「晩夏」多田智満子・鑑賞
「晩夏」多田智満子
祝祭に疲れた夏の
やさしいゆうぐれ
水は澄み
魚は沈んでいる
けだるい腕に
残りの花環をささげ
はやくも夢みている
樹木たち
くちばしに
黒い音ひとつくわえて
最後の鳥は通りすぎた
さらば夏よ
去りゆく足をはやめよ
――星はしずかに水に落ちる――
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〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)
「晩夏」多田智満子
祝祭に疲れた夏の
やさしいゆうぐれ
水は澄み
魚は沈んでいる
けだるい腕に
残りの花環をささげ
はやくも夢みている
樹木たち
くちばしに
黒い音ひとつくわえて
最後の鳥は通りすぎた
さらば夏よ
去りゆく足をはやめよ
――星はしずかに水に落ちる――