2024年10月の時事情勢メモ
■福島第1原発でデブリつかむ 試験的取り出し作業で-東電(時事通信2024.10.30)
東京電力は30日、福島第1原発事故で溶け落ちた2号機の核燃料デブリの試験的取り出し作業で、回収装置の先端部分で少量のデブリをつかんだと発表した。実際に回収するまでには1週間前後かかる見通し。成功すれば2011年の事故以降初となる。東電によると、同日午前10時前から作業を開始。「テレスコ式」と呼ばれる釣りざお状の回収装置の先端部に取り付けられた爪のような器具を格納容器の底部にたまったデブリに向かって下ろし、同10時半に遠隔操作で少量を採取。爪を引き上げて、午後0時半すぎに作業を終えた。
■米シンクタンク、トランプ氏主張の関税への報復措置の影響を懸念(ジェトロ2024.10.23)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/10/f5fc6cb06a2655c2.html
(要約と考察:アメリカ発スタグフレーション可能性あり。大恐慌の中のインフレという地獄。日本も巻き込まれる可能性あり。このタイミングで、日本の総理大臣が石破氏。世界中から「ぶら下がり」やられるかもしれないところ、石破政権は「与党不在」政権ともいえるので、海外からの理不尽な要求を回避できる率は高い。この10月は妙な衆院選になったけれど、非常に都合の良い条件を生み出せたのかも)
■UNRWA禁止法、全理事国が懸念-イスラエルは反論-国連安保理(時事通信2024.10.30)
国連安全保障理事会は29日パレスチナ情勢を巡る定例の公開会合を開いた。イスラエル国会が28日に国連パレスチナ難民救済事業機関UNRWAの活動を禁止する法案を可決したことについて、日米を含む全理事国が懸念を表明。「国際法違反だ」と非難し、撤回を求める声も上がった。これに対しイスラエルのダノン国連大使はUNRWAとイスラム組織ハマスのつながりを指摘し、「UNRWAは人道支援団体を装うテロ組織だ」と反論。90日後に控える施行の正当性を主張した。トーマスグリーンフィールド米国連大使はUNRWAとハマスの関係を検証する新たな仕組みの創設をグテレス国連事務総長に求める一方で、「現時点でUNRWAに代わる機関はない」と懸念を表明。ウッドワード英国連大使は、ハマスとの関連は「十分に調査された」として、活動を禁じる「正当な理由はない」と強調した。山崎和之国連大使はUNRWA改革は必要だとした上で「国連加盟国にはこれ以上の人道的悲劇を阻止する責任がある」と述べ、イスラエルに再考を促した。ドゥジャリク事務総長報道官は29日の定例会見で、グテレス氏がイスラエルのネタニヤフ首相に法案可決への懸念を伝える書簡を送付したと明らかにした。
(コメント:イスラエルの行動により、玉突き波及で日本国内のクルド問題が解消へ向かう可能性あり。日本への難民の押し付けについても、これまで欧州方面は人権問題を盾に「日本は人道的に問題のある国だ」結論を押し付けていたが、それも歯切れ悪くなるかも)
■自民苦戦の影響見極め-アジア版NATO警戒-ロシア(時事通信2024.10.28)
ロシア国営タス通信は、衆院選の結果について「自民党は単独過半数を失う」と出口調査段階から速報で伝え、高い関心を示した。同国では10月に新政権を発足させた石破茂首相の対ロ外交を巡る評価は定まっていないが、中朝ロに対抗するアジア版NATO北大西洋条約機構創設を唱えた経緯から一定の警戒感があり、自民党「苦戦」の影響を見極めているとみられる。タスは開票前、自民党にとって「最悪のシナリオ」は1993年のように非自民連立政権が樹立されることだと指摘。石破氏は、派閥裏金事件や党内掌握に悩まされたと伝えていた。石破政権が続くか否かにかかわらず、日ロ関係の停滞は当面変わらない見通しだ。ただ、ロシアは、ウクライナ東部の占領地拡大を目指す一方、将来的な和平に伴う西側諸国との関係再構築を見据えている。自民党政権の対ロ制裁が「甘かった」と批判する立憲民主党の野田佳彦代表の演説も分析しているもようだ。
■中国、与党過半数割れ速報「石破政権維持が焦点」(共同通信2024.10.28)
中国国営通信新華社は28日、日本メディアの報道を引用し、衆院選で自民、公明両党の与党が過半数を割り込んだと速報し「石破茂首相が政権を維持できるかどうかが焦点だ」と指摘した。立憲民主党が大幅に議席を伸ばし、野党が国会で影響力を強めるとの見通しも伝えた。牧原秀樹法相、小里泰弘農相や公明の石井啓一代表が落選したことなども報じた。国営中央テレビは27日午前から衆院選のニュースを繰り返し報じ、自民党派閥裏金事件の影響で同党に対する有権者の信頼が低下しているとの専門家の見方を紹介。与野党が激しい攻防戦を繰り広げたなどとした。
(コメント:中国は焦燥感をもって選挙結果を受け止めたと推測される。「ただでさえ半島有事と台湾有事が火を噴きそうなタイミングゆえ、なおさら(戦略的な外交の対話ができる人材が居る)自民党政権を安定して続けて欲しい」が中国の思惑か。野党には、地域紛争を扱えるような外交センスのある人材は居ない。暗黙の定番の外交メッセージを取り違えて「違う、そうじゃない」類の混乱を拡大する可能性がある)
■独VW、国内で大規模人員削減し3工場閉鎖へ-労組幹部表明(ロイター2024.10.28)
https://jp.reuters.com/business/autos/CSNYEOUHQBMNJLFKBR7UTLJQNY-2024-10-28/
ドイツの自動車大手フォルクスワーゲンVWは予想を上回る大幅な事業再編を計画しており、国内で少なくとも3つの工場を閉鎖し数万人の従業員を削減する方針であることが28日、労働組合幹部の話で明らかになった。残りの工場も恒久的に縮小される見通しという。VW事業所評議会のダニエラ・カバロ委員長はウォルフスブルクで数百人の従業員に対し「経営陣はこの件に関して完全に本気だ。労使交渉における脅しではない」と指摘。ドイツ最大の企業グループであるVWが国内での事業や資産の売却を開始するための計画だと述べた。閉鎖される具体的な工場名や削減数は明らかにしなかった。国内のグループ従業員は約30万人。カバロ委員長は、政府はドイツ産業のための総合計画を早急に策定する必要があると述べた。政府報道官は、ドイツ政府はフォルクスワーゲンの難局を認識しており、同社や労働者代表と緊密な対話を続けていると指摘。「首相の立場は明確で、過去の誤った経営判断が従業員に不利益をもたらすことがあってはならないということだ。雇用を維持・確保することだ」と述べた。カバロ氏は、電気自動車への移行の遅れや欧州に進出する中国メーカーとの激しい競争など、多くの欧州同業他社も直面している問題について、従業員と取締役会の間で合意があったと指摘。「問題分析で意見はそれほど離れていない。しかし答えについては大きな隔たりがある」と語った。
