詩歌鑑賞:謝朓
- 晩登三山還望京邑詩/謝朓
- 灞涘望長安
- 河陽視京縣
- 白日麗飛甍
- 參差皆可見
- 餘霞散成綺
- 澄江靜如練
- 喧鳥覆春洲
- 雜英滿芳甸
- 去矣方帶淫
- 懷哉罷歡宴
- 佳期悵何許
- 涙下如流霰
- 有情知望郷
- 誰能鬒不變
- 《読み下し》晩(ひぐれ)に三山に登り、還って京邑(みやこ)を望む
- 灞(は)の涘(ほとり)より長安を望み
- 河陽より京縣(みやこ)を視(み)る
- 白日は麗(うるわ)しく甍(いらか)に飛び
- 參(たかき)も差(ひくき)も皆(ことごと)く見る可(べ)し
- 餘霞(よか)散じて綺(き)と成り
- 澄江(ちょうこう)靜かなること練(れん)の如し
- 喧鳥(けんちょう)春洲(しゅんしゅう)を覆い
- 雜英(ざつえい)芳甸(ほうでん)に滿つ
- 去らんかな 方(まさ)に帶淫(たいいん)せり
- 懷しきかな 歡宴(かんえん)罷(や)めたるを
- 佳(よ)き期(とき)は何許(いつ)なるかと悵(うれ)い
- 涙下ること流るる霰(あられ)の如し
- 有情 望郷を知るものぞ
- 誰(たれ)か能(よ)く鬒(くろかみ)を變(か)えざらん
- 《解釈》夕暮れに三山に登る
- 灞水(はすい)の岸辺より長安を望み
- 河陽より京縣(みやこ)を遥かに眺めやる
- 白日の光は甍(いらか)に散乱反射して
- 高く低く続く屋根の連なり
- 名残りの夕焼けは散じて綺(あやぎぬ)となり
- 澄める江(おおかわ)は静かなること練(ねりぎぬ)の如し
- 喧(かまびす)しき鳥は春の洲(なかす)を覆い
- 雜(まじ)れる英(はなばな)は芳(かぐわ)しき甸(のやま)に滿つ
- 去らんかな 長居しすぎた野辺よ
- 懐かしきかな 過ぎ去りし楽しき宴よ
- 再びの時は何許(いつ)なるかと憂い
- 涙は下りて霰(あられ)の如く流れる
- 情(なさけ)有れば望郷の心を知ろう
- 誰が黒髪を変えずに居られよう
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