2024年11月の時事情勢メモ
■日本の国会議員にIR事業で贈賄-米司法省、中国企業元CEOを起訴(朝日新聞2024.11.19)
https://www.asahi.com/articles/ASSCM32GXSCMUHBI019M.html
米司法省は18日、日本での統合型リゾートIR事業に絡んで日本の国会議員らに賄賂を渡したとして、中国のオンライン賭博業者の元最高経営責任者CEOを海外腐敗行為防止法違反などの罪で起訴した。同省の発表によると、起訴されたのは中国・深圳に本社のある「500ドットコム現ビットマイニング」のCEOだった潘正明被告。潘被告は日本での大規模IR計画で2017~19年に、賄賂目的でコンサルタントに190万ドル=約2.9億円を仲介させたとされる。賄賂は現金のほか、旅行や接待、贈答品だった。潘被告はコンサルタントと偽の契約を結び、賄賂の支払い隠蔽も図ったという。500ドットコムはニューヨーク証券取引所に上場しており、米司法省が捜査。日本の当局も協力したという。
(コメント:日本国内の反社会的勢力にマネーが流れたのか、気になるところ)
■500ドットコム元CEO、米当局が起訴 海外腐敗行為防止法違反(トレイシー2024.11.20)
https://www.traicy.com/posts/20241120320494/
アメリカ司法省は、ニュージャージー州の連邦大陪審がBITマイニング(旧500ドットコム)の潘正明元最高経営責任者CEOを海外腐敗行為防止法違反の容疑などで起訴したとして、起訴状を公開した。潘元CEOは日本でのカジノを含む統合型リゾートIRの進出にあたり、日本政府関係者に対して、現金やプライベートジェットによる旅行、接待、高級ブランド品などの、約200万米ドル相当の賄賂を贈ることを認識、指示し、隠蔽したとされる。アメリカ連邦捜査局FBIの国際汚職捜査班が捜査にあたり、日本の捜査当局も支援した。BITマイニングの財務状況と量刑ガイドラインに基づき、法人には5400万米ドルの罰金を課す見通しだったものの、支払い能力がないことが証明されたことから1000万米ドルとし、並行して行われている捜査の解決に協力することを条件に、最大400万米ドルを減額する。3年間の起訴猶予協定も締結した。この事件では、東京地検特捜部が秋元司元衆院議員を逮捕し、今年3月に東京高裁は懲役4年の実刑判決を下している。
■経済版2プラス2創設、英国との関係一層発展を=林官房長官(ロイター2024.11.19)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/GUDTNQ54GBI3DAOX463CH6L2A4-2024-11-19/
林芳正官房長官は19日の閣議後会見で、ブラジル訪問中の石破茂首相がスターマー英首相との会談で日英経済版2プラス2閣僚会合の立ち上げで一致したことを明らかにした。経済・貿易分野を中心とした協力などを議論する枠組みで、林官房長官は、今後もグローバルな戦略的パートナーである英国との関係を一層発展させていきたいと語った。会談は現地時間18日に行われた。日本は米国との間で外務・経済閣僚による経済政策協議委員会(経済版2プラス2)を設けている。
■ランサム集団「フォボス」摘発 国際共同捜査で運営者訴追-警察庁(時事通信2024.11.19)
身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」を使い、世界各国の重要インフラに被害を与えたグループ「Phobosフォボス」の運営者の男42ロシア国籍が米司法省に訴追されたことが19日、警察庁への取材で分かった。同省が主導した国際共同捜査に日本警察も参加してIPアドレスを解析し、男の割り出しなどに協力した。警察庁によると、男は攻撃者らへのランサムウエアの販売や配布、運用を主導した疑いがある。韓国で身柄を確保され、米国に引き渡された。日本警察は、IPアドレスを解析するなどの独自捜査で男の割り出しに成功。他国の協力を得ない独自捜査によるランサムウエア運営者の割り出しは初めてという。フォボスを巡っては、2022年に大阪市内の病院がサイバー攻撃を受けるなど、国内では20年以降、少なくとも約70件の被害が確認されている。世界で10000以上の公共機関や民間企業が標的になったとされ、身代金が奪われるなど被害額は1600万ドル(約24億6000万円)以上に上る。