■イスラエルがイラン報復攻撃 ミサイル製造施設に空爆(時事通信2024.10.26)
イスラエル軍は26日「イラン国内の軍事目標に対する精密な攻撃」を行ったと発表した。イスラエルに約200発の弾道ミサイルを撃ち込んだことなどへの報復。ミサイル製造施設などに空爆を加え、攻撃を完了したと説明している。米紙ニューヨーク・タイムズは、約20カ所が標的となったと伝えた。イラン軍は、首都テヘランや南西部フゼスタン州などで軍事基地が攻撃を受けたが、防空システムで迎撃したと発表。幾つかの場所で「限定的な被害が出た」と明らかにした。イスラエル軍は声明で、イランやその代理勢力が昨年10月から、イスラエルへの攻撃を「容赦なく継続している」と批判。「世界の他の主権国家と同じく、イスラエルには反撃する権利と義務がある」と主張した。情報筋はイランのタスニム通信に「イランは対応する用意がある」と報復を示唆。再報復すれば、攻撃の応酬で全面衝突のリスクが高まり、中東全域での緊張が一段と高まる恐れがある。米NBCテレビはイスラエル当局者の話として、核施設や石油関連施設は攻撃していないと報じた。米国は対イラン報復に一定の理解を示していたが、紛争拡大の懸念から、こうした重要施設を標的とすることに強く反対していた。イスラエルは事前に米国に攻撃を通告。攻撃開始後にガラント国防相とオースティン米国防長官が電話会談した。米政府高官は米東部時間25日夜、記者団に対し「これで交戦は終わりにすべきだ」と述べ、イスラエルとイラン双方に攻撃中止を呼び掛けた。また、イスラエルの攻撃に米国は関与していないと強調した。イランは今月1日、同国が支援するパレスチナのイスラム組織ハマスやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者が殺害されたことを受け、イスラエルへの大規模ミサイル攻撃を実施。一部は防空網を突破し、イスラエル南部の空軍基地などに着弾した。これを受けイスラエルは「イランは過ちを犯した代償を払う/ネタニヤフ首相」と報復を明言。米軍の迎撃システム「高高度防衛ミサイルTHAAD」を国内に配置し、イランが再び攻撃する事態への警戒も強めていた。一方、シリア国営通信は26日、南部や中部の軍事施設がイスラエル軍の攻撃の標的になったと報じた。防空システムが迎撃したと伝えている。
■コロナ特例貸付の返済免除4685億円、会計検査院調べ-滞納などによる未返済は1188億円
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241022-OYT1T50115/(読売新聞2024.10.22)
新型コロナウイルスの影響で収入が減った生活困窮世帯に対する国の特例貸付制度で貸し付けられた1兆4000億円超のうち4685億円について返済が免除され回収不能となっていたことが会計検査院の調べでわかった。返済滞納者も多く回収不能額はさらに増える恐れがあり、検査院は22日、貸付先への支援を適切に行うよう厚生労働省に求めた。特例貸付制度はコロナ禍の休業などで収入が減少した世帯に200万円まで無利子で貸し付けるもので、2020年3月~22年9月に計1兆4431億円-382万件が拠出された。同省は返済に関し21年11月の社会・援護局長通知で、住民税の非課税世帯などの場合は免除するとした。検査院が今年3月末までの免除額を調べたところ、4685億円-131万件に達していた。同省によると、同月末までに6613億円分について返済が始まったが、8月末現在で1188億円が滞納などで未返済となっている。免除分を除いた残りの3133億円は今後、返済開始時期を迎える。調査では、貸し付けの事務や支援を担う社会福祉協議会の一部で、国のルールに従った手続きを行っていなかったことも判明。14都府県社協(免除額2528億円-71万件では滞納者らに対する家庭訪問を行わず、就労支援などができていないケースがあった。このほか、16社協では制度対象外の生活保護受給者に対し、14億円を貸し付けていたことも判明した。検査院は同省に対し、各社協に適切に支援を実施させることなどを求めた。同省の担当者は「指摘を受け止め、必要な対応をしていく」と話している。
(コメント:法人向けのゼロゼロ融資の検証-不良債権率は1ケタ台、政策効果の検証)
令和5年度-中小企業における金融支援策の政策効果検証事業-調査報告書
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2023FY/000205.pdf
(コメント:岸田政権の経済政策の実力を示唆。世界的インフレ、経済混乱、各地の戦争と物流不安、資源高騰などの状況の中、生活困窮者の70%が返済能力を維持。目を見張るべき実績。また日本社会の「借りたカネは返す」誠実かつ強靭な経済倫理=信義則も示唆していると言える。70%台の回収成功率は、世界的には驚異的な数字。なお米国でも類似するコロナ融資政策「PaycheckProtectionProgram」従業員への給与支払い支援のための政府ローン、PPPが実施され、100億ドル=1.4兆円規模の支援があったが、92%が返済されず、ほぼ全面的な返済免除=回収を放棄する結果に終わったと指摘されている。さらに多くの詐取が含まれていたため、国富および国力の損失は巨大であると推定。ちなみに日本では、制度悪用の詐取と判断された事例については、後日立件されている)
■日EUの安保協力、11月締結へ合意文書、最終決定(共同通信2024.10.21)
