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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

2015.12.23ホームページ更新

2015年12月23日付で更新した内容は下記のとおりです。

物語ノ本流》http://mimoronoteikoku.tudura.com/astrolabe/content.html
第二部、第四章「熊野道(前篇)」を完成&公開しました。

本当は前日(2015年12月22日)の時点で完成&公開の準備が終わっていたのですが、 ここ当分の「師走ならではの多忙」と無理がたたっていたみたいで、管理人は風邪気味でダウンしておりました…orz

《熊野古道についてのデータ/「熊野道・前篇」の舞台は、主に伊勢路》

  • 紀伊路(渡辺津~田辺、約198km:時代によって若干ルート変化あり)
  • 小辺路(高野山~熊野三山、約70km)
  • 中辺路(田辺~熊野三山、約129km)
  • 大辺路(田辺~串本~熊野三山、約120km)
  • 伊勢路(伊勢神宮~熊野三山、約160km)

《おまけ:熊野道のイメージ画像》

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2015.09.01ホームページ更新

★第二部・第三章「七夕」=コミック&字幕ともに完成しました。

⇒ホームページ内:物語ノ本流コーナーから飛べます

第二章「夏越祓」の部分だけでは内容が終わらず、「章という形で続きを語る」という感じで作成していました。しかし、予想以上にギュッと内容の詰まったパートになりました。

新しい登場人物は、物語のもう1本の幹線を成す重要人物・叡都(エイト)王です。最初はボンヤリと、御影王に対して対照的な人物=それじゃ、名前も対照的で「輝弥(カグヤ)王かな?」という感じで動かしていたキャラクターでした。

…が、「七夕の章」を作成している内に、この「今様の光源氏」という人物の周辺=特に父親に当たる人物の名前がハッキリと決まった(=叡仁王)と言う事があり、自動的に「叡都王」と決まりました。

キャラ詳細は物語の中で語って行く予定ですが、この叡都王、なかなか複雑な人物です。味方/敵に対する態度の、二重性格と言っても良い程の、激しい落差。そして、無能とみなした部下は、実にアッサリと、クビにする…厳罰を与える事も厭わない。いずれにせよ叡都王は、穏やかな性格の人物ではありません(御影王の短気な性格と、出方は似ているけれど)。

…叡都王の人となりについて、ちゃんと描き出せたか、それが分かりやすい形になっているかどうかは、今のところ自分では判断がつきませんが、とりあえず、要点はクリアしたと思います。

他にも新しい登場人物があります。派手キャラにせよ、地味キャラにせよ、以後の章でそれなりに特色のある行動をする予定です。

描いていて一番楽しかったのは、鳩屋敷顕輝(はとやしき・あきてる)。生まれながらの、苦労知らずの御曹司。性格も特にヒネくれておらず、派手で陽気で、楽しい人物です。

当時は、有力な貴族が国政に関与した時代であります。大貴族の御曹司=将来の大政治家としての、まともな業務能力があるかどうかについては「超・特大の疑問符」が付くのですが、気楽な遊び仲間としては、最高のお相手かと思います。

後は、明日香姫の父親=京極大納言キャラが、どのような印象をもたらすか知りたいところであります(一応、オババを解説係に見立てて「神経が細い人物」と紹介してある)。

父親(京極大納言)と娘(明日香姫)の口論シーンは、楽しく描けました。この遠慮無しのやり取りは、カモさんに割と印象を残した…という設定になっています。

その後、カモさんは瀬都について、「瀬都姫という事は、何度も考えていた」と言及しています。目下、表と裏に渡る様々な理由があって、瀬都の事は、「公的には使用人」として受け入れているという、曖昧な状態。将来的に、本当に養女として受け入れるかどうかは、まだ未知数であります(物語の流れ次第です)。

★呪術方面でも新しい設定や説明が展開★

呪術に関わる最強レベルの霊威=「敷星(シキボシ)」「ミカボシ」「守護星」の三種類があるという設定です。他には、特に「**ホシ」と呼ばれるような存在は無く、この三種類だけが別格です。

【シキボシ(敷星)】
強大な呪術が施された金属物であり、魔法陣の術を通じて土地を制圧し支配するという呪力作用を持つ。最も普通に見かける妖霊星である。
ごくまれだが、シキボシが破裂し暴走した場合は、即死性の猛毒として作用する(鉱毒や水銀毒が強烈になった感じ)。
ちなみに、木や石も、やろうと思えばシキボシ加工は可能である。ただし、加工に膨大な手間が掛かるため、実際に利用するには不便すぎるのである(「桃栗三年・柿八年/石の上にも三年」と言う)。これらに比べれば、金属は、瞬間的かつ容易に呪術工作が可能である。

「守護星」の定義は今のところ謎めいていますが、「守護」というネーミングから想像されるアレコレ、という感じで理解してOKです。古い言葉にすれば「守星(モリボシ・モロボシ)」とか「御守星(ミモロボシ)」という風になります。しかし、その辺は単なる言い換え(フリガナの問題)なので、余り意識しなくても良いです

破壊的な呪力作用に満ちた妖霊星(シキボシ・ミカボシ)とは違い、守護星は、一般に有害な影響はありません。瀬都にしても、「自分の中に守護星がある」という事実を全く感知しておらず、何か妖術を使っていても、「全く手応えは無い」と言及しています(「夏越祓」50-51頁,参照)。「手応えの無いホシ/実感の無いホシ」と言う事は確実に言えます。

