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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

2011.10.3暁の夢

何だか意味深&テツガク的な夢を見まして、記録

今回は、管理人が主人公では無く、誰かの夢を見させてもらっている感じでした。主人公は10才くらいのポニーテールの少女なのですが、その少女の肩の辺りでフワフワ浮いていて、その状態で、あれこれ見聞きしたという感じです。

(何だか、少女の守護霊をやっていたような感じです。スピリチュアル的には、あの世の人間がこの世の人間の守護霊をやっていたりするというので、多分、管理人も、あの世に居た頃に、この少女の守護霊を務めていたのでは無いかしら…などと、思案しておるのであります)

・・・さて本題です。

最初のシーンは、少女の家出から始まりました。少女は大きなリュックサックを背負い、行き先の分からない長距離バスに乗り込み、難しい顔をしていました。

長距離バスの中は、ほぼ満員です。お勤め帰りのサラリーマンとか、これから旅行に行くような雰囲気の女子大生のグループとか、フリーのシンガー・ソング・ライターのあんちゃんとか、バラエティ豊かな乗客が居ました。

長距離バスは夜の道を走り続けていましたが、やがて物凄い衝撃が来て、その後何も分からなくなりました(=いきなりのブラックアウトという感じ)。少女の肩の上でフワフワしていた自分も、完璧に気絶していたようで、その間のことは分かりませんでした。

やがて気が付くと、バスの中の照明が消えていて、乗客は全員シートの上で寝静まっているのか、物凄く静かでした。少女はパッチリと目が開き、バスの中を見回して「???」状態でした。フワフワと浮いていた自分も、同じように「???」状態で、戸惑ってしまいました

…深海の底のような、青黒い静寂の中を、バスは走り続ける…

少女はずっとバスの床の上で呆然としていたのですが、やがてシンガー・ソング・ライターらしき、ギターっぽいものを抱えていた無精ひげのあんちゃんが少女に気付き、「シートに座りな」と親切に声をかけてきました。

その時、少女の肩の上でフワフワしていた自分は、理由は分からないのですが、いきなりゾッとした気配を感じ、慌てて少女の耳をつかみ、「シートに座るな!寝るな!頑張れ!」などと叫んでいました(=その時の状況からすると、自分は、手乗りインコか、それくらいのサイズに縮んでいたらしい…)。

少女は呆然としたままシートに近づいていましたが、どうやら自分の警告(?)に気付いたようで、無言であんちゃんに首を振って見せて、不安そうな様子で少し後退。あんちゃんは不思議そうな顔つきでした(=うーむ、当然でしょうか…)。

やがてバスは、前方をふさぐように見えてきた白いガードレールを、フワリと飛び越えました。その次に現われたのは…、数千億という星々のきらめく宇宙でした。遥かに遠い星雲の形も、くっきりと見えるのであります。

自分は、「《世界》と《世界》の境界って、宇宙で出来てるのか…」と圧倒されていました

ただ、その星々の境界は一瞬で終わり、長距離バスは、いつの間にか見慣れない海岸のようなところを走っていました。時間的には、夕方に近い午後のようです。いつまでも終わらない黄昏のような、淡い黄色っぽい光があふれている…という雰囲気です。

そしてバスは、走っているうちに消えてしまいました(=どのようにしてバスが消えたのかは夢の中だけに上手く説明できないのですが、ジワジワと、外の光景に心を奪われているうちに、バスから降りたのか降ろされたのか、ともかくも、そういう感じなのです)。

乗客は思い思いに水辺を散策し始めました。少女も水辺に降ろされた状態で、ゴツゴツ岩の海岸と思しき場所を、不安そうに眺めていました。黄色い淡い光の状態といい、植物が見当たらない広漠な水辺の光景といい、どうにも「この世のものならぬ光景」という感覚が抜けないのです。