欧州連合EU加盟国で構成する理事会は21日、日本とEUによる海洋安全保障協力の強化などを盛り込んだ合意文書「安全保障・防衛パートナーシップ」の締結を最終決定した。日EU外交筋によるとEUのボレル外交安全保障上級代表が日本を訪れ、11月上旬に署名する。ボレル氏と岩屋毅外相が初の日EU外相戦略対話を東京で開催する。EUは海洋進出を強める中国を懸念しており、締結を通じて自由や民主主義の価値観を共有する日本との協力を深める狙い。草案などによると欧州とインド太平洋地域が地政学上や安保分野で相互依存していると強調。局長級で「安全保障・防衛対話」を新設し毎年開催することや、自衛隊とEU海軍部隊の共同訓練、第三国を含む合同演習の実施を盛り込んでいる。防衛産業に関する情報交換を促進し、機密情報の交換を可能にする情報保護協定について「可能性を追求する」と明記。軍事力に偽情報拡散などを絡めた「ハイブリッド脅威」への対策や、核軍縮・不拡散の取り組みでも連携するとした。
(コメント:安倍元首相の外交と岸田元首相の外交の実績。インド太平洋戦略の実現までこぎつけ。ビジョンから現実へと変える外交の手腕と努力に、拍手)
■世界経済のリスク震源地、インフレから政治・戦争・政府債務に移る(ブルームバーグ2024.10.21)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-21/SLNZVCT0G1KW00
世界経済は、予想外の追い風を受けながら年末に向かっている。インフレ鈍化を受け、可能性は低いがソフトランディングへの道筋が開かれている。ただ、経済面では好転しつつある一方で、政治面では困難が待ち構えている。世界経済の見通しを脅かしているのは、接戦状況にある米大統領選だ。この結果次第で世界の状況は大きく変わることになる。これは、既に政府債務の拡大、中東の紛争激化、ロシアとウクライナの泥沼化する戦争、台湾海峡での緊張に見舞われている世界経済に追い打ちをかけている。こうした緊迫した状況を背景に、今週米ワシントンで国際通貨基金IMFと世界銀行の年次総会と、主要20カ国・地域G20財務相・中央銀行総裁会議が開催される。IMFのゲオルギエワ専務理事は17日、年次総会に先立ち「勝利の祝賀パーティーを決して期待してはいけない。私は関係者が若干高揚しながらも、幾分恐怖を強めてここを去ると予想しており、恐怖感から行動を加速させることを望んでいる」と述べた。ブルームバーグ・エコノミクスBEは今年の世界の国内総生産GDP成長率を3%と予想。これは2023年の3.3%を下回るものの、年初時点の弱気な予測は大きく上回る。しかし、世界の主要国・地域の回復力は、これから試されることになる。米大統領選の民主党候補、ハリス副大統領がバイデン政権の幅広い路線継承を示す一方で、対立候補のトランプ前大統領は、世界の貿易全体に衝撃を与えるような政策を打ち出している。トランプ氏は全ての輸入品に最低10%、中国からの輸入品には60%以上の関税を課すことも辞さない姿勢を示している。ブルッキングス研究所のウェンディ・エデルバーグ氏とピーターソン国際経済研究所のモーリス・オブストフェルド氏の共同分析によると、これは「ビジネスに大混乱」をもたらす政策だという。
戦争と債務/貿易戦争の影が迫る中、ウクライナや中東では実際の戦闘が続いている。中東の戦争が本格化すれば、同地域以外にも大きく影響が及ぶだろう。BEによると、原油価格がバレル当たり100ドルに達し、金融市場でリスクオフの動きが起きた場合、向こう4四半期の世界の成長率は0.5ポイント押し下げられ、インフレ率は0.6ポイント押し上げられる見通しだ。債務もリスクの一つだ。次の景気減速がいつ来ても、政府の対応策の選択肢が狭まることが見込まれる。IMFは世界の公的債務が今年末までにGDPの93%に相当する100兆ドル=約1京5000兆円に達するとの見通しを示し、各国政府が借り入れ安定化に向け厳しい決断を下す必要があると警告している。欧州中央銀行ECB前チーフエコノミストのピーター・プラート氏は「世界が崩壊しつつある中で、どうやってソフトランディングを実現できるのか。米国や他の国・地域が、現在の状況下でソフトランディングを実現できるとは思わない」とし「ショックが起きるだろう」と指摘した。
■緊急事態条項、賛否交錯 改憲論議の焦点に―各党公約・憲法【24衆院選】(時事通信2024.10.20)
コロナ禍、ウクライナ危機、南海トラフ地震臨時情報。近年、自然災害や武力攻撃などへの懸念が強まっている。国民生活に大きな影響を及ぼす事態が起こった場合、政府はどのように国民の生命・財産を守るのか。その手段の一つとして、与野党間で賛否の交錯する論点が、憲法改正による緊急事態条項の創設だ。
◇議員任期延長が中心
緊急事態条項は、戦争やテロ、大規模災害、感染症流行などに対処するため、政府の権限を一時的に強化する規定。(1)国会機能を維持するための国会議員の任期延長(2)内閣が暫定的に立法措置を行う緊急政令…などが想定される。岸田政権下で、衆参両院の憲法審査会の議論は、議員任期延長の是非が中心だった。これに賛成する自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党は、改憲条文案の作成を進めるよう主張。これに対し、立憲民主党は憲法54条が定める参院の「緊急集会」活用などを訴えている。改憲実現を党是とする自民だが、石破茂首相(自民総裁)が描くプロセスは明確ではない。衆院選が公示された15日のNHK番組では、改憲項目に関して「与野党一致ができるものはたくさんあるのだろう」と述べるにとどめた。
◇第一声で言及なく
改憲について、自民は衆院選の公約で緊急事態条項の創設や、9条への自衛隊明記などを提起。「早期に実現する」と従来の党方針を踏襲した。首相の持論は、戦力不保持を定めた9条2項の削除だが、一切触れずに「封印」した格好だ。公明は、衆参で意見の隔たりが大きい。緊急事態条項を推す衆院側に対し、参院側は緊急集会を重視する立場。そのため、議員任期延長について公約は「さらに議論を積み重ねていく」との表現にとどまった。立民の対応も苦しい党内事情が透ける。野田佳彦代表は党勢拡大に向けて穏健な保守層の取り込みを図るが、改憲を巡ってはリベラル系議員を中心に慎重論が根強い。公約では「論憲」を掲げる一方、緊急事態条項の必要性は否定した。共産党は「改憲に断固反対」と明記している。もっとも、衆院選では「政治とカネ」の問題などに隠れ、改憲論議は深まっていない。公示日の第一声でも、自民、公明、立民、維新、国民の党首らは、このテーマに言及しなかった。
■鳥インフル発生、過去最も早く感染拡大、鶏卵価格上昇に懸念(時事通信2024.10.17)
