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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

タロット17星

タロット17星

カード・メッセージ=「希望」

主な意味=インスピレーション(霊感)、イマジネーション(想像力)、孤高、新境地、芸術、高い理想、飛躍、羅針盤、遠方旅行、将来性、進展、均衡、知性、教養、良質な情報、ヒント

どこか孤高・孤独の雰囲気を漂わせるカードです

一面の星空の中、果てしなく遠い星を感受しようと精神集中する人物の横顔…そして、何処か高いところから流れ落ちてくる霊感の水を受け止める両手…というイメージで描画。「星」カードが持つ数々の矛盾を意識しました

星と羅針盤は密接な関係にあり、高い境地から物事を俯瞰して見る事が出来る…という状況を指し示しますが、別に「コンステレーション」という心理学的状況を示す事があります

「コンステレーション」は元々「星座」という意味がありますが、とりわけユング心理学においては、「配置」と解釈されるものであります。互いに無関係な星の配置が、星座として意識され意味を持ってくる…それと同じように、無関係に見える物事が、ある出来事を共時的に現出し構成するパターンとして意識されるのです

「偶然の一致」…シンクロニシティ。タロットカード「星」には、その力が付いて回ります

運命の事象と人間の心理とが、高次元の中で織り成してゆくものを、「星」と解釈する事も可能でありましょう。インスピレーションないしイマジネーションは、常に、高い境地から到来してくるものであります。それは宇宙の彼方から到来するのです

北村透谷は『内部生命論』で、以下のような議論を行なっています:

畢竟(ひつきやう)するにインスピレーシヨンとは宇宙の精神即ち神なるものよりして、人間の精神即ち内部の生命なるものに対する一種の感応に過ぎざるなり。吾人の之を感ずるは、電気の感応を感ずるが如きなり、斯の感応あらずして、曷(いづく)んぞ純聖なる理想家あらんや

インスピレーションを生かすも殺すも、その人の知性や教養の状態によります。玉石混淆する情報の中で、如何に良質な情報やヒントを発掘できるかというのも、やはりその人の頭脳や感性、判断力の如何によると申せましょう

逆位置においては、安易な発想、高望み、期待はずれ、頼りなさ、非現実的、独善的、自己中心的、ひとりよがり…などという傾向が出てきます

星カードは正位置/逆位置の落差が大きいカードです(「隠者」カードほど極端では無いけれど、理想や希望をキーワードにする分、落差が大きい)。分裂症、躁鬱性、一貫しない行動、気分屋、神経過敏、悲観、劣等感…という箇所で、「隠者」カードの逆位置と似ていると申せましょう。「隠者」カードが新興カルトの教祖になりやすいカードであるのに対して、「星」カードはその熱心な信者になりやすいカードです

☆タロット連作&解釈の一覧を作成=〔ホームページ更新2013.6.14

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