(コメント:超・グッジョブ。「悪の種は尽きまじ」と言われるとおり、これからも続々出て来るかと思いますが、キッチリ取締りがなされるよう祈ります)
■対話維持、重要性を確認 習氏、トランプ氏と協力意向-関係進展「誇り」とバイデン氏・米中首脳会談(時事通信2024.11.17)
バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は16日、ペルーの首都リマで会談した。両首脳は人工知能AIに核兵器使用の判断を任せず人間が制御することを確認。競争が激化する両国関係を適切に管理するため「戦略的な意思疎通のチャンネル」を通じて対話を維持し活用することが重要だとの認識で一致した。米中両政府が発表した。バイデン政権下で、両首脳が対面で会談するのは2022年のインドネシア-バリ島、昨年の米サンフランシスコ近郊に続き3度目。首脳会談は1時間40分で終わり、来年1月に退任するバイデン氏にとって今回が最後の機会となった。習氏は会談冒頭「米大統領選を経ても関係安定化を目指す考えは変わらない」と強調し、対中強硬路線を掲げるトランプ次期政権とも対話を継続し、協力を維持する方針を表明した。ただ、米中経済の「デカップリング分断」は「解決策にならない」と指摘。対中関税の大幅引き上げを訴えるトランプ氏の主張を念頭に、米国が保護主義に傾くことをけん制した。バイデン氏は自身の政権下で米中関係が進展したことを「誇りに思っている」と語った。両国は世界で「最も重要な関係だ」と説明した上で「他の地域にも影響を与える」として関係安定化の意義を強調した。両首脳は会談で、AIのリスクや安全向上に取り組む必要があるとの考えで一致。軍事分野におけるAIの技術開発の危険性を慎重に見極めるべきだと表明した。バイデン氏は、ロシアに派遣された北朝鮮部隊がウクライナとの戦闘に参加したことを非難。ウクライナでの紛争が激化するのを防ぐため、中国が北朝鮮に対して影響力を行使すべきだと強調した。習氏は「核心的利益の中の核心」と位置付ける台湾問題に関し「(越えてはならない)レッドラインだ」と従来の主張を繰り返した。南シナ海問題では、フィリピンなど当事国同士の協議で解決する方針を強調。米国の関与にくぎを刺した。米側はいずれの問題でも「平和と安定」が重要だとして、互いの主張は平行線に終わった。
■中東でまん延する薬物カプタゴン、紛争・犯罪を助長-シリアのアサド政権やレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの収入源に(2024.11.15ウォールストリートジャーナル)
中東では、緊急の対応を必要とするもう一つの紛争がシリアとヨルダンの国境で展開されている。覚醒剤のアンフェタミンに似た「カプタゴン」と呼ばれる薬物との戦いだ。カプタゴンは社会階級や国境を超えてまん延している。深夜シフトのタクシー運転手や勇気を奮い立たせたい民兵組織の戦闘員、試験に向けて勉強する学生、長時間働いたりパーティーを楽しんだりしたい企業幹部など、使用者はさまざまだ。背後には巨額に上る薬物取引が絡んでおり、中東での紛争を助長している。密輸による資金はイランが支援する民兵組織の収入源となっている。レバノンを拠点とするヒズボラもそうした組織の一つで、収入の大半をイスラエルとの戦闘で使う武器に充ててきた。カプタゴンはまた、シリアのバッシャール・アサド大統領を支えている。世界的な巨大麻薬組織に成長したアサド政権にとって、カプタゴンは西側による厳しい経済制裁の影響をある程度緩和する役目を果たしている。
(コメント:世界各国が協力して壊滅させようとしている新興の麻薬ルートとの事。悪のタネは尽きまじ、というところでしょうか)
■独ロ首脳が電話会談 ウクライナは反発(時事通信2024.11.16)
