詩歌鑑賞:ディキンスン258,764,1078
(作品258番)/エミリー・ディキンスン
冬の午後には
ななめの陽差しがある
聖堂の重い調べのように
人の心に塞がる
それは天上の痛みを負わせる
しかしだれもその傷を見つける事はできない
ただ深い意味の世界で
見えない変化がある
だれもまたそれを変える事はできない
それは絶望の相
空からわたしたちに加えられた
至高の苦悩
その訪れるとき風景は耳をそばだて
影も息を殺す
またその去るときは死者の顔に浮かぶ
あのよそよそしさに似ている
(作品764番)/エミリー・ディキンスン
予感は芝生の上の長い影
太陽が沈むしるし、
驚いている芝草への通知
暗闇が経過しようとしていることへの
(作品1078番)/エミリー・ディキンスン
死んだ朝の
家のざわめきは
地上で行なわれる
最も厳粛な仕事
心を掃き清め
永遠まで
二度と使う用の無い
愛を片付ける
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