高病原性鳥インフルエンザの感染が17日、北海道厚真町の養鶏場で確認された。養鶏場では今シーズン初めて。鳥インフルは例年、秋から春にかけて広がるが、今回は過去最も早い時期の発生となった。今後頻発する可能性があり、鶏卵価格の一段の上昇も懸念される。「全国どこで発生してもおかしくない状況だ」。小里泰弘農林水産相は同日、農水省で開いた対策本部の会合で危機感をあらわにした。北海道では9月30日に回収されたハヤブサの死骸から高病原性鳥インフルのウイルスが検出されていた。石破茂首相は首相官邸で記者団の取材に「初動対応が重要だ。政府一体となって、迅速に対応をしていく」と強調した。
■プーチン露大統領、「露朝戦略条約」法案を国会提出 北朝鮮と事実上の同盟締結へ(産経新聞2024.10.15)
https://www.sankei.com/article/20241015-HTQPRFXU7VNN3LOMIIC3BP4KUM/
ロシアのプーチン大統領は14日、北朝鮮と安全保障協力の拡大などを定める「包括的戦略パートナーシップ条約」を批准する法案を露下院に提出した。条約は、どちらか一方の国が武力攻撃を受ける恐れが生じた場合に即座に協議を行うことや、実際に武力攻撃を受けた場合に相互が軍事支援を行うことなどを規定。一方が他方に不利益を与える協定などを第三国と結ばないことも定めている。ロシアは北朝鮮と事実上の軍事同盟を結ぶ形。ウクライナ侵略で欧米諸国と決定的に対立したロシアは、核兵器開発や人権問題などを巡って同じく欧米と敵対する北朝鮮と関係を深め、欧米に対抗する思惑を改めて鮮明にした。露朝の関係強化は、両国の軍事的威圧と対峙する日本にとっても脅威となる。法案は今後、露下院と上院で可決された後、プーチン氏の署名により成立する見通し。米国やウクライナによると、ロシアは北朝鮮から調達した弾道ミサイルや砲弾をウクライナの戦場で使用。ロシアは見返りにロケットエンジン技術などを北朝鮮に提供していると観測されている。露朝間の包括的戦略パートナーシップ条約は、6月に24年ぶりに訪朝したプーチン氏が、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記とともに署名していた。
(コメント:北朝鮮から日本へ向けてのミサイル発射が急激に増加。北朝鮮と韓国の国境地帯の不穏化が進行中。中国をも巻き込むレベルの極東有事リスクが急激に上昇。この時期に、「天気晴朗なれども波高し」という日本海側=鳥取県出身の石破総理大臣が登場。まさに天の配剤そのもの)
■産業データ、国際・異業種で活用を 官民での基盤整備提言-経団連(時事通信2024.10.15)
経団連は15日、異なる国や業種間で信頼性の高い大量のデータをやりとりできる「産業データスペース」を官民一体で整備するよう求める提言を発表した。電気自動車EVや健康・医療などさまざまな産業間でデータを相互に連携し、脱炭素化促進や新産業育成に活用する狙いだ。経団連の東原敏昭副会長(日立製作所会長)は記者会見し、日本の対応の遅れを念頭に「今これをやらないと大変なことになるという危機感を持っている」と強調した。
■国と地方、システム共通化を検討-12業務、人手不足対策で(共同通信2024.10.13)
国と自治体が業務ごとに同じシステムを共同利用する「共通化」に向け、政府は対象業務の選定を本格化した。本年度は、公共事業の入札資格の審査や、税徴収に必要な預貯金照会など12業務で導入の可否を検討する。自治体の人手不足が深刻化する中で事務作業を効率化し、行政サービスの水準を維持する狙い。インターネットを介して国が共通システムを構築し、自治体が利用することを想定。12業務について、実現可能性やスケジュールなどを検討し、来年3月までに方向性をまとめる。入札関連では、事業者の参加資格審査の手続きを統一し、電子化を検討。事業者と自治体双方の負担軽減を狙う。生活保護の支給決定や地方税の徴収事務などで必要な預貯金照会では、全ての金融機関に対し、対象者の残高や取引履歴を一括してオンラインで照会する仕組みが構築できるかどうかを探る。自治体から国へ報告する手法も改善する。個別に提出している国政選挙の調査報告やふるさと納税の返礼品登録申請について、オンラインで集計できる環境を整える。
(コメント:これは、ものすごく業務効率化になると思う。各拠点ごとにデータ構造や配列が違うと、照会するにも、すごく手間がかかって大変というのがあるので。その分、サイバー攻撃への対策は、ガッチガチに行かないといけないけれど・汗)
■被団協は「世界の良心」米識者、ノーベル平和賞を祝福(時事通信2024.10.12)
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞が決まったことを受け、原爆を投下した米国の識者からは11日、祝福の声が上がった。バイデン大統領らは特に声明を出していない。広島と関わりが深いアメリカン大学核問題研究所長のピーター・カズニック教授は時事通信の取材に「被団協は『世界の良心』であり続けている」と称賛した。カズニック氏は平和賞に被団協を推薦してきたと明かした上で「被爆者が生きているうちにこの賞を授与する緊急性があった」と強調した。既に被爆者の多くが他界したのは「ほろ苦い」と語った。米シンクタンク「軍備管理協会」のダリル・キンボル事務局長も声明で「世界の核保有国、そして日本を含む核抑止論に賛同する国々の指導者は、被爆者の体験に耳を傾け、核兵器廃絶に向けたメッセージを再確認し、被団協の受賞を祝福すべきだ」と呼び掛けた。「主要な核保有国はおしなべて、巨額を費やして核兵器の近代化を図っている」とも嘆いた。
(コメント:政治的事情や人脈いろいろあるだろうなと思案しつつ。祝福であります)
■生産年齢人口当たりではG7首位 日本のGDP伸び率、米教授調査(共同通信2024.10.11)
日本の成長率は、働き手の減少を考慮すれば驚くほど良好。米有力大学の研究者らがこんな調査結果を明らかにした。日本経済は長く停滞が続くが、実質国内総生産GDPを人口当たりではなく、働き手の中心となる世代に焦点を当てて分析すれば「日本はうまく対処してきた」と評価。成長には少子化対策が最も重要だと助言した。米ペンシルベニア大のヘスース・フェルナンデス・ビジャベルデ教授ら3人が発表した。先進国で高齢化が進み、経済成長率を人口1人当たりの指標で比べるのは「誤解を招きやすくなっている」と主張、15~64歳とされる生産年齢人口に焦点を当てて分析した。世界金融危機があった2008年から19年までを対象にすると、生産年齢人口1人当たりの年平均の成長率は日本が1.49%で、米国1.34%などを上回り、G7首位となった。日本はモノやサービスの付加価値を生み出す力が弱く労働生産性はかねて低いと指摘されるが、成長率で比較すると付加価値の向上で健闘している可能性を示している。