ドイツのショルツ首相とロシアのプーチン大統領は15日、電話で会談し、ロシアが侵攻を続けるウクライナ情勢について協議した。独ロ首脳の会談は2022年12月以来。両国が発表した。ショルツ氏は侵攻停止とロシア軍撤退を要求し「公正かつ永続的な平和」に向けた交渉を訴えた。一方プーチン氏は外交的解決に前向きだとしつつ「新たな領土の現実」に基づいた交渉が必要だと主張。占領地の返還には応じない構えをみせた。ウクライナのゼレンスキー大統領は電話会談を受け、独側から事前通告があったと認めた上で「パンドラの箱が開いた」と指摘。プーチン氏の国際的な孤立が緩みロシアに有利な流れにつながりかねないとして、不快感をにじませた。ウクライナ情勢を巡っては、最大の支援国である米国のトランプ次期大統領が来年1月の就任前に戦争を終わらせると豪語。ウクライナに不利な譲歩を迫る可能性があると懸念されている。ポーランドのトゥスク首相は15日、X旧ツイッターでショルツ氏から会談内容を伝えられたと明かし「『ウクライナ抜きでウクライナのことを決めない』という立場を繰り返したと聞き納得している」と理解を示した。
■トランプ関税、独経済生産を1%押し下げも=連銀総裁(ロイター2021.11.13)
https://jp.reuters.com/economy/inflation/2GDCS3VLLFLS7CPUXNFRORVNYQ-2024-11-13/
ドイツ連邦銀行(中央銀行)のナーゲル総裁は、トランプ次期米大統領の掲げる関税引き上げが実行に移されれば、ドイツの経済生産が1%押し下げられる可能性があるとの見方を示した。13日公表された国内紙ツァイトとのインタビューで述べた。今年と来年のドイツの経済成長はすでに低迷が予想されており「新たな関税が実際に導入されれば、マイナス圏に沈む恐れさえある」と発言。総裁によると、今年はプラス成長を見込めず、来年の成長率も1%未満になる可能性が高い。ドイツの雇用市場の見通しにも懸念を表明。「製造業で失われている雇用は、以前のように簡単にはサービス業の新規雇用で補えない可能性がある」と述べた。欧州中央銀行ECBの現在の金利の道筋が適切だとも発言。「われわれは誇張しているわけではない。依然として物価圧力が目立つ。主にサービス部門の賃金に起因するものだ」と述べた。
■経済版「2プラス2」新設へ 米保護主義対抗で連携 日英(時事通信2024.11.13)
日英両政府が、外務・経済閣僚による政策協議委員会(経済版2プラス2)を新設する方向で調整していることが13日、分かった。トランプ次期米政権が高関税導入など貿易保護主義傾向を強めることへの警戒感が高まる中、日英が連携して対抗することが狙い。関係者が明らかにした。石破茂首相とスターマー英首相は、ブラジルのリオデジャネイロで18~19日に開かれる20カ国・地域首脳会議G20サミットに出席する予定。両首脳はその機会に新設に向けた合意を目指す。日本の経済版2プラス2は、2022年に米国と設置したものに次いで2カ国目となる。トランプ氏は米国の同盟国である日英を含め、すべての国からの輸入品に10~20%、中国からの輸入品には60%の関税を課すと主張している。実際に関税が導入されれば世界経済への悪影響は避けられないと指摘されている。新設を目指す2プラス2では、日英両政府が安全保障や経済分野の協力強化をうたった共同文書「広島アコード」を踏まえ、トランプ政権が保護主義的な政策を打ち出した際の対応策などを話し合う。英国は欧州連合EUからの離脱後、経済通商分野ではインド太平洋地域との結び付きを強めている。こうした中、自由貿易といった価値観を共有する日本との関係強化を重視している。
■革マル派アジト、詐欺容疑で捜索 コロナ給付金不正受給か-警視庁(時事通信2024.11.12)
過激派組織「革マル派」の活動家らが新型コロナウイルス対策の給付金などを不正に受給した疑いが強まり、警視庁公安部は12日、詐欺容疑で、東京都新宿区や町田市にある革マル派のアジトなどを家宅捜索した。捜査関係者によると、不正受給したとみられるのはアジトに住む大学生ら20~30代の活動家数人。2022~24年、新型コロナ対策臨時給付金や物価高対策支援金の申請を巡り、支給対象外となる親の扶養下にあるにもかかわらず、うその申請書を自治体に提出し計数十万円を詐取した疑いがあるという。公安部は、不正受給した金が革マル派本体に上納されたり、活動資金に充てられたりした可能性もあるとみて、金の流れを調べる。
