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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

2015.09.01ホームページ更新

★第二部・第三章「七夕」=コミック&字幕ともに完成しました。

⇒ホームページ内:物語ノ本流コーナーから飛べます

第二章「夏越祓」の部分だけでは内容が終わらず、「章という形で続きを語る」という感じで作成していました。しかし、予想以上にギュッと内容の詰まったパートになりました。

新しい登場人物は、物語のもう1本の幹線を成す重要人物・叡都(エイト)王です。最初はボンヤリと、御影王に対して対照的な人物=それじゃ、名前も対照的で「輝弥(カグヤ)王かな?」という感じで動かしていたキャラクターでした。

…が、「七夕の章」を作成している内に、この「今様の光源氏」という人物の周辺=特に父親に当たる人物の名前がハッキリと決まった(=叡仁王)と言う事があり、自動的に「叡都王」と決まりました。

キャラ詳細は物語の中で語って行く予定ですが、この叡都王、なかなか複雑な人物です。味方/敵に対する態度の、二重性格と言っても良い程の、激しい落差。そして、無能とみなした部下は、実にアッサリと、クビにする…厳罰を与える事も厭わない。いずれにせよ叡都王は、穏やかな性格の人物ではありません(御影王の短気な性格と、出方は似ているけれど)。

…叡都王の人となりについて、ちゃんと描き出せたか、それが分かりやすい形になっているかどうかは、今のところ自分では判断がつきませんが、とりあえず、要点はクリアしたと思います。

他にも新しい登場人物があります。派手キャラにせよ、地味キャラにせよ、以後の章でそれなりに特色のある行動をする予定です。

描いていて一番楽しかったのは、鳩屋敷顕輝(はとやしき・あきてる)。生まれながらの、苦労知らずの御曹司。性格も特にヒネくれておらず、派手で陽気で、楽しい人物です。

当時は、有力な貴族が国政に関与した時代であります。大貴族の御曹司=将来の大政治家としての、まともな業務能力があるかどうかについては「超・特大の疑問符」が付くのですが、気楽な遊び仲間としては、最高のお相手かと思います。

後は、明日香姫の父親=京極大納言キャラが、どのような印象をもたらすか知りたいところであります(一応、オババを解説係に見立てて「神経が細い人物」と紹介してある)。

父親(京極大納言)と娘(明日香姫)の口論シーンは、楽しく描けました。この遠慮無しのやり取りは、カモさんに割と印象を残した…という設定になっています。

その後、カモさんは瀬都について、「瀬都姫という事は、何度も考えていた」と言及しています。目下、表と裏に渡る様々な理由があって、瀬都の事は、「公的には使用人」として受け入れているという、曖昧な状態。将来的に、本当に養女として受け入れるかどうかは、まだ未知数であります(物語の流れ次第です)。

★呪術方面でも新しい設定や説明が展開★

呪術に関わる最強レベルの霊威=「敷星(シキボシ)」「ミカボシ」「守護星」の三種類があるという設定です。他には、特に「**ホシ」と呼ばれるような存在は無く、この三種類だけが別格です。

【シキボシ(敷星)】
強大な呪術が施された金属物であり、魔法陣の術を通じて土地を制圧し支配するという呪力作用を持つ。最も普通に見かける妖霊星である。
ごくまれだが、シキボシが破裂し暴走した場合は、即死性の猛毒として作用する(鉱毒や水銀毒が強烈になった感じ)。
ちなみに、木や石も、やろうと思えばシキボシ加工は可能である。ただし、加工に膨大な手間が掛かるため、実際に利用するには不便すぎるのである(「桃栗三年・柿八年/石の上にも三年」と言う)。これらに比べれば、金属は、瞬間的かつ容易に呪術工作が可能である。

「守護星」の定義は今のところ謎めいていますが、「守護」というネーミングから想像されるアレコレ、という感じで理解してOKです。古い言葉にすれば「守星(モリボシ・モロボシ)」とか「御守星(ミモロボシ)」という風になります。しかし、その辺は単なる言い換え(フリガナの問題)なので、余り意識しなくても良いです

破壊的な呪力作用に満ちた妖霊星(シキボシ・ミカボシ)とは違い、守護星は、一般に有害な影響はありません。瀬都にしても、「自分の中に守護星がある」という事実を全く感知しておらず、何か妖術を使っていても、「全く手応えは無い」と言及しています(「夏越祓」50-51頁,参照)。「手応えの無いホシ/実感の無いホシ」と言う事は確実に言えます。

これまでのストーリーから分かる点だけ書き出してみると、以下の通り:

◇ミカボシは暴走する(人間にはコントロール不可の)呪力&霊威の塊であるが、守護星の力を利用すると、何故か、ミカボシの霊威を自由自在に操れる。破壊に使うのも守護に使うのも、思いのまま

◇ミカボシのような、特定の血筋に関連する霊威では無い。守護星は、何らかのきっかけで、獲得されたり失われたりする物である。その獲得/損失レベルに応じて、霊力の強弱に増減があるらしい。守護星は非常に数少ない存在らしい(=シキボシ・ミカボシに比べると、明らかに希少)。完璧な守護星を獲得した呪術師は、ミカボシの猛威をも自由自在に操れる故、最強レベルの呪術師となる

◇守護星が、極めて濃密な霊威の塊である事は確かである。その高密度の霊威によって、精神は乱れるものの、身体の傷の治癒を劇的に早める(=これは普通の霊力でも同じ作用があるが、やはり守護星となると別格である)。また、呪術師の能力の無い一般人を、呪術師にする作用があるらしい

※実際、瀬都の大怪我は、いつ死んでもおかしくないレベルだったのだが、守護星の一部の欠片が入ったお蔭か、上京の長旅に耐えられる程度に傷が塞がった(実際、雪森郷事件の1ヵ月後には、既に都へと向かっていた)。まさしく「守護」作用なのである。そして瀬都は、まぐれ当たりレベルだが、呪術を使ったと言える

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