これまでのストーリーから分かる点だけ書き出してみると、以下の通り:

◇ミカボシは暴走する(人間にはコントロール不可の)呪力&霊威の塊であるが、守護星の力を利用すると、何故か、ミカボシの霊威を自由自在に操れる。破壊に使うのも守護に使うのも、思いのまま

◇ミカボシのような、特定の血筋に関連する霊威では無い。守護星は、何らかのきっかけで、獲得されたり失われたりする物である。その獲得/損失レベルに応じて、霊力の強弱に増減があるらしい。守護星は非常に数少ない存在らしい(=シキボシ・ミカボシに比べると、明らかに希少)。完璧な守護星を獲得した呪術師は、ミカボシの猛威をも自由自在に操れる故、最強レベルの呪術師となる

◇守護星が、極めて濃密な霊威の塊である事は確かである。その高密度の霊威によって、精神は乱れるものの、身体の傷の治癒を劇的に早める(=これは普通の霊力でも同じ作用があるが、やはり守護星となると別格である)。また、呪術師の能力の無い一般人を、呪術師にする作用があるらしい

※実際、瀬都の大怪我は、いつ死んでもおかしくないレベルだったのだが、守護星の一部の欠片が入ったお蔭か、上京の長旅に耐えられる程度に傷が塞がった(実際、雪森郷事件の1ヵ月後には、既に都へと向かっていた)。まさしく「守護」作用なのである。そして瀬都は、まぐれ当たりレベルだが、呪術を使ったと言える

2015.06.01ホームページ更新

2015年6月1日付で更新した内容は、下記のとおりです。

■物語ノ本流》http://mimoronoteikoku.tudura.com/astrolabe/content.html
コミック作品、第二部・第二章「夏越祓」を追加しました。

「夏越祓」の章は、物静かな内容ではありますが、今後の物語の方向を決定的にする重要な伏線が幾つも含まれており、過去・現在・未来のストーリーの整理について、非常に頭を絞った物となりました。いわば、大きな転回点(ビッグ・ターニング・ポイント)という位置づけであります。

転回点のきっかけとなった決定的なイメージは、「闇夜の中を、さ迷う少女」。

何故なのか分かりませんが、不意に、外せないイメージとして浮上。

「何故そんな症状を発したのか?」「それ程のショックとは何か?」を考察し続けて、少女が、わざわざ、陸奥の果てと言っても良い程の辺境から上京する羽目になった、そもそものきっかけとなった過去の事件(過去の因縁)に行き当たり…

5W1H「いつ、何処で、誰が、何を、何故、如何にして」が固まりました。

過去のページに戻ってストーリー・チェックしてみたところ、微妙にそれっぽいセリフがあり、辻褄は合っている状態なので、この件に関しては、過去にさかのぼる修正はありません。

※ちなみに「輝弥王」⇒「叡都王」の人名変更は、今回のストーリー・チェックの副産物であります

https://twitter.com/mangakato/status/580499307314434049
かとうひろし@mangakato
「ストーリーマンガ」は、エピソードの組み合わせで構成され、一つのストーリーとして成り立っています。各エピソード毎に「5W1H」が必要になり、全体を通した「5W1H」が別に本筋として必要になります。

このツイートには、色々な示唆を頂きました(感謝)。

将来のストーリーに関わる重要な伏線として、書き手サイド立場としては、勾玉に注目を頂きたいところ…と、期待してみる…

*****

「夏越祓」の章で、哲学的に考えた事メモ

■言語呪術/言語芸術のテーゼ
「形霊(カタチ)と形代(カタシロ)」=例えば「無限の流れである意識と、有限の単位である言語」
「思考は言語によって構成される」
「記憶もまた言語である…言語化されない記憶は記憶たりえぬ」
「記憶の層が、一個の人格を成す」

以上


ほかに勉強したことメモ

夢遊病=ノンレム睡眠時に起きる。通常は15分ほどで終わるが、1時間も続くものもある。本人は深い熟睡状態にあるため、声を掛けた程度の刺激では目を覚まさない。朝になって目が覚めたときには、夢中遊行の記憶が消失している

目が開いている状態で歩き回るケースでは、目が開いているので「物は見えている」らしいが、やはり明確な意識が無いため、意味のある反応は返して来ないという

明確な原因は不明だが、脳の発達が未熟なために生じるという説が多く支持されている(実際、幼い子供に多い)。夢中歩行は、過去に学習し記憶した身体の運動がメインになる。大人の夢遊病の場合は、多くは身体リズムの崩れやストレスが原因であり、無意識に自動車運転するなどの高度な行動が見られるようになるという報告がある

脳が未発達な子供の夢遊病には、夜驚症を伴うケースがある。恐怖の感情が無意識のうちに暴走するためでは無いかと言われている。意識が覚醒していれば、我慢などして押さえられるが、我慢する事はストレスになるので、根本的な解決にはつながりにくいらしい(恐怖の原因をつきとめて取り除く方が良い。雷が怖い、一人で夜のトイレに行くのが怖い、などの原因が考えられるらしい)