(コメント:地下組織が、政府の慈悲=支給金に頼ったという点で笑えるのですが、資金不足なのかな?と思われるところ)
■第2次石破内閣が発足へ30年ぶり決選投票で再指名-特別国会(時事通信2024.11.11)
10月の衆院選を受けた第215特別国会が11日召集され、石破茂首相(自民党総裁)が衆参両院で第103代首相に指名された。皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て、夜に第2次石破内閣が発足。首相は首相官邸で記者会見し今後の政権運営について見解を示す。衆院で少数与党となり、第2次石破内閣は政策面や国会対応で野党の主張への配慮が不可欠となる。来年夏の参院選を見据え、国会での与野党の攻防が激しさを増しそうだ。衆院本会議での首相指名選挙は、1回目の投票で過半数を得た者がなく、石破氏と立憲民主党の野田佳彦代表による30年ぶりの決選投票に進んだ。決選投票の結果は石破氏221票、野田氏160票、無効84票で、石破氏が首相に再指名された。特別国会は14日までの4日間。政府・与党は11月下旬~12月初旬に臨時国会を召集し、総合経済対策の裏付けとなる2024年度補正予算案の年内成立を目指す方針だ。首相は衆院選で落選した牧原秀樹前法相、小里泰弘前農林水産相の後任に、それぞれ鈴木馨祐衆院議員47、江藤拓元農水相64を充てた。公明党代表に就任した斉藤鉄夫前国土交通相に代わり、同党の中野洋昌衆院議員46を起用。他の閣僚は再任した。衆院は11日の本会議で、議長に自民の額賀福志郎氏80、副議長に立民の玄葉光一郎氏60を選出し、参院は自民の関口昌一氏71を議長に選んだ。
■電話5分「首相の配慮」トランプ氏会談で自民幹部(共同通信2024.11.10)
自民党の小野寺五典政調会長は10日のフジテレビ番組で、石破茂首相とトランプ次期米大統領との電話会談が約5分間で終わったのは、首相の気遣いによるものだったと明らかにした。「トランプ氏はもっと話したかったようだが、会合を中座して出てきてくれていた。首相が配慮し、早めに戻ってもらった」と述べた。他国と比べ、首相とトランプ氏の会談時間が短いとの見方が出ていた。小野寺氏は、トランプ氏が日本の自動車への関税を引き上げる可能性が高いと指摘。「日本は同盟国であり、ライバルの中国とは違うと再認識してもらうことが大事だ」と語った。
■次期戦闘機開発にゴーサイン英政府、計画維持を決定-報道(時事通信2024.11.09)
英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は8日、日英伊3カ国による次期戦闘機の共同開発について英政府が計画を従来通り進める方針を決めたと報じた。巨額の開発費が見込まれることから、7月に発足したスターマー新政権が包括的な防衛政策見直しの一環として是非を検討していた。同紙が政府関係者の話として伝えたところによると、スターマー首相が議長を務めた5日の会合で、閣僚らが計画を維持することで合意した。正式な発表は数週間以内に行われる見通しだという。
■自衛官の再就職強化 年内に政府基本方針(時事通信2024.11.08)
政府は8日、自衛官の処遇改善に関する関係閣僚会議(議長・石破茂首相)の第2回会合を首相官邸で開いた。多くの隊員が一般の官公庁より早く定年を迎える事情を踏まえ、再就職支援を強化することを確認。給与体系の見直し、生活環境の充実と併せて年内に策定する基本方針に盛り込むとし議論の加速を申し合わせた。首相は関連施策を2025年度予算案に反映させると説明。その上で「どれほどの成果が上がったか、きちんと検証しなければならない」と述べ引き続き議論していく意向を示した。閣僚会議では再就職支援に関し、技能や経験を勘案して国家資格や民間資格の取得手続きを簡素化する案が提起された。再就職に当たって危機管理などの知見を生かせるよう各種業界や地方自治体と連携していくことでおおむね一致した。
(コメント:石破首相グッジョブ。自衛隊メンバーの生活環境などの処遇改善が進行)
■予算委員長ポスト、野党に-自民譲歩、特別国会14日まで(時事通信2024.11.07)
