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制作日誌/深森の帝國

〝認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する〟・・・ヘルダーリン(ドイツ詩人)

タロット09隠者

タロット09隠者

カード・メッセージ=「探求」

主な意味=叡智と卓見、内省的、求道的、思慮分別、冷静沈着、寡黙(多くを語らない)、永遠の真理、地道な活動、核心を突く意見、深い孤独、仙人、隠遁、放浪

「隠者」カードは、現世における最高の知識と知恵を持つ者を暗示しています。その深遠な思考は、宇宙の果てまで及ぶかと思われる程のもの…しかし同時に、その者は「隠された者(隠者)」である事をも暗示しています。真に深いものは、なかなか表に出ないという事であります

伝統的な絵柄においては、隠者は、暗い色のマントをまとい灯(ランタンなど)を提げて歩く老人として描かれますが、ここでは、その知性の深さをよりハッキリさせる為、星や銀河の散らばる大宇宙のイメージを背景に置いて描画しました

深い沈黙の中に隠された、最高の知…それは「オカルト」=「隠されたもの」と重なるかも知れません。隠者は極めてオカルト的、精神的、宗教的なカードでもあります

深い孤独の中で、内省と思索によって構成されてゆく、隠者の叡智。外側から借りてきた知識をそのままパッチワークした知ではなく、内面の奥を見つめることでより深さと輝きを増した知。それが、霊的進化を導く道標となる…

逆位置の場合は、劣等感の裏返しとして虚勢や見栄を張る、或いは愚痴をこぼし続ける人物像がイメージされます。宗教や精神世界に狂信する事で自己の虚しさから逃れようとしたり、メサイア・コンプレックスなどの依存症を併発したり…。世間知らず、変わり者、偏屈…

「隠者」カードは、正位置と逆位置の落差が極端であり、扱いの難しいカードであります

☆タロット連作&解釈の一覧を作成=〔ホームページ更新2013.6.14

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タロット11力

タロット11力

カード・メッセージ=「意志」

主な意味=忍耐、たゆまぬ努力、難関に挑む、勇気、基礎体力、怨敵調伏、不屈の精神、隠れた力を見出す、コントロール(感情の制御など)、征服

カード「戦車」に比べると、静的なイメージのあるカードです。百獣の王・ライオンの皮をかぶった人物をイメージして描画。獣の皮をかぶり、其れまでとは全く異なる視野に触れる事で、この人物は、自らの内なる「得体の知れぬ力」に気付く筈です

己の中に、新たに見出すパワー…暴力的な感情などをコントロールする事は、如何なる賢人にも困難なものであります…古代社会の中では、若者に数々の試練を課す「通過儀礼」がありました。未熟な子供は、その中で大人の意志の力を、そして力の善悪を見出し、その力の巧みな制御を覚えてゆく事で、本物の大人になってゆくのです

『スター・ウォーズ』の主人公ルーク・スカイウォーカーもまた、厳しい修行の最終段階に見出したのは、自らの内なる暗黒面でした。彼は、己の内なる暗黒のパワーと対決して、初めて英雄への道を踏み出したのです

逆位置の場合はやはり、『スター・ウォーズ』における暗黒卿ダース・ベイダーのイメージであると申せましょう。或いは、無気力・臆病・無謀な賭けに出る…などという、意志の脆弱さゆえの、行き当たりばったりな行動を暗示する…と読む事も出来ると思います

☆タロット連作&解釈の一覧を作成=〔ホームページ更新2013.6.14


☆「力」をテーマにした民話伝承で印象深い内容があるので、以下にご紹介:

聖クリストフォロス=旅行者・航海者・自動車の運転者の守護聖人

カトリック教会における伝承(ウィキペディアより)
伝承ではクリストフォロスはもともとレプロブスという名前のローマ人だったという。彼はキリスト教に改宗し、イエス・キリストに仕えることを決意したという。別の伝承ではカナン出身でオフェロスという名前だったともいう。彼は隠者のもとを訪れ、イエス・キリストにより親しく仕える方法を問うた。隠者は人々に奉仕することがその道であるといい、流れの急な川を示して、そこで川を渡る人々を助けることを提案した。レプロブスはこれを聞き入れ、川を渡ろうとする人々に無償で尽くし始めた。
ある日、小さな男の子が川を渡りたいとレプロブスに言った。彼があまりに小さかったのでお安い御用と引き受けたレプロブスだったが、川を渡るうちに男の子は異様な重さになり、レプロブスは倒れんばかりになった。あまりの重さに男の子がただものでないことに気づいたレプロブスは丁重にその名前をたずねた。男の子は自らがイエス・キリストであると明かした。イエスは全世界の人々の罪を背負っているため重かったのである。川を渡りきったところでイエスはレプロブスを祝福し、今後は「キリストを背負ったもの」という意味の「クリストフォロス」と名乗るよう命じた。
同時にイエスはレプロブスが持っていた杖を地面に突き刺すように命じた。彼がそうすると杖から枝と葉が生えだし、みるみる巨木となった。後にこの木を見た多くの人々がキリスト教に改宗した。この話は同地の王(伝承によってはデキウス帝)の知るところとなり、クリストフォロスは捕らえられ、拷問を受けたあとで斬首されたという。

タロット07戦車

タロット07戦車

カード・メッセージ=「勝利」

主な意味=先手必勝、独立、開拓精神、指揮権奪取、正義と信念によって前進する力、闘志、勇猛、気合い、モテ期、障害の克服、向かうところ敵なし、ガッツ

前途洋々を暗示するカードです。何よりもスピード感が強調されるものであり、次々に新たな世界が開けてゆく時の興奮や躍動感も合わせて暗示されています。胸がわくわくするような冒険の真っ只中…青春の時間と申せましょう

高速で回り続ける車輪を意識して描画。周囲の景色は高速で流れ過ぎてゆくため、詳しい部分は分からないものの、行く手には何か未知のものがありそうな…というイメージです

このカードは極めて単純な意味を持っていますが、状況によっては慎重な読みが必要です。余りにも速過ぎる情勢変化は、人の感覚を狂わせます…人の判断も

逆位置においては、周囲の光景が見えなくなる事による様々な弊害…という意味が浮かび上がってきます。傍若無人であることもまた、「戦車」カードの側面であります。また、戦車に限らず、およそ「車」というものにはブレーキとアクセルが付いていますが、その微妙な使い分けが出来てこそ、戦車は戦車たりえると思うのであります

勝利に次ぐ勝利は狂気の暴走につながるという危うさを秘めており、その意味では、深い闇を暗示するカードでもあると思います

☆タロット連作&解釈の一覧を作成=〔ホームページ更新2013.6.14