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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

私製詩歌「時ノ神楽」

天にあまねく
地にあまねく
八百万うつしむ国ぞ

―― 緑なす 花綵(はなづな)の 我らが列島(しまじま) ――

空の彼方を おし渡り
海の彼方を おし渡り
現し御世(みよ)を 揺らぐもの
時ノ神楽を 誰か知るらむ

―― 緑なす 花綵(はなづな)の 我らが列島(しまじま) ――

天にあまねく
地にあまねく
八百万うつしむ国ぞ

我らが美し 現し国
まほろばの ―― 緑の花綵(はなづな)連ねる国ぞ ――

落ち激つ 時の渡瀬
流され命の
幸(みゆき)かなしむ

豊かなれ 日影のほとり
気振り立つ 常世の岬
青葉渦巻け 袖ひるがえれ ……

威烈(タケハヤ)は 真素(ましろ)にして
天照(アマテル)は 真赭(まそほ)なり
今一度(いま-ひとたび)の 時を揺すれ
今一度(いま-ひとたび)の 波を揺すれ

千入(ちしほ)や千入(ちしほ)
命の雫を 括り染め

色いや重(し)きて
匂い立つ
花なる君よ
花照るや君

君 流離(さすらい)の 美し花珠(はなだま)
時渡瀬(とき-わたらせ)に 青らむ星よ
涙の痕こそ血の色に
しとどに濡れて
その白布(しらぎぬ)に浸み透れ ――

天にあまねく
地にあまねく
八百万うつしむ国ぞ
まほろばの 美し列島(しまじま)
玉響(たまゆら)の ―― 星に連なる

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