自民、立憲民主両党は7日、衆院選での与党過半数割れを踏まえ、衆院予算委員長ポストを野党に割り当てることで合意した。予算委員長は政府予算案の審議の他にも国政に関する幅広いテーマの議事を取り仕切る重要ポストで、これまで自民のベテランが務めてきた。石破政権の国会運営が険しさを増すのは必至とみられる。自民の坂本哲志国対委員長と立民の笠浩史国対委員長が同日午前、国会内で会談。予算委員長は野党に譲る一方、本会議の議事を担う議院運営委員長ポストは自民が引き続き担うこととした。11日に召集される特別国会の会期については14日までの4日間とすることで一致した。野党は特別国会中の議事を首相指名選挙にとどめず、石破茂首相が自民総裁選で約束した予算委や政治倫理審査会の開催に応じるよう要求してきた。ただ、自民が特別国会閉会後、早期に臨時国会を開く方針を示したことを受けて譲歩した。
■支持率19%の韓国大統領、夫人の相次ぐスキャンダルに「心からおわび」…与党候補の公認に不当介入疑惑も浮上(読売新聞2024.11.07)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20241107-OYT1T50217/
韓国の尹錫悦ユンソンニョル大統領は7日の記者会見で、金建希キムゴンヒ夫人を巡るスキャンダルについて「私の周辺のことで国民に心配をかけた。心からおわび申し上げる」と頭を下げて謝罪した。金夫人は、知人の会社の株価操作に関与した疑惑や不法に高級ブランドバッグを受け取った疑惑が指摘され、政権への逆風が強まっていた。最近では、大統領夫妻が国政選挙で与党候補の公認に不当介入したとの疑惑も浮上していたが、記者会見で尹氏は「不適切なことをしておらず、隠すことはない」と否定した。韓国ギャラップが今月1日に公表した世論調査で、10日で5年間の任期の折り返しを迎える尹氏の支持率は就任以来、最低となる19%を記録した。保守系与党「国民の力」からも、疑惑を巡り尹氏の謝罪や大統領府人事の刷新を求める声が上がっていた。左派系最大野党「共に民主党」は、金夫人を巡る疑惑を政府から独立した特別検察官に捜査させる法案の成立を目指す方針で、攻勢を強めている。
■石破首相、サイバー法案の早期提出指示 有識者会議で最終提言へ(時事通信2024.11.07)
石破茂首相は7日、平将明サイバー安全保障担当相と首相官邸で面会し「能動的サイバー防御」を導入する関連法案に関し早期の国会提出を指示した。「可能な限り早期の法案提出に向け作業を迅速に進めてほしい」と述べた。平氏が面会後、記者団に明らかにした。政府は法案について年内に見込まれる臨時国会への提出は見送る方向だ。平氏は法整備の課題を整理する政府有識者会議について「議論を加速し最終提言をもらうよう進める」と記者団に述べた。同会議は8月に中間整理をとりまとめた。
(コメント:石破首相グッジョブ。着実な進行に期待)
■ショルツ連立政権が崩壊 来年3月、前倒し総選挙-ドイツ(時事通信2024.11.07)
ドイツのショルツ連立政権が6日、崩壊した。連立与党3党の一角を占めた自由民主党FDPが政策の不一致を理由に離脱。ショルツ首相は、来年1月15日に連邦議会に自身の信任案を提出する意向を表明した。否決で不信任となって議会解散に至り、9月に予定されていた連邦議会選挙が3月に前倒しされる公算が大きくなった。独経済は今年、2年連続のマイナス成長を記録すると予想され、立て直しが急務となっている。連立内では、ショルツ氏の社会民主党SPDと緑の党が大規模な財政出動を唱えているのに対し、FDPは財政規律の堅持を主張。対立が激化し、政権運営は行き詰まっていた。ショルツ政権はFDP離脱で少数与党に陥るが、年内は継続し、2025年度予算案の成立を目指す。3党の支持率はいずれも21年12月の連立発足以来、低迷している。中でも今年9月の東部3州議会選で議席を一つも獲得できなかったFDPは、党勢回復に向け独自の主張を強めていた。
■希土類の価格上昇、ミャンマー産供給停止で(NNA2024.11.06)
https://www.nna.jp/news/2724489
