忍者ブログ

制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

詩歌鑑賞:チュチェフ「沈黙」

◆チュチェフ(沈黙)

沈黙せよ、隠れよ、そして隠せ
自分の気持ちも夢も――
魂の深みでそれらは
夜の星のように黙々と
昇っては沈むことを繰り返しているがよい
それに見惚れ、沈黙せよ!

心はどうしたら自分を言い表すことができるのか?
他人にお前のことがどうして理解できようか?
お前の生きがいが他人にわかるだろうか?
心に思うことも口に出せば嘘になる
泉を掘り返しても、水をかき乱すだけだろう
ただ泉の水を飲み、沈黙せよ!

自分自身の中で生きることだけができればよい
お前の魂の中には まるまる一つの
神秘的で魔法のような思念の世界がある
その思念を外の騒音がかき消し
昼の光が追い散らしてしまう
それら思念の歌に耳を傾け、沈黙せよ!
PR