私製詩歌「あじさい」
(新しいバージョン)
緑も深き 木下闇に
五月雨そそぐ 降りそそぐ
あやに群ら咲き 彩るものよ
薬玉 薫(くゆ)る かたちして
誰恋うゆえに 赤にや咲くらむ
誰待つゆえに 青にや咲くらむ
色を定めぬ あじさいの
花に宿るは 天の水
涼しき野辺に 五月雨なおも 降りそそぐ
雨だれを 鳴らしつづける 風神雷神
緑の袖の 梅雨美人(つゆ-びじん)
雨上がり はるか青空 虹かかる
あじさいの如くに 色を定めぬ 天の妙(たえ)
(挿絵イラスト試作)
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(古いバージョン)
緑も深き 木下闇に
静かなるもの あじさいは
ためいきしろく ほの匂う
夢 食(は)む如き 五月雨の
薬玉 薫(くゆ)る かたちして
誰恋うゆえに 赤にや咲くらむ
誰去ぬゆえに 青にや咲くらむ
色も定めぬ あじさいの
雨の水色 妙(たえ)に思ほゆ
水霊(みづち)に巻かれて 色こそ匂え
緑の袖の 梅雨美人(つゆ-びじん)
誰か心を 思わざる――
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