ミャンマーで激化する内戦を背景に、希土類レアアースの国際価格が上昇する見通しとなっている。同国で産出されるレアアースの量は全世界の半分超を占める。イレブン電子版が4日、中国共産党機関紙の国際版、環球時報グローバル・タイムズの報道を基に伝えた。報道によると、中国国営レアアース大手の中国北方希土(集団)高科技は今月、レアアース価格を引き上げると発表した。独立系アナリストは環球時報に対し、ミャンマーの現状を踏まえるとレアアースの市場価格は上昇し続ける可能性が高いと話した。中国は1~9月、総輸入量の74.9%に相当する3万1000トンのレアアース酸化物をミャンマーから調達した。香港のサウスチャイナ・モーニングポストSCMPは4日、中国は米国や欧州連合EUとの貿易戦争が激化した場合、レアアースの輸出を規制する可能性があると報じた。中国は世界のレアアース加工能力の90%を有し、世界生産量の60%を占めている。
■ミャンマー武装勢力、レアアース採掘地を占拠 世界シェア3位 中国経由の供給網に懸念(日本経済新聞2024.11.06)
世界3位の希土類レアアース産出国ミャンマーで、国軍に抵抗する武装勢力が主要な採掘地域を占拠した。レアアースは電気自動車EV向けなどで需要が高まる。同国産の大半を輸入・精錬する中国を通じたサプライチェーン供給網が揺らぎかねない。
■欧州金融機関、イスラエル企業から撤退 人権侵害リスクなどで(ロイター2024.11.06)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/5JS2QLXLXJINRBZ3ZUWOG5OKK4-2024-11-05/
欧州の一部金融機関は、パレスチナ自治区ガザでの紛争を巡りイスラエル企業やイスラエルと関係がある企業とのつながりを断とうとしている。ロイターが関連資料などを分析して明らかになった。ウニクレディトは昨年10月に紛争が激化する中、イスラエルを「禁止」リストに加えた。ノルウェー金融大手ストアブランドと仏保険会社アクサは銀行など複数のイスラエル企業の株式を売却した。アイルランド戦略投資基金はイスラエル企業6社から撤退し、イスラエルの大手銀行を含む約300万ユーロ(326万ドル)の株式を売却した。広報担当者がロイターに語った。ストアブランドの運用子会社ストアブランド・アセット・マネジメントは、米データ解析企業パランティア・テクノロジーズへの投資について、国際法違反や人権侵害を犯すリスクがあるとして投資を停止した。ストアブランドは約1兆クローネ(約915億3000万ドル)の資産を運用している。持続可能な資金調達に重点を置くグローバル・アライアンス・フォー・バンキング・オン・バリューズのエグゼクティブディレクターであるマーティン・ローナー氏は「これが業界におけるシフトの始まりなのか、銀行が資本を配分する場所とそうでない場所を選択する力があることを認識するものなのかはわからない」と述べた。イスラエルへの海外直接投資は2023年に29%減少し2016年以来の低水準となった。
■日中高官、首脳会談を調整-戦略的互恵の推進確認(共同通信2024.11.04)
秋葉剛男国家安全保障局長は4日、中国の王毅外相と北京で会談した。秋葉氏は会談後、日中の共通利益を拡大する「戦略的互恵関係」を推進するという方向性を両国が共有していることを確認したと記者団に述べた。南米で今月開催される国際会議に合わせて調整している日中首脳会談に向け、両国間の課題や協力の協議を進めた。両氏の会談は約4時間半に及んだ。秋葉氏は首脳会談を念頭に「ハイレベルの意思疎通の在り方について突っ込んだ議論を行った」と記者団に強調した。日中双方が外相を含む両国間のあらゆるレベルで重層的な対話を継続する方針で一致したことも明らかにした。ウクライナ侵攻を続けるロシアへの北朝鮮兵派遣をはじめロ朝間の連携強化については「深刻な懸念」を王氏に伝えたという。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に伴う中国の日本産水産物輸入停止を巡り、日中両政府は中国による輸入を再開する方針で合意したと9月に発表しており、秋葉氏は輸入再開に向けた具体的な検討を加速するよう王氏に求めた。
(コメント:深い分野での話し合い・腹の探り合い・腹芸という部分は進んでいない模様?)