(恐山のあたりに広がる石だらけの荒野を、だだっぴろい平原に引き伸ばして、広い広い海を向こう側に置いてみたら、ちょうどあんな感じの水辺になるかも知れない)

少女はだんだん切迫感が強くなっていました。ハッと気が付いて背後を振り返ると、時空が歪み出しているのか、それまでバスが走っていた道路やガードレールが、みるみるうちに水辺から遠ざかっていっていたのです。

少女も、少女の肩の上でフワフワしていた自分も、「超ヤバイ!」と思って、慌てて石の上を伝って、ガードレールの上に戻ろうと、走り出しました。

すると不思議なことに、走っても走っても、ガードレールが近くならないのです。全速力で頑張って走っているうちに、石だらけの水辺を抜け出せたのか、幸いにしてなだらかな砂浜になり、足を取られつつも、ガードレール直下の、石で出来た崖に取り付くことが出来ました。

しかし少女は、身体がものすごい勢いで冷え始めており、ぐったりと動かなくなりました(=多分、低体温症というものでは無いかと)。少女の肩の上でフワフワしていた自分は大慌てで、少女の身体をガードレールの上の道路に引き上げようとしましたが、身体のサイズの限界があるのか、なかなか動かせませんでした

そうこうしているうちに、道路の上に大きな象が2頭ばかり、フッと現われました。自分は大変ビックリしました。呆気に取られて見ているうちに、象は鼻で少女を抱え、少女をパクリと丸呑みしてしまいました。肩の上でフワフワしていた自分も一緒に象の口の中に入ってしまい、「これはマズイ」と、象の口の中でジタバタしました。すると象は、何を思ったのか、ガードレールの上の道路に少女を吐き出し、そのまま居なくなりました。

ガードレールの上まで戻るという目的は達したものの、何とも不思議な経過であります

少女はやがて目を覚まし、ヨロヨロと立ち上がり…着ている物や身体全体に、血のような汚れがびっしりと付いていることに気付きました。少女は戸惑いつつ、ガードレールの上から水辺を見やりました。今度はもっと不思議なことに、あれほど遠く離れていると思った水辺との距離が、ずっと縮まっているように見えるのです。ちょっと歩けば、すぐに水辺に到達できそうな感じなのです。

(この辺りは、やっぱり普通の時空構造をしていないようです)

水辺で身体を洗いたいと思いつつも、水辺からガードレール上に戻るときの異様な恐ろしさを思い出して、道路を歩きつつ、逡巡しているらしい少女でした。ちょっとでも水辺に近いところで、ガードレール下に降りた方が良いかも…という感じです。

ガードレールの下を見ながら歩いているうちに、いきなりガードレールの傍の岩の上に、骸骨が現われました。骸骨は、「あんた、死んでないのに良く此処へ来たね」と驚いたように話しかけて来ました。

少女も、少女の肩の上でフワフワしていた自分も、骸骨がいきなりしゃべったのでビックリです。「ここは何処?」と尋ねると、骸骨は「三途の川だよ」と答えてきたので、ますます驚き、かつ混乱してしまいました。「あんた、深夜のバス事故で死んでる筈だが…」と、骸骨は不審そうな表情です(=骸骨に表情があるとは思わなかった…)。

そのうち、骸骨は、少女の肩の上でフワフワしていた自分に気付いて、「あ、成る程…」などと納得している様子でした(=実はこの時に、自分が少女の守護霊をやっていたらしい事に、初めて気付きました)。

「身体が汚れているので水で洗いたいんだけど」と少女は骸骨に聞きましたが、骸骨はカチャカチャと手を振りました(=手も骨だけなので、カチャカチャという音がするのです)、「水に触れたら、あんた帰れなくなるよ…そのガードレールの上と、この水辺とじゃ、時間の流れが違うんだ」

「浦島太郎の話は知ってるだろう?水辺での1分は、現世での1日に相当するんだわ。そして時間のズレがますます広がっていくんだ。浦島太郎の時代は、まだそのズレは穏やかだったがね。今は時間加速のプロジェクトがかかってるから、恐ろしいズレに成長しとるな。あんた水辺に一度は降りたのに、よくガードレールの上まで戻れたねえ。何でだか?」

