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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

2009.11.14ホームページ更新

思うところあって、ホームページ全体のデザインを、シックですっきりした感じに作り変えてみました。同時に、リンク先の記事が非公開になって見れなくなっている部分をチェックし、見える方の記事にリンクし直しました。


今回のおまけは、ちょっとしたポエジーの考察です。。。

最初のきっかけは、『世界という大きな書物』(2009.10.30記事)で見かけた、シュトラウスの歌曲の謎めいた歌詞でした。もちろん外国語。外国語オンチなのに、好奇心だけはあります…orz

"Morgen"

Und morgen wird die Sonne wieder scheinen,
Und auf dem Wege, den ich gehenn werde,
Wird uns, die Glücklichen, sie wieder einen,
Inmitten dieser sonnenatmenden Erde・・・

Und zu dem Strand, dem weiten, wogenblauen,
Werden wir still und langsam niedersteigen.
Stumm warden wir uns in die Augen schauen,
Und auf uns sinkt des Glückes stummes Schweigen・・・

杉本秀太郎氏の翻訳(『伊東静雄論』1985筑摩書房166頁)によれば:

>そしてあす、太陽は再びかがやくだろう、
>そして私が辿るだろう道のうえで、
>私たちを幸福なふたりとして、ふたたびひとつにするだろう、
>太陽を呼吸しているこの大地のまっ只中で。
>そして青く波立っている広々とした海辺まで、
>ふたりはしずかにゆっくりとくだってゆこうね、
>だまって、お互いの目を見つめ合おうね、
>するとふたりのうえには、幸福の無言の静寂が沈んでくることだろう。

以上のような内容であると、上記記事に紹介されていました。うーむ。

正直、あまり風流を感じないというか、ポエジーを感じない翻訳であるように思いました。そこで、自分で翻訳してみようと、果てしなくドイツ語オンチ(英語オンチ兼)だけど、独和辞典(インターネット&ペーパー)を片手に、無謀にも、翻訳にチャレンジしてみました。

「朝」(=美月のなんちゃって翻訳=)

そして明日、太陽は再び輝く、
そしてわたしは、道を往く、
太陽は幸あれかし2人を再び1つの影にするだろう、
この太陽を浴びた地球の真ん中で・・・

そして岸辺へ、いちめん青く波立つ岸辺へ、
ひそやかにゆっくりと降りてゆき、
沈黙の中に眼差しを交わす。
そして、運命の静寂(しじま)の底に沈みゆく・・・

感性次第の「なんちゃって翻訳」ですが、自分の解釈は、『曽根崎心中』(入水)の外国版になりますでしょうか。『ロミオとジュリエット』、あるいは『ウエスト・サイド物語』、こういうものはやっぱり、古今東西で人気のある物語ジャンルですね…^^

『ウエスト・サイド物語』は直接には知らないのですが、とても有名なミュージカル作品だそうで、恩師・数学のT先生も、若い頃(独身時代)に、デートでT夫人と一緒に見に行ったかなあ…というような事を、懐かしげにおっしゃっていました(その頃は、映画の全盛期だったみたいです)。

こういう物語ジャンルを含む広いポエジーの範囲を、スーパー読書人・松岡正剛氏は、「負の文化」とか「フラジャイル」という風に定義しているようです。そして日本文化は、そういう「フラジャイル」というものを、とても大事にしてきたのだ…と言っているのを、何らかの本の中で読みました(題名はど忘れです。でも、「フラジャイル」という名前の本もあったと思います)。

日本文化が何故そんな風に発達したのかというと、やっぱり天変地異の多さとか、季節の移り変わりの鮮やかさが、そうさせたのではなかろうか、と思うところなのであります。

2009.11.17追記:マルコ=アムゼルさまより、Morgen(朝)とmorgen(明日)と云う風に、ドイツ語ではニュアンスが異なる事を教えていただきました。ありがとうございます(早速、拙訳を修正しました)^^


FriendFeedコメントより転載

<そして朝、太陽は再び輝く>は、やはり<そして明日、・・・>のほうがいいと思います。ドイツ語は、Morgenと大文字ではじまると「朝」、morgenと小文字ではじまると「明日」と使い分けるからです。 - 丸山光三
《返信》そうなんですか!大文字と小文字で意味合いが変化するなんて、初耳です。ドイツ語は難しい言葉ですね。日が昇るのを見るほうの、夜明けの意味だと思っていました…;^^ゞ
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