■米国に営業実態ない株式会社、沖縄県議会委が事務所関連経費含む決算不認定「支出の正当性覆す事態」(読売新聞2024.11.02)
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20241102-OYTNT50042/
沖縄県が米ワシントン事務所を運営するため、営業実態のない株式会社を米国に設立し、駐在職員を「社長」として就労ビザ(査証)を取得していた問題で、沖縄県議会の決算特別委員会は1日、この手続きを問題視し、同事務所関連経費を含む2023年度一般会計決算を不認定とした。本会議で不認定となっても決算の効力に影響はないが、今後の県の説明次第では事務所の廃止が議論される可能性があり、来年度予算の審議に影響しそうだ。事務所は15年、県が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対などを米側に直接訴えるために開設。米政府関係者や連邦議会議員らとの面談を調整する拠点となっている。決算委では、手続きを明らかにしていなかった県に対し、6月の県議選で多数派に転じた自民党会派などから「 隠蔽ではないか」「丁寧な説明が必要」との声が相次いだ。玉城デニー知事は「資料を取り寄せ、弁護士らに確認するよう指示している」と答弁し、調査して手続きが適正かどうか報告する考えを示した。採決では、事務所廃止を主張する同会派が「支出の正当性を根底から覆す事態」と訴え、賛成少数で不認定とした。月内に開かれる見込みの本会議で不認定となる公算が大きく、来年度の予算編成に向けても少数与党の玉城県政は難しい対応を迫られるとみられる。
(コメント:絵にかいたような、権力者の巨悪な独裁の裏金ビジネス。「戦後レジーム脱却」実行者・安倍元総理が暗殺されたのも、岸田元総理が暗殺されかけたのも、このあたりの「黒い金」が伏線となっていそう。国際情勢が激変して、戦後社会の闇だった色々な特権的な要素が、あぶり出されているかと思案…)
https://x.com/vossan_zig/status/1852465874495807792/@vossan_zig>何がやべえって、これ「ガチに本物の税金横領裏金作り」のスキームとして利用出来る、利用されたとしてもバレない組織を、よりにもよって「県知事・県庁・当時の議会与党が結託しての偽装行為」で作ったってこと。しかも、帳簿がないとか完璧に真っ黒です。県知事辞任は当然、関係者全員逮捕レベル。
■沖縄県が米国に営業実態ない株式会社、駐在県職員のビザ取得目的で「社長」も兼職…基地問題の発信拠点(読売新聞2024.10.30)
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20241030-OYTNT50012/
沖縄県が米ワシントンに開設した事務所を運営するため、営業実態のない株式会社を米国に設立し、駐在の県職員を「社長」などとしていたことがわかった。事務所は米軍基地問題の県の主張を発信する拠点で、米国務省から「政治的」として事業者登録に難色を示されたため、駐在職員の就労ビザ(査証)を取得できる手法として取り入れたという。識者は「自治体の組織は外見上も非営利でなければならず、問題のある手法」と指摘している。県によると、同事務所は 翁長雄志知事(故人)時代の2015年4月、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対などを米側に伝える目的で開設された。ここを拠点に駐在職員らが23年度までに、米政府関係者や連邦議会議員、有識者ら約5800人と基地問題などについて面談や意見交換を行った。玉城デニー知事訪米時の案内役も担っており、現在は職員2人が常駐している。当初は政府や議会に働きかける「ロビー活動」を目的に、非課税事業者として「ワシントン事務所」の名称で事業者登録を目指したが、米国務省から「事業内容が沖縄県のための政治的活動にあたる」との指摘を受け、断念した。米国のコンサルティング業者経由で米国弁護士から助言を受け、駐在職員が就労ビザを取得できる方法として、県が100%出資する株式会社設立に至ったという。社名は英語で「株式会社 沖縄県ワシントン事務所」としている。駐在職員は、企業の転勤者向けに発給される「L」ビザを取得。申請書類には身分を株式会社の社長などと記載して提出し、業務内容については基地問題に触れず、「国際関係、国際通商を扱う日本の行政機関」と記載して審査を通過していた。同社はビザ取得のために便宜的に設立した会社で、実態は県職員が公務員として業務に当たっている。県は、事務所家賃や弁護士・会計士費用なども含むコンサル業者への委託料として約7000万円を予算計上。駐在職員の給与など約3000万円と合わせて、年間経費は約1億円に上る。一方、職員は形式上、公務員と会社員の「兼職状態」となっている。地方公務員法には兼職禁止規定があるが、県は一時的な退職や出向の形も取っていない。県側は「営利目的ではないので、兼職とは認識していない」としている。