(コメント:日本GDPは相当に高いと思う。労働していると激しく業務効率を要求されるのが実情で、空いた時間を付加価値に…というか自己研鑽とか副業とか。昭和時代はボーッと郵便や電話を待つ時間があって、暇つぶしに買い物へ行く等が可能だったと聞きますが、令和労働者から見ると「さぼっている」というべき状況で、微妙な気持ちになるところ)
■能登地震の被災地 記録的大雨で河道閉塞14か所のうち半数消失(NHK2024.10.11)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241011/k10014607251000.html
能登半島地震の被災地では、崩れた土砂が川を塞ぐ「河道閉塞」が合わせて14か所で確認されていましたが、このうち半数が先月の記録的な大雨で消失したことが分かりました。川をせき止めていた土砂が決壊した可能性があり、国土交通省が大雨の被害への影響について調査を進めています。元日の能登半島地震のあと、石川県輪島市と能登町を流れる6つの川では、地震で崩れた土砂がダムのように川をせき止めて水がたまる「河道閉塞」が、合わせて14か所で確認されました。これらの場所では、応急の復旧工事が進められていましたが、国土交通省によりますと、先月の記録的な大雨で、輪島市町野地区にあった7か所の「河道閉塞」が消失したことが確認されたということです。川をせき止めていた土砂や倒木が決壊した可能性があるということで、国土交通省が大雨の被害への影響について調査を進めています。また、別の1か所では、たまった水の量が増えたことが確認されていますが、水は順調に流れ出していて、国土交通省は切迫した危険はないと判断し、監視を続けています。国土交通省北陸地方整備局は、「引き続き応急工事を速やかに進めていくほか、工事を行っていない場所についてもしっかりと監視し、被災者の安全確保に努めたい」としています。
■明治HD系、反ワクチン団体を提訴へ 名誉毀損で(日本経済新聞2024.10.08)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC0835R0Y4A001C2000000/
明治ホールディングス傘下のMeiji Seikaファルマは8日、新型コロナウイルスの変異型対応ワクチン「コスタイベ筋注用」について記者会見を開いた。コスタイベは「レプリコン」と呼ばれるmRNA(メッセンジャーRNA)を改良したワクチンで、国の定期接種の対象だ。同社は批判を繰り返す団体を名誉毀損で提訴する。小林大吉郎社長は「コスタイベを導入した医療機関に対して誹謗中傷や脅迫が寄せられている。ワクチンの供給に支障が出ている」と指摘した。「医療従事者は客観的データに基づいて話すべきだ。誤った認識がこれ以上流布するのを防ぐため、訴訟はやむを得ないと判断した」と話した。同社はコスタイベについて、これまで実施した海外や国内での臨床試験(治験)で有効性が確認されたとしている。記者会見はワクチンを開発した米バイオ企業アークトゥルス・セラピューティクスと、ワクチンの販売で提携するオーストラリアのCSLグループとともに開いた。
■呉邦国氏が死去、83歳「上海閥」副首相など歴任-中国(時事通信2024.10.08)
中国全国人民代表大会(全人代)の常務委員長(国会議長に相当)や副首相を務めた呉邦国氏が8日朝、病気のため北京で死去した。83歳だった。新華社通信が伝えた。1941年7月生まれ。清華大学を卒業後、上海市の電子関連の国有企業などで勤務し、上海市党委書記に就いた。江沢民元国家主席が率いた「上海閥」の有力メンバーの一人とされ、江氏のもとで1995-2003年まで副首相を務めた。副首相在任中は国有企業改革に尽力したほか、長江中流にある世界最大級の「三峡ダム」建設に関わった。
■太平洋島嶼国、国際犯罪組織の拠点化も 国連が警鐘(ロイター2024.10.11)
https://jp.reuters.com/economy/TE7ZJ56O25KLDC4VCVCEXIOADQ-2024-10-11/
国連薬物犯罪事務所UNODCは11日公表した報告書で、太平洋島嶼国で犯罪が急増しているとし、世界的な犯罪組織の拠点になる恐れがあると警告した。報告書は同地域で麻薬密売や人身売買、違法漁業、野生生物の窃盗、マネーロンダリング資金洗浄、サイバー犯罪などの「脅威環境」が歴史上最も急速に高まっていると指摘。今では米州の麻薬カルテルやアジアの犯罪グループなどが進出しているとした。「太平洋における犯罪エコシステムの拡大が、世界のさまざまな地域から強力な国際犯罪網を引き寄せている」とし「この地域の一部がさまざまな違法行為に関与する犯罪グループの標的となる主要な拠点や足掛かりになる懸念が高まっている」と警鐘を鳴らした。太平洋島嶼国は経済の脆弱さに加え、汚職の横行、国家能力の限界などから特に標的になりやすいとも指摘した。多くの太平洋島嶼国は歴史的に警察活動で豪州などに依存してきたが、2022年に中国がソロモン諸島に警察を派遣して以降、地政学的な緊張が高まっている。
■東南アジアの犯罪組織、テレグラムを多用 国連が報告書(ロイター2024.10.07)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/EBCQNI4UDJNHPCI72NL5RLTE3A-2024-10-07/
