンダ、トヨタ自動車と続く。GMのバーラ最高経営責任者CEOは1月下旬の決算説明会で「大統領は政策と規制を通じてGMのような国内メーカーに害を与えるのではなく強化したいと考えているはずだ」と牽制していた。関税の影響を緩和するため米国内での製造分を増やすなど対応を急ぐ方針だがダメージを帳消しにすることはできそうにない。日系ではメキシコから米国への輸出台数が多い日産自動車の苦境が深まりそうだ。野村の推計では追加関税がなくても26年3月期に営業赤字が見込まれていた。関税で約10億ドル=約1550億円の費用が生じる可能性がある。メキシコに加えカナダにも生産拠点を持つトヨタとホンダには、さらに多額の関税費用が生じる見通し。関税は最終的に車両価格のインフレを引き起こし販売に響くとみられる。
(コメント:米ゼネラル・モーターズは、関税の影響を緩和するため米国内での製造分を増やすなど対応を急ぐ方針とのことだけど、米国の教育レベル低下が深刻との報告あり。読み書きソロバン能力が要求されるが、高卒レベルにも達しない成人が多い。ほかは不法移民。米国成人21%非識字者。米国成人54%小学校6年生以下の識字率。工場が戻って来ても工業生産に必要な知識技能を持つ人材の確保が困難な状況と思われる)
■カナダ・メキシコが対抗措置 米関税に、加は25%報復(時事通信2025.02.02)
カナダのトルドー首相とメキシコのシェインバウム大統領は1日、米国の25%の関税引き上げに対し対抗措置を実施する方針を明らかにした。カナダは米国の輸入品に25%の報復関税をかける。トルドー氏は記者会見し米国の関税引き上げは「カナダ国民に打撃を与えるだけでなく、米国民に実際に影響をもたらす」と警告。米国からの輸入品1550億カナダドル=約17兆円相当に対し25%の関税を課すと発表した。まずは4日に300億カナダドル分に対して発動。その後21日間で対象を拡大する。国内企業には代替取引先探しなど対応する時間的猶予を与える。ワインや果物、スポーツ用品、原材料など幅広い品目が対象になるという。シェインバウム氏もXへの投稿で関税や非関税の措置を盛り込んだ対抗策の実施を指示すると表明。米国が関税発動の理由として合成麻薬フェンタニルの流入を挙げていることに関し「過去4カ月間に2000万回分のフェンタニルを含めて40トン以上の薬物を押収、1万人以上を逮捕した」と説明した。シェインバウム氏は米国に対して「メキシコは対立を望まない」と強調。両国の公衆衛生や安全保障の担当者による「作業部会の設置を提案する」と呼び掛けた。トルドー氏もトランプ米大統領との会談を望んでいると語った。
(コメント:不法薬物を取り締まれ、というメッセージ。安全保障上の脅威に対処する権限を定めた国際緊急経済権限法IEEPAに基づく関税の発動は初。薬物流入が「人命を危険にさらし、医療保険や公共サービス、地域社会に深刻な負担をかけている」。経済産業省と日本貿易振興機構ジェトロは2日、日本企業向けの相談窓口を設置したことを発表)
■揺らぐ欧州の働き方改革 産業弱めた「過度の時短労働」(日本経済新聞2025.02.02)
「ワークライフバランスの先進モデル」ともてはやされてきた欧州発の働き方改革が揺らいでいる。震源のひとつはドイツでじわり広がる週休3日制に対する懐疑論だ。「もってのほか。競争力が失われる」。独板金加工大手トルンプのニコラ・ライビンガー・カミュラ社長に週休3日制の話を振ると表情を曇らせ、労働時間短縮が産業の弱体化を招くとの危機感を口にした。
■米LA山火事が鎮圧 29人死亡、1万6200棟超損壊(時事通信2025.02.01)
米西部カリフォルニア州の消防当局は1月31日、ロサンゼルス近郊の複数地域で大規模な被害をもたらした山火事が鎮圧されたと発表した。米紙ニューヨーク・タイムズ電子版が報じた。同紙によると、イートン地区とパシフィックパリセーズ地区の火災は同日夜までに鎮圧。2地区では1万6200棟以上が損壊した。焼失面積は約150平方キロ。少なくとも29人が死亡した。現在も少なくとも14人の行方が分かっていない。山火事は1月7日に発生。強風によって火の手が広範囲に広がり、一時は約18万人に避難命令が出された。命令は既に解除されており、ここ1週間ほどは火の勢いは落ち着いていた。
■埼玉の県道陥没、救助活動を中断 水流入で、2日午前に再開協議(共同通信2025.02.01)
埼玉県八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故で、地元消防は1日夜、穴の中に水が流入した影響で、運転手とみられる男性74の救助活動を中断したと明らかにした。2日午前、県と協議した上で再開可能かどうかを決める。1日午前には穴に重機を投入するためのスロープが完成し、がれきの撤去に着手していた。がれきの隙間から水が湧き出ていることが判明し、作業員らの安全を確保するため、1日午後5時ごろ中断が決まったとしている。熊谷地方気象台によると八潮市内は2日午前に雨や雪が降る可能性がある。大野元裕知事は1日、現場視察後の危機対策会議で「二次被害の防止に努めながら引き続き着実な対応をお願いしたい」と語った。県や消防によると穴の深さは地下の破損した下水道管まで最大約15メートルある。内部には高さ約8メートルにわたり倒壊した信号機や電柱、アスファルトが散乱しており、まずこうしたがれきを重機で取り除く。続けて消防隊員らが手作業で男性を捜索する。土木の専門家などが安全確認をし、慎重に作業を進める。