(ここでの「時間加速のプロジェクト」というのは、どうも最近のスピリチュアル関連で言われている、時間の加速現象の事のようです。…と言いますか、時間加速って、あの世のプロジェクトか何かだったのでしょうか)

〝象が出てきて、その象に食べられちゃったけど、その象が私たちをガードレールの上に吐き出して行ったんです〟と念を送ってみたところ、骸骨はその念をピピッと受け取ったようで、「ああ」などと言っています(この部分は、便利ですね…)。骸骨からお返しの「念」の内容が伝わって来ましたが、インドとか、ゼロ概念とか、輪廻転生とか、よく分からない難しい話だったので、大部分は忘れてしまいました。ですが、ともかく非常にラッキーな出来事だったようです

「まあ、とにかく他の乗客を見てみな…みんな水辺に入って現世のケガレを清め、そして三途の川の向こう側…黄泉の国へ渡るんだ。彼らは1時間ぐらい水に浸かっている…現世だと、50日かな?それとも49日というヤツか?あんたのそのケガレは現世へ戻るために必要だし、現世で生きてる者は、みんなそのケガレを持っている」と説明していました(=ずいぶん話し好きの、親切な骸骨であります…)。「何でか、考えてみな」

…何だかすごく哲学的な話であります…

少女は長い事考えていましたが、10才という年齢には、この問答は難し過ぎたようです。自分は思い当たる事があり、「食物連鎖?」と念を送ってみました。骸骨は「うんうん」と言っています。当たりだったようです。骸骨は少女に、「食物連鎖って知ってるだろ」と説明していました。

「食べるのがケガレになる?」と問う少女。「うん」と答える骸骨。少女は納得していない様子でした(=それは、この年齢からして、当たり前ではありますね…^^;)。

「人間に関わらず、細菌から大型動物に至るまで、生きている者は生きている間だけ、生きている量だけ、ケガレを積み重ねるんだよ」と、妙に教師風な骸骨であります。「あの乗客たちが水辺で落としているケガレが、それなんだ。そこで落とし切れなかった残りのケガレは、閻魔が…いや、各自の中に自前で持っている裁きの神とかいうヤツが、現世に居る内に犯した罪として裁く。裁くという形で清めるらしいね。まあ、人間ならではの罪と言うか、いわゆるヤハウェだか天使だか閻魔大王だかが裁く事になっている罪とか、ああいう内容らしいが、何とも細かいことよ」

「地獄の閻魔大王が裁くんじゃ無いの?」と、何とも常識的な質問をする少女。

「地獄とか閻魔大王とかいうのは多くの人間から良く聞かれるが、ここでは、人間が想像しているものの他には、見たことは無いねえ。人間の想像力が作り出した存在なんじゃ無いの」と答える骸骨であります。「人間の想像力ってのは、ひとつの世界を…宇宙をこさえるくらいの力があるからね。あの世に地獄を設計するくらいだよ、現世にも地獄を作り出すことなんざ、人間に取っちゃ、お手の物だろ?」

(この辺りは、さすがに自分も考えさせられました…)

「長居をし過ぎたぜ」と骸骨。「あんたも現世に戻りな」と手をカチャカチャ。「来た道を戻れば現世に帰れるから、急ぎな。この会話は、生き返っても覚えてるだろ…まあ、個人的なプレゼントと思ってくれて構わないよ」

何とも不思議な骸骨であります。単なる三途の川の渡し守とも思えませんし、一体何者なのか、興味シンシンでありますが…ともあれ、そこで目が覚めたのでありました。少女がどうなったのかは分かりませんが、多分、親元のところに戻っていると思うのであります

以上、不思議な夢の内容でした。今回の夢語りは、ここでおしまいであります

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