国連薬物犯罪事務所UNODCは7日、東南アジアの大規模な犯罪ネットワークが通信アプリ「テレグラム」を広範に利用しているとの報告書を公表した。報告書によると、テレグラム上ではハッキングされたクレジットカードの詳細情報、パスワード、ブラウザーの履歴といったデータが公然かつ大規模に取引されているほか、サイバー犯罪に利用されるディープフェイクソフトやマルウエアも広く販売され、資金洗浄マネーロンダリングのサービスを提供する無認可の仮想通貨取引所もある。報告書は「地下のデータ市場がテレグラムに移行しており、東南アジアを拠点とする多国籍組織犯罪グループに積極的にデータを売り込む業者が存在する強力な証拠」があるとしている。東南アジアは、国境を超えて行われる組織的な詐欺の拠点となっており、中国の犯罪組織が人身売買された労働者を使って詐欺を働くケースが多い。UNODCによると、こうした詐欺産業の年間売上高は274億~365億ドルに達する。犯罪組織は利益を上げるため、技術革新を迫られており、マルウエア、生成AI人工知能、ディープフェイクといった新しい技術や新しいビジネスモデルを詐欺に利用。UNODCは東南アジアの犯罪組織を顧客とするディープフェイクソフトの販売業者10社以上を特定した。テレグラムを巡っては今年8月、投稿の監視・管理を行わず、犯罪活動を放置したとして、フランスの警察が創業者のパベル・ドゥーロフ最高経営責任者CEOを逮捕。聯合ニュースによると、韓国警察もディープフェイクポルノを巡ってテレグラムに対する捜査を開始した。
■英騒乱、ネオナチがフィンランドからチャットグループで扇動 BBCが当人を追跡取材(BBC2024.10.04)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cy4dp04y1r3o
(要点抜粋)イギリスで今夏に相次いだ騒乱で、暴徒たちに放火方法をオンラインで指南していたネオナチは、メッセージアプリ「テレグラム」で「サウスポート・ウェイク・アップ(サウスポートよ目を覚ませ)」というチャットグループを管理する一人で「ミスターAG」というハンドルネームで知られていた。このグループは7月下旬から8月上旬にかけ、イングランドと北アイルランドで暴力事件に発展した抗議活動の組織化と扇動に重要な役割を果たした。テレグラムによってチャットグループが削除される前に、他の一連の抗議場所が告知され、また、潜在的な標的として数十件の難民センターのリストも提示された。ミスターAGはこのリストと共に放火マニュアルを投稿し一番上に固定して「面白い読み物だ」と書き込んだ。マニュアルには、警察の目を避ける方法の詳細が記載されているほか、イスラム教徒とユダヤ教徒を標的にするよう推奨する記述もある。この投稿の下には、他のメンバーが攻撃的で侮辱的なコメントを書き込んでいた。中には、「移民の子供たちを標的にする準備ができている」とするものや、「白人を見くびっているばかな集団」の「侵略者たち」と表現するものもあった。
ラサネン氏は自身のテレグラム・アカウントでナチスのアドルフ・ヒトラーを称賛し、アメリカでテロ組織として禁止されているネオナチ団体「北欧抵抗運動」を宣伝している。フィンランド国営放送YLEの調査ジャーナリスト、ヴェリ=ペッカ・ハマライネン氏によると、ラサネン氏は「長年」インターネット上で活動しているという。ハマライネン氏はラサネン氏について、「サウスポート・ウェイク・アップ」関わるようになって以降、孤立した過激派から、何千人ものオーディエンスを持つ人物へと変貌を遂げたとみている。「これは、孤立したインターネット上の戦士がどれほど危険になり得るかを示す一例だ」とハマライネン氏は言う。「これは、外国でキーボードの前に座っている若者が、イギリスで人種差別的な暴力を始めたケースだ。今日の極右の国際的な性質を露呈している」テロ対策法に関する政府の独立審査官であるジョナサン・ホール氏は、昨年テロリズムを宣伝した罪で起訴されたケースの少なくとも半分は、テレグラムが関係していたとみている。フィンランドは、ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)後の2021年に、EU全域にわたる協定の適用除外に署名したため、イギリスとの間で身柄引き渡し協定を結んでいない。ラサネン氏の件に関して、引き渡し要請やその他の措置が取られているかについて、英内務省はコメントを控えている。フィンランド国家警察委員会は、「この問題を認識している」と述べているが、それ以上詳しいコメントはできないとした。テレグラムの広報担当者はBBCに対し、8月に暴力的な投稿が発見された際、モデレーターが「サウスポート・ウェイク・アップ」を含む複数のイギリスのチャンネルを削除したと語った。イギリス政府の報道官は、ソーシャルメディア・プラットフォームに違法コンテンツの削除と誤情報の拡散防止を義務付けるオンライン安全法の施行を急いでいると述べた。「我々は、インターネットがコミュニティーの分裂を狙う人々の隠れ家となることを許さない」と報道官は述べた。
■元寝屋川市議に懲役10年 コロナ融資詐欺、福岡地裁(共同通信2024.10.07)
新型コロナウイルス禍での業績悪化に対する融資制度を悪用し、受給者側から手数料名目で金をだまし取ったなどとして、詐欺罪などに問われた元大阪府寝屋川市議吉羽美華被告44に福岡地裁(冨田敦史裁判長)は7日、求刑通り懲役10年、追徴金1億9800万円の判決を言い渡した。起訴状によると、独立行政法人福祉医療機構の制度を巡り男女と共謀するなどして、2020年、堺市の福祉施設運営会社に1億2千万円の融資を受けさせ、うち5940万円を詐取した上、虚偽の書類を提出して機構をだまし、21年、福岡県久留米市の医療法人に6億円の融資を受けさせ、うち2億3200万円を詐取したとしている。
■裏金議員の比例重複立候補認めず 非公認に下村、高木氏ら(共同通信2024.10.06)
石破茂首相は6日、自民党派閥裏金事件を受けた裏金議員の衆院選公認を巡り、政治資金収支報告書に不記載があった議員の比例代表への重複立候補は認めないと表明した。党則に基づく「選挙における非公認」より重い処分を受けた議員を非公認とする方針も党本部で記者団に説明した。旧安倍派幹部で党員資格停止処分だった下村博文、西村康稔、高木毅の各氏が対象。より軽い処分でも、国会の政治倫理審査会に出席したかどうかで線引きする。萩生田光一元政調会長らが非公認に含まれる。首相は15日の衆院選公示に向け、関係議員の公認問題を森山裕幹事長ら党幹部と党本部で再協議し、非公認とする範囲を確認した。協議後、裏金事件で処分を受けた議員のうち、説明責任が十分果たされず地元理解が進んでいないと判断された場合も非公認の対象とする考えを示した。自身と幹事長ら党四役についても比例との重複立候補はしないと言明。「共に責任を果たしていく」と語った。
■石破首相、防災庁設置へ準備 能登豪雨を激甚災害指定へ(共同通信2024.10.05)
