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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

イラスト:王家関係のキャラ

当サイトの物語のキャラ、聖麻王と聖麻王子のイラストです。

聖麻王の装束は、五位の役職の人という事で赤のスーツ。聖麻王子はまだ元服しておらず、まあ、体の大きな子供という感じ…(物語のシーンでは侍烏帽子を付けてましたが、あれは実は、背伸びしたいと思って盗んできたのです。親に隠れて、タバコやお酒を試そうとする子供の心理…というものです)

聖麻王子の装束は、水干を参考にしました。三重襷の絹の二藍の水干…というのがあったかどうかは不明ですが、官職としては、五位の収入はえらい金額だったそうですし、作ろうと思えば作れたのでは無かろうか。10代後半の元服直前っぽい年齢の青少年、童水干以上、童直衣以下、の微妙な装束です。聖麻王宮の内部の、私的な宴会とか、「王国政治の見習い」っぽいTPOで使うのかなあ。装束のルールが崩れていた中世ごろには、そういう奇妙な格好もありえたのでは無かろうか…(と、考証してみる…)

物語としては、子供の方がメイン。聖麻王子の初出は「十六夜の章」。

聖麻王国は亡命王国であり、古代からの習慣に従って、花洛の朝廷にて五位朝臣の姓(かばね)を賜り、王国の名にちなんで「聖麻(ショウマ)」という苗字を名乗っています。列島内の領地を持っていないので、「国王」を名乗る事は出来ないのですが(=王族なので、「聖麻(氏)の何某王」と名乗る事だけは出来る。呼称から「国」が抜ける=)、内々ではひっそりと「聖麻王国」を称しています。

王子からの鏡さんへの秘密の書状も、「聖麻王子・唯駆(ユカル)」の名前で出しているのです(=もし、キッパリと五位朝臣・聖麻氏としての立場が変わらないのであれば、シンプルに「聖麻・唯駆」と書けば良い=)。

聖麻王宮における「聖麻王国」と、花洛朝廷における「五位朝臣・聖麻氏」のダブルスタンダードの扱い…、この辺りの混乱が、鏡さんの悲劇と戈郎さんの動揺を引き起こしている…という設定となっています。

そして、亡命王国であり今来の渡来人であると言う微妙な立場、そして激変する大陸情勢とのつながり…色々と陰謀めいた物語の舞台セットを用意していますが、基本的に、上が混乱すれば下も混乱するのですね。逆もまた真なりです。

ユカル王子は性格が歪んでおり、いわゆる、思いっきり甘やかされた、傲慢でワガママな御曹司です。今で言えば暴走族っぽい危なっかしい少年ですが、彼にも彼なりの事情があるかもという感じ(=暴走族っぽい、とは言っても、実際に馬に乗って暴走するかどうかは不明です…が、やっぱり昔の暴走族って、オートバイの代わりにお馬さんに乗るのかな…)

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