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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

詩歌鑑賞:ボードレール「梟」

《上田敏「海潮音」による翻訳》

梟(ふくろふ)/シャルル・ボドレエル

黒葉(くろば)水松(いちゐ)の木下闇(このしたやみ)に
並んでとまる梟は
昔の神をいきうつし、
赤眼(あかめ)むきだし思案顔。

体(たい)も崩さず、ぢつとして、
なにを思ひに暮がたの
傾く日脚(ひあし)推しこかす
大凶時(おほまがとき)となりにけり。

鳥のふりみて達人は
道の悟(さとり)や開くらむ、
世に忌々(ゆゆ)しきは煩悩と。

色相界(しきそうかい)の妄執(もうしゆう)に
諸人(しよにん)のつねのくるしみは
居(きよ)に安(やすん)ぜぬあだ心。
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