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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

2024年12月の時事情勢メモ

■韓国、一時「非常戒厳令」民主化後初、国会決議受け解除-野党反発、尹大統領の退陣要求(時事通信2024.12.04)

韓国の尹錫悦大統領は3日夜、緊急談話を発表し、野党が多数の弾劾を試み「国政がまひ状態にある」などとして1987年の民主化後初めて「非常戒厳」を宣言した。戒厳司令部は、国会や政党などの政治活動を禁止し、言論と出版が同司令部の統制を受けるとの布告を発表。国会が4日未明の本会議で戒厳令解除を求める決議案を可決したことを受け尹氏はテレビ中継を通じ解除を発表した。尹氏は北朝鮮に従う「従北勢力を一挙に撲滅する」と戒厳令を突然発表。金龍顕国防相は軍に警戒、態勢強化を指示し、国会に軍が進入した。約6時間での解除表明となったものの、政治の混乱はしばらく続きそうだ。韓国で戒厳令が出されるのは、抗議する市民が軍に鎮圧され犠牲になった「光州事件」へとつながった80年以来44年ぶり。尹政権の支持率はこのところ約20%と低迷。政権の求心力低下が著しい状況下で権力回復へ形勢逆転を狙った大胆な行動に出たが失敗に終わった。国会は4日未明、戒厳令の解除を求める決議案を可決。禹元植国会議長は「戒厳解除決議案が可決されたことにより戒厳令の宣告は無効となる」と述べた。憲法は、国会議員の過半数が賛成し解除を求めた場合、大統領はこれを解除しなければならないと定める。 国会では革新系最大野党「共に民主党」が過半数を占め、国政運営を思うように進められない状況が続く。尹氏は3日の談話で、野党が政権や検察などへの弾劾訴追案を多数発議する状況は「建国以来、全く例がない」と言及。野党が2025年の予算案に反対し「政争の手段」としていると批判した。4日の解除発表の談話でも「国の機能をまひさせる非道な行為を直ちに中止するよう国会に要請する」と訴えた。共に民主党は「国会議員一同」名で決議文を出し尹氏の即時退陣を要求。辞職しない場合、直ちに弾劾手続きに入ると宣言した。一方、与党「国民の力」の韓東勲代表も、尹氏が直接国民に状況を説明し、戒厳を建議したとされる金国防相の解任といった対応を取るべきだと主張。大統領府の首席秘書官ら尹氏の側近は、一斉に辞意を表明した。

(コメント:韓国が少しの間、戒厳令状況にあったとのこと。半島有事の可能性が急激に高まっている状況で「民主主義の勝利」などと言っていられない事態であるかと懸念。ひるがえって日本の状況を見ると、石破政権で良かったというべきところ。高市政権だった場合、イレギュラー事態をさばく外交能力は日本政府には無かった筈)

■韓国大統領「非常戒厳」を宣布、国政がまひ状態と 国会の要求受け解除を表明(BBC2024.12.04)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c98ly1yx1z3o

