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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

詩歌鑑賞:「鷺の歌」ヴェルハアレン

鷺の歌/エミイル・ヴェルハアレン/上田敏・訳

ほのぐらき黄金(こがね)隠沼(こもりぬ)、
骨蓬(かうほね)の白くさけるに、
静かなる鷺の羽風は
徐(おもむろ)に影を落しぬ。

水の面(おも)に影は漂(ただよ)ひ、
広ごりて、ころもに似たり。
天(あめ)なるや、鳥の通路(かよひぢ)、
羽ばたきの音もたえだえ。

漁子(すなどり)のいと賢(さか)しらに
清らなる網をうてども、
空(そら)翔(か)ける奇(く)しき翼の
おとなひをゆめだにしらず。

また知らず日に夜(よ)をつぎて
溝(みぞ)のうち泥土(どろつち)の底
鬱憂の網に待つもの
久方(ひさかた)の光に飛ぶを。
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