石破茂首相は5日、石川県輪島、珠洲両市を訪れ、1月の地震、9月の豪雨の被災状況を確認した。視察後、内閣府防災担当の人員と予算を飛躍的に向上させ、防災庁設置へ準備を進める考えを記者団に強調。同県の馳浩知事と面会し、豪雨被害を復旧事業の国庫補助率が上がる「激甚災害」に指定する考えを示した。立憲民主党の野田佳彦代表は輪島市を訪問後、防災庁設置よりも2024年度補正予算編成を優先すべきだと主張した。首相の地方視察は就任後初めて。馳氏から復旧・復興支援に関する要望書を受け取り、豪雨被害の災害廃棄物処理について能登半島地震と同水準の支援を行う方針を伝えた。激甚災害指定は、地域を特定せず災害そのものが対象となる「本激」とする方向だ。野田氏は、輪島市で豪雨のため浸水したスーパーや流木などが残る住宅地を視察した。首相の防災庁創設構想に関し「既存の枠組みでできないのかどうか。よく検討すべきだ」と指摘。その上で「被災地のために早く補正予算を組むという現実対応の方が先ではないか」と強調した。
■米ハリケーンで供給網懸念 GM工場停止、半導体材料も(日本経済新聞2024.10.05)
米南部で発生したハリケーン「へリーン」の被害が供給網に広がっている。米ゼネラル・モーターズGMは4日、ハリケーンに伴う部品調達の遅れで、ミシガン州など米2工場の生産を停止したと明らかにした。半導体向けの希少材料の供給停止も顕在化しており、今後幅広い生産活動に影響する可能性もある。
■中国、ネットニュース摘発「空間浄化」へ集中行動(共同通信2024.10.03)
中国の国家インターネット情報弁公室は3日、ニュースサイトの違法行為を集中的に摘発する取り組みを始めると発表した。期間は3カ月で、共産党や政府の意向に沿った報道の影響力を強化し「ネット空間の浄化」を進めるのが目的だとしている。同弁公室によると、虚偽のニュースや誇張した見出しなどによって世論を誤った方向に誘導する行為を厳しく取り締まる。政府の許可がないか、許可の範囲を超えてネット上でニュースサービスを提供する業者なども摘発の対象とする。同弁公室は、各地方政府の担当部局に徹底した取り締まりを指示。利用者からの通報も積極的に受け付け、摘発の手掛かりとするよう求めた。
■英、インド洋要衝返還へ モーリシャスと合意(共同通信2024.10.03)
英政府は3日、1965年に英領に編入したインド洋のチャゴス諸島をモーリシャスに返還すると発表した。諸島最大のディエゴガルシア島には米軍基地があり、インド洋の戦略的要衝。モーリシャスは長年返還を求めていたが英国が応じず、国際的な批判が高まっていた。両政府は3日に共同声明を出し「平和的解決と法の支配に対する両国の永続的な取り組みを示した」と強調。バイデン米大統領は「外交により長年の歴史的課題を克服した」と歓迎した。ディエゴガルシア島は英国が66年に米国に貸与し、米軍が全島を基地として使用している。
■空港の不発弾、再点検へ 国交省、旧軍用施設が対象(共同通信2024.10.03)
宮崎空港の誘導路で戦時中の不発弾が爆発したのを受け、国土交通省は3日、宮崎など一部空港で、不発弾が残っていないかどうか再点検する方針を固めた。地中を磁気探査する。旧軍用飛行場として空襲を受け、これまでに不発弾が見つかった空港などを対象とする方向で選定。仙台空港や那覇空港などが対象となる可能性がある。宮崎空港では爆発直前に旅客機が誘導路を通過しており、安全確保に万全を期すには再度の調査が必要と判断した。宮崎空港では3日、航空各社の運航が再開された。一方、那覇空港で3日、米軍の不発弾とみられる物が見つかり自衛隊が処理した。再点検のうち、宮崎空港では滑走路、誘導路、駐機場などの地中を探査する。過去の工事記録も確認するという。国交省によると、滑走路などの整備に当たり、過去に空襲を受けていたり、不発弾が見つかったりするなどした場所については磁気探査を実施。旧日本海軍の航空基地だった宮崎空港も探査はしていた。宮崎空港では2日午前、戦時中の米国製250キロ爆弾が爆発。誘導路で直径約7メートル、深さ約1メートルの陥没が確認された。
■自動物流道で市場調査 建設や運営のニーズ探る、国交省(日本経済新聞2024.10.03)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0357M0T01C24A0000000/
国土交通省は3日、2030年代半ばの実現を目指す「自動物流道」を巡り、運営や建設への民間会社の参画意向を探る市場調査を11月まで実施すると明らかにした。寄せられた意見を参考にして、事業化に向けた体制をつくる。自動物流道は高速道路の空きスペースなどに貨物の専用レーンを設けるもの。新東名高速道路の新秦野[神奈川県]-新御殿場[静岡県]間などで社会実験をする。将来的に東京と大阪を結ぶ構想があり、30年代半ばに一部区間の運用開始を目指す。市場調査では、自動物流道で想定される輸送システムの建設や事業の運営、維持管理といった業務で意見を集める。現在は路肩や地下を想定する道路空間の活用方法でも提案を求める。実施にあたり想定する事業の詳細も明らかにした。特別目的会社SPCを立ち上げ、民間企業が参加する運営管理会社が事業を担う。走行する無人の搬送車は他国の事例を参考に時速30キロメートルとして、動力はクリーンエネルギーを活用する。
■デフレ早期脱却へ緊密連携「共同声明」維持-財務相・日銀総裁らが会談(時事通信2024.10.03)
加藤勝信財務相、赤沢亮正経済財政担当相、植田和男日銀総裁は3日、東京都内で会談し、経済・物価情勢などについて意見交換した。会談は石破茂政権の発足を受けて行われた。加藤財務相と植田総裁らは、政府・日銀がデフレからの早期脱却に向けて2013年に公表した共同声明を維持し、今後も緊密に連携していくことを確認した。石破政権はデフレ脱却最優先の経済財政運営を行う方針だ。加藤氏は会談後、記者団の取材に応じ「政府・日銀の共同声明に沿って、デフレからの早期脱却と持続的な経済成長の実現に向けて政策運営に万全を期す」と説明。その上で「市場の動向を緊張感を持ち、冷静に注視するとともに、市場とも丁寧にコミュニケーションを取ることを確認した」と語り、政府・日銀双方が適切な情報発信に努める考えを示した。日銀は3月、17年ぶりの利上げを含む金融正常化に踏み出した。赤沢氏は「デフレから完全に脱却できるかどうかの瀬戸際という政府の認識がある」と指摘。追加利上げについて「タイミングを間違えて(景気に)水を差すようなことはできない」と懸念を示した。
■健保組合、1367億円赤字=高齢者医療へ拠出金増-23年度決算(時事通信2024.10.03)