県はこうした手法で職員が駐在していることを明らかにしておらず、県議会の辺野古移設を容認する自民党会派が問題視。常任委員会で議論されている。米国には複数の自治体が事務所を設置しており、兵庫県は職員が県の外郭団体に出向した上で、現地に設置した文化、経済事業を行う非営利団体で勤務している。同県の担当者は「県が全額出資の株式会社を作るのは違和感がある」と語った。神戸市も兵庫県と同様の形態を取っており、株式会社は検討していないという。沖縄県基地対策課の長嶺元裕課長は「株式会社の設置等については(現地の)弁護士の助言を得ており、県としては適切に手続きを行った」と説明している。元内閣府参与で北海道大の宮脇淳名誉教授(行政学)は「たとえ形式上でも、公務員が営利企業の社長を兼務するという発想は県民(の感覚)と隔たりがある」と指摘。その上で「県民が仕組みを知らないまま続けてきたのは、ガバナンス上問題がある。沖縄県が政治的に難しい事情を抱えているのは理解できるが、県民や議会に積極的に説明すべきだ」と話す。
■ロ朝外相が会談 勝利疑わず「同志の隣に立つ」-モスクワ(時事通信2024.11.01)
ロシア外務省によると、ラブロフ外相と北朝鮮の崔善姫外相が1日、モスクワで会談した。崔氏がラブロフ氏と会うのは9月の訪ロ時以来。ウクライナに侵攻するロシアを支援するため北朝鮮が派兵した問題に対し、西側諸国が「重大な懸念」(日米韓高官)を示す中、間を置かずに面会した。タス通信などによれば、崔氏は会談冒頭、ロシア軍の勝利に疑いがなく「同志の隣にしっかりと立つ」と述べた。事実上、派兵を認めたように響く発言だ。一方ラブロフ氏は、6月にプーチン大統領と金正恩朝鮮労働党総書記が署名した有事の相互支援をうたう「包括的戦略パートナーシップ条約」について、欧州とアジアを合わせたユーラシア大陸の安全保障に資すると主張。ロ朝の軍と情報機関の間に緊密な連携が確立されているとして歓迎した。
■能登、地震と豪雨で断水長期化 仮復旧も本格修復見通せず(共同通信2024.11.01)
能登半島地震では石川県内の水道施設が大きな打撃を受け、最大約11万戸が断水した。県は5月末に「おおむね解消した」としたものの、9月の記録的豪雨により再び長期間の断水を余儀なくされた地域もある。解消した地域も、多くは応急措置による仮復旧の状態で、本格的な修復の見通しは立っていない。半島北部の輪島市や珠洲市では、地震による土砂災害などの影響で早期復旧が困難な地域が残る。9月の豪雨でも橋に敷設された水道管が流失するなどの被害があり、再び最大5千戸超が断水した。10月28日時点でも731戸で水道が使えない状況となっている。
■大阪万博、全ての海外館が着工へ 47カ国目マルタにメド(日本経済新聞2024.11.01)
2025年国際博覧会(大阪・関西万博)で、参加国が独自にパビリオンを建設する「タイプA」全ての着工にメドがたった。日本国際博覧会協会幹部が1日「(最後に残った)47カ国目はそう遠くないうちに着工する」と述べた。タイプAは人件費や資材価格の高騰を背景に参加国とゼネコンの契約交渉が難航し、建設の遅れが問題となってきた。当初60カ国が建設を予定したものの、12カ国が共同利用型の「タイプC」や、協会が建設を代行する簡易型の「タイプX」に移行。経済危機に直面するアルゼンチンなど3カ国が撤退した。一方でコロンビアとバチカンが新たに参加した。大阪府の吉村洋文知事は同日、府庁内で記者団の取材に応じ、47カ国目がマルタと明かした上で「協会など関係者が協力した結果だ」と評価した。
■国民審査、6人信任確定 最高裁裁判官(共同通信2024.11.01)
中央選挙管理会は1日、衆院選と同時に実施された最高裁裁判官の国民審査について、投票数などの確定値を発表した。今崎幸彦長官ら6人全員が信任された結論は変わらなかった。投票率は前回より2.05ポイント低い53.64%。審査対象は2021年の衆院選後に任命された裁判官で、他に尾島明、宮川美津子、平木正洋、石兼公博、中村慎の各氏。近年の審査対象者は罷免を求められた率が10%を下回っていたが、今回は最多の今崎氏11.46%を含む4人が10%以上だった。今回から在外邦人も投票できるようになり、1万5113人が投票。投票率は15.83%だった。1949年の第1回以来、罷免された例はない。
■洪水の死者205人に-不明者の捜索続く-スペイン(時事通信2024.11.01)
スペイン東部バレンシア自治州の災害対策本部は1日、大規模洪水による州内の死者が202人に達したと発表した。近隣2州での3人の死者を含め、犠牲者は計205人となった。不明者の捜索は続いており、さらに犠牲が増える可能性もある。トレス地域政策相は10月31日の記者会見で、まだ「何十人もの不明者」がいると述べていた。スペインでは同29-30日、東部から南部にかけて集中豪雨に見舞われた。短時間での記録的な雨量について専門家らは温暖化を背景とした異常気象の可能性を指摘。行政による避難指示や救助隊派遣の遅れが被害拡大を招いたという批判も上がっている。
(コメント:天変地異の時代かと。1日も早く復旧が進むよう祈ります)