詩歌鑑賞「犬吠岬旅情のうた」
犬吠岬旅情のうた/佐藤春夫
ここに来て
をみなにならひ
名も知らぬ草花をつむ。
みづからの影踏むわれは
仰(あふ)がねば
燈台の高きを知らず。
波のうねうね
ふる里のそれには如かず。
ただ思ふ
荒磯(ありそ)に生きて松のいろ
錆びて黒きを。
わがこころ
錆びて黒きを。
PR
〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)
犬吠岬旅情のうた/佐藤春夫
ここに来て
をみなにならひ
名も知らぬ草花をつむ。
みづからの影踏むわれは
仰(あふ)がねば
燈台の高きを知らず。
波のうねうね
ふる里のそれには如かず。
ただ思ふ
荒磯(ありそ)に生きて松のいろ
錆びて黒きを。
わがこころ
錆びて黒きを。