健康保険組合連合会(健保連)は3日、大企業の社員とその家族が加入する1380の健康保険組合の2023年度決算見込みを発表した。高齢者医療への拠出金の増加により、全体で1367億円の赤字となった。赤字は2年ぶり。赤字組合数は726で、半数以上を占めた。
■ロシアとパキスタン今月から「物々交換」による貿易へ(日テレNEWS NNN2024.10.03)
https://news.ntv.co.jp/category/international/2b5290c139b644e5b037d6b033ed07d8
欧米の制裁で貿易決済の問題に苦しむロシアが今月から、パキスタンとの間で「物々交換」による貿易を始めることがわかりました。タス通信などによりますと、今月1日に開催されたロシア・パキスタン貿易投資フォーラムで、両国の企業間で初めて「物々交換」による貿易協定が締結されたということです。ロシア企業が豆を輸出するのと引き換えに、パキスタン企業から米、みかん、ジャガイモを輸入するということです。パキスタン側は「歴史的瞬間」だと評価し、今後もこうした取引を増やしていきたい意向を示しました。欧米の経済制裁を受けるロシアは各国との貿易の決済問題に苦しんでおり、ロイター通信は今年8月、中国との間でも「物々交換」による貿易を模索していると報じていました。
■フィリピン、ネットカジノ規制で店舗に商機 IR計画続々(日本経済新聞2024.10.03)
フィリピンの財閥大手アライアンス・グローバル・グループAGIが、カジノを含む統合型リゾートIRの大規模開発に乗り出す。観光地セブ島やボラカイ島に計7億ドル=約1000億円を投じる。マルコス政権がオンラインカジノの規制を強化することで、実店舗に客が流れるとの読みがある。
■天災や中東情勢、新たな火種 トランプ氏、現政権の対応非難-米大統領選(時事通信2024.10.03)
投開票を約1カ月後に控えた米大統領選で、南部州を襲ったハリケーンの被害や、緊迫の度を増す中東情勢が新たな火種に浮上しつつある。返り咲きを目指すトランプ前大統領78は現政権の対応を非難。バイデン大統領と二人三脚で対処に当たるハリス副大統領59は、緊張を強いられている。ハリケーン「ヘリーン」は激戦区に数えられる南部のジョージア州とノースカロライナ州を直撃。死者は190人を超え、被災地では生活インフラが大きな打撃を受けた。投票所となる学校やコミュニティーセンターは損壊し、期日前投票の手続きも停止。11月5日の投開票日までに選挙実務がどこまで復旧するかは不透明だ。バイデン、ハリス両氏に先立ち現地入りしたトランプ氏は早速、「(現政権は)共和党支持の強い地域を助けようとしない」などと政治利用。ハリス氏は2日に被災地を訪れ「私たちは長きにわたってここにいる」と全面支援を約束した。一方、中東ではイランによる1日の弾道ミサイル攻撃を受け、イスラエルがイランの石油施設などに報復攻撃を仕掛ける可能性が報じられている。大統領選でインフレが重要争点となる中、中東の危機が拡大し原油価格を押し上げれば、ハリス氏には逆風となりかねない。折しも、米東海岸とメキシコ湾岸では、賃金を巡る労使交渉の決裂を受けて港湾労働者が一斉ストライキに入り、物流の混乱も懸念されている。トランプ氏は「(バイデン政権下の)インフレが原因」と、ここでも追及を強めている。
■イスラエル、ハマス最高指導者の側近殺害 ガザの「事実上の首相」(時事通信2024.10.03)
イスラエル軍は3日、パレスチナ自治区ガザへの空爆で、イスラム組織ハマスの支配下にあるガザの行政機関トップ、ロウヒ・ムシュタハ氏を殺害したと発表した。ムシュタハ氏は、8月にハマス最高指導者となったヤヒヤ・シンワル氏の最側近の一人。イスラエルのメディアはガザでの「事実上の首相」と伝えた。軍の声明によると、約3カ月前にガザ北部に加えた空爆で、ムシュタハ氏を殺害した。ハマスの地下指揮センターに隠れていたという。この空爆で、他のハマス幹部2人も死亡した。ハマスがムシュタハ氏の死亡を公表していないことについて、イスラエル軍は「戦闘員の士気低下を防ぐためだ」と主張した。イスラエル政府は、ハマスの軍事・統治能力の破壊を目指し、ガザでの戦闘を続けてきた。
■レバノンから邦人退避へ自衛隊機が離陸、イスラエルによる攻撃激化で(朝日新聞2024.10.03)
https://www.asahi.com/articles/ASSB334VCSB3UHBI01HM.html
イスラエルが侵攻したレバノンにいる日本人らの退避に向け、航空自衛隊C2輸送機2機が3日、空自美保基地(鳥取県)を離陸した。現地に到着し準備が整い次第、レバノンからの邦人退避の任務にあたる。首都ベイルート中枢部も空爆されるなど攻撃は激しさを増しており、石破政権発足後、初となる自衛隊の海外での本格的運用となる可能性がある。複数の政府関係者によると、岩屋毅外相が同日、中谷元防衛相に対して、レバノン国内の日本人の輸送の要請を出したという。同国には約50人の日本人が滞在。約20人が大使館員と家族で、約30人が民間人。大使館関係者ら10人前後が退避を検討中で、現地大使館の態勢を最小限にするという。防衛省統合幕僚監部によると、2機はギリシャとヨルダンに向かう。自衛隊幹部によると、途中2カ国で給油し、早ければ4日に両国に着くという。岩屋氏は3日、ヨルダンのアイマン・サファディ外相と電話で会談し、日本人の退避に向けた協力を要請した。政府は退避希望の外国人がいる場合は自衛隊機に乗せるよう配慮する方針だ。2022年の自衛隊法改正で、日本人の配偶者や子、日本大使館の現地職員などであれば、外国籍の人だけでも移動できるようになった。
(コメント:自衛隊制服組トップ吉田圭秀統合幕僚長、3日の記者会見「イスラエルとヒズボラの戦闘は急激に拡大・悪化しており、予断を許さない状況だ。万全を期して任務を完遂したい」。防衛省は自衛隊機を用いた日本人らの退避はこれまでに8回実施。当時の木原稔防衛相が9月27日にヨルダンとギリシャまで派遣するよう指令済み、両国までの飛行に必要な領空通過の許可が下りたことを受けて3日に出発。レバノンではイスラエル軍による地上侵攻が1日から始まっている。レバノンに拠点を置くイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラがイスラム組織ハマスとの連帯を示すためイスラエルへの攻撃に加わったことが背景)