韓国の尹錫悦ユン-ソンニョル大統領は3日夜、国民に向けて緊急のテレビ演説を行い「非常戒厳を宣布する」と発表した。「国政はまひ状態にある」として北朝鮮の共産勢力の脅威から韓国を守り、自由な憲法秩序を守るためだと説明した。これに対して韓国国会は4日未明、非常厳戒の解除を求める決議案を可決。尹大統領は同日朝、解除すると発表した。尹大統領は4日朝、「国会の非常戒厳解除の要求を受け、戒厳部隊は撤収した」「私は国会の要求を受け入れ閣議を通じて非常戒厳を解除する」と述べた。ソウルの国会前には非常戒厳に抗議する市民らが多数集まっていた。尹氏の劇的な解除を受け群衆からは歓声が上がった。 AFP通信は抗議者の一人が太鼓をたたきながら「私たちが勝利した!」と叫んだと伝えた。これより先の4日午前1時すぎ韓国国会(定数300)は戒厳令の解除を求める動議を可決した。聯合ニュースによると出席した与野党の議員190人全員が賛成した。これを受けて国会の禹元植ウ-ウォンシク議長が「戒厳の宣布が無効になった」と表明した。韓国メディアによると韓国防衛省は尹大統領が自ら戒厳令を解除するまでは戒厳体制を維持すると表明した。韓国憲法は、国会議員の過半数が賛成して要求した場合、政府は戒厳令を解除しなくてはならないと定めている。さらに戒厳下でも国会議員の逮捕は認められていない。禹議長は正式に非常戒厳の解除要求が可決されたことを大統領府と国防省に知らせた。非常戒厳の解除を要求した国会議員約190人は4日午前2時半の時点で、採決後もそのまま本会議場にとどまった。政府が議会解散を強行しようとした場合に対抗するためという。聯合ニュースによると議事堂に入っていた韓国軍の兵士たちは決議案採決後、議事堂から撤収したと禹国会議長が明らかにした。兵士たちは大統領による非常戒厳宣布を受けて一時的に議事堂に入っていた。採決に先立ち、大統領の発表を受けて与党「国民の力」の韓東勲ハン-ドンフン代表が「大統領の非常戒厳の措置は間違っている。国民とともに阻止する」と述べていた。さらに議会で過半数を持つ最大野党「共に民主党」の李在明イ-ジェミョン代表は、戒厳令は違憲だと反発。同党の議員全員に、国会に集まるよう呼びかけていた。採決に参加した「共に民主党」の李盛潤イ-ソンユン議員はBBCに対して、議事堂に入るために高さ1.5メートルのフェンスをよじ登る必要があったと話した。議員の身分証を示しても警察に敷地内に入るのを警察に阻止されたのだという。
騒然とした国会前/国会採決に先立ち韓国メディアは大統領の「非常戒厳」宣言を受けて韓国軍が国会活動の禁止を発表したと伝えた。聯合ニュースによると戒厳司令部は3日夜「全ての言論と出版は戒厳司令部の統制を受ける」などとする布告を発表した。韓国に非常戒厳令が宣言されるのは、1987年の民主化宣言以来、初めて。大統領の発表を受けて議事堂内には多くの議員や報道関係者が集まり騒然とした。議事堂の外に集まった人たちは「戒厳令反対」「独裁を倒せ」「門を開けろ」などと連呼した。国会議事堂の入り口が封鎖され議員が入れない状況になった。
選挙で与党大敗、支持率低迷/今年4月の総選挙で与党が大敗して以来、尹大統領は政策実行に必要な法案を議会通過させることができず、逆に野党が可決する法案に次々と拒否権を行使せざるを得ない状態に陥っていたと、BBCのジェイク-クウォン記者は指摘する。さらに大統領をめぐっては、妻・金建希キム-ゴニ氏に関するスキャンダルが相次ぎ、政権支持率が下がり続けていた。野党は金氏に対する特別検察官による捜査を立ち上げようとしていた。最近では政府と与党が提出した来年度予算案を野党が大幅に減額して単独可決した。大統領は予算案に拒否権を行使できない。さらに野党は金氏を立件しなかった政府の監査トップなど政府幹部への弾劾訴追を次々と発議している。クウォン記者は、尹大統領はこうした状況を受けて「反国家」勢力が国をまひさせようとしていると主張し秩序回復のためだとして非常戒厳を宣布したのだと説明した。

■ロシア、小麦の輸出枠6割減 25年2月から国内供給優先(日本経済新聞2024.12.01)

ロシアは小麦など穀物の輸出制限を導入する。2025年2月から6月末にかけ、輸出枠を前年同期に比べて6割減の1100万トンに引き下げる。天候不順による不作で生産量が減少する見通しで、国内の供給を優先する。穀物大国であるロシアからの供給が大幅に減り、小麦の国際価格が高騰する可能性がある。ロシア経済発展省が11月29日に声明を発表した。

■記録的大雨で浸水の山形・戸沢村、集団移転が国プロジェクトに…村長「大きな一歩」(読売新聞2024.12.01)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241130-OYT1T50119/

7月の記録的大雨で集落ほぼ全体が浸水被害を受けた山形県戸沢村蔵岡地区(69世帯)で検討されている集団移転事業が、国土交通省の「緊急治水対策プロジェクト」の中に明記されることが29日、決まった。同村が目指す「防災集団移転促進事業」(防集)の枠組みによる移転に向け一歩前進した形だ。新庄市内で同日開かれた、国交省と県、各市町村で作る「最上川流域治水協議会」の会議で、防集が盛り込まれた治水対策案が提出され反対がなかった。防集の枠組みでは移転に際し国から費用補助を受けられる。ただ、そのためには同プロジェクトに盛り込まれている必要があった。出席した加藤文明・戸沢村長は「移転に向けた大きな一歩だ」と喜んだ。さらに今後は対象となる住民全員の同意を得ることを目指すといい「住民へ説明し意向調査を行いたい」と述べた。同プロジェクトの対象期間は2024~29年度。防集のほかには酒田市の排水機場が浸水で動かなくなったことを受け、防水壁を新設する案や、人工知能AIで雨水の流入量を予測しダムを制御するシステムを導入する方針などが示された。国交省新庄河川事務所の畑井言介副所長は「今回の災害では線状降水帯が川の流域の上空に発生し大雨が降った。この流域の市町村と県、国が一体となって短期間に集中して治水対策に取り組む」と話した。同協議会は20年の豪雨災害をきっかけに発足した組織。堤防整備や川底の掘削のほか、上流部でのため池の造成、避難計画の策定、高台への移転などを総合的に行う「流域治水」の考えに基づき治水対策を行ってきた。これまでは置賜・村山地域の対策が中心だったが、今回の会議は最上・